2013/08/13(火) - 09:58
連載でお届けするプロバイクレポート。今回はツール・ド・フランス第100回記念大会を走ったバイクを特集する第6弾。個人総合争いで激しく火花を散らしたスカイプロサイクリング、サクソ・ティンコフ、BMCレーシングチームのバイクをピックアップしてお届けする。
スカイプロサイクリング < ピナレロ DOGMA 65.1 THINK2 >
2年連続でマイヨジョーヌを獲得したスカイプロサイクリングは、チーム創設以来スポンサードを受けるピナレロのハイエンドモデルであるドグマ65.1 THINK2を使用。コンポーネントは9070系シマノデュラエースに、クランクにはパワーメーター付きのSRMを組み合わせ、選手のコンディションを徹底的に管理している様だ。
ホイールは9000系シマノデュラエースを使用し、以前のようにスカイのバイクに多く装着されていたメーカー不詳のホイールが使用される機会は少なくなった。ハンドルとステムはPROで、1mm単位で長さの刻印があるプロトタイプのステムが供給されていた。1mm刻みで用意されているのか、選手の要望の数値の長さのカスタムなのかは不明だ。スペアバイクの中には数年前にモデルチェンジしたアルミ製のデュラエースペダルを装着したバイクの姿も。
マイヨジョーヌを獲得したクリス・フルーム(イギリス)のバイクは他の選手とは異なるパーツアッセンブルが成されている。チェーンリングはこれまでも愛用してきたオーシンメトリック製の楕円チェーンリングをロゴを消して装備。これに合わせて、SRMのクランクは旧型を使用する。そして、山岳TTステージではドイツの軽量パーツメーカーのAXライトネス製と思われるカーボンリムで組まれたホイールを投入。プロトンの中でも屈指のこだわりが見られるバイクだ。
サクソ・ティンコフ < スペシャライズド S-Works Tarmac SL4 >
個人総合の表彰台こそ逃したものの、チーム総合優勝を獲得したサクソ・ティンコフからは、王者と呼ばれるに相応しい走りを見せたアルベルト・コンタドール(スペイン)のバイクをピックアップ。フレームはスペシャライズドのスタンダードモデルであるS-Works Tarmac SL4。特別カラーが用意されたが、実際に使用したのは第1ステージと最終ステージのみ。その理由は縁起を担ぎ、機材に保守的なコンタドールらしく「第1ステージで落車したから、もう使いたくない」とのこと。
コンポーネントはスラムレッドで、歯数が大きいスプロケとそれに対応する「WiFli」と呼ばれるリアディレーラーを常時使用する。平坦ステージでもWiFliを使用するのは、駆動系交換の手間を省くためだ。山岳で28Tといったビッグギアを使用することがもはや普通のこととなり、ロングケージのWiFliであってもとくに変速性能が落ちるわけではないという理由だ。
ワイヤー類は純正ではなくアルミ製リンクのi-linkに換装される。ホイールやハンドル、ステム、シートポストはシップで統一。タイヤはロゴが消されたものが装着されており、消されたロゴやトレッドから推察するに、コンチネンタルのPodium TTだと思われる。
BMCレーシングチーム < BMC teammachine SLR01、timemachine TMR01、Impec >
BMCレーシングチームはツールに先立って正式発表されたハイエンドモデルの新型teammachine SLR01を投入。加えて、エアロロードのtimemachine TMR01、独自の工法が話題を呼んだImpecの3台体制で今大会を戦った。主に、カデル・エヴァンス(オーストラリア)やティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)らエース級選手が新型SLR01を、マークス・ブルグハート(ドイツ)らがImpecをチョイスした様だ。軽量性やアタック時の性能を重視するのか、巡航性をとるのかで選んでいるのだろうか?
コンポーネントはシマノのサポートを受け9070系デュラエースを使用する。ホイールもシマノの9000系デュラエースで、ステージに合わせてリムハイトが異なるC24、C35、C50を使い分けた。ハンドルとステムは3T、サドルとバーテープはフィジークアッセンブル。エヴァンスのバイクのハンドルは、パリ~ルーベを走るバイクのように握りがかなり太く、2重巻きやパッドなどを巻き込んで自身の好みに合わせているのだろう。
text:Yuya Yamamoto
photo:Makoto Ayano
スカイプロサイクリング < ピナレロ DOGMA 65.1 THINK2 >
2年連続でマイヨジョーヌを獲得したスカイプロサイクリングは、チーム創設以来スポンサードを受けるピナレロのハイエンドモデルであるドグマ65.1 THINK2を使用。コンポーネントは9070系シマノデュラエースに、クランクにはパワーメーター付きのSRMを組み合わせ、選手のコンディションを徹底的に管理している様だ。
ホイールは9000系シマノデュラエースを使用し、以前のようにスカイのバイクに多く装着されていたメーカー不詳のホイールが使用される機会は少なくなった。ハンドルとステムはPROで、1mm単位で長さの刻印があるプロトタイプのステムが供給されていた。1mm刻みで用意されているのか、選手の要望の数値の長さのカスタムなのかは不明だ。スペアバイクの中には数年前にモデルチェンジしたアルミ製のデュラエースペダルを装着したバイクの姿も。
マイヨジョーヌを獲得したクリス・フルーム(イギリス)のバイクは他の選手とは異なるパーツアッセンブルが成されている。チェーンリングはこれまでも愛用してきたオーシンメトリック製の楕円チェーンリングをロゴを消して装備。これに合わせて、SRMのクランクは旧型を使用する。そして、山岳TTステージではドイツの軽量パーツメーカーのAXライトネス製と思われるカーボンリムで組まれたホイールを投入。プロトンの中でも屈指のこだわりが見られるバイクだ。
サクソ・ティンコフ < スペシャライズド S-Works Tarmac SL4 >
個人総合の表彰台こそ逃したものの、チーム総合優勝を獲得したサクソ・ティンコフからは、王者と呼ばれるに相応しい走りを見せたアルベルト・コンタドール(スペイン)のバイクをピックアップ。フレームはスペシャライズドのスタンダードモデルであるS-Works Tarmac SL4。特別カラーが用意されたが、実際に使用したのは第1ステージと最終ステージのみ。その理由は縁起を担ぎ、機材に保守的なコンタドールらしく「第1ステージで落車したから、もう使いたくない」とのこと。
コンポーネントはスラムレッドで、歯数が大きいスプロケとそれに対応する「WiFli」と呼ばれるリアディレーラーを常時使用する。平坦ステージでもWiFliを使用するのは、駆動系交換の手間を省くためだ。山岳で28Tといったビッグギアを使用することがもはや普通のこととなり、ロングケージのWiFliであってもとくに変速性能が落ちるわけではないという理由だ。
ワイヤー類は純正ではなくアルミ製リンクのi-linkに換装される。ホイールやハンドル、ステム、シートポストはシップで統一。タイヤはロゴが消されたものが装着されており、消されたロゴやトレッドから推察するに、コンチネンタルのPodium TTだと思われる。
BMCレーシングチーム < BMC teammachine SLR01、timemachine TMR01、Impec >
BMCレーシングチームはツールに先立って正式発表されたハイエンドモデルの新型teammachine SLR01を投入。加えて、エアロロードのtimemachine TMR01、独自の工法が話題を呼んだImpecの3台体制で今大会を戦った。主に、カデル・エヴァンス(オーストラリア)やティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)らエース級選手が新型SLR01を、マークス・ブルグハート(ドイツ)らがImpecをチョイスした様だ。軽量性やアタック時の性能を重視するのか、巡航性をとるのかで選んでいるのだろうか?
コンポーネントはシマノのサポートを受け9070系デュラエースを使用する。ホイールもシマノの9000系デュラエースで、ステージに合わせてリムハイトが異なるC24、C35、C50を使い分けた。ハンドルとステムは3T、サドルとバーテープはフィジークアッセンブル。エヴァンスのバイクのハンドルは、パリ~ルーベを走るバイクのように握りがかなり太く、2重巻きやパッドなどを巻き込んで自身の好みに合わせているのだろう。
text:Yuya Yamamoto
photo:Makoto Ayano
Amazon.co.jp