2013/11/12(火) - 09:23
11月2~4日に幕張メッセにて開催されたサイクルモードインターナショナル。今回はパナソニックサイクルテック、ヴィットリア・ジャパン、アンカー、ミズタニ自転車の各ブースで見つけた気になる逸品をピックアップして紹介します。
ブリヂストンサイクル アンカー
空中にカラフルなフレームが何台も浮く、ひと際立体感あるブースを構えていたのはブリヂストンサイクルのスポーツバイクブランド、アンカー。メイン展示は今年のツール・ド・北海道で優勝を上げたトマ・ルバ選手のRMZ。隣にはチャンピオンジャージやトロフィーも飾られており、華やかな印象だった。
宙に浮くフレームが目立っていたアンカーのブース
コンシェルジュに扮した元オリンピアンがお出迎え
一人一人にみっちりと時間をかけてフィッティングしてくれた
ブースではブリヂストン・アンカーの選手らも案内役を務めていて、中にはトレーニング方法や走り方などを聞き出しているファンの姿も。今年は2014年モデルとしてデビューしたロングライド用ミッドレンジモデル「RS8」の注目が高かったようだ。そしてお子さんを連れたお父さんを集めていたのは、キッズ用ロードの「RJ1」。アンカーが本気で生み出したこのバイクのプライスは、完成車で9万円。ご家庭に一台、どうでしょう?
ブリヂストン・アンカーの選手も対応にあたっていた。写真はMTBの平野星矢選手
オーダーの手順がわかる展示
そしてブースの裏側では、事前予約をした方に向けた徹底フィッティングを実施。元オリンピック選手の藤田晃三さんや飯島誠さんらがコンシェルジュに扮し、応募者一人一人に専用マシンを使い細かなアドバイスを行い人気を呼んでいた。そのほかアンカーのバイクオーダーシステムが実際に分かる展示もあり、これを見ながら次なるバイクの夢を膨らませた方も多いのではないだろうか。
パナソニックサイクルテック
大阪の自社工房にて、一台一台丁寧にオーダーバイクを作り上げるパナソニックサイクルテック。性能や各部の仕上げに定評のあるチタンやクロモリロードを多く揃える同社のブースで、今回最も目につく場所に据えられていたのがクロモリ製ディスクロードバイク「ORCD01」だ。
構想から10年を掛けて完成したクロモリ製ディスクロードバイクORCD01
詳しい製品解説はこちらの新製品情報に詳しいが、このバイク、実は単にトレンドを追っただけではなく、その裏には10年以上に渡る開発史があったのだという。開発担当の金森修一さんに聞いてみた。
「確か2003年だったと思いますが、当時信州の山岳地帯を4日間走るイベントがありました。しかもその時は全日程で雨。当然濡れたキャリパーブレーキでは制動力が落ち、かなり辛い思いをしたんです。その当時からロードにもディスクブレーキは必要なのでは?と思い、開発を始めました。
リアエンドは新規品
幅広いカラーオーダーシステムの一例を展示。塗装はオーダーバイクの楽しみの一つ
ニッケルクロモリチューブとオーバーサイズヘッドを投入した軽量モデル FRC17
パナソニックレディースチームが使う実車が展示された
ただその時は、ロード用ブレーキレバーで引くディスクブレーキはキワモノだったため、製品化は難しかった。当時のプロトタイプには切断加工したMTBハブを組み合わせたりと色々やりましたね(笑)。そしてようやく最近になって専用パーツが増えたので、製品化に踏み切ったのです。構想から製品化まで10年がかりでしたね。信州のエピソードも踏まえ「シクロクロスの派生」ではなく、ピュアなエンデュランスロードバイクとして完成した一台です。
MTB用のブレーキマウントを使うと、パイプが細いためにハウリング(ビビリ)現象が起きるため、そうしたパーツは全て新規に金型を起こしました。あくまで実用第一のバイクですから、クロモリフレームにしたのは価格を抑えるため。チタンだと高くついてしまいますからね。」とのことで、かなり気合いの入った一台だ。コメントの通りフレーム価格は15万円ほどとお手軽、ディスクブレーキロード入門バイクとして如何だろうか?
その他ポップなグラフィックのパナソニックレディースチーム使用バイクも飾られ、豊岡英子選手のサイン会も行われるなど、いつにも増して華やかな印象のブース展開だった。
ミズタニ自転車
国内外の多種多様なブランドを取り扱うミズタニ自転車は、各ブランド毎に区切ったブースを今年も展開。数ある展示品の中からCW編集部が注目したのは、29erバイクで名を馳せたniner(ナイナー)がデビューさせたグラベルロードバイク「RLT9」だ。
アウトドアなディスプレイが目立っていたミズタニ自転車のブース
RLT9はナイナーが初めて手がける「オールロードマウンテンバイク」で、ディスクブレーキに対応することがトピックスだ。トレイル遊びなどにも対応させるため車体は頑丈なアルミ製で、フォークはカーボン製。フェンダーやラック用のダボも取り付けられるなど、様々な遊び方を楽しめる一台だという。展示車にはシマノの油圧ディスクブレーキが取り付けられていた事もあり、大きな注目が集まっていた。
クリス・キングの限定ターコイズカラー
ninerがデビューさせたグラベルロードバイク「RLT9」
初代のストレートフレームを復刻させた「BD-1 Classic」
SMPサドルを体感できるコーナー。シマノの油圧ディスクブレーキが搭載されていたことにも注目
また、スポーティーな小径車を手がけるBD-1のブースでは、絶版となって久しい初代のストレートフレームを復刻させた「BD-1 Classic」が今回のサイクルモードでデビュー。しかし過去への回帰では無く、折りたたみのしやすさや走行性能はそのまま維持した意欲作だ。
その他クリス・キングの限定ターコイズブルーや日東の新型ハンドル&ステム、トムソンの可動シートポストなど話題の製品が目立っていたが、中には幅を広めたファットバイク専用のタイヤはめ込み型スタンドなどおもしろアイテムも展示されていた。
ヴィットリア・ジャパン
イタリアのスポーツ自転車用タイヤブランドであるヴィットリアは今年、ジロ・デ・イタリア優勝トロフィー「トロフェオ・センツァフィーネ」(実物!)を初来日させ、同社がサポートするUCIプロツアーチームのサイン入りジャージと共に、ロード競技色を強く押し出した展示を行っていた。
コーナリング時のグリップを高めたシクロクロスタイヤ CROSS XL
タイヤラインナップでは先日デビューしたばかりのマッド用チューブラーCXタイヤ「CROSS XL」の他、耐久性を高めたロードタイヤ「ディアマンテプロ」もオススメの一品。その他取り扱いを開始したばかりの「アスチュート」サドルは注目の的で、新興ブランドとは思えない豊富なラインナップとメイドインイタリーの丁寧な造りには関心が集まっていた。ちなみにサドルを試乗した方には淹れたてエスプレッソの用意もあった。
初来日したジロ・デ・イタリア優勝トロフィー「トロフェオ・センツァフィーネ」
ヴィットリアがサポートするプロツアーチームのサイン入りジャージを展示
ディアマンテ・プロは耐久性を高めたミドルレンジのロード用タイヤだ
イタリアのアスチュートサドル。スタイリッシュながらクッション性も高いレーシングサドルだ
text:So.Isobe
photo:CW編集部
ブリヂストンサイクル アンカー
空中にカラフルなフレームが何台も浮く、ひと際立体感あるブースを構えていたのはブリヂストンサイクルのスポーツバイクブランド、アンカー。メイン展示は今年のツール・ド・北海道で優勝を上げたトマ・ルバ選手のRMZ。隣にはチャンピオンジャージやトロフィーも飾られており、華やかな印象だった。
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パナソニックサイクルテック
大阪の自社工房にて、一台一台丁寧にオーダーバイクを作り上げるパナソニックサイクルテック。性能や各部の仕上げに定評のあるチタンやクロモリロードを多く揃える同社のブースで、今回最も目につく場所に据えられていたのがクロモリ製ディスクロードバイク「ORCD01」だ。
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MTB用のブレーキマウントを使うと、パイプが細いためにハウリング(ビビリ)現象が起きるため、そうしたパーツは全て新規に金型を起こしました。あくまで実用第一のバイクですから、クロモリフレームにしたのは価格を抑えるため。チタンだと高くついてしまいますからね。」とのことで、かなり気合いの入った一台だ。コメントの通りフレーム価格は15万円ほどとお手軽、ディスクブレーキロード入門バイクとして如何だろうか?
その他ポップなグラフィックのパナソニックレディースチーム使用バイクも飾られ、豊岡英子選手のサイン会も行われるなど、いつにも増して華やかな印象のブース展開だった。
ミズタニ自転車
国内外の多種多様なブランドを取り扱うミズタニ自転車は、各ブランド毎に区切ったブースを今年も展開。数ある展示品の中からCW編集部が注目したのは、29erバイクで名を馳せたniner(ナイナー)がデビューさせたグラベルロードバイク「RLT9」だ。
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その他クリス・キングの限定ターコイズブルーや日東の新型ハンドル&ステム、トムソンの可動シートポストなど話題の製品が目立っていたが、中には幅を広めたファットバイク専用のタイヤはめ込み型スタンドなどおもしろアイテムも展示されていた。
ヴィットリア・ジャパン
イタリアのスポーツ自転車用タイヤブランドであるヴィットリアは今年、ジロ・デ・イタリア優勝トロフィー「トロフェオ・センツァフィーネ」(実物!)を初来日させ、同社がサポートするUCIプロツアーチームのサイン入りジャージと共に、ロード競技色を強く押し出した展示を行っていた。
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text:So.Isobe
photo:CW編集部
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