2016/03/18(金) - 13:41
3月初旬に千葉県成田市で開催された、サーヴェロのプレゼンテーション「ブレインバイク」。創業者で現代表であるフィル・ホワイト氏を含む本社の核となる人物たちが顔を揃える中、Cシリーズが国内で初めて正式に発表され、詰めかけた国内メディアやショップ関係者から大きな注目を集めていた。
本章ではプレゼンテーションに併せて開催されたテストライドで、C5のインプレッションを行った5名のショップ店長のコメントを紹介する。エンデュランスロードというカテゴリーに一石を投じる、C5の実力とはいかに。
乗った際の第一印象は「とにかくソフト」であること。薄暗い夕方に荒れが多い一般道で試乗したのですが、こうした場面をレーシングバイクで走ると砂利やひび割れの一つ一つに気を遣ってしまう。でもC5は乗り心地が非常に良く、28cタイヤも相まって全くストレスを感じませんでした。
また、BBが下がっているのに対してヘッドチューブが長いため、とてもリラックスしたポジションであることも特徴です。さらにホイールベースが長いため、低速域から一切ふらつかず、高速域でも振動吸収性の高さゆえ極めて安定した走り心地です。油圧ディスクブレーキとスルーアクスルの組み合わせも、とても良かった。剛性感に溢れていますし、コーナリング中はフレームとホイールがまさに一体となっているかのような完成度の高いフィーリングでした。
車体のソフトさゆえダッシュこそ苦手ですが、細かい凹凸をいなすため高速巡航時は非常に気持ちが良いですね。距離を重ねて疲れが溜まっている状態でも安心できますし、走りの上質さは他に類を見ないほどです。
今までサーヴェロと言えば、本来オールラウンドレーサーであるRシリーズがロングライド用としての役割を担っていましたが、Cシリーズの登場によって完全な立ち位置の明確化が行われました。レーシングブランドとしてのサーヴェロに憧れる方にとっては違和感のあるモデルかもしれませんが、未舗装路を含む林道好きや、険しいグランフォンドを愛するような方には非常にマッチしていると感じます。どこまでも走っていたくなる面白いバイクですね。
カミハギサイクル
CWレコメンドショップページ
ショップHP
最初ジオメトリー表を見た時には「もったりとしてるんじゃないかな?」という印象を持ちましたが、ダンシングも軽いし、登りもグイグイと進んでくれる。当然レーシングバイクとは路線が違いますが、このままロードレースにも使えるだろうな、と。下総フレンドリーパークは何度も走っているコースですが、ゴール前の短い登りなどでは自分のバイクよりも良いフィーリングで驚きました。とても高価ですが、思わず購入欲が湧いてしまいましたね(笑)。
レースについては加減速が問われるクリテリウムには向かないでしょうが、快適性が体力の消費をかなり抑えてくれると思います。ですから細い峠道が使われる国内レースや、サーキットでの耐久レース、さらにはツール・ド・おきなわの210kmのような厳しいレースには持ってこいなのでは?と感じますね。
加えて、未舗装路にハンドルを切ってしまいたくなるほどの衝撃吸収性。BBが低いため文字通り低重心で、どっかりとサドルに腰を下ろしていてもストレスがありません。ホイールベースも長く安定しているため、下りに恐怖心を持っている方には是非お勧めしたいと感じました。レースバイクではありませんが、非常に高性能な一台です。
シルベストサイクル
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このバイクが一番活躍するのはやはり、綺麗な舗装路というよりは、整備が行き届いていないような山中の林道でしょうか。快適にこなしてしまうでしょうし、しかもトータルで速く走れる。この部分が今までのエンデュランスロードから一番進化した点かと思いました。そしてフレームが軽いため、長い登坂でも苦労しづらいだろうな、とも感じますね。
もちろん加速の軽さや伸びやかさはRシリーズに譲りますが、28cタイヤを交換したい、という印象も持ちませんでした。むしろこのキャラクターにはグリップ力も安心感もあるこのタイヤの方がメリットが強いように思います。
なにぶん高額なバイクですから、購入に対するハードルが高いことは否めません。でもC5なら、これ一台でロードバイクと、ごく一部で流行しているグラベルロードという両方の使い方ができてしまうんです。「全ての道を征服せよ」というのがこのバイクのコンセプトですが、まさに狙い通りの性能です。
クラウンギアーズ
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まず手にして分かるのは車重の軽さ。ここまで軽いと剛性面に不安を感じたのですが、実際にペダリングしてみたところ、しっかりとパワーを推進力に繋げてくれますね。特に登りではダンシングでもシッティングでもスイスイと軽いフィーリングを味わうことができました。
かなりヘッドチューブが長くアップライトなポジションになりますが、特にコーナリングでもモサッとした野暮ったさを感じません。
まだ馴染みの薄いディスクブレーキとスルーアクスルに関しても完成度がとても高く、アルミホイールのカッチリ感を上手く引き出しているように思います。MTBでは既に一般化している規格ですし、今後各社のスルーアクスル対応ロードホイールが増えればより選択肢も増え、使いやすくなるはずです。将来的にはこの方式のロードバイクは増えるはずですし、そう思わせてくれるほどC5の完成度は高かったですね。
サイクルワークス Fin’s
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「非競技志向で、上質なバイクを求める方に」
今回の試乗会でSシリーズ、Rシリーズ、Cシリーズと全てのラインナップを乗り比べてみましたが、中でもC5の特徴はBBが粘ること。だから登りで踏み込んだ際にとても気持ちが良いんですね。単純な乗り心地はすごく柔らかいのに、剛性を上手く調整して走りに繋げていますね。
とても特徴的なジオメトリーは安定感に大きく貢献していると感じます。風が強い中で試乗したのですが、コーナリングの機敏さが無い代わりに直進安定がものすごく、普通のロードバイクと比較してとても楽に走ることができました。振動吸収性の高さは言わずもがなですし、まさにサーヴェロにとって、エンデュランスロードというカテゴリーにとっての新しいベンチマークと言えるはずです。
登りに関して言えば「速い」ではなく、「気持ち良い」です。脚への負担もレースバイクと比較して少ないですし、思わずずっと登っていたくなるかのような印象を持ちました。欧米のグランフォンドはかなりタフな山岳コースが含まれますから、そういったシチュエーションを想定して作られたバイクではないかな、と感じましたね。ディスクブレーキに関しては皆さん仰っている通り、今後はより浸透していくだろうなというのが僕の意見です。
レース志向でなくとも、上質な一台を求めるニーズというのは少なからずあるんです。従来のエンデュランスロードというカテゴリーには走りの軽いバイクが少なかったため、競技志向でない方もレースバイクを選ぶ傾向がありました。でもそうすると、例えば反応性や剛性など分かりやすい長所こそあれど、距離を重ねるほどに疲れがたまってしまう。そうしたニーズに対して、このC5ならお店として自信を持ってオススメできると感じました。
スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ
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本章ではプレゼンテーションに併せて開催されたテストライドで、C5のインプレッションを行った5名のショップ店長のコメントを紹介する。エンデュランスロードというカテゴリーに一石を投じる、C5の実力とはいかに。
「どこまでも走っていたくなる上質な走り心地」上萩泰司さん(カミハギサイクル)
一見すると前三角のフォルムがRシリーズにそっくりですよね。でも良く観察するとダウンチューブはBBに向かうにつれて太くなっていたり、特殊なジオメトリー、ディスクブレーキのホースのルーティングなど、かなり緻密に作りこまれているなという印象を受けました。乗った際の第一印象は「とにかくソフト」であること。薄暗い夕方に荒れが多い一般道で試乗したのですが、こうした場面をレーシングバイクで走ると砂利やひび割れの一つ一つに気を遣ってしまう。でもC5は乗り心地が非常に良く、28cタイヤも相まって全くストレスを感じませんでした。
また、BBが下がっているのに対してヘッドチューブが長いため、とてもリラックスしたポジションであることも特徴です。さらにホイールベースが長いため、低速域から一切ふらつかず、高速域でも振動吸収性の高さゆえ極めて安定した走り心地です。油圧ディスクブレーキとスルーアクスルの組み合わせも、とても良かった。剛性感に溢れていますし、コーナリング中はフレームとホイールがまさに一体となっているかのような完成度の高いフィーリングでした。
車体のソフトさゆえダッシュこそ苦手ですが、細かい凹凸をいなすため高速巡航時は非常に気持ちが良いですね。距離を重ねて疲れが溜まっている状態でも安心できますし、走りの上質さは他に類を見ないほどです。
今までサーヴェロと言えば、本来オールラウンドレーサーであるRシリーズがロングライド用としての役割を担っていましたが、Cシリーズの登場によって完全な立ち位置の明確化が行われました。レーシングブランドとしてのサーヴェロに憧れる方にとっては違和感のあるモデルかもしれませんが、未舗装路を含む林道好きや、険しいグランフォンドを愛するような方には非常にマッチしていると感じます。どこまでも走っていたくなる面白いバイクですね。
カミハギサイクル
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「思わず欲しい!と思ってしまった驚きの一台」山崎敏正さん(シルベストサイクル)
いやぁ、びっくりしました(笑)。低いハンガー、長いホイールベースとフロントのトレイルなど、あらゆる面で自分の常識を覆すジオメトリーですから、本当にしっかりと走るんだろうか?と不安半分、そして楽しみ半分で試乗したのですが、まさかここまで上手く走りの良さに繋げてくるとは驚きました。最初ジオメトリー表を見た時には「もったりとしてるんじゃないかな?」という印象を持ちましたが、ダンシングも軽いし、登りもグイグイと進んでくれる。当然レーシングバイクとは路線が違いますが、このままロードレースにも使えるだろうな、と。下総フレンドリーパークは何度も走っているコースですが、ゴール前の短い登りなどでは自分のバイクよりも良いフィーリングで驚きました。とても高価ですが、思わず購入欲が湧いてしまいましたね(笑)。
レースについては加減速が問われるクリテリウムには向かないでしょうが、快適性が体力の消費をかなり抑えてくれると思います。ですから細い峠道が使われる国内レースや、サーキットでの耐久レース、さらにはツール・ド・おきなわの210kmのような厳しいレースには持ってこいなのでは?と感じますね。
加えて、未舗装路にハンドルを切ってしまいたくなるほどの衝撃吸収性。BBが低いため文字通り低重心で、どっかりとサドルに腰を下ろしていてもストレスがありません。ホイールベースも長く安定しているため、下りに恐怖心を持っている方には是非お勧めしたいと感じました。レースバイクではありませんが、非常に高性能な一台です。
シルベストサイクル
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「どんな場面でも全く不安を感じない」笠井直人さん(クラウンギアーズ)
乗った瞬間に気づくまるでサスペンションが付いたMTBに乗ってるかのような、バネ感のある乗り心地に大変驚かされました。特にリアバックからBB付近までのしなやかさが際立っていて、今までのロードバイクには無かった程に乗り心地が良く快適性が高いんです。華奢に見えるフロントフォークもしっかりと、かつ安定していて、荒れた路面を全く苦手としていません。このバイクだったら不安無くどこにでも連れて行くことができそうですね。このバイクが一番活躍するのはやはり、綺麗な舗装路というよりは、整備が行き届いていないような山中の林道でしょうか。快適にこなしてしまうでしょうし、しかもトータルで速く走れる。この部分が今までのエンデュランスロードから一番進化した点かと思いました。そしてフレームが軽いため、長い登坂でも苦労しづらいだろうな、とも感じますね。
もちろん加速の軽さや伸びやかさはRシリーズに譲りますが、28cタイヤを交換したい、という印象も持ちませんでした。むしろこのキャラクターにはグリップ力も安心感もあるこのタイヤの方がメリットが強いように思います。
なにぶん高額なバイクですから、購入に対するハードルが高いことは否めません。でもC5なら、これ一台でロードバイクと、ごく一部で流行しているグラベルロードという両方の使い方ができてしまうんです。「全ての道を征服せよ」というのがこのバイクのコンセプトですが、まさに狙い通りの性能です。
クラウンギアーズ
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「山岳長距離レースや険しいブルベに」遠藤健太さん(サイクルワークス Fin’s)
とにかく走りが軽いですね。今までのエンデュランスロードと比較して完全にレースにも使えるスペックに仕上がっていますし、もちろん振動吸収性が高いため、山岳を多く含むロングライドやブルベには最高の一台となってくれるはずです。まず手にして分かるのは車重の軽さ。ここまで軽いと剛性面に不安を感じたのですが、実際にペダリングしてみたところ、しっかりとパワーを推進力に繋げてくれますね。特に登りではダンシングでもシッティングでもスイスイと軽いフィーリングを味わうことができました。
かなりヘッドチューブが長くアップライトなポジションになりますが、特にコーナリングでもモサッとした野暮ったさを感じません。
まだ馴染みの薄いディスクブレーキとスルーアクスルに関しても完成度がとても高く、アルミホイールのカッチリ感を上手く引き出しているように思います。MTBでは既に一般化している規格ですし、今後各社のスルーアクスル対応ロードホイールが増えればより選択肢も増え、使いやすくなるはずです。将来的にはこの方式のロードバイクは増えるはずですし、そう思わせてくれるほどC5の完成度は高かったですね。
サイクルワークス Fin’s
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「非競技志向で、上質なバイクを求める方に」
鈴木卓史さん(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
今回の試乗会でSシリーズ、Rシリーズ、Cシリーズと全てのラインナップを乗り比べてみましたが、中でもC5の特徴はBBが粘ること。だから登りで踏み込んだ際にとても気持ちが良いんですね。単純な乗り心地はすごく柔らかいのに、剛性を上手く調整して走りに繋げていますね。とても特徴的なジオメトリーは安定感に大きく貢献していると感じます。風が強い中で試乗したのですが、コーナリングの機敏さが無い代わりに直進安定がものすごく、普通のロードバイクと比較してとても楽に走ることができました。振動吸収性の高さは言わずもがなですし、まさにサーヴェロにとって、エンデュランスロードというカテゴリーにとっての新しいベンチマークと言えるはずです。
登りに関して言えば「速い」ではなく、「気持ち良い」です。脚への負担もレースバイクと比較して少ないですし、思わずずっと登っていたくなるかのような印象を持ちました。欧米のグランフォンドはかなりタフな山岳コースが含まれますから、そういったシチュエーションを想定して作られたバイクではないかな、と感じましたね。ディスクブレーキに関しては皆さん仰っている通り、今後はより浸透していくだろうなというのが僕の意見です。
レース志向でなくとも、上質な一台を求めるニーズというのは少なからずあるんです。従来のエンデュランスロードというカテゴリーには走りの軽いバイクが少なかったため、競技志向でない方もレースバイクを選ぶ傾向がありました。でもそうすると、例えば反応性や剛性など分かりやすい長所こそあれど、距離を重ねるほどに疲れがたまってしまう。そうしたニーズに対して、このC5ならお店として自信を持ってオススメできると感じました。
スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ
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提供:東商会 text : 磯部聡 制作:シクロワイアード編集部