2012/04/22(日) - 02:07
MTBの走り方は数あれど、やはり日本の里山ライドは外せない。そんな「山サイ(山岳サイクリング)」の遊び方の一つが「とれとれラリー」。如何にコースを正しくたどってゴールにたどり着くか?そんなアドベンチャーイベントを紹介しよう。
20名ほどの参加者が集まったとれとれ柳生
MTBを買ったのは良いけど、一人では山道の走り方が分からない...。そんな方が地図の見方やノウハウを学ぶのにうってつけなのが「とれとれラリー」と呼ばれる自転車版オリエンテーリングだ。
コースクリエーターが設定したコースを配布された地図(国土地理院発行の2万五千分の一地図)を頼りに、PC(ポイントコントロール)順に回ってゴールするゲームのこと。ちょうどオリエンテーリングに似ているといえばわかりやすいだろう。そのMTB版である。
主催者から配布される地図と参加者確認のゼッケン 「迷ってしまえ~」
ブリーフィングではコースの説明がされる
スタート前に行われるブリーフィング(説明)でコースの状況や特徴を聞いて、その情報を地図に記入し、正確なルートを割り出す。基本的にコースから外れてもいいが、PC順を守らなくては行けない。またEL(エリミネーション)と呼ばれる通過制限時間の関門もあり、ゆっくり回ることはできない。
今回参加した「とれとれミニ柳生ラリー」は、奈良県奈良市から東に位置する、剣豪・柳生宗矩ゆかりの地が舞台。受付を済ませた後のブリーフィングでは、今回たどる約30kmのルートが書きこまれた地図が配られ、「藪漕ぎ」「不透明な道」「自転車を落とす」と、なかなかタフな説明も。
日本の里山らしい風景が広がる柳生のフィールド
山の中では常に地図を確認する必要がある
今回集まったメンバーは約20名。スタートを切るとすぐに現れるのはコンクリート簡易舗装の激坂だ。MTBでも登れなくなり担ぎで頂上を目指すが、遅れて単独になったところで分岐を見過ごしてしまった。説明を思い出したのでリカバリーができたが、コースを外してもMTBだとどんどん進んでいけてしまうので、リカバリーが遅れてタイムアウトの危険もある。
薮をかき分けてQPへ到着し、お地蔵さんの錫杖の輪の数を確認。QPではこうしたコースを通過した証明として、確認事項をPCで答えるのだが(答えられない場合はペナルティタイムが課せられる)、忘れないようにするためカメラで撮影するのがおすすめである。ここからシングルトラックを通って次のQPへと向かう。
関門のPCではお菓子等の補給を頂く
日本の里山ライドを満喫
このあたりの土地はその昔、剣術修行者が歩いた古道が無数にあって、とにかく迷いがち。進行管理で走るスタッフと、ビギナーさんと一緒に地図読みのレクチャーを受けながら同行することになった。地図とコンパスを頼りに自分の位置を把握し、「薄い道」と呼ばれる点線で描かれる道にいかに分岐に気づくか。コレがとれとれラリー完走の分かれ目だ。
その他、畑や水田の地図マークや、空に引かれる高圧電線も位置情報として使う。いわゆる「野生の勘」だけを頼りに進んでしまうと迷い込み、スタッフに回収されてしまう事態にもなりかねない。しかし感覚を研ぎ澄ませながら自然の中を走ると、MTBの楽しさを満喫できるし、自転車を担いだり下ろしたりするテクニックも自然と身につくようになるのだ。
QPを確認しつつ担いで登る
無事ゴールを迎える お疲れ様でした
私は途中で時間切れとなり、関門制限後のショートカットコースで戻ることになったが、トップグループは3時間前半、フルコースを完走した女性で約6時間とミニラリーとしては少し難コースだったよう。最後はトップ賞や迷走賞の表彰。「あそこで迷った」「やっと完走できた」とおしゃべりするのも面白い。
とれとれラリーのMTB
参加者が乗るのはリジットの26インチバイクが多数。フルサスバイクは楽だが重く、担ぎにくい。レースで主流となりつつある29erは、走破性の高さから「とれとれ」でも徐々に増えているようだ。
とれとれスタイルってどんな感じ?
とれとれラリーで必須のマップホルダーには、参加者それぞれの工夫が見られるポイント。最近はステムにつけた台座に、マップをマジックテープで貼付けるのが主流で、コンパスに合わせて貼り直して回転させたり、落車で前転した際でも破損を防げるそうだ。
とれとれラリーではリジットバイクが標準的だ
マップは洗濯バサミで固定?
服装はサイクリングウェアの上にカーゴパンツとジャケットを着るのが一般的。薮こぎの際に肌を痛めないようにするのが大事で、リュックにはパンク修理キットやハイドレーション・補給食等を過不足なく持ちたい。
コースを復習したい場合は、GPSの普及によりサイクルメーター等でログを取って後で自分の軌跡を楽しむ事もできる。
それぞれ工夫を凝らしてきます
すぐコンパスを見れるように手に固定している
とれとれラリーでは1日で終わる「ミニ」から、宿泊しながら数日間に渡って行われる「北摂ラリー」や「レイド オブシディアン」が全国で開催され、開催時期は秋から5月頃がハイシーズンだ。単純にトレイルをたどるだけではないのが「とれとれラリー」。MTBの奥深さを発見できる楽しいイベントだ。
text&photo:Akihiro.NAKAO
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コースクリエーターが設定したコースを配布された地図(国土地理院発行の2万五千分の一地図)を頼りに、PC(ポイントコントロール)順に回ってゴールするゲームのこと。ちょうどオリエンテーリングに似ているといえばわかりやすいだろう。そのMTB版である。
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スタート前に行われるブリーフィング(説明)でコースの状況や特徴を聞いて、その情報を地図に記入し、正確なルートを割り出す。基本的にコースから外れてもいいが、PC順を守らなくては行けない。またEL(エリミネーション)と呼ばれる通過制限時間の関門もあり、ゆっくり回ることはできない。
今回参加した「とれとれミニ柳生ラリー」は、奈良県奈良市から東に位置する、剣豪・柳生宗矩ゆかりの地が舞台。受付を済ませた後のブリーフィングでは、今回たどる約30kmのルートが書きこまれた地図が配られ、「藪漕ぎ」「不透明な道」「自転車を落とす」と、なかなかタフな説明も。
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今回集まったメンバーは約20名。スタートを切るとすぐに現れるのはコンクリート簡易舗装の激坂だ。MTBでも登れなくなり担ぎで頂上を目指すが、遅れて単独になったところで分岐を見過ごしてしまった。説明を思い出したのでリカバリーができたが、コースを外してもMTBだとどんどん進んでいけてしまうので、リカバリーが遅れてタイムアウトの危険もある。
薮をかき分けてQPへ到着し、お地蔵さんの錫杖の輪の数を確認。QPではこうしたコースを通過した証明として、確認事項をPCで答えるのだが(答えられない場合はペナルティタイムが課せられる)、忘れないようにするためカメラで撮影するのがおすすめである。ここからシングルトラックを通って次のQPへと向かう。
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その他、畑や水田の地図マークや、空に引かれる高圧電線も位置情報として使う。いわゆる「野生の勘」だけを頼りに進んでしまうと迷い込み、スタッフに回収されてしまう事態にもなりかねない。しかし感覚を研ぎ澄ませながら自然の中を走ると、MTBの楽しさを満喫できるし、自転車を担いだり下ろしたりするテクニックも自然と身につくようになるのだ。
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とれとれラリーのMTB
参加者が乗るのはリジットの26インチバイクが多数。フルサスバイクは楽だが重く、担ぎにくい。レースで主流となりつつある29erは、走破性の高さから「とれとれ」でも徐々に増えているようだ。
とれとれスタイルってどんな感じ?
とれとれラリーで必須のマップホルダーには、参加者それぞれの工夫が見られるポイント。最近はステムにつけた台座に、マップをマジックテープで貼付けるのが主流で、コンパスに合わせて貼り直して回転させたり、落車で前転した際でも破損を防げるそうだ。
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コースを復習したい場合は、GPSの普及によりサイクルメーター等でログを取って後で自分の軌跡を楽しむ事もできる。
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とれとれラリーでは1日で終わる「ミニ」から、宿泊しながら数日間に渡って行われる「北摂ラリー」や「レイド オブシディアン」が全国で開催され、開催時期は秋から5月頃がハイシーズンだ。単純にトレイルをたどるだけではないのが「とれとれラリー」。MTBの奥深さを発見できる楽しいイベントだ。
text&photo:Akihiro.NAKAO
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