2013/08/13(火) - 18:22
8月12日、オランダとベルギーを舞台にしたエネコ・ツアー(UCIワールドツアー)が開幕した。初日の第1ステージは大集団によるゴールスプリントに持ち込まれると思いきや、ラスト1kmを前にマーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)がアタック。オージースプリンターが2秒差で逃げ切った。
7日間の日程で開催されるエネコ・ツアー。1948年から開催されていた「ツール・デ・ペイ・バ(ツアー・オブ・オランダ)」が大会の前身であり、2005年のUCIプロツアー発足に伴ってオランダの電力会社がスポンサーにつき、現在の名称に改められている。
2013年大会はベルギーで開幕し、オランダに立ち寄ってベルギーでフィナーレを迎える全長1080km。標高のある山岳は登場しないが、「北のクラシック」や「アルデンヌクラシック」さながらの難易度の高いコースや、個人タイムトライアルが用意されている。
初日はベルギー西部のコクサイデからアルドーイェまでの175.3km。横風が心配される平坦基調のコースで、地元ベルギーのUCIプロコンチネンタルチームに所属するベルギー人選手3名が逃げた。
ピーター・ヤコブス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、ローレンス・デフリース(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、ベンジャミン・ヴェラース(ベルギー、アクセントジョブス)の3人は、スプリンターチーム率いるメイン集団から最大8分30秒のリード。宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)も集団先頭に上がり、スプリンターのマッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)のために位置取りした。
先頭3名は2分リードのままアルドーイェの周回コースに突入。選手たちはテクニカルなコーナーが連続する15kmの周回コースを2周。アルゴス・シマノやオメガファーマ・クイックステップ、ベルキンプロサイクリング、FDJ、ロット・ベリソルが牽引するメイン集団は、最終周回で逃げをすべて捉えた。
スピードが上がったメイン集団は縦一列に伸び、中切れによって幾分人数を減らす。第2集団に取り残されたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)やステイン・デヴォルデル(ベルギー、レディオシャック・レオパード)は4分近く遅れでフィニッシュしている。
集団先頭でスプリンターチームによるポジション争いが激しさを増す中、フィニッシュラインまでおよそ1200mを残してレンショーがアタック。連続するコーナーを抜けるうちに、レンショーとメイン集団との距離が広がる。集団内にエーススプリンターのテオ・ボス(オランダ)を残したまま飛び出したレンショーが快走。スプリンターチームが懸命の追走を試みたが届かない。メイン集団を2秒差で振り切ったレンショーが勝利した。
ステージ優勝と白いリーダージャージを手にしたレンショーは「最初はテオ(ボス)のリードアウトを務める予定だった。彼を引き連れて集団先頭に上がると、2人で集団から少し飛び出した形になった。そこでテオは、おそらく故意に、スピードを落として僕との距離を開けた。そこで生まれた集団との小さなギャップが勝利に繋がったんだと思う」と、勝利を決めた瞬間について説明する。
「最後のコーナーはリスクを負いながら目一杯攻めたよ。監督がイヤホン越しに『100%の力を出せ!』と叫んでいた。比較的長い距離をハイスピードで走るのが得意なんだ。(リーダージャージを獲得したが)今後もスプリントのプランは変わらない。明日はチーム内最速のテオのために走る。総合狙いのエースは予定通りラース・ボームとウィルコ・ケルデルマンの2人だ」(コメントはベルキンプロサイクリング公式サイトより)
2秒後方のメイン集団はアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)を先頭にゴール。オメガファーマ・クイックステップで現役に復帰したアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)は9位でレースを終えている。また、ツール・ド・フランスでステージ4勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)は24位に終わった。
宮澤崇史はタイム差無しの138位。アルドーイェの周回コースについて「比較的走りやすい道路なのだが、広い道から一気に狭くなる場所が多く、非常に位置取りがしにくい。ハイスピードで進む集団で一度位置を落とすとながなか上がりづらい」と説明する。「ラスト周回でなんとか集団前方に上がったが、先頭までリードアウトする力が残っておらず、中途半端に終ってしまった。明日以降、最終局面以外でも、最後にどう詰めるかを考えながら最大限仕事をしようと思う」。この日、ブレシェルはスプリントに絡めずステージ37位。チームとして結果は残せなかった。
エネコ・ツアー2013第1ステージ結果
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング) 4h01'14"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +02"
3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード)
4位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
5位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
6位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
7位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
8位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、アージェードゥーゼル)
9位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
138位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)
個人総合成績
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング) 4h01'04"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +06"
3位 ピーター・ヤコブス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン) +07"
4位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード) +08"
5位 ベンジャミン・ヴェラース(ベルギー、アクセントジョブス)
6位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキンプロサイクリング) +09"
7位 ローレンス・デフリース(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
8位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +10"
9位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデールプロサイクリング) +11"
10位 マキシミリアーノ・リチェーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) +12"
138位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)
ポイント賞
マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)
コンバティビティ賞
ローレンス・デフリース(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
ベルキンプロサイクリング
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
7日間の日程で開催されるエネコ・ツアー。1948年から開催されていた「ツール・デ・ペイ・バ(ツアー・オブ・オランダ)」が大会の前身であり、2005年のUCIプロツアー発足に伴ってオランダの電力会社がスポンサーにつき、現在の名称に改められている。
2013年大会はベルギーで開幕し、オランダに立ち寄ってベルギーでフィナーレを迎える全長1080km。標高のある山岳は登場しないが、「北のクラシック」や「アルデンヌクラシック」さながらの難易度の高いコースや、個人タイムトライアルが用意されている。
初日はベルギー西部のコクサイデからアルドーイェまでの175.3km。横風が心配される平坦基調のコースで、地元ベルギーのUCIプロコンチネンタルチームに所属するベルギー人選手3名が逃げた。
ピーター・ヤコブス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、ローレンス・デフリース(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、ベンジャミン・ヴェラース(ベルギー、アクセントジョブス)の3人は、スプリンターチーム率いるメイン集団から最大8分30秒のリード。宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)も集団先頭に上がり、スプリンターのマッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)のために位置取りした。
先頭3名は2分リードのままアルドーイェの周回コースに突入。選手たちはテクニカルなコーナーが連続する15kmの周回コースを2周。アルゴス・シマノやオメガファーマ・クイックステップ、ベルキンプロサイクリング、FDJ、ロット・ベリソルが牽引するメイン集団は、最終周回で逃げをすべて捉えた。
スピードが上がったメイン集団は縦一列に伸び、中切れによって幾分人数を減らす。第2集団に取り残されたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、スカイプロサイクリング)やステイン・デヴォルデル(ベルギー、レディオシャック・レオパード)は4分近く遅れでフィニッシュしている。
集団先頭でスプリンターチームによるポジション争いが激しさを増す中、フィニッシュラインまでおよそ1200mを残してレンショーがアタック。連続するコーナーを抜けるうちに、レンショーとメイン集団との距離が広がる。集団内にエーススプリンターのテオ・ボス(オランダ)を残したまま飛び出したレンショーが快走。スプリンターチームが懸命の追走を試みたが届かない。メイン集団を2秒差で振り切ったレンショーが勝利した。
ステージ優勝と白いリーダージャージを手にしたレンショーは「最初はテオ(ボス)のリードアウトを務める予定だった。彼を引き連れて集団先頭に上がると、2人で集団から少し飛び出した形になった。そこでテオは、おそらく故意に、スピードを落として僕との距離を開けた。そこで生まれた集団との小さなギャップが勝利に繋がったんだと思う」と、勝利を決めた瞬間について説明する。
「最後のコーナーはリスクを負いながら目一杯攻めたよ。監督がイヤホン越しに『100%の力を出せ!』と叫んでいた。比較的長い距離をハイスピードで走るのが得意なんだ。(リーダージャージを獲得したが)今後もスプリントのプランは変わらない。明日はチーム内最速のテオのために走る。総合狙いのエースは予定通りラース・ボームとウィルコ・ケルデルマンの2人だ」(コメントはベルキンプロサイクリング公式サイトより)
2秒後方のメイン集団はアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)を先頭にゴール。オメガファーマ・クイックステップで現役に復帰したアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)は9位でレースを終えている。また、ツール・ド・フランスでステージ4勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)は24位に終わった。
宮澤崇史はタイム差無しの138位。アルドーイェの周回コースについて「比較的走りやすい道路なのだが、広い道から一気に狭くなる場所が多く、非常に位置取りがしにくい。ハイスピードで進む集団で一度位置を落とすとながなか上がりづらい」と説明する。「ラスト周回でなんとか集団前方に上がったが、先頭までリードアウトする力が残っておらず、中途半端に終ってしまった。明日以降、最終局面以外でも、最後にどう詰めるかを考えながら最大限仕事をしようと思う」。この日、ブレシェルはスプリントに絡めずステージ37位。チームとして結果は残せなかった。
エネコ・ツアー2013第1ステージ結果
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング) 4h01'14"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +02"
3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード)
4位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
5位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
6位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
7位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
8位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、アージェードゥーゼル)
9位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 アレクセイ・ツァテヴィツク(ロシア、カチューシャ)
138位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)
個人総合成績
1位 マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング) 4h01'04"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +06"
3位 ピーター・ヤコブス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン) +07"
4位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・レオパード) +08"
5位 ベンジャミン・ヴェラース(ベルギー、アクセントジョブス)
6位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキンプロサイクリング) +09"
7位 ローレンス・デフリース(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
8位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +10"
9位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデールプロサイクリング) +11"
10位 マキシミリアーノ・リチェーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) +12"
138位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ)
ポイント賞
マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)
コンバティビティ賞
ローレンス・デフリース(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
ベルキンプロサイクリング
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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