2022/04/21(木) - 18:56
軽量クリンチャーホイールの決定版と呼ばれるのがフルクラムのRacing ZEROシリーズだ。ディスクブレーキ化やカーボンリムモデルの追加など、進化を続ける金字塔の最新モデルをキナンレーシングチームの畑中勇介と新城雄大・両選手がテストした。
フルクラム創業時のトップレンジモデルとしてデビューしたRACING 1に端を発し、オーバーサイズフランジを採用したことでアップグレードを果たしたRACING ZEROは、特にプロレーサーやハイアマチュアライダーから支持を集めてきた。2015年には世界で初めてアルミスポークとカーボンリムを組み合わせたRACING ZERO CARBONもラインナップに加わるなどパワーアップを果たし、今もなおアルミスポーク特有の切れ味鋭い走りを持つクリンチャーホイールとして高い人気を誇っている。
そんなRACING ZEROシリーズのフラッグシップモデルの座に座るのが、このRACING ZERO CARBON CMPTZN(コンペティツィオーネ)DB。カーボンリムとアルミスポークという組み合わせはそのままに、最高峰CULTベアリングを採用した「フルクラムの最上級テクノロジー全部入り」モデルに仕上げられている。
超高弾性のT800 UDカーボンを用いた30mmハイトのリムには、ブレーキ時に大きな応力のかかるニップルホール周辺をツィルカーボンで補強する「ARC」を採用。斜めに張り込まれた補強カーボン素材は見た目のインパクトもさることながら「レーゼロカーボン」の走りを高める、フルクラムの技術の結晶とも呼べるものだ。
内幅19mm/外幅26.5mmのリムと最高級ハブを繋ぐスポークは、RACING ZEROをRACING ZEROたらしめる極太のアルミスポークだ。特有の切れ味鋭い反応性や、強い横Gのかかるコーナーでもビクともしない剛性感を醸し出すスポークは前後ともに2:1パターンで組み上げられ、リム内側のスポーク穴を排したMo-Magソリューションと共に耐久性や、走り性能そのものの向上を図った。
もともとRacing ZERO CARBONはセラミックボールを使ったUSBベアリング仕様が用意されていたが、このCMPTZN(コンペティツィオーネ)はベアリングの玉受けと玉押しにも特殊加工を施CULTベアリングを搭載。これによって10gの軽量化を達成すると共に走行抵抗を低減。ペア重量はチューブレス装着を見据えたカーボンホイールとしては非常に軽い1,440gに押さえ込まれているのだ。
SPEEDシリーズと人気を二分する、フルクラムのマイルストーンがRacing ZERO CARBON。その最上級モデルであり、精悍なブラックカラーを纏うRacing ZERO CARBON CMPTZN DBのインプレッションに注目したい。(スペックはページ下部へ)
「レーゼロと言えばアルミホイール」という方も決して少なくないだろう。事実カーボンリムモデルが登場したのは2015年であり、それまで、そしてそれ以降も現在に至るまで、フルクラムの、いや、アルミホイール界におけるフラッグシップモデルと言えば「カーボン」の名がつかないRacing ZEROが担ってきた。
現在ラインナップされるRacing ZERO DBは、2018年とディスクブレーキ用としては早いタイミングで刷新が行われたものであり、CULTベアリングを投入したCMPTZN(コンペティツィオーネ)は2019年に追加された最高級モデルだ。
軽量かつ高剛性な6082-T6アルミニウムを使ったリムはカーボンモデルと同じ30mmハイトで、内幅19mm/外幅23.8mmとカーボンモデルと比べると外幅がやや細身。最大50mmまでのワイドタイヤに対応するなど、現代のディスクブレーキホイールとしてのツボもしっかりと抑えている。
極太のストレートプルアルミスポークによる2:1組みや、オーバーサイズフランジを使ったハブボディ(前カーボン/リアアルミ)、スポーク穴をなくし、リムテープ無しでクリンチャーとチューブレスタイヤの両方に対応する2WAY-FITなど、フルクラムの全てのテクノロジーが結集されたのがこのRacing ZERO CMPTZN DBだ。(スペックはページ下部へ)
インプレッションを担当してくれた畑中勇介と新城雄大ら、キナンレーシングチームの選手たちは普段からトレーニング用として真っ赤なRacing ZERO DBを愛用中。今回はカーボンリムのRacing ZERO CARBON CMPTZN DB、そしてCULTベアリングのRacing ZERO CMPTZN DBの走りはもちろんのこと、各モデル間の走りの違いや、SPEED 40も含めた選び方などを深く掘り下げて聞いてみた。
畑中:チームではRacing ZEROのカーボンリムモデルは使っていませんし、フルクラムのラインナップ中最軽量ということで非常に気になっていたのでインプレが楽しみでした。で、乗ってみると、「周回レースが多い日本のレースだったら、積極的にアリ」という予想を超える結論に...。
新城:僕も同じですよ。すごく軽いし、軽量ホイールとして言うことなしの走り。SPEED 40と比べてもなお軽さが際立つので登りが多いレースならこれ。それでいて平坦路での「掛かり」が良いから、意外とスピードの上げ下げがあるレースでも武器になると思いました。剛性面で言えばSPEED 40よりも硬くてパッキパキ。ダンシング中にヨレないから、素直すぎるほどライダーのコントロールに機敏に反応してくれる。
畑中:普段アルミモデルに乗ってますが、このカーボンモデルと乗り比べたことで、Racing ZERO特有の硬さがアルミスポークで生まれているんだなと理解できました。「フルクラムは硬い」とよく言われますが、そのイメージのど真ん中かつ、最高峰のモデル。
SPEED 40のようにあらゆる場面でオールラウンドに速いというのとは少し違って、特定のニーズにバチンとハマる走りだと感じます。コーナーの立ち上がりだったり、登りの反応がすごく良いから集団の中でスピードの増減がある場面にベストマッチするでしょうね。
新城:僕はクリテリウムだったらSPEED 40よりもこっちを選ぶかも。それもコーナーで低速になればなるほどメリットが出ます。例えば20km/hからの立ち上がりが多いレースなどにはとても相性がいいと思います。
畑中:その対極にあるヒルクライムでは外周部の軽さで武器になる。もしこのホイールを使えるならば、使いたいと言う選手は多いはず。例えば広島森林公園のコースだったらかなりSPEED 40と迷いそう。
新城:広島だったら僕はこれ選ぶと思います。マジで。ツアー・オブ・ジャパンの修善寺なんかは確実にこれ。
畑中:おお、なるほど。そんな意見が出るほど、国内レースなら本当に使用頻度は高いですよ。でも、ツール・ド・おきなわのようなラインレースならSPEED 40。アジアツアーはどう?
新城:アジアレースはSPEED 40ですね。まあ、これもとっても贅沢な話ですけどね(笑)。例えばアマチュアレーサーの場合、ロード、ヒルクライム、エンデューロ、長距離ライドまで幅広く楽しむタイプならSPEED 40が万能です。その中でもヒルクライムに重きを置いていたり、短時間高強度で登りやコーナーが多いロードが得意ならRacing ZERO CARBONと選び分けが出来そうです。
新城:すごく赤が目立つのでいいですよね!乗り味としてはパリパリに硬いRacing ZERO CARBONと比べると少しマイルド、特にダンシングで差を感じますが、それでも根本的なホイール剛性はすごく高い。アルミホイールとしては最上級ではないでしょうか?
畑中:世界のトップレースでこそ使われませんが、やはりアルミのRacing ZEROと言えば名作中の名作とあって、セカンドカテゴリー以下のチームではバリバリ使われているホイールですよね。U23の世界選手権でもよく目にしましたし、走りも「これぞレーゼロ、これぞアルミレーシングホイール!」というべきには俊敏です。この走りに魅せられてしまったファンは僕の身の回りにも多いですから。
新城:トレーニングホイールとして長く使わせて頂いていますが、不満は全くありませんよ。ただ硬いホイールなのでフレームやユーザーの好みははっきりと分かれるとは思いますが、好きな人にはバチッとハマる。そういうホイールですよ。
畑中:もちろんリムが金属なのでカーボンモデルと比べるとやや突き上げは感じますが、それも「レーゼロらしさ」の要素だと思うんですよね(笑)。
新城:当然ですが、軽量アルミホイールだからと言って「ヤバい」感じは全くしませんし、落車以外で「フルクラムのレーゼロが壊れた」と言う話は聞いたこともありません。信頼性は非常に高いと思いますね。
畑中:やっぱりカーボンホイールとディスクブレーキ全盛になった今でも、高級なアルミホイールって必要だと思うんですよね。その走りにもファンがいるし、僕なんか輪行であっちこっちに走りに行ったりするし。ホビーユーザーからしたら信頼性ってかなり大切な要素じゃないですか。それってどんな時代でも普遍的なものだと思いますね。
次章最終回では、テストライダーを務めた二人による総括を紹介。カーボンホイールのバーサタイル化や低価格化が進む現代においての、フルクラムホイールの魅力、そして価値とは。過酷なレース現場で使われるフルクラムホイールに携わるキナンレーシングのメカニック、星野貴大さんの言葉も併せて紹介したい。
「フルクラムのホイール、なんだか良さそうだな」「SPEEDシリーズを試してみたい」「キナンの選手みたいにレースで使いたい!」。
本特集記事に目を通して、そんなふうに興味を持った方も少なくないことだろう。同社の日本正規販売代理店を務めるカワシマサイクルサプライでは、そんな声に応えるべく各モデルをたっぷりと試せるレンタルプラン「FULCRUM GO」を実施している。
Racing ZEROシリーズはもちろんのこと、ハイエンドのSPEEDシリーズや、リムブレーキモデルも取り揃えられており、1モデルを10泊11日で借りるプランと、2モデルをなんと15泊16日で乗り比べできる2つのプランが用意されているのだ。しかも料金は前者が6,000円、後者ですら11,000円(どちらもブレーキ調整/スプロケ着脱込み)と超格安で、サイクルイベントやヒルクライムレースで使うこともできるのだ。レンタルホイールの種類や日程の確認はフルクラムのHPから確認でき、申し込みはフルクラム提携のプロショップから行う(詳しくはこちらから確認してほしい)。
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FULCRUM GO ホィールレンタルサービス
Racing ZERO:軽量アルミスポークレーシングホイールの代名詞
前章で紹介したSPEEDシリーズと共にフルクラムラインナップの双璧を成すのが、アルミスポークを採用した軽量レーシングホイールのRACING ZEROシリーズだ。フルクラム創業時のトップレンジモデルとしてデビューしたRACING 1に端を発し、オーバーサイズフランジを採用したことでアップグレードを果たしたRACING ZEROは、特にプロレーサーやハイアマチュアライダーから支持を集めてきた。2015年には世界で初めてアルミスポークとカーボンリムを組み合わせたRACING ZERO CARBONもラインナップに加わるなどパワーアップを果たし、今もなおアルミスポーク特有の切れ味鋭い走りを持つクリンチャーホイールとして高い人気を誇っている。
フルクラム Racing ZERO CARBON CMPTZN DB
そんなRACING ZEROシリーズのフラッグシップモデルの座に座るのが、このRACING ZERO CARBON CMPTZN(コンペティツィオーネ)DB。カーボンリムとアルミスポークという組み合わせはそのままに、最高峰CULTベアリングを採用した「フルクラムの最上級テクノロジー全部入り」モデルに仕上げられている。
超高弾性のT800 UDカーボンを用いた30mmハイトのリムには、ブレーキ時に大きな応力のかかるニップルホール周辺をツィルカーボンで補強する「ARC」を採用。斜めに張り込まれた補強カーボン素材は見た目のインパクトもさることながら「レーゼロカーボン」の走りを高める、フルクラムの技術の結晶とも呼べるものだ。
内幅19mm/外幅26.5mmのリムと最高級ハブを繋ぐスポークは、RACING ZEROをRACING ZEROたらしめる極太のアルミスポークだ。特有の切れ味鋭い反応性や、強い横Gのかかるコーナーでもビクともしない剛性感を醸し出すスポークは前後ともに2:1パターンで組み上げられ、リム内側のスポーク穴を排したMo-Magソリューションと共に耐久性や、走り性能そのものの向上を図った。
もともとRacing ZERO CARBONはセラミックボールを使ったUSBベアリング仕様が用意されていたが、このCMPTZN(コンペティツィオーネ)はベアリングの玉受けと玉押しにも特殊加工を施CULTベアリングを搭載。これによって10gの軽量化を達成すると共に走行抵抗を低減。ペア重量はチューブレス装着を見据えたカーボンホイールとしては非常に軽い1,440gに押さえ込まれているのだ。
SPEEDシリーズと人気を二分する、フルクラムのマイルストーンがRacing ZERO CARBON。その最上級モデルであり、精悍なブラックカラーを纏うRacing ZERO CARBON CMPTZN DBのインプレッションに注目したい。(スペックはページ下部へ)
フルクラム Racing ZERO CMPTZN DB(CUSTOM)
「レーゼロと言えばアルミホイール」という方も決して少なくないだろう。事実カーボンリムモデルが登場したのは2015年であり、それまで、そしてそれ以降も現在に至るまで、フルクラムの、いや、アルミホイール界におけるフラッグシップモデルと言えば「カーボン」の名がつかないRacing ZEROが担ってきた。
現在ラインナップされるRacing ZERO DBは、2018年とディスクブレーキ用としては早いタイミングで刷新が行われたものであり、CULTベアリングを投入したCMPTZN(コンペティツィオーネ)は2019年に追加された最高級モデルだ。
軽量かつ高剛性な6082-T6アルミニウムを使ったリムはカーボンモデルと同じ30mmハイトで、内幅19mm/外幅23.8mmとカーボンモデルと比べると外幅がやや細身。最大50mmまでのワイドタイヤに対応するなど、現代のディスクブレーキホイールとしてのツボもしっかりと抑えている。
極太のストレートプルアルミスポークによる2:1組みや、オーバーサイズフランジを使ったハブボディ(前カーボン/リアアルミ)、スポーク穴をなくし、リムテープ無しでクリンチャーとチューブレスタイヤの両方に対応する2WAY-FITなど、フルクラムの全てのテクノロジーが結集されたのがこのRacing ZERO CMPTZN DBだ。(スペックはページ下部へ)
キナンレーシングチームの畑中勇介と新城雄大によるインプレッション
インプレッションを担当してくれた畑中勇介と新城雄大ら、キナンレーシングチームの選手たちは普段からトレーニング用として真っ赤なRacing ZERO DBを愛用中。今回はカーボンリムのRacing ZERO CARBON CMPTZN DB、そしてCULTベアリングのRacing ZERO CMPTZN DBの走りはもちろんのこと、各モデル間の走りの違いや、SPEED 40も含めた選び方などを深く掘り下げて聞いてみた。
「SPEED 40と選択に悩むくらい、イイ」
CW:まずはRacing ZERO CARBONからお伺いします。今回はCULTベアリングのCMPTZNモデルを試してもらいましたが、いかがでしたか?畑中:チームではRacing ZEROのカーボンリムモデルは使っていませんし、フルクラムのラインナップ中最軽量ということで非常に気になっていたのでインプレが楽しみでした。で、乗ってみると、「周回レースが多い日本のレースだったら、積極的にアリ」という予想を超える結論に...。
新城:僕も同じですよ。すごく軽いし、軽量ホイールとして言うことなしの走り。SPEED 40と比べてもなお軽さが際立つので登りが多いレースならこれ。それでいて平坦路での「掛かり」が良いから、意外とスピードの上げ下げがあるレースでも武器になると思いました。剛性面で言えばSPEED 40よりも硬くてパッキパキ。ダンシング中にヨレないから、素直すぎるほどライダーのコントロールに機敏に反応してくれる。
畑中:普段アルミモデルに乗ってますが、このカーボンモデルと乗り比べたことで、Racing ZERO特有の硬さがアルミスポークで生まれているんだなと理解できました。「フルクラムは硬い」とよく言われますが、そのイメージのど真ん中かつ、最高峰のモデル。
SPEED 40のようにあらゆる場面でオールラウンドに速いというのとは少し違って、特定のニーズにバチンとハマる走りだと感じます。コーナーの立ち上がりだったり、登りの反応がすごく良いから集団の中でスピードの増減がある場面にベストマッチするでしょうね。
新城:僕はクリテリウムだったらSPEED 40よりもこっちを選ぶかも。それもコーナーで低速になればなるほどメリットが出ます。例えば20km/hからの立ち上がりが多いレースなどにはとても相性がいいと思います。
畑中:その対極にあるヒルクライムでは外周部の軽さで武器になる。もしこのホイールを使えるならば、使いたいと言う選手は多いはず。例えば広島森林公園のコースだったらかなりSPEED 40と迷いそう。
新城:広島だったら僕はこれ選ぶと思います。マジで。ツアー・オブ・ジャパンの修善寺なんかは確実にこれ。
畑中:おお、なるほど。そんな意見が出るほど、国内レースなら本当に使用頻度は高いですよ。でも、ツール・ド・おきなわのようなラインレースならSPEED 40。アジアツアーはどう?
新城:アジアレースはSPEED 40ですね。まあ、これもとっても贅沢な話ですけどね(笑)。例えばアマチュアレーサーの場合、ロード、ヒルクライム、エンデューロ、長距離ライドまで幅広く楽しむタイプならSPEED 40が万能です。その中でもヒルクライムに重きを置いていたり、短時間高強度で登りやコーナーが多いロードが得意ならRacing ZERO CARBONと選び分けが出来そうです。
「これぞ"レーゼロ"の走り」
CW:非常に高い評価!いい意味で驚きました。アルミモデルはいかがでしょう。普段は日本限定仕様のレッドホイールをトレーニングに使っていると聞きました。新城:すごく赤が目立つのでいいですよね!乗り味としてはパリパリに硬いRacing ZERO CARBONと比べると少しマイルド、特にダンシングで差を感じますが、それでも根本的なホイール剛性はすごく高い。アルミホイールとしては最上級ではないでしょうか?
畑中:世界のトップレースでこそ使われませんが、やはりアルミのRacing ZEROと言えば名作中の名作とあって、セカンドカテゴリー以下のチームではバリバリ使われているホイールですよね。U23の世界選手権でもよく目にしましたし、走りも「これぞレーゼロ、これぞアルミレーシングホイール!」というべきには俊敏です。この走りに魅せられてしまったファンは僕の身の回りにも多いですから。
新城:トレーニングホイールとして長く使わせて頂いていますが、不満は全くありませんよ。ただ硬いホイールなのでフレームやユーザーの好みははっきりと分かれるとは思いますが、好きな人にはバチッとハマる。そういうホイールですよ。
畑中:もちろんリムが金属なのでカーボンモデルと比べるとやや突き上げは感じますが、それも「レーゼロらしさ」の要素だと思うんですよね(笑)。
新城:当然ですが、軽量アルミホイールだからと言って「ヤバい」感じは全くしませんし、落車以外で「フルクラムのレーゼロが壊れた」と言う話は聞いたこともありません。信頼性は非常に高いと思いますね。
畑中:やっぱりカーボンホイールとディスクブレーキ全盛になった今でも、高級なアルミホイールって必要だと思うんですよね。その走りにもファンがいるし、僕なんか輪行であっちこっちに走りに行ったりするし。ホビーユーザーからしたら信頼性ってかなり大切な要素じゃないですか。それってどんな時代でも普遍的なものだと思いますね。
次章最終回では、テストライダーを務めた二人による総括を紹介。カーボンホイールのバーサタイル化や低価格化が進む現代においての、フルクラムホイールの魅力、そして価値とは。過酷なレース現場で使われるフルクラムホイールに携わるキナンレーシングのメカニック、星野貴大さんの言葉も併せて紹介したい。
インプレッションモデルスペック
フルクラム Racing ZERO CARBON CMPTZN DB
リム | UDフルカーボン、ARCテクノロジー(ツィル)、ハイト30mm、内幅C19 |
タイヤタイプ | 2-WAY FIT |
適合タイヤ幅 | 23~40mm |
スポーク | エアロアルミ・ストレートプル F/21 R/21(2to1) |
フロントハブ | カーボン製、アルミオーバーサイズ・フランジ |
リアハブ | アルミ製 アルミオーバーサイズ・フランジ |
ベアリング | CULTセラミック |
重量 | 1,440g |
税込価格 | 368,500円 |
フルクラム Racing ZERO CMPTZN DB CUSTOM
リム | アルミ製、ハイト30mm 外幅23.8mm、内幅19mm |
適合タイヤ幅 | 23~50mm |
スポーク | エアロアルミ・ストレートプル F/21 R/21(2to1) |
フロントハブ | カーボン製 アルミオーバーサイズ・フランジ |
リアハブ | アルミ製 アルミオーバーサイズ・フランジ |
ベアリング | CULTセラミック |
重量 | 1,570g |
税込価格 | 195,800円 |
たっぷりフルクラムホイールを試せる「FULCRUM GO ホィールレンタルサービス」
「フルクラムのホイール、なんだか良さそうだな」「SPEEDシリーズを試してみたい」「キナンの選手みたいにレースで使いたい!」。
本特集記事に目を通して、そんなふうに興味を持った方も少なくないことだろう。同社の日本正規販売代理店を務めるカワシマサイクルサプライでは、そんな声に応えるべく各モデルをたっぷりと試せるレンタルプラン「FULCRUM GO」を実施している。
Racing ZEROシリーズはもちろんのこと、ハイエンドのSPEEDシリーズや、リムブレーキモデルも取り揃えられており、1モデルを10泊11日で借りるプランと、2モデルをなんと15泊16日で乗り比べできる2つのプランが用意されているのだ。しかも料金は前者が6,000円、後者ですら11,000円(どちらもブレーキ調整/スプロケ着脱込み)と超格安で、サイクルイベントやヒルクライムレースで使うこともできるのだ。レンタルホイールの種類や日程の確認はフルクラムのHPから確認でき、申し込みはフルクラム提携のプロショップから行う(詳しくはこちらから確認してほしい)。
憧れのフルクラムホイールを思う存分試せるチャンスをお見逃しなく。
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