2013/05/26(日) - 01:38
攻撃することさえ許さなかった強固なNIPPOのコントロール。伊豆ステージでは珍しく集団ゴールとなり、これをネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)が制した。
ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
5月25日(土)、ツアー・オブ・ジャパン第5ステージ伊豆が静岡県伊豆市の日本CSCで行われた。総合成績の行方を事実上決定するステージ、上位2人のNIPPOに対し、続くブリヂストンアンカーらが攻撃を仕掛けることのできる実質最後のステージだ。
朝から晴れ渡る日本CSC photo:Hideaki TAKAGIコースはCSC外や日本競輪学校敷地内なども通る1周12.2kmを146.4kmするもので1周につきピークは5箇所、累積標高差5000mに達するハードなステージ。毎年はここでリーダーチームに対して総攻撃が加えられサバイバルレースになる展開。
1周目はスタート後から速い展開に。井上和郎(ブリヂストンアンカー)、寺崎武郎(日本ナショナルチーム、EQA U23)、山下貴宏(チーム右京)が先行。これに清水都貴(ブリヂストンアンカー)、トーマス・ラボウ(OCBC)、ウィリアム・ウォーカー(ドラパック)が加わり、6人の逃げが完成。
競輪学校は授業中 photo:Hideaki TAKAGI
メイン集団はチームNIPPO・デローザそしてヴィーニファンティーニがコントロールする。2周目に一気にペースダウン、その後差は3分半まで広がる。個人総合3、4位につけるブリヂストンアンカーは、実力者の2名を逃げに送り込みリーダーのNIPPOにプレッシャーを与える。
メイン集団はチームNIPPO・デローザがコントロール photo:Hideaki TAKAGI
NIPPOは個人総合を守りたい、そしてヴィーニファンティーニはポイント賞リーダーを守りたくステージを獲りたい、その利害関係が一致してともに先頭を引く。ブリヂストンアンカーは強力な2人を逃げに乗せ、メイン集団内では総合3、4位の選手で逆転狙いで攻撃しやすく、あるいは先頭に逃げ切らせても良い。
中盤過ぎてから先頭とメイン集団とのタイム差は徐々に縮まり2分台そしてラスト3周では1分を切るように。メイン集団は急激でなく緩やかなペースアップのため集団を形成するが、それでも人数を減らしていく。先頭集団も徐々に数を減らしラスト3周では清水とラボウの2人に。
11周目、平塚吉光(愛三工業レーシングチーム)がアタック photo:Hideaki TAKAGI
ラスト2周、ついに先頭の2人が吸収される。ここから集団の先頭はブリヂストンアンカーが速めのペースで引くためアタックはかからない。ここから地元の平塚吉光(愛三工業レーシングチーム)が単独アタック、しかし吸収される。
そして最終周回、元オーストラリアチャンピオンのダレン・ラプソーン(ドラパック)がアタック。強力なアタックだったがNIPPOの追走により吸収し集団でのゴールへ。21人の集団による上りスプリントとなり、ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)がこれを制し、チームは2連勝。
11周目、集団をブリヂストンアンカーが引く photo:Hideaki TAKAGI
総合上位陣も同集団でゴールし、総合順位は変わらずフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)が個人総合リーダーをキープ。メイン集団の見かけ上の動きは少なかったが、じわじわ上げていくペースのため最終的には21人しか残れず、しかも攻撃のしにくい速いペースだった。NIPPOのチーム力も改めて示すことに。
最終周回、ダレン・ラプソーン(ドラパック)がアタック photo:Hideaki TAKAGI
上りゴールスプリントの日本人最高位は5位の西薗良太(チャンピオンシステム)。個人総合でも6位につける。そしてルーキーの西村大輝(シマノレーシング)がステージ11位と存在感を見せた。翌日はいよいよ最終ステージの東京。焦点はステージ優勝とポイント賞争いに移ったと言ってもいいだろう。
総合リーダーキープのフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ) photo:Hideaki TAKAGI
結果
第5ステージ伊豆 146.4km
1位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)4時間29分38秒
2位 エリア・ファヴィッリ(ランプレ・メリダ)
3位 ピエールパオロ・デ・ネグリ(ヴィーニファンティーニ)
4位 ロビー・ハッカー(ドラパック)
5位 西薗良太(チャンピオンシステム)
6位 土井雪広(チーム右京)+02秒
7位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)
8位 ジェイ・クロフォード(ヒューオン・ジェネシス)
9位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)
10位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)
個人総合成績 第5ステージ終了時点
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)13時間05分13秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)+1分11秒
3位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+1分36秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+2分39秒
5位 ベンジャミン・ディボール(ヒューオン・ジェネシス)+3分26秒
6位 西薗良太(チャンピオンシステム)+3分46秒
7位 クリスティアーノ・モングッジ(ヴィーニファンティーニ)+4分15秒
8位 ダレン・ラプソーン(ドラパック)+4分19秒
9位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+5分10秒
10位 ロビー・ハッカー(ドラパック)+5分11秒
個人総合ポイント賞 第5ステージ終了時点
1位 ピエールパオロ・デ・ネグリ(ヴィーニファンティーニ)41点
2位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)30点
3位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)30点
個人総合山岳賞 第5ステージ終了時点
1位 ダヴィデ・ヴィガーノ(ランプレ・メリダ)22点
2位 ロビー・ハッカー(ドラパック)20点
3位 ベンジャミン・ディボール(ヒューオン・ジェネシス)15点
個人総合新人賞 第5ステージ終了時点
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)13時間06分24秒
2位 ベンジャミン・ディボール(ヒューオン・ジェネシス)+2分15秒
3位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+3分59秒
チーム総合時間賞 第4ステージ終了時点
1位 チームNIPPO・デローザ 39時間26分51秒
2位 ヒューオン・ジェネシス +4分29秒
3位 ブリヂストンアンカー +5分46秒
photo&text:高木秀彰
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5月25日(土)、ツアー・オブ・ジャパン第5ステージ伊豆が静岡県伊豆市の日本CSCで行われた。総合成績の行方を事実上決定するステージ、上位2人のNIPPOに対し、続くブリヂストンアンカーらが攻撃を仕掛けることのできる実質最後のステージだ。
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1周目はスタート後から速い展開に。井上和郎(ブリヂストンアンカー)、寺崎武郎(日本ナショナルチーム、EQA U23)、山下貴宏(チーム右京)が先行。これに清水都貴(ブリヂストンアンカー)、トーマス・ラボウ(OCBC)、ウィリアム・ウォーカー(ドラパック)が加わり、6人の逃げが完成。
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メイン集団はチームNIPPO・デローザそしてヴィーニファンティーニがコントロールする。2周目に一気にペースダウン、その後差は3分半まで広がる。個人総合3、4位につけるブリヂストンアンカーは、実力者の2名を逃げに送り込みリーダーのNIPPOにプレッシャーを与える。
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NIPPOは個人総合を守りたい、そしてヴィーニファンティーニはポイント賞リーダーを守りたくステージを獲りたい、その利害関係が一致してともに先頭を引く。ブリヂストンアンカーは強力な2人を逃げに乗せ、メイン集団内では総合3、4位の選手で逆転狙いで攻撃しやすく、あるいは先頭に逃げ切らせても良い。
中盤過ぎてから先頭とメイン集団とのタイム差は徐々に縮まり2分台そしてラスト3周では1分を切るように。メイン集団は急激でなく緩やかなペースアップのため集団を形成するが、それでも人数を減らしていく。先頭集団も徐々に数を減らしラスト3周では清水とラボウの2人に。
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ラスト2周、ついに先頭の2人が吸収される。ここから集団の先頭はブリヂストンアンカーが速めのペースで引くためアタックはかからない。ここから地元の平塚吉光(愛三工業レーシングチーム)が単独アタック、しかし吸収される。
そして最終周回、元オーストラリアチャンピオンのダレン・ラプソーン(ドラパック)がアタック。強力なアタックだったがNIPPOの追走により吸収し集団でのゴールへ。21人の集団による上りスプリントとなり、ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)がこれを制し、チームは2連勝。
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総合上位陣も同集団でゴールし、総合順位は変わらずフォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)が個人総合リーダーをキープ。メイン集団の見かけ上の動きは少なかったが、じわじわ上げていくペースのため最終的には21人しか残れず、しかも攻撃のしにくい速いペースだった。NIPPOのチーム力も改めて示すことに。
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上りゴールスプリントの日本人最高位は5位の西薗良太(チャンピオンシステム)。個人総合でも6位につける。そしてルーキーの西村大輝(シマノレーシング)がステージ11位と存在感を見せた。翌日はいよいよ最終ステージの東京。焦点はステージ優勝とポイント賞争いに移ったと言ってもいいだろう。
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結果
第5ステージ伊豆 146.4km
1位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)4時間29分38秒
2位 エリア・ファヴィッリ(ランプレ・メリダ)
3位 ピエールパオロ・デ・ネグリ(ヴィーニファンティーニ)
4位 ロビー・ハッカー(ドラパック)
5位 西薗良太(チャンピオンシステム)
6位 土井雪広(チーム右京)+02秒
7位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)
8位 ジェイ・クロフォード(ヒューオン・ジェネシス)
9位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)
10位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)
個人総合成績 第5ステージ終了時点
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)13時間05分13秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)+1分11秒
3位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)+1分36秒
4位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+2分39秒
5位 ベンジャミン・ディボール(ヒューオン・ジェネシス)+3分26秒
6位 西薗良太(チャンピオンシステム)+3分46秒
7位 クリスティアーノ・モングッジ(ヴィーニファンティーニ)+4分15秒
8位 ダレン・ラプソーン(ドラパック)+4分19秒
9位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+5分10秒
10位 ロビー・ハッカー(ドラパック)+5分11秒
個人総合ポイント賞 第5ステージ終了時点
1位 ピエールパオロ・デ・ネグリ(ヴィーニファンティーニ)41点
2位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)30点
3位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO・デローザ)30点
個人総合山岳賞 第5ステージ終了時点
1位 ダヴィデ・ヴィガーノ(ランプレ・メリダ)22点
2位 ロビー・ハッカー(ドラパック)20点
3位 ベンジャミン・ディボール(ヒューオン・ジェネシス)15点
個人総合新人賞 第5ステージ終了時点
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO・デローザ)13時間06分24秒
2位 ベンジャミン・ディボール(ヒューオン・ジェネシス)+2分15秒
3位 ネイサン・アール(ヒューオン・ジェネシス)+3分59秒
チーム総合時間賞 第4ステージ終了時点
1位 チームNIPPO・デローザ 39時間26分51秒
2位 ヒューオン・ジェネシス +4分29秒
3位 ブリヂストンアンカー +5分46秒
photo&text:高木秀彰
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