全力で走って次々とほかの選手たちを周回遅れにする竹之内悠(コルバ・スペラーノハム)、豊岡英子(パナソニックレディース)そして小橋勇利(ボンシャンス飯田)。世界を見据える3人が気迫で圧倒。

讃岐富士を望む会場讃岐富士を望む会場 photo:Hideaki TAKAGI
今年で6回目を迎えるさぬきシクロクロス善通寺大会。「うどんクロス」として親しまれてはや6年。今年も参加者たちをさぬきうどんと骨付鳥と、そして笑顔が歓迎した。
2月11日(月)、香川県善通寺市鉢伏ふれあい公園で行われたシクロクロスは、もちろん第1回からAJOCCのカレンダーに載るもの。香川県自転車競技連盟が中心となり、関西シクロクロス実行委員会が協力する大会は毎年質が高い。
「こがね製麺所」で讃岐うどんをふるまう辻浦圭一氏。腕さばきはプロの領域「こがね製麺所」で讃岐うどんをふるまう辻浦圭一氏。腕さばきはプロの領域 photo:Hideaki TAKAGI「ひうら」の骨付鳥。親と雛、どちらが好み?これは親です「ひうら」の骨付鳥。親と雛、どちらが好み?これは親です photo:Hideaki TAKAGI

さぬきうどんを振舞う辻浦圭一氏

香川県と言えばさぬきうどん。もちろん会場ではさぬきうどんが振舞われる。一般でも200円なので、会場では何杯食べたかが挨拶代わり。そして骨付鳥がとてもおいしい。思わずビールが欲しくなるが、みんなレースや運転があるので我慢。
そのさぬきうどんを手際よく茹でてお客さんに出すのは辻浦圭一氏。その辻浦氏は大病を患い現在は復帰途中。昨年の本大会は出走しなかったが来場、翌月の3月に入院した。「もう、あれから一年ですね。今回自分は走らないのに呼んでいただきました。有難いことです。第1回大会から自分を呼んでいただき主催者に感謝しています」と語る。そして辻浦氏は、もともと自分の意思で来る予定にしていた、と続ける。主催者も辻浦氏も固い絆で結ばれている。

C1は竹之内悠(コルバ・スペラーノハム)が圧倒
C1 スリップしやすい芝生を攻める竹之内悠(コルバ・スペラーノハム)C1 スリップしやすい芝生を攻める竹之内悠(コルバ・スペラーノハム) photo:Hideaki TAKAGIC1 2番手を走る中原義貴(cannondale)C1 2番手を走る中原義貴(cannondale) photo:Hideaki TAKAGIC1 3番手を走る古崎潤(チームスクアドラ/DECOJA)C1 3番手を走る古崎潤(チームスクアドラ/DECOJA) photo:Hideaki TAKAGICL1 先頭を走る豊岡英子(パナソニックレディース)CL1 先頭を走る豊岡英子(パナソニックレディース) photo:Hideaki TAKAGICJ 同時出走C1の中ほどを走る、優勝した岡野樹(Team RINGOROAD/のぼこん)CJ 同時出走C1の中ほどを走る、優勝した岡野樹(Team RINGOROAD/のぼこん) photo:Hideaki TAKAGICM1 優勝の山本雅一(on mac壮年部)CM1 優勝の山本雅一(on mac壮年部) photo:Hideaki TAKAGIC2 1分前スタートCM1全員を抜いてトップを走る小橋勇利(ボンシャンス飯田)C2 1分前スタートCM1全員を抜いてトップを走る小橋勇利(ボンシャンス飯田) photo:Hideaki TAKAGI
丘陵部の公園を使ったコースは大きな上りが一ヶ所、あとは細かいアップダウンとターンが続く。平坦舗装路は向かい風がきつく、芝生部分はスリップしやすい。
C1には竹之内悠(コルバ・スペラーノハム)が出場。竹之内は序盤から先頭に立ち、他者とは全く違うスピードで駆け抜けていく。終わってみれば2位の中原義貴(cannondale)に2分42秒の大差をつけて圧勝。

優勝した竹之内は「お客さんがたくさんいたので、自分の持っているものすべて、技とか見てもらおうと思い、コーナーもシケインも本気で突っ込みました」と語る。竹之内にとっては前日のシクロクロス東京との連戦。京都の自宅で睡眠をとってきたというが疲れはあったはず。だが「ヨーロッパの遠征では土日の連戦が多かった。レースでないとなかなか追い込めない」と前向き。

前日は東京、当日香川、翌日12日にはベルギーへ渡る。さらに到着翌日はスペインへ行き、チームキャンプとレースが待っている。まずはレースメンバーに選ばれることだが、「冬場にこのシクロクロスをやってきたので調子はいい。ロードもいけますよ」と自信を覗かせる。一段と逞しくなった竹之内のロードシーズンが始まる。

女子も連戦の豊岡英子(パナソニックレディース)が圧勝。CM1が1分前に、そしてC2がいたため40人近く後方からのスタートだった。豊岡も第1回大会からの出場。「(スタートは後だが)前走者を抜いていくのはテクニックも必要だしあまり関係ないですね」と前向きに。

「連戦は当たり前です。ただヨーロッパとアメリカの往復そして帰国したのが4日前なので、振り返ればきついなとは思いますが。今シーズンは全日本を落としたので、それを糧にしてヨーロッパに渡って走り、成績にもつながるいい結果が出たと思います」と手応えを感じたと語る。

C2は小橋勇利(ボンシャンス飯田)が圧勝。1分先にスタートしたCM1の全員を抜いてさらに速いラップを刻んでいき圧倒。C1ならば2位相当のラップで走ったことに。シクロクロスはまだ2回目でクリンチャータイヤで臨んだ小橋は、「細かいところでミスがあり、1回転んでハンドルが曲がってしまいました。以前からMTBでオフロードも走っていたので楽しかったです」と言う。小橋は3月に高校の卒業式があり、その翌日にフランスへ出発する。


結果
C1 11周
1位 竹之内悠(コルバ・スペラーノハム)59分09秒
2位 中原義貴(cannondale)+2分42秒
3位 古崎潤(チームスクアドラ/DECOJA)+5分40秒
4位 加藤俊介(Tyrell Kagawa Racing)+1LAP
5位 岡崎和也
6位 梶田晋(Euro Works)

CL1 6周
1位 豊岡英子(パナソニックレディース)38分12秒
2位 埜間賢美(Team クルーズ)+5分40秒
3位 三家丸裕子(masahikomifune.com) +7分05秒

CJ 7周
1位 岡野樹(Team RINGOROAD/のぼこん)42分32秒
2位 岡部佑太(広島城北高校)+2分11秒
3位 田中稜一 +6分10秒

CM1 6周
1位 山本雅一(on mac壮年部)37分30秒
2位 羽鳥和重(cycleclub3UP)+13秒
3位 馬野大嗣(ユーロードレーシング)+43秒

C2 6周
1位 小橋勇利(ボンシャンス飯田)34分19秒
2位 竹本隼(TeamBSC/K&b)+1分40秒
3位 青野将大(高松工芸高校)+2分16秒

C3A
 4周
1位 竹本颯太(TeamBSC/K&b)25分06秒
2位 刈谷文昭 +1分49秒
3位 藤本浩之(Euro Works Racing)+1分58秒

C3B
 4周
1位 真砂栄作(高松工芸高校)25分14秒
2位 磯田竜介(Tyrell Kagawa Racing)+1分12秒
3位 森嶋健太(ストラーダレーシング)+1分20秒

CU17 4周
1位 日野竜嘉(ボンシャンス飯田)24分15秒 
2位 平林楓輝(INFINITY)+2分16秒
3位 河野玄樹(高松市サイクルスポーツ少年団)+2分17秒


photo&text:高木秀彰
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