2013/04/04(木) - 10:43
4月3日にベルギー北部で開催されたシュヘルデプライス（UCI1.HC）で、マルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ）とマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）が激突。大柄なジャーマンスプリンターが、マンクスミサイルの4勝目を阻止した。
寒そうにスタートを待つファビアン・カンチェラーラ（スイス、レディオシャック・レオパード） photo:Cor Vosシュヘルデプライスはロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベに挟まれた水曜日に開催されるセミクラシック。今年で開催101回目を迎える伝統のクラシックレースであり、初開催は1907年。実はロンド（1913年初開催）よりも歴史が古く、フランドル地方の中で最古のロードレースとされる。
オメガファーマ・クイックステップがコントロールするメイン集団 photo:Cor Vos開催地域はロンドよりも北、オランダ国境に近い平野部で、同地域を流れるシュヘルデ川がレース名の由来。アントウェルペンからシュコーテンに至る204kmはほぼ平坦で、例年スプリンターたちが勝負を繰り広げる。石畳を含むことから、パリ〜ルーベに向けた機材の最終チェックの場となる。
スプリントを繰り広げるマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）やマルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ） photo:Cor Vosやはり優勝候補は2007年、2008年、2011年に優勝しているマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）と、昨年初優勝を飾ったマルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ）の2人。カヴは愛娘デリラグレースの誕生日に史上初4度目の優勝を狙う。
先頭でゴールするマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）とマルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ） photo:Cor Vosレースは序盤からエシュロンが形成されるタフな展開で、平野部を吹き抜ける風が落車を誘発する。ロンドを圧倒的な力で制し、週末のパリ〜ルーベで優勝の最有力候補に挙げられるファビアン・カンチェラーラ（スイス、レディオシャック・レオパード）も落車。カンチェラーラは問題なくレースに復帰したが、リスクを負うことなくレース終盤にバイクを降りている。
序盤に形成された9名の逃げから抜け出したマシュー・ブラマイヤー（アイルランド、チャンピオンシステム）、ステファノ・ボルキ（イタリア、ヴィーニファンティーニ）、スヴェン・ファンドセレール（ベルギー、トップスポート・フラーンデレン）の3名がスプリンターチームを振り切るべく奮闘したが、結局はゴールまで距離を残して吸収。ここからアルゴス・シマノ、オメガファーマ・クイックステップ、スカイプロサイクリング、ブランコプロサイクリングによるペースアップが始まる。
ラスト1kmアーチが近づくと、ロット・ベリソルとアルゴス・シマノが先頭に出たが、完全に主導権を握るようなリードアウトトレインは現れない。トム・フィーラース（オランダ）に引き上げられたキッテルが、ラスト200mから踏み始めた。
キッテルのスプリント開始とほぼ同時に、後方に沈んでいたカヴェンディッシュも踏み始める。カヴェンディッシュは10番手あたりから勢い良く追い上げたが、先頭キッテルのリードは崩れない。カヴェンディッシュの猛追は届かず、キッテルが辛うじて先頭を守りきった。
「最終局面ではどのチームもリードアウトトレインを組めず、道を塞がれた状態になってしまった。でもトム・フィーラースがラインを見つけて、僕を先頭まで引き上げてくれた。パーフェクトなリードアウトだったよ」と、シュヘルデプライス2連覇を飾ったキッテル。
「昨年優勝したので、自分を含め全員が連覇に期待をかけていた。大きなプレッシャーを感じていたけど、チームメイトたちは僕の力を温存するべく奔走してくれた。調子が良かったし、自信があった」。キッテルはツアー・オブ・オマーンとパリ〜ニースのステージ優勝に続くシーズン3勝目。今シーズンはカヴと何度もスプリントバトルを繰り広げることになりそうだ。
ゴール後、愛妻ペタ・トッドさんと抱き合うマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Cor Vos
シュヘルデプライス連覇を果たしたマルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ） photo:Cor Vos
選手コメントはアルゴス・シマノプレスリリースより。
シュヘルデプライス2013結果
1位 マルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ） 4h41'00"
2位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）
3位 バリー・マルクス（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）
4位 アンドレア・グアルディーニ（イタリア、アスタナ）
5位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、BMCレーシングチーム）
6位 タイラー・ファラー（アメリカ、ガーミン・シャープ）
7位 ケニー・デハース（ベルギー、ロット・ベリソル）
8位 テオ・ボス（オランダ、ブランコプロサイクリング）
9位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）
10位 ミカエル・ファンスタイエン（ベルギー、トップスポート・フラーンデレン）
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
寒そうにスタートを待つファビアン・カンチェラーラ（スイス、レディオシャック・レオパード） photo:Cor Vosシュヘルデプライスはロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベに挟まれた水曜日に開催されるセミクラシック。今年で開催101回目を迎える伝統のクラシックレースであり、初開催は1907年。実はロンド（1913年初開催）よりも歴史が古く、フランドル地方の中で最古のロードレースとされる。オメガファーマ・クイックステップがコントロールするメイン集団 photo:Cor Vos開催地域はロンドよりも北、オランダ国境に近い平野部で、同地域を流れるシュヘルデ川がレース名の由来。アントウェルペンからシュコーテンに至る204kmはほぼ平坦で、例年スプリンターたちが勝負を繰り広げる。石畳を含むことから、パリ〜ルーベに向けた機材の最終チェックの場となる。スプリントを繰り広げるマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）やマルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ） photo:Cor Vosやはり優勝候補は2007年、2008年、2011年に優勝しているマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）と、昨年初優勝を飾ったマルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ）の2人。カヴは愛娘デリラグレースの誕生日に史上初4度目の優勝を狙う。先頭でゴールするマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）とマルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ） photo:Cor Vosレースは序盤からエシュロンが形成されるタフな展開で、平野部を吹き抜ける風が落車を誘発する。ロンドを圧倒的な力で制し、週末のパリ〜ルーベで優勝の最有力候補に挙げられるファビアン・カンチェラーラ（スイス、レディオシャック・レオパード）も落車。カンチェラーラは問題なくレースに復帰したが、リスクを負うことなくレース終盤にバイクを降りている。序盤に形成された9名の逃げから抜け出したマシュー・ブラマイヤー（アイルランド、チャンピオンシステム）、ステファノ・ボルキ（イタリア、ヴィーニファンティーニ）、スヴェン・ファンドセレール（ベルギー、トップスポート・フラーンデレン）の3名がスプリンターチームを振り切るべく奮闘したが、結局はゴールまで距離を残して吸収。ここからアルゴス・シマノ、オメガファーマ・クイックステップ、スカイプロサイクリング、ブランコプロサイクリングによるペースアップが始まる。
ラスト1kmアーチが近づくと、ロット・ベリソルとアルゴス・シマノが先頭に出たが、完全に主導権を握るようなリードアウトトレインは現れない。トム・フィーラース（オランダ）に引き上げられたキッテルが、ラスト200mから踏み始めた。
キッテルのスプリント開始とほぼ同時に、後方に沈んでいたカヴェンディッシュも踏み始める。カヴェンディッシュは10番手あたりから勢い良く追い上げたが、先頭キッテルのリードは崩れない。カヴェンディッシュの猛追は届かず、キッテルが辛うじて先頭を守りきった。
「最終局面ではどのチームもリードアウトトレインを組めず、道を塞がれた状態になってしまった。でもトム・フィーラースがラインを見つけて、僕を先頭まで引き上げてくれた。パーフェクトなリードアウトだったよ」と、シュヘルデプライス2連覇を飾ったキッテル。
「昨年優勝したので、自分を含め全員が連覇に期待をかけていた。大きなプレッシャーを感じていたけど、チームメイトたちは僕の力を温存するべく奔走してくれた。調子が良かったし、自信があった」。キッテルはツアー・オブ・オマーンとパリ〜ニースのステージ優勝に続くシーズン3勝目。今シーズンはカヴと何度もスプリントバトルを繰り広げることになりそうだ。
ゴール後、愛妻ペタ・トッドさんと抱き合うマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ） photo:Cor Vosシュヘルデプライス連覇を果たしたマルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ） photo:Cor Vos選手コメントはアルゴス・シマノプレスリリースより。
シュヘルデプライス2013結果
1位 マルセル・キッテル（ドイツ、アルゴス・シマノ） 4h41'00"
2位 マーク・カヴェンディッシュ（イギリス、オメガファーマ・クイックステップ）
3位 バリー・マルクス（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）
4位 アンドレア・グアルディーニ（イタリア、アスタナ）
5位 アレクサンダー・クリストフ（ノルウェー、BMCレーシングチーム）
6位 タイラー・ファラー（アメリカ、ガーミン・シャープ）
7位 ケニー・デハース（ベルギー、ロット・ベリソル）
8位 テオ・ボス（オランダ、ブランコプロサイクリング）
9位 ロメン・フェイユ（フランス、ヴァカンソレイユ・DCM）
10位 ミカエル・ファンスタイエン（ベルギー、トップスポート・フラーンデレン）
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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