2013/09/23(月) - 05:26
ツール・ド・フランスのチームTTを0.75秒差で失ったオメガファーマ・クイックステップが、リベンジの如く0.81秒差でオリカ・グリーンエッジを打破。最後まで手に汗握る接戦は、世界王者トニ・マルティン(ドイツ)擁するベルギーチームに軍配が上がった。
昨年ロード世界選手権に復活したチームタイムトライアル。モンテカティーニ・テルメからフィレンツェまでの57.2kmが、「世界最速チーム決定戦」の舞台となった。
コースの前半部はとにかく真っすぐで、世界選手権のために舗装されたアスファルトはゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)曰く「まるでトラック(競技場)のようにスムーズ」。
フィレンツェ市内を駆け抜ける後半部はテクニカルで、観光名所ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)の前など、石畳が敷かれた区間も多数。単純なパワー勝負でなく、テクニックとチームの連携が問われるコースだ。
3分30秒間隔でスタートを切った35チームのうち、レース前半から飛ばしたのはオメガファーマ・クイックステップ、オリカ・グリーンエッジ、スカイプロサイクリングの3チーム。昨年2位に入ったBMCレーシングチームは思うようにタイムを伸ばせない。
第2計測ポイントではオメガファーマ・クイックステップがオリカ・グリーンエッジに対して12秒のリード。しかし第3計測ポイントで形勢が逆転する。オリカ・グリーンエッジが1.45秒リードでフィレンツェ市内に突入した。
オメガファーマ・クイックステップの作戦は、パワーが必要とされる前半部でベルギーTTチャンピオンのクリストフ・ファンデワール(ベルギー)とミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)が力を尽くし、後半にかけて世界TTチャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ)とフランスTTチャンピオンのシルヴァン・シャヴァネル(フランス)、ニキ・テルプストラ(オランダ)、ペーター・ベリトス(スロバキア)の4人でゴールを目指すというもの。
GPS計測によるとオメガファーマ・クイックステップとオリカ・グリーンエッジのスピードは互角。先にゴールしたオリカ・グリーンエッジのタイムは1時間04分17秒。最終走者オメガファーマ・クイックステップがスプリントしながらフィニッシュラインを切ると、タイム表示は1時間04分16秒で止まった。向かい風基調の中、平均スピードは53.402km/h。
1時間以上走って、両者のタイム差は0.81秒。ツールのチームTTでオリカ・グリーンエッジに0.75秒差で敗れたオメガファーマ・クイックステップが、リベンジを達成するとともに、大会連覇を果たした。
「見る側からすれば、大差の勝利より、僅差の勝利のほうが盛り上がったんじゃないかな」。チームメイトとともに2年連続金メダルを受け取ったマルティンは喜ぶ。「チーム全体が極限まで追い込んだ。監督のトム・スティールスは無線で叫び続けていたよ。エキサイティングなレースだったと思う。タイムを挽回するのは並大抵のことじゃない。ラスト10kmはリスクを背負って攻めたんだ。勝つか、それとも自滅するかのどちらかだった」。
22秒差の3位には、クリス・フルーム(イギリス)やリッチー・ポルト(オーストラリア)擁するスカイプロサイクリングが入り、BMCレーシングチームは1分02秒差の4位に。ファビアン・カンチェラーラ(スイス)率いるレディオシャック・レオパードは5位。ブエルタ・ア・エスパーニャのチームTTで優勝したアスタナが6位に入っている。上位18チームはUCIプロチーム。平均年齢20歳というUCIコンチネンタルチームのラボバンクデヴェロップメントチームが19位に入った。
ロード世界選手権2013エリート男子チームタイムトライアル結果
1位 オメガファーマ・クイックステップ 1h04'16"81
2位 オリカ・グリーンエッジ +00"
3位 スカイプロサイクリング +22"
4位 BMCレーシングチーム +1'02"
5位 レディオシャック・レオパード +1'17"
6位 アスタナ +1'21"
7位 キャノンデールプロサイクリング +1'28"
8位 ガーミン・シャープ +2'01"
9位 サクソ・ティンコフ +2'14"
10位 モビスター +2'31"
11位 カチューシャ +2'45"
12位 ベルキンプロサイクリング +2'49"
13位 ロット・ベリソル +3'01"
14位 アルゴス・シマノ +3'06"
15位 FDJ.fr +3'19"
text&photo:Kei Tsuji in Firenze, Italy
昨年ロード世界選手権に復活したチームタイムトライアル。モンテカティーニ・テルメからフィレンツェまでの57.2kmが、「世界最速チーム決定戦」の舞台となった。
コースの前半部はとにかく真っすぐで、世界選手権のために舗装されたアスファルトはゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)曰く「まるでトラック(競技場)のようにスムーズ」。
フィレンツェ市内を駆け抜ける後半部はテクニカルで、観光名所ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)の前など、石畳が敷かれた区間も多数。単純なパワー勝負でなく、テクニックとチームの連携が問われるコースだ。
3分30秒間隔でスタートを切った35チームのうち、レース前半から飛ばしたのはオメガファーマ・クイックステップ、オリカ・グリーンエッジ、スカイプロサイクリングの3チーム。昨年2位に入ったBMCレーシングチームは思うようにタイムを伸ばせない。
第2計測ポイントではオメガファーマ・クイックステップがオリカ・グリーンエッジに対して12秒のリード。しかし第3計測ポイントで形勢が逆転する。オリカ・グリーンエッジが1.45秒リードでフィレンツェ市内に突入した。
オメガファーマ・クイックステップの作戦は、パワーが必要とされる前半部でベルギーTTチャンピオンのクリストフ・ファンデワール(ベルギー)とミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)が力を尽くし、後半にかけて世界TTチャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ)とフランスTTチャンピオンのシルヴァン・シャヴァネル(フランス)、ニキ・テルプストラ(オランダ)、ペーター・ベリトス(スロバキア)の4人でゴールを目指すというもの。
GPS計測によるとオメガファーマ・クイックステップとオリカ・グリーンエッジのスピードは互角。先にゴールしたオリカ・グリーンエッジのタイムは1時間04分17秒。最終走者オメガファーマ・クイックステップがスプリントしながらフィニッシュラインを切ると、タイム表示は1時間04分16秒で止まった。向かい風基調の中、平均スピードは53.402km/h。
1時間以上走って、両者のタイム差は0.81秒。ツールのチームTTでオリカ・グリーンエッジに0.75秒差で敗れたオメガファーマ・クイックステップが、リベンジを達成するとともに、大会連覇を果たした。
「見る側からすれば、大差の勝利より、僅差の勝利のほうが盛り上がったんじゃないかな」。チームメイトとともに2年連続金メダルを受け取ったマルティンは喜ぶ。「チーム全体が極限まで追い込んだ。監督のトム・スティールスは無線で叫び続けていたよ。エキサイティングなレースだったと思う。タイムを挽回するのは並大抵のことじゃない。ラスト10kmはリスクを背負って攻めたんだ。勝つか、それとも自滅するかのどちらかだった」。
22秒差の3位には、クリス・フルーム(イギリス)やリッチー・ポルト(オーストラリア)擁するスカイプロサイクリングが入り、BMCレーシングチームは1分02秒差の4位に。ファビアン・カンチェラーラ(スイス)率いるレディオシャック・レオパードは5位。ブエルタ・ア・エスパーニャのチームTTで優勝したアスタナが6位に入っている。上位18チームはUCIプロチーム。平均年齢20歳というUCIコンチネンタルチームのラボバンクデヴェロップメントチームが19位に入った。
ロード世界選手権2013エリート男子チームタイムトライアル結果
1位 オメガファーマ・クイックステップ 1h04'16"81
2位 オリカ・グリーンエッジ +00"
3位 スカイプロサイクリング +22"
4位 BMCレーシングチーム +1'02"
5位 レディオシャック・レオパード +1'17"
6位 アスタナ +1'21"
7位 キャノンデールプロサイクリング +1'28"
8位 ガーミン・シャープ +2'01"
9位 サクソ・ティンコフ +2'14"
10位 モビスター +2'31"
11位 カチューシャ +2'45"
12位 ベルキンプロサイクリング +2'49"
13位 ロット・ベリソル +3'01"
14位 アルゴス・シマノ +3'06"
15位 FDJ.fr +3'19"
text&photo:Kei Tsuji in Firenze, Italy
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