2013/02/27(水) - 11:03
豪雨の中で行われたランカウイ第6ステージは、終盤に飛び出したグループからアタックを成功させたトム・リーザー(オランダ、ブランコプロサイクリング)が独走勝利しプロ初勝利。ジュリアン・アレドンドはリーダージャージを守っている。
ゲンティン・ハイランドでの山岳決戦を終えたツール・ド・ランカウイ。残る5ステージに山岳コースはすでに無く、レースの主役はクライマーからスプリンター、アタッカーへと移っていく。
2月26日に開催された第6ステージは、メンタカブからクアンタンへと至る今大会最長の217km。難易度は低いものの全体的に細かいアップダウンが連続し、途中4級山岳が計4つ登場する。この日は中盤からの豪雨となる中、終始レースが動き続けるハードな展開となった。
ここまでのステージで2勝を飾っているスプリンター、テオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)はこの日体調不良によりスタートサインに姿を見せず。計129名の選手たちが厚い雲の下スタートを切っていく。
平坦基調な前半、レースは非常にスピーディーな展開で幕開ける。各チームが繰り返しアタックを仕掛けたがいずれも決まらず、その展開のままレース最初1時間の平均速度は50km/hをマーク。その中で第1スプリントポイントは地元マレーシアのスター、アヌアル・マナン(シナジー・バク サイクリング)が獲得する。
ようやく逃げグループが形成されたのはスタートから80kmを経過してからのこと。アンドリュー・フェン(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)ら逃げた12名の中には新城幸也(ユーロップカー)も加わり、メイン集団とのタイム差を広げにかかる。
しかしチームNIPPO・デローザ勢はエスケープグループに大きなタイム差を与えることを許さず、逃げが決まってからも集団のペースを落とさない。逃げにメンバーを送り込めなかったチャンピオンシステム・プロサイクリングチームも牽引に加わったため、タイム差は1分30秒で頭打ちに。
これを嫌って先頭グループからは新城幸也が独走を開始。追走に対して最大で35秒ほどの差をもって40kmほどを独走したものの、ペースを上げたメイン集団にやがて吸収。レース開始後3時間の平均スピードは48.4km/h。ここから更なるアタック合戦が勃発した。
ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らが代わる代わる飛び出すものの、いずれも決定的な動きにはならない。
そして30分以上に渡るアタックと吸収の末、スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ガーミン・シャープ)やミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)、トム・リーザー(オランダ、ブランコプロサイクリング)ら16名が抜け出しに成功。
中島康晴 (愛三工業レーシングチーム)と佐野淳哉 (ヴィーニファンティーニ)もここに入った。
チームNIPPO・デローザやMTNキュベカ・サムスン、フランチェスコ・キッキ(イタリア)のスプリントを狙うヴィーニファンティーニらが集団を牽引したが、実力者が揃う先頭グループとの差は思うように詰まらない。
これを見て、先頭から残り4kmで飛び出したのはリーザー。豪雨の中一人追走との差を広げると、勢いを保ったまま独走でゴールへと飛び込んだ。プロ6年目、初めての勝利だ。
「今日は逃げにメンバーを乗せるという、今までとは違うプランでレースに臨んだ。全ての逃げに1人、2人を送り込むことができ、その中でトムは正しい選択をし、最後独走を飾ることが出来た」と語るのはブランコプロサイクリングのディレクター、ブリールヴェンス。チームの戦略がピタリとはまったステージとなった。
チームが終始集団のペースコントロールを担ったことで、総合リーダーのジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ)は危なげなく首位を堅守。翌第7ステージも2つの4級山岳を含むが、最後50kmはフラットだ。スプリンター達のゴール勝負に期待が掛かる。
ツール・ド・ランカウイ2013第6ステージ結果
1位 トム・リーザー(オランダ、ブランコプロサイクリング) 4h33′42″
2位 ジュン・ジミン(韓国、KSPO) +27″
3位 ミハウ・ゴワシュ(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +35″
4位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカットリ)
5位 トラヴィス・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 アンドレア・グアルディーニ (イタリア、アスタナ プロチーム) +40″
7位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ジェイコブ・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 サレハ・モハドハリフ(マレーシア、トレンガヌ・サイクリングチーム)
10位 アヌアル・マナン (マレーシア、シナジー・バク サイクリング)
12位 西谷泰治 (愛三工業レーシングチーム)
14位 盛一大 (愛三工業レーシングチーム)
16位 福田真平 (愛三工業レーシングチーム)
28位 新城幸也 (チーム ヨーロッパカー) +46″
48位 伊藤雅和 (愛三工業レーシングチーム)
56位 佐野淳哉 (ヴィーニファンティーニ)
70位 中島康晴 (愛三工業レーシングチーム)
111位 綾部勇成 (愛三工業レーシングチーム) +1′25″
123位 福島晋一 (チームNIPPO・デローザ) +3′39″
125位 徳田鍛造 (チームNIPPO・デローザ) +13′29″
126位 石橋学 (チームNIPPO・デローザ)
個人総合成績
1位 ジュリアン・アレドンド (コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 17h43′20″
2位 ピーター・ウェーニング (オランダ、オリカ・グリーンエッジ) +1′16″
3位 セルヒオ・パルディージャ (スペイン、MTNキュベカ・サムスン)+2′10″
4位 ピーター・ステティーナ (アメリカ、ガーミン・シャープ) +2′32″
5位 ワン・メイエン (中国、ハンシャンサイクリングチーム) +2′40″
6位 ネイサン・ハース (オーストラリア、ガーミン・シャープ) +2′48″
7位 フォルッナート・バリアーニ (イタリア、チームNIPPO・デローザ) +2分49″
8位 ジョン・エブセン (デンマーク、シナジー・バク サイクリング) +2′55″
9位 ツガブ・グルメイ (エチオピア、MTNキュベカ) +2′58″
10位 アミール・コラドザグ (イラン、タブリーズ・ペトロケミカル チーム)
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ (イタリア、アスタナ)
山岳賞
ワン・メイエン (中国、ハンシャンサイクリングチーム)
アジアンライダー総合成績
ワン・メイエン (中国、ハンシャンサイクリングチーム)
チーム総合成績
MTNキュベカ・サムスン
text:So.Isobe
photo:Sonoko.Tanaka
ゲンティン・ハイランドでの山岳決戦を終えたツール・ド・ランカウイ。残る5ステージに山岳コースはすでに無く、レースの主役はクライマーからスプリンター、アタッカーへと移っていく。
2月26日に開催された第6ステージは、メンタカブからクアンタンへと至る今大会最長の217km。難易度は低いものの全体的に細かいアップダウンが連続し、途中4級山岳が計4つ登場する。この日は中盤からの豪雨となる中、終始レースが動き続けるハードな展開となった。
ここまでのステージで2勝を飾っているスプリンター、テオ・ボス(オランダ、ブランコプロサイクリング)はこの日体調不良によりスタートサインに姿を見せず。計129名の選手たちが厚い雲の下スタートを切っていく。
平坦基調な前半、レースは非常にスピーディーな展開で幕開ける。各チームが繰り返しアタックを仕掛けたがいずれも決まらず、その展開のままレース最初1時間の平均速度は50km/hをマーク。その中で第1スプリントポイントは地元マレーシアのスター、アヌアル・マナン(シナジー・バク サイクリング)が獲得する。
ようやく逃げグループが形成されたのはスタートから80kmを経過してからのこと。アンドリュー・フェン(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)ら逃げた12名の中には新城幸也(ユーロップカー)も加わり、メイン集団とのタイム差を広げにかかる。
しかしチームNIPPO・デローザ勢はエスケープグループに大きなタイム差を与えることを許さず、逃げが決まってからも集団のペースを落とさない。逃げにメンバーを送り込めなかったチャンピオンシステム・プロサイクリングチームも牽引に加わったため、タイム差は1分30秒で頭打ちに。
これを嫌って先頭グループからは新城幸也が独走を開始。追走に対して最大で35秒ほどの差をもって40kmほどを独走したものの、ペースを上げたメイン集団にやがて吸収。レース開始後3時間の平均スピードは48.4km/h。ここから更なるアタック合戦が勃発した。
ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らが代わる代わる飛び出すものの、いずれも決定的な動きにはならない。
そして30分以上に渡るアタックと吸収の末、スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、ガーミン・シャープ)やミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)、トム・リーザー(オランダ、ブランコプロサイクリング)ら16名が抜け出しに成功。
中島康晴 (愛三工業レーシングチーム)と佐野淳哉 (ヴィーニファンティーニ)もここに入った。
チームNIPPO・デローザやMTNキュベカ・サムスン、フランチェスコ・キッキ(イタリア)のスプリントを狙うヴィーニファンティーニらが集団を牽引したが、実力者が揃う先頭グループとの差は思うように詰まらない。
これを見て、先頭から残り4kmで飛び出したのはリーザー。豪雨の中一人追走との差を広げると、勢いを保ったまま独走でゴールへと飛び込んだ。プロ6年目、初めての勝利だ。
「今日は逃げにメンバーを乗せるという、今までとは違うプランでレースに臨んだ。全ての逃げに1人、2人を送り込むことができ、その中でトムは正しい選択をし、最後独走を飾ることが出来た」と語るのはブランコプロサイクリングのディレクター、ブリールヴェンス。チームの戦略がピタリとはまったステージとなった。
チームが終始集団のペースコントロールを担ったことで、総合リーダーのジュリアン・アレドンド(コロンビア、チームNIPPO・デローザ)は危なげなく首位を堅守。翌第7ステージも2つの4級山岳を含むが、最後50kmはフラットだ。スプリンター達のゴール勝負に期待が掛かる。
ツール・ド・ランカウイ2013第6ステージ結果
1位 トム・リーザー(オランダ、ブランコプロサイクリング) 4h33′42″
2位 ジュン・ジミン(韓国、KSPO) +27″
3位 ミハウ・ゴワシュ(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +35″
4位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニジョカットリ)
5位 トラヴィス・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
6位 アンドレア・グアルディーニ (イタリア、アスタナ プロチーム) +40″
7位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ジェイコブ・キーオ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 サレハ・モハドハリフ(マレーシア、トレンガヌ・サイクリングチーム)
10位 アヌアル・マナン (マレーシア、シナジー・バク サイクリング)
12位 西谷泰治 (愛三工業レーシングチーム)
14位 盛一大 (愛三工業レーシングチーム)
16位 福田真平 (愛三工業レーシングチーム)
28位 新城幸也 (チーム ヨーロッパカー) +46″
48位 伊藤雅和 (愛三工業レーシングチーム)
56位 佐野淳哉 (ヴィーニファンティーニ)
70位 中島康晴 (愛三工業レーシングチーム)
111位 綾部勇成 (愛三工業レーシングチーム) +1′25″
123位 福島晋一 (チームNIPPO・デローザ) +3′39″
125位 徳田鍛造 (チームNIPPO・デローザ) +13′29″
126位 石橋学 (チームNIPPO・デローザ)
個人総合成績
1位 ジュリアン・アレドンド (コロンビア、チームNIPPO・デローザ) 17h43′20″
2位 ピーター・ウェーニング (オランダ、オリカ・グリーンエッジ) +1′16″
3位 セルヒオ・パルディージャ (スペイン、MTNキュベカ・サムスン)+2′10″
4位 ピーター・ステティーナ (アメリカ、ガーミン・シャープ) +2′32″
5位 ワン・メイエン (中国、ハンシャンサイクリングチーム) +2′40″
6位 ネイサン・ハース (オーストラリア、ガーミン・シャープ) +2′48″
7位 フォルッナート・バリアーニ (イタリア、チームNIPPO・デローザ) +2分49″
8位 ジョン・エブセン (デンマーク、シナジー・バク サイクリング) +2′55″
9位 ツガブ・グルメイ (エチオピア、MTNキュベカ) +2′58″
10位 アミール・コラドザグ (イラン、タブリーズ・ペトロケミカル チーム)
ポイント賞
アンドレア・グアルディーニ (イタリア、アスタナ)
山岳賞
ワン・メイエン (中国、ハンシャンサイクリングチーム)
アジアンライダー総合成績
ワン・メイエン (中国、ハンシャンサイクリングチーム)
チーム総合成績
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text:So.Isobe
photo:Sonoko.Tanaka
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