鹿屋体育大学の黒枝士揮と橋本英也、この2人の逃げで他大学はもはや3位狙いにシフト。昨年に同大の連覇が途絶えたがふたたび男女ともに優勝し王者に返り咲いた。

男子 スタート前男子 スタート前 photo:Hideaki TAKAGI
今秋大阪市本町に実店舗がオープンするワールドサイクル今秋大阪市本町に実店舗がオープンするワールドサイクル photo:Hideaki TAKAGI4月28日(日)、滋賀県東近江市ふれあい運動公園でワールドサイクルカップと併催で第15回全日本学生選手権クリテリウム大会が行われた。2年前まではリッツクリテとして親しまれていたものが、場所を昨年から移して行われているもの。

学生クリテは昨年10月に同じ滋賀県のクレフィール湖東で行われ、接戦の末に京都産業大学の吉岡直哉が優勝。鹿屋体育大学の6連覇を阻止した。今年は従来の4月に時期を改めて開催、大学生のロード大会としてはインカレ、個人戦、チーム&個人TTに並ぶビッグタイトルだ。
女子4周目女子4周目 photo:Hideaki TAKAGI
今秋に実店舗を大阪市内にオープンさせるワールドサイクル

併催のワールドサイクルカップは、サイクルパーツネットショップのワールドサイクル(大阪府堺市)の特別協賛でおこなわれ、豪華で多数の入賞や抽選会の賞品を提供した。豊富な品揃えと求めやすい価格、迅速な対応が魅力の同社だが、今秋にリアルショップを大阪市内の本町にオープン予定だ。150坪の広いフロアを持つプロショップがビジネス街の中心にできるのが待ち遠しい。
女子 独走する上野みなみ(鹿屋体育大学)女子 独走する上野みなみ(鹿屋体育大学) photo:Hideaki TAKAGI
女子は上野みなみと塚越さくらがワン・ツー

女子は1周2kmを12周する24km、JCF登録女子の部と同時出走で行われた。先頭集団は周回ごとに数を減らし、上野みなみ、塚越さくら、江藤里佳子(鹿屋体育大学)、福本千佳(同志社大学)、浅田聖奈(中京大学)そしてJCF登録女子の元砂七夕美(榛生昇陽高校)が先頭集団を形成。
鹿屋体育大学勢がリードする鹿屋体育大学勢がリードする photo:Hideaki TAKAGI
浅田、江藤そして元砂が下がって先頭は上野、塚越、福本の3人に。ここから上野がアタックし独走で優勝。そして2位には福本をかわして塚越が入った。鹿屋体育大学は2010年の第12回大会からこれで女子4連覇を達成。

橋本英也と黒枝士揮が逃げてワン・ツー

男子は予選2組の上位各25名の計50名が決勝へ進出。鹿屋体育大学は出場10人全員が決勝へ上がり必勝体制に。決勝は20周40kmで2周に1回のポイントレース方式で、1位通過から順に5点3点2点でゴールは倍点に。
橋本英也と黒枝士揮(鹿屋体育大学)がワン・ツー勝利橋本英也と黒枝士揮(鹿屋体育大学)がワン・ツー勝利 photo:Hideaki TAKAGI
序盤は集団で推移するが鹿屋体育大は黒枝と橋本に得点を集中させてリードする。中盤でこの2人がポイント通過後に抜け出してそのまま逃げ切り体制に。絶対に逃がしてはいけない選手、しかも2人に逃げられて後続はもはや3位争いにシフト。先頭では橋本がその後はすべて1位通過で優勝。後続は山本隼(中央大学)がゴールでも3着で3位に。
橋本英也と黒枝士揮(鹿屋体育大学)。クリテリウムでは最強タッグだ橋本英也と黒枝士揮(鹿屋体育大学)。クリテリウムでは最強タッグだ photo:Hideaki TAKAGI
橋本「鹿屋で上位を」 黒枝「後輩を育てるため」

「鹿屋で上位を狙うということで達成できて良かったです」と優勝した2年生の橋本。4年生の黒枝は、「これからは後輩を育てるために下級生を上位にしようとこのレースは考えていました。今回は(橋本)英也と自分が逃げたので英也が優勝しました。昨年は後手に回ったところがあったので、今年は先手で圧倒的な力で勝ちたいと考えていました」と語る。

そして目標はそれぞれ、黒枝は「今年はインカレとUCIポイント獲得を中心に取り組む」、橋本は「インカレ総合優勝、個抜き日本記録を4分25秒くらいで更新、オムニアム選手権の優勝」と狙いを定める。

ワールドサイクルカップ 
C1 小渡健悟と中西重智(岩井商会GAN WELL RACING)がワン・ツーC1 小渡健悟と中西重智(岩井商会GAN WELL RACING)がワン・ツー photo:Hideaki TAKAGI
C1は小渡健悟(岩井商会GAN WELL RACING)と元山高嶺(美山CC・神戸大RC)が逃げる展開に。これに中西重智(岩井商会GAN WELL RACING)がメイン集団からアタックして追いつき3人に。さらに小渡そして中西がアタックして合流してワン・ツーフィニッシュ。


結果
学生選手権
男子 20周40km、ポイント1回/2周
1位 橋本英也(鹿屋体育大学)43点
2位 黒枝士揮(鹿屋体育大学)31点
3位 山本隼(中央大学)9点
4位 前園浩平(立命館大学)5点
5位 秋田拓磨(朝日大学)4点
6位 河賀雄大(立命館大学)4点
7位 鈴木龍(明治学院大学)3点
8位 吉岡直哉(京都産業大学)2点
9位 鍵本大地(京都産業大学)2点
10位 高木三千成(立教大学)

女子 24km
1位 上野みなみ(鹿屋体育大学)39分18秒
2位 塚越さくら(鹿屋体育大学)+11秒
3位 福本千佳(同志社大学)+16秒

ワールドサイクルカップ
C1 40km
1位 小渡健悟(岩井商会GAN WELL RACING)59分23秒
2位 中西重智(岩井商会GAN WELL RACING)
3位 元山高嶺(美山CC・神戸大RC)+16秒
4位 佐藤信哉(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)+20秒
5位 皿屋豊(イナーメ信濃山形)
6位 大塚航(JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックス)+21秒

photo&text:高木秀彰