2013/06/10(月) - 11:48
1級山岳リスルにゴールするクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)最終ステージでアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)が逃げ切り勝利。抜群の安定感を見せるスカイプロサイクリングがワンツー体制で大会を制した。
胸元に青いラインが入ったイエロージャージの持ち主を決めるのが、終盤にかけて2つの1級山岳が連続するこの第8ステージ。ラスト36km地点で1級山岳ヴァル峠を越え、最後は1級山岳リスルを駆け上がってゴールを迎える。
ドーフィネの勝者を決めるこの日、レース序盤に24名の巨大な逃げグループが形成される。もちろんこの中には山岳賞ジャージを着るトマ・ダムソー(フランス、アルゴス・シマノ)の姿も。中間スプリントでポイントを稼ぎたいポイント賞ジャージを着るジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)の姿もあった。
ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)をはじめ多くの選手がリタイアして行く中、メイン集団が淡々とタイム差を調整しながらレース後半へ。登坂距離10.4km・平均勾配6.9%の1級山岳ヴァル峠で逃げグループは5名に絞られ、これをサクソ・ティンコフ率いるメイン集団が追う。
ヴァル峠の下りでアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)が落車したが、問題なくレースに復帰。やがて登坂距離13.9km・平均勾配6.7%の1級山岳リスルの登りが始まると、先頭ではティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)が独走を開始する。3分遅れで登りに入ったメイン集団からはステージ優勝狙いのコンタドールが飛び出した。
スカイプロサイクリングがコントロールするメイン集団から、トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・レオパード)とともに飛び出したコンタドール。しかし総合3位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)が集団から脱落したため、アシスト役のコンタドールは減速を強いられる。ロジャースの集団復帰を目指してコンタドールは献身的にアシストし続けたが、結果的に1分55秒遅れでゴール。ロジャースは総合3位から総合6位にダウンした。
霧が立ち込める登りでデマルキがウィレンスを抜いて先頭に立つ。デマルキはメイン集団から1分リードを得てラスト3km。後続を24秒差で振り切ったデマルキが独走で勝利した。
ビッグネームひしめくUCIワールドツアーの山頂フィニッシュでプロ初勝利を、デマルキは「人生最高の夢のような体験」と表現する。「プロ入りから何度も何度も逃げに挑戦し続けて来た。ラスト1kmまで勝利を確信出来なかったよ。こんなビッグレースで逃げ切りを達成することが出来て本当に嬉しい」。
一方、メイン集団ではイエロージャージのクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)がアタックを仕掛け、チームメイトで総合2位のリッチー・ポルト(オーストラリア)がこれに合流。ドーフィネをリードするスカイの2人がライバルたちを引き離す。
フルームとポルトは、ゴール手前で追いついたアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)とともにゴール。総合ワンツー勝利を決めた。
「ツールの前哨戦とされるドーフィネで、ベストフレンドの1人であるリッチー・ポルトとともにワンツー勝利を飾るなんて最高のシナリオだ。これ以上の結果は望めない。ツールでも全力で勝利を目指す。自分たちには追い風が吹いている」。ツールを前に自信と確信を得たフルームとポルト。ツール開幕まで残り20日だ。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2013第8ステージ結果
1位 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) 4h28'09"
2位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) +24"
3位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング) +31"
5位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +38"
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +49"
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
9位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス) +55"
10位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +1'00"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 29h28'46"
2位 リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング) +58"
3位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +2'12"
4位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +2'20"
5位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス) +3'08"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) +3'08"
7位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +3'12"
8位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +3'24"
9位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +4'25"
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) +4'27"
ポイント賞
ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
トマ・ダムソー(フランス、アルゴス・シマノ)
新人賞
ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
スカイプロサイクリング
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, Cor Vos
胸元に青いラインが入ったイエロージャージの持ち主を決めるのが、終盤にかけて2つの1級山岳が連続するこの第8ステージ。ラスト36km地点で1級山岳ヴァル峠を越え、最後は1級山岳リスルを駆け上がってゴールを迎える。
ドーフィネの勝者を決めるこの日、レース序盤に24名の巨大な逃げグループが形成される。もちろんこの中には山岳賞ジャージを着るトマ・ダムソー(フランス、アルゴス・シマノ)の姿も。中間スプリントでポイントを稼ぎたいポイント賞ジャージを着るジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)の姿もあった。
ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)をはじめ多くの選手がリタイアして行く中、メイン集団が淡々とタイム差を調整しながらレース後半へ。登坂距離10.4km・平均勾配6.9%の1級山岳ヴァル峠で逃げグループは5名に絞られ、これをサクソ・ティンコフ率いるメイン集団が追う。
ヴァル峠の下りでアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)が落車したが、問題なくレースに復帰。やがて登坂距離13.9km・平均勾配6.7%の1級山岳リスルの登りが始まると、先頭ではティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)が独走を開始する。3分遅れで登りに入ったメイン集団からはステージ優勝狙いのコンタドールが飛び出した。
スカイプロサイクリングがコントロールするメイン集団から、トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・レオパード)とともに飛び出したコンタドール。しかし総合3位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)が集団から脱落したため、アシスト役のコンタドールは減速を強いられる。ロジャースの集団復帰を目指してコンタドールは献身的にアシストし続けたが、結果的に1分55秒遅れでゴール。ロジャースは総合3位から総合6位にダウンした。
霧が立ち込める登りでデマルキがウィレンスを抜いて先頭に立つ。デマルキはメイン集団から1分リードを得てラスト3km。後続を24秒差で振り切ったデマルキが独走で勝利した。
ビッグネームひしめくUCIワールドツアーの山頂フィニッシュでプロ初勝利を、デマルキは「人生最高の夢のような体験」と表現する。「プロ入りから何度も何度も逃げに挑戦し続けて来た。ラスト1kmまで勝利を確信出来なかったよ。こんなビッグレースで逃げ切りを達成することが出来て本当に嬉しい」。
一方、メイン集団ではイエロージャージのクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)がアタックを仕掛け、チームメイトで総合2位のリッチー・ポルト(オーストラリア)がこれに合流。ドーフィネをリードするスカイの2人がライバルたちを引き離す。
フルームとポルトは、ゴール手前で追いついたアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)とともにゴール。総合ワンツー勝利を決めた。
「ツールの前哨戦とされるドーフィネで、ベストフレンドの1人であるリッチー・ポルトとともにワンツー勝利を飾るなんて最高のシナリオだ。これ以上の結果は望めない。ツールでも全力で勝利を目指す。自分たちには追い風が吹いている」。ツールを前に自信と確信を得たフルームとポルト。ツール開幕まで残り20日だ。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2013第8ステージ結果
1位 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) 4h28'09"
2位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) +24"
3位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング) +31"
5位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +38"
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +49"
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
9位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス) +55"
10位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +1'00"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 29h28'46"
2位 リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング) +58"
3位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +2'12"
4位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +2'20"
5位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス) +3'08"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) +3'08"
7位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +3'12"
8位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +3'24"
9位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +4'25"
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) +4'27"
ポイント賞
ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
トマ・ダムソー(フランス、アルゴス・シマノ)
新人賞
ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
スカイプロサイクリング
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, Cor Vos
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