インドネシアのジャワ島東部で開催された3日間のステージレース、ツール・ド・イーストジャワ(UCI2.2)で、チーム右京のホセ・ビセンテが総合優勝、愛三工業レーシングチームの西谷泰治がポイント賞を獲得した。

ジャワ島で開催された3日間のステージレース

2005年に初開催され、今年で8回目の開催を迎えたツール・ド・イーストジャワ。レースが開催されるジャワ島はスマトラ島とバリ島に挟まれたインドネシアの首都ジャカルタのある島で、島の人口は1億2,400万人。世界でもっとも人口の多い島だ。そして赤道直下の熱帯に位置するため、灼熱の暑さが選手たちを襲う。

ジャワ島東部を駆け抜けるツール・ド・イーストジャワジャワ島東部を駆け抜けるツール・ド・イーストジャワ photo : Tour d'East java
今年の大会はジャワ島第2の都市、東部のスラバヤを拠点に開催された。出場したのは13チーム、65名の選手たち。日本からは愛三工業レーシングチームとチーム右京が参加した。チーム右京は初めての日本国外のUCIアジアツアーへの参戦となった。



第1ステージ 
9月4日 スラバヤ〜シドアルジョ 179.6km


大会最長距離で開催された第1ステージは、今大会唯一のフラットステージ。序盤から3選手の逃げができる。中島康晴(愛三工業レーシングチーム)、フェン・チュンカイ(台湾、台湾ナショナルチーム/チャンピオンシステム)、ロー・シーコン(マレーシア、OCBCシンガポール)、アジア代表する逃げのスペシャリスト3選手が、力を合わせて集団からタイム差を稼ぎ、最大でその差を7分まで開いた。

第1ステージ、中島康晴(愛三工業レーシング)が逃げる第1ステージ、中島康晴(愛三工業レーシング)が逃げる photo : Tour d'East java第1ステージ、逃げグループのなかで走る中島康晴(愛三工業レーシング)第1ステージ、逃げグループのなかで走る中島康晴(愛三工業レーシング) photo : Aisan Racing Team

第1ステージ、アヌアール・マナン(マレーシア、バクサイクリングプロジェクト)がゴールスプリントを制し、西谷泰治(愛三工業レーシング)が2位、土井雪広(チーム右京)が3位に続いた第1ステージ、アヌアール・マナン(マレーシア、バクサイクリングプロジェクト)がゴールスプリントを制し、西谷泰治(愛三工業レーシング)が2位、土井雪広(チーム右京)が3位に続いた photo:Tour d'East javaゴールが近づき、タイム差が詰まってくると、集団から追走グループができ、先頭の3選手に合流。最終的には15名の選手が先行し、そこからゴールスプリントとなり、アヌアール・マナン(マレーシア、バクサイクリングプロジェクト)が優勝。西谷泰治(愛三工業レーシング)が2位、土井雪広(チーム右京)が3位と続いた。


第1ステージ 結果
1位 アヌアール・マナン(マレーシア、バクサイクリングプロジェクト) 4h15'45"
2位 西谷泰治(愛三工業レーシング)
3位 土井雪広(チーム右京)
4位 ノルウマルディ・ロスディ(マレーシア、トレンガヌ)
5位 ハリ・フィトリアント(インドネシア、CCNサイクリングチーム)



第2ステージ 
9月5日 シドアルジョ〜パスラン 84.5km


レースのスタート準備をする愛三工業レーシングチームレースのスタート準備をする愛三工業レーシングチーム photo:Aisan Racing Team距離は短いものの、厳しい山頂ゴールの設定。序盤はフラットだが、ラスト30kmを過ぎてから、海抜約0メートルから、標高1,923mまで一気に登るという今大会のクイーンステージだ。この日も序盤から4選手の逃げができる。日本人選手は含まれなかったが、昨日に引き続き、OCBCのローらが積極的に集団との差を広げた。

上りが始まると、先頭から2選手が脱落し、残り25kmで先頭はOCBCの2選手、そしてそこに集団から飛び出した伊藤雅和(愛三工業レーシング)や土井雪広、ホセ・ビセンテらのグループが加わって、残り20km地点で7人が先頭に立つ。

残り10kmを切るとホセが単独で先頭に立ち、上りを得意とするハリ・フィトリアント(インドネシア、CCNサイクリングチーム)とバクサイクリングプロジェクトの2選手が追走したが、ホセがゴールまでリードを保ち、2位のフィトリアントに1分44秒の差をつけて優勝。総合でも首位に立った。このステージでは12選手がタイムカットとなり、ポイント賞のリーダーだったマナンもゴールできなかったため、2位だった西谷泰治がポイント賞リーダーとなった。

厳しい山頂フィニッシュに向けて独走を始めたホセ・ビセンテ(チーム右京)厳しい山頂フィニッシュに向けて独走を始めたホセ・ビセンテ(チーム右京) photo:Tour d'East java第2ステージの山頂ゴールで、4番手でゴールした土井雪広(チーム右京)第2ステージの山頂ゴールで、4番手でゴールした土井雪広(チーム右京) photo:Tour d'East java第2ステージの山頂ゴールで、伊藤雅和(愛三工業レーシング)は8位第2ステージの山頂ゴールで、伊藤雅和(愛三工業レーシング)は8位 photo:Tour d'East java

第2ステージ 結果
1位 ホセ・ビセンテ(チーム右京) 2h49'20"
2位 ハリ・フィトリアント(インドネシア、CCNサイクリングチーム)+1'44"
3位 デビッド・クラーク(バクサイクリングプロジェクト)+2'00"
4位 土井雪広(チーム右京)+2'16
5位 狩野智也(チーム右京)+2'24"



第3ステージ
9月6日 シドアルジョ〜モジョケルト 78.6km


第3ステージのスタート前に各賞ジャージ着用選手が並ぶ第3ステージのスタート前に各賞ジャージ着用選手が並ぶ photo:Aisan Racing Team出走わずか44選手となった最終日。第2ステージに引き続いて、山頂ゴールが設定されたが、山頂の標高は872mと昨ステージと比較するとややイージー。しかし、総合順位逆転のチャンスがあるため、最後まで気の抜けないステージとなった。

第3ステージのスタートシーン。アジアツアーらしい熱帯でのレース第3ステージのスタートシーン。アジアツアーらしい熱帯でのレース photo : Tour d'East java序盤に3選手が逃げるものの、上りが始まると集団に吸収され、そこからは上りに強い有力選手たちの戦いになるという展開。登坂区間で総合リーダーのホセや伊藤雅和ら6選手が先行し、最後はそこから4分31秒差の総合5位につけるジョン・アブセン(デンマーク、バクサイクリングプロジェクト)がアタックをかけ、単独でフィニッシュラインに飛び込んだ。

そして28秒後、総合リーダーのホセが3選手でのスプリントを制して2位でゴール。危なげなく総合リーダーを守り切った。伊藤雅和がホセと同グループで4位に入り、安定した登坂力を見せ総合6位でレースを終えた。


第3ステージ 結果
1位 ジョン・アブセン(デンマーク、バクサイクリングプロジェクト)2h04'19"
2位 ホセ・ビセンテ(チーム右京)+28"
3位 デビッド・クラーク(バクサイクリングプロジェクト)
4位 伊藤雅和(愛三工業レーシング)
5位 ハリ・フィトリアント(インドネシア、CCNサイクリングチーム)+44"



総合優勝を挙げたホセ・ビセンテ(チーム右京)と、ポイント賞を獲得した西谷泰治(愛三工業レーシング)総合優勝を挙げたホセ・ビセンテ(チーム右京)と、ポイント賞を獲得した西谷泰治(愛三工業レーシング) photo : Aisan Racing Team
ツール・ド・イーストジャワ2013 最終結果
総合成績

1位 ホセ・ビセンテ(チーム右京) 9h09'36"
2位 ハリ・フィトリアント(インドネシア、CCNサイクリングチーム)+2'06"
3位 デビッド・クラーク(バクサイクリングプロジェクト)+2'11"
4位 土井雪広(チーム右京)+3'11"
5位 ジョン・アブセン(デンマーク、バクサイクリングプロジェクト)+3'59"
6位 伊藤雅和(愛三工業レーシング)+7'31"
8位 西谷泰治(愛三工業レーシング)+8'31"
9位 狩野智也(チーム右京)+8'33"
12位 盛一大(愛三工業レーシング)+13'47"
17位 中島康晴(愛三工業レーシング)+19'09"
36位 綾部勇成(愛三工業レーシング)+37'02"

チーム総合成績
1位 チーム右京

ポイント賞
西谷泰治(愛三工業レーシング)

山岳賞
ホセ・ビセンテ(チーム右京)


※ソースはレース公式ウェブサイト、愛三工業レーシングチームのウェブサイトなどより。

text : Sonoko Tanaka
photo : Aisan Racing Team, Tour d'East java

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