2012/10/12(金) - 08:54
常夏・ハワイを思う存分に楽しむことのできるロングライドイベント、ホノルルセンチュリーライドが今年も9月30日に開催された。約2000名が参加した今年のHCRは、過去最高とも言える天気に恵まれた素晴らしい大会となった。
9月30日に開催された「ホノルルセンチュリーライド」は、今年で開催31回目を迎える長寿ロングライドイベント。誰もが憧れる南国リゾート地、ハワイ・ホノルル島を舞台に、その名の通り最長でセンチュリー(100マイル=160km)マイルを走り抜けた。
基本的にはハワイ現地のサイクリング協会が主催するローカルイベントであるものの、日本を始め、アメリカ本土などからの参加者が非常に多い事が特徴。ハワイならではのフリーでハッピーな雰囲気や最高のロケーションによって、特にビギナー~中級レベルのサイクリストから非常に人気が高く、全体の日本人率は例年およそ半分を占めるほどだ。
人気の高い同大会だけに国内の旅行代理店からは参加ツアーが多く催行され、日本からの参加がとてもしやすいことも参加者にとっては嬉しいことの一つだ。
シクロワイアード取材班は今年もトップツアーの参加ツアーに密着。前日の講習会からプラクティスライド、大会翌日のモーニングヒルクライムまで、全行程を余すことなく取材した。まず初回となる今回は、カメラ担当としてサポートカーで取材したCW編集部・磯部による、当日のレポートをお伝えします。
スタート/ゴールの場となるのは、リゾートホテルが立ち並びホノルル市街地の一番外側にあるカピオラニ公園。日中には多くの人の憩いの場となる公園だが、この日はスタートの1時間前、朝の5時過ぎにはもう既にたくさんのサイクリストがスタートを心待ちにしていた。
取材を行う私はこれが初めてのホノルル取材だったのだが、日本人参加者のために、日本語のアナウンスや日本語表記が数多く見られ、例えば初めての海外イベントで不安を感じている方でも安心間に繋がるポイントだ。日本人からの人気も高いのにも頷けた。
空の白み始める朝6時15分のスタート時に集まったのは、およそ2,000人のサイクリストたち。日本語と英語の交じるアナウンスで「行ってらっしゃい」を受けながら、一斉にホノルルの道へと飛び出していく。スタートは自己申告制の脚力順となるため、大人数だが混乱もない。いよいよ待ちに待った、2012年のホノルルセンチュリーライドが幕開けた。
スタートしてすぐに現れるのは、ワイキキと言えばおなじみのダイアモンドヘッド。ちょっとした丘の頂上はビュースポットになっていて、太平洋に輝く日の出を見ることのできるポイントだ。思い思いに記念撮影をする方も多いが、そんなユルさもホノルルセンチュリーライドの良いトコロ。
住宅街を抜け1車線を専有したハイウェイに入ったら、一路オアフ島の東海岸をひたすら北上していく。この先は各エイドステーションで好きなように折り返し、それぞれのペースや調子に合わせて20マイル(約32km)、 25マイル(約40km)、50マイル(約80km)、75マイル(約120km)100マイル(160km)を走ることができる。
最短20マイルでももちろん完走証はもらうことができるし、絶景のオーシャンビューやそれなりの丘もあって、ハワイを楽しむのには十分。だからロングライドビギナーでも気軽に参加できるし、同行したトップツアーの参加プランでは毎年レンタサイクルを借りて参加することも可能となっている。
エイドステーションを経由しながら、コースは海沿い、住宅地、プランテーション、ちょっとジャングルっぽいエリアを次々と通過していく。中盤は絶景ポイントこそ少ないものの、ローカルオアフの姿を知るにはとても良い機会だ。交通量も少なくは無いが、無理に追い抜いていくクルマは皆無で、みんなサイクリストを尊重してくれている。アメリカだけあって日本人には慣れない右側通行だが、こういったホスピタリティに満ちている土地柄なので心配は無用だ。
毎年晴天に恵まれるホノルルセンチュリーライドだが、今年はとても空気が澄んでいて最高の天気に。ゲスト参加した今中大介さんや絹代さんはじめ、参加者の皆さんも本当に気持ち良さそうに走っている。サポートカーから見ていても、皆さんの表情からそれが分かるほど。
そして75マイルの折り返し地点、ヘエイア・ステート・パークへと到着。ここで折り返す方も多いのだけれど、ここからがベストなロケーションが始まる区間。道のすぐそばまで青い海と白いビーチが迫り、その反対側には映画のロケにもたびたび使われる岩山がそびえる。サーフボードを積んだピックアップトラックやオープンカーが多く走っていて、まるでテレビで見るような景色が目の前に広がるその様は、まさに南国リゾートライドそのものだ。
100マイルの折り返し地点スワンジー・ビーチ・パークでは皆さん補給を入れつつ、仲間を待ちながら芝生に横になったりと大休止。同じ道を戻るので、どこが頑張りどころなのか分かることも良い点だ。
ところで、サポートカーに乗りながら気になっていた事が1つあった。それは舗装の状態が悪く、細かい石がたくさん落ちているためにパンクストップが国内のイベントと比較して多いこと。トップツアーのサポートライダーを務めた湘南ベルマーレの内山監督、橘田選手も相当な数のパンクを修理したと聞いた。常にツアーの最後尾を走り、トラブルに対処してくれた2人の存在はとても大きかったことと思う。
エイドステーションで休憩を入れつつ、もときた道を南下していく。往路に受けていた向かい風は、帰りは追い風となって参加者の背中を押してくれる。ゴールまで15kmほどのマカプー岬の上りを超えれば、あとはハイウェイを経由してゴールを目指すのみ。最後尾付近をサポートカーで走っているため、周りにはちょっと辛そうなビギナーさんも多いのだが、ゆっくりと、でも確実にゴールを目指していく。
傾きかけた太陽が辺りを薄くオレンジ色に染める中、私を乗せたサポートカーは朝6時にスタートしたカピオラニ公園へと到着。ゴール地点へと向かうと、そこには出迎える笑顔や、感想をたたえ合う笑顔、本当にたくさんの笑顔があふれていた。
この大会で初めて100kmオーバーを走り切ったという方も多かったが、それは最高のロケーションや、充実のサポートもあったからだろう。取材しているこちらも思わず笑顔になってしまうほどだった。それが、ホノルルセンチュリーライド。ビギナーからベテランまで、それぞれの走りで南国リゾートライドをいっぱいに楽しめる大会だった。
さて、シクロワイアード編集部では、例年通りトップツアーのホノルルセンチュリーライド参加ツアーに密着取材し、前日の直前講習会から翌日のモーニングヒルクライムまでをカバーしました。また、アンカーツアーの皆さんにも密着取材させていただきました。このレポートに続き、充実のツアー内容をレポートでお伝えします。乞うご期待を!
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano,So.Isobe
フォトギャラリー1(Google Picasaウェブアルバム)
フォトギャラリー2(Google Picasaウェブアルバム)
9月30日に開催された「ホノルルセンチュリーライド」は、今年で開催31回目を迎える長寿ロングライドイベント。誰もが憧れる南国リゾート地、ハワイ・ホノルル島を舞台に、その名の通り最長でセンチュリー(100マイル=160km)マイルを走り抜けた。
基本的にはハワイ現地のサイクリング協会が主催するローカルイベントであるものの、日本を始め、アメリカ本土などからの参加者が非常に多い事が特徴。ハワイならではのフリーでハッピーな雰囲気や最高のロケーションによって、特にビギナー~中級レベルのサイクリストから非常に人気が高く、全体の日本人率は例年およそ半分を占めるほどだ。
人気の高い同大会だけに国内の旅行代理店からは参加ツアーが多く催行され、日本からの参加がとてもしやすいことも参加者にとっては嬉しいことの一つだ。
シクロワイアード取材班は今年もトップツアーの参加ツアーに密着。前日の講習会からプラクティスライド、大会翌日のモーニングヒルクライムまで、全行程を余すことなく取材した。まず初回となる今回は、カメラ担当としてサポートカーで取材したCW編集部・磯部による、当日のレポートをお伝えします。
スタート/ゴールの場となるのは、リゾートホテルが立ち並びホノルル市街地の一番外側にあるカピオラニ公園。日中には多くの人の憩いの場となる公園だが、この日はスタートの1時間前、朝の5時過ぎにはもう既にたくさんのサイクリストがスタートを心待ちにしていた。
取材を行う私はこれが初めてのホノルル取材だったのだが、日本人参加者のために、日本語のアナウンスや日本語表記が数多く見られ、例えば初めての海外イベントで不安を感じている方でも安心間に繋がるポイントだ。日本人からの人気も高いのにも頷けた。
空の白み始める朝6時15分のスタート時に集まったのは、およそ2,000人のサイクリストたち。日本語と英語の交じるアナウンスで「行ってらっしゃい」を受けながら、一斉にホノルルの道へと飛び出していく。スタートは自己申告制の脚力順となるため、大人数だが混乱もない。いよいよ待ちに待った、2012年のホノルルセンチュリーライドが幕開けた。
スタートしてすぐに現れるのは、ワイキキと言えばおなじみのダイアモンドヘッド。ちょっとした丘の頂上はビュースポットになっていて、太平洋に輝く日の出を見ることのできるポイントだ。思い思いに記念撮影をする方も多いが、そんなユルさもホノルルセンチュリーライドの良いトコロ。
住宅街を抜け1車線を専有したハイウェイに入ったら、一路オアフ島の東海岸をひたすら北上していく。この先は各エイドステーションで好きなように折り返し、それぞれのペースや調子に合わせて20マイル(約32km)、 25マイル(約40km)、50マイル(約80km)、75マイル(約120km)100マイル(160km)を走ることができる。
最短20マイルでももちろん完走証はもらうことができるし、絶景のオーシャンビューやそれなりの丘もあって、ハワイを楽しむのには十分。だからロングライドビギナーでも気軽に参加できるし、同行したトップツアーの参加プランでは毎年レンタサイクルを借りて参加することも可能となっている。
エイドステーションを経由しながら、コースは海沿い、住宅地、プランテーション、ちょっとジャングルっぽいエリアを次々と通過していく。中盤は絶景ポイントこそ少ないものの、ローカルオアフの姿を知るにはとても良い機会だ。交通量も少なくは無いが、無理に追い抜いていくクルマは皆無で、みんなサイクリストを尊重してくれている。アメリカだけあって日本人には慣れない右側通行だが、こういったホスピタリティに満ちている土地柄なので心配は無用だ。
毎年晴天に恵まれるホノルルセンチュリーライドだが、今年はとても空気が澄んでいて最高の天気に。ゲスト参加した今中大介さんや絹代さんはじめ、参加者の皆さんも本当に気持ち良さそうに走っている。サポートカーから見ていても、皆さんの表情からそれが分かるほど。
そして75マイルの折り返し地点、ヘエイア・ステート・パークへと到着。ここで折り返す方も多いのだけれど、ここからがベストなロケーションが始まる区間。道のすぐそばまで青い海と白いビーチが迫り、その反対側には映画のロケにもたびたび使われる岩山がそびえる。サーフボードを積んだピックアップトラックやオープンカーが多く走っていて、まるでテレビで見るような景色が目の前に広がるその様は、まさに南国リゾートライドそのものだ。
100マイルの折り返し地点スワンジー・ビーチ・パークでは皆さん補給を入れつつ、仲間を待ちながら芝生に横になったりと大休止。同じ道を戻るので、どこが頑張りどころなのか分かることも良い点だ。
ところで、サポートカーに乗りながら気になっていた事が1つあった。それは舗装の状態が悪く、細かい石がたくさん落ちているためにパンクストップが国内のイベントと比較して多いこと。トップツアーのサポートライダーを務めた湘南ベルマーレの内山監督、橘田選手も相当な数のパンクを修理したと聞いた。常にツアーの最後尾を走り、トラブルに対処してくれた2人の存在はとても大きかったことと思う。
エイドステーションで休憩を入れつつ、もときた道を南下していく。往路に受けていた向かい風は、帰りは追い風となって参加者の背中を押してくれる。ゴールまで15kmほどのマカプー岬の上りを超えれば、あとはハイウェイを経由してゴールを目指すのみ。最後尾付近をサポートカーで走っているため、周りにはちょっと辛そうなビギナーさんも多いのだが、ゆっくりと、でも確実にゴールを目指していく。
傾きかけた太陽が辺りを薄くオレンジ色に染める中、私を乗せたサポートカーは朝6時にスタートしたカピオラニ公園へと到着。ゴール地点へと向かうと、そこには出迎える笑顔や、感想をたたえ合う笑顔、本当にたくさんの笑顔があふれていた。
この大会で初めて100kmオーバーを走り切ったという方も多かったが、それは最高のロケーションや、充実のサポートもあったからだろう。取材しているこちらも思わず笑顔になってしまうほどだった。それが、ホノルルセンチュリーライド。ビギナーからベテランまで、それぞれの走りで南国リゾートライドをいっぱいに楽しめる大会だった。
さて、シクロワイアード編集部では、例年通りトップツアーのホノルルセンチュリーライド参加ツアーに密着取材し、前日の直前講習会から翌日のモーニングヒルクライムまでをカバーしました。また、アンカーツアーの皆さんにも密着取材させていただきました。このレポートに続き、充実のツアー内容をレポートでお伝えします。乞うご期待を!
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano,So.Isobe
フォトギャラリー1(Google Picasaウェブアルバム)
フォトギャラリー2(Google Picasaウェブアルバム)
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