2013/12/03(火) - 12:50
埼玉県吉見市で開催されているGPミストラルSeason 2013 第3戦が12月1日に開催された。最高峰ELITE-MENクラスは前田公平(スコット)が2位以下を大きく引き離して独走勝利を飾った。
今季AJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)を離脱して、独自の路線を歩みだした6年目のGPミストラル。第1戦が10月6日、第2戦が11月10日に開催されたのに続くSeason 2013の第3戦だ。CWでの今期の取材は初めて。
AJOCCでいうカテゴリー1相当のELITE-MENクラス。エントリーは13人とやや寂しいが、スタートはJE-1(7人)およびJE-2(19人)、ELITE-WOMEN(3人)との同時出走となった。
晴天のなか、絶好のコンディション。採用されたロングコースは泥区間が少ないものの、泥が凍ってできた凹凸による強烈な振動がライダーを襲う区間が難所となった。暖かな一日だったがこのガチガチの凍土は結局は終日まで緩まず。
10時45分にスタートが切られたELITE-MENを含む4レース。スタート直後から前田公平(スコット)が抜けだして独走状態に入る。2,3,4位を争うパックを形成したのは三上和志(サイクルクラブ3UP)、國井敏夫(Mile Post Racing)、山田誉史輝(BIKERANCH/DIRTFREAK)の3人。山田はJE-1の選手だがエリートにまじり気を吐く。
前田公平の速さは巧みなバイク操作テクニックによるところが大きい。15センチほどの高さの2連シケイン(障害物)はバイクに乗ったままバニーホップで2つともクリアし、降車によるロスが無い。走るごとに3人とのタイム差を開いていく。
後続の3人のパックのテール・トゥ・ノーズのバトルも観ものだ。中盤以降はこの3人もシケインをバニーホップで飛び越えるようになり、3人それぞれ先頭交代を繰り返しながらスピードを上げ、お互いのミスを誘うかのよう。
終盤、ラスト3周で国井がアタック。追従する三上と山田。そしてラスト2周でテクニシャン三上が痛恨のコントロールミス。ラインが乱れ、立木にぶつかってストップを強いられた隙に2人の先行を許してしまう。三上は前日に同県・秩父サイクルフェスティバル内で開催された関東シクロクロスで優勝しての2連戦となったが、やはり疲労を残していたようで、その影響からのミスだったようだ。
前田公平は観客たちの「ウィリーお願い!」のリクエストに応え、前輪を持ち上げての2度のウィリーを決めてゴール。余裕の勝利を飾った。2着・3着争いは山田と国井の2人で最後までもつれたが、山田がスプリントで競り勝った。しかし2着の山田はJE-1クラスの優勝となるため、ELITE-MENの3位は4着フィニッシュの三上の手に。
前田公平は「一週間後の全日本を意識してスピードを上げる走りをしてみました。来週は自分のカテゴリー(U23)に強敵が多いので、こうはすんなりいかないと思いますが、頑張ります」とコメント。
エリート男子優勝者には3万円、2位に1万5千円、上位選手にも賞金が手渡され、表彰台ではホクホクの笑顔。2人だけで走ったエリート女子優勝者にも賞金1万5千円が授与された。エリートクラスはプロらしく賞金レースにしてレースの活性化を図るというのがGPミストラル大会主催側の意図だ。
AJOCCを離脱したこと、そして同日に信州クロス上山田大会が開催されたことで従来のカテゴリー1クラスの選手たちは多く上山田のほうに流れた。今後この賞金の高さやエリート選手は参加費無料という制度が呼び水となってエリートクラスが盛り上がるだろうか?
通常クラスのレースを消化した後は、ショートコース1周のみで争うスプリントレースが勝ち上がり方式で行われた。少人数での3ヒート制の戦いを制したのは金子 楓(SNEL CYCLOCROSSTEAM)だった。
また、この大会の参加者のうち、年明けのシクロクロスマスターズ世界選手権に羽鳥和重(cycleclub 3UP)と小田島貴弘(Club SY-Nak)の二人が出場する。参加者全員がエールを送り、二人の健闘を祈った。
GPミストラル参加者でも来週の滋賀・マキノのCX全日本選手権、年代別選手権に出場する選手が多くいる。この日のレースは良い調整レースになったはず。連戦の選手たちは「また来週がんばろう!」と声を掛け合って会場を後にした。
リザルトはGPミストラル公式サイトにてご確認下さい。
フォトギャラリー(CW FaceBook)
photo&text:Makoto.AYANO
今季AJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)を離脱して、独自の路線を歩みだした6年目のGPミストラル。第1戦が10月6日、第2戦が11月10日に開催されたのに続くSeason 2013の第3戦だ。CWでの今期の取材は初めて。
AJOCCでいうカテゴリー1相当のELITE-MENクラス。エントリーは13人とやや寂しいが、スタートはJE-1(7人)およびJE-2(19人)、ELITE-WOMEN(3人)との同時出走となった。
晴天のなか、絶好のコンディション。採用されたロングコースは泥区間が少ないものの、泥が凍ってできた凹凸による強烈な振動がライダーを襲う区間が難所となった。暖かな一日だったがこのガチガチの凍土は結局は終日まで緩まず。
10時45分にスタートが切られたELITE-MENを含む4レース。スタート直後から前田公平(スコット)が抜けだして独走状態に入る。2,3,4位を争うパックを形成したのは三上和志(サイクルクラブ3UP)、國井敏夫(Mile Post Racing)、山田誉史輝(BIKERANCH/DIRTFREAK)の3人。山田はJE-1の選手だがエリートにまじり気を吐く。
前田公平の速さは巧みなバイク操作テクニックによるところが大きい。15センチほどの高さの2連シケイン(障害物)はバイクに乗ったままバニーホップで2つともクリアし、降車によるロスが無い。走るごとに3人とのタイム差を開いていく。
後続の3人のパックのテール・トゥ・ノーズのバトルも観ものだ。中盤以降はこの3人もシケインをバニーホップで飛び越えるようになり、3人それぞれ先頭交代を繰り返しながらスピードを上げ、お互いのミスを誘うかのよう。
終盤、ラスト3周で国井がアタック。追従する三上と山田。そしてラスト2周でテクニシャン三上が痛恨のコントロールミス。ラインが乱れ、立木にぶつかってストップを強いられた隙に2人の先行を許してしまう。三上は前日に同県・秩父サイクルフェスティバル内で開催された関東シクロクロスで優勝しての2連戦となったが、やはり疲労を残していたようで、その影響からのミスだったようだ。
前田公平は観客たちの「ウィリーお願い!」のリクエストに応え、前輪を持ち上げての2度のウィリーを決めてゴール。余裕の勝利を飾った。2着・3着争いは山田と国井の2人で最後までもつれたが、山田がスプリントで競り勝った。しかし2着の山田はJE-1クラスの優勝となるため、ELITE-MENの3位は4着フィニッシュの三上の手に。
前田公平は「一週間後の全日本を意識してスピードを上げる走りをしてみました。来週は自分のカテゴリー(U23)に強敵が多いので、こうはすんなりいかないと思いますが、頑張ります」とコメント。
エリート男子優勝者には3万円、2位に1万5千円、上位選手にも賞金が手渡され、表彰台ではホクホクの笑顔。2人だけで走ったエリート女子優勝者にも賞金1万5千円が授与された。エリートクラスはプロらしく賞金レースにしてレースの活性化を図るというのがGPミストラル大会主催側の意図だ。
AJOCCを離脱したこと、そして同日に信州クロス上山田大会が開催されたことで従来のカテゴリー1クラスの選手たちは多く上山田のほうに流れた。今後この賞金の高さやエリート選手は参加費無料という制度が呼び水となってエリートクラスが盛り上がるだろうか?
通常クラスのレースを消化した後は、ショートコース1周のみで争うスプリントレースが勝ち上がり方式で行われた。少人数での3ヒート制の戦いを制したのは金子 楓(SNEL CYCLOCROSSTEAM)だった。
また、この大会の参加者のうち、年明けのシクロクロスマスターズ世界選手権に羽鳥和重(cycleclub 3UP)と小田島貴弘(Club SY-Nak)の二人が出場する。参加者全員がエールを送り、二人の健闘を祈った。
GPミストラル参加者でも来週の滋賀・マキノのCX全日本選手権、年代別選手権に出場する選手が多くいる。この日のレースは良い調整レースになったはず。連戦の選手たちは「また来週がんばろう!」と声を掛け合って会場を後にした。
リザルトはGPミストラル公式サイトにてご確認下さい。
フォトギャラリー(CW FaceBook)
photo&text:Makoto.AYANO
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