2010/11/03(水) - 10:48
瀬戸内海に浮かぶ島々を、自転車で巡るツーリングイベントCYCLE MODE しまなみアイランドライド2010が、10月9日〜10日に開催された。絶景コースを巡るこのイベントに、春の手術後初めてのロングライドに挑んだイラストレーター ウエツキチエコによる汗と涙の実走レポート。
ウエツキチエコ:小さいころからフツーとはちょっと異なる思考の持ち主。そんな自分自身の発想をこよなく愛するクリエーター。お絵かきしたり音楽したりアクティブに動き回りたい文科系女子だったはずなのに、何故か自転車にハマることに。今では活動拠点である「めりなすネット」の運営はもちろん、自ら創設した自転車チーム「NASU FAN CLUB」の運営も行っている。
■手術後初のサイクリングイベントに勇気を出して参加!
今年の春に開腹手術をしてから約半年。
まずは体力回復!ということでモリモリと食べ続けた結果、立派に成長してしまいました(汗)
ドクターストップも解けて、そろそろ自転車も乗らなきゃ…でもなかなかあと一歩が踏み出せない。
あれだけよく乗っていた自転車なのに。
絶景を巡るしまなみアイランドライドは、復帰ライドに最適!と参加を決意した。
来島海峡大橋から見える絶景。こんな絶景が見られるなら、元気も湧いてくる! 日々そんな気持ちで送っていたある日、尾道サイクリング協会の濱本義樹さんから「今年もしまなみアイランドライドを走りませんか」とお誘いがありました。
確かに多くの仲間と出会え、初心者でも楽しめる「しまなみアイランドライド」は復帰ライドに最適だ。
「こんなチャンスを逃したらあかん!このままだとメタボ街道まっしぐらや!」と決心し、1年ぶりとなる「しまなみ海道」のサイクリングイベントに参加!
果たして久しぶりのロングライドを完走することができるのか?!
NASU FAN CLUB のめりぃことウエツキチエコが体験した感動の「しまなみアイランドライド」をレポートします!
■縁の下の力持ち!イベントを支える伴走スタッフの皆さん
前夜には尾道サイクリング協会の伴走スタッフ打合せ会が行われた サイクリング前日、地元神戸を出発した時は大雨。
でも自称晴れ女「尾道に到着したら雨は止むよ!」と気にせず向かうとメイン会場の尾道市役所に到着するころにはピッタリと止んだ!!
ほ〜ら、雨に勝ったでしょ?
…と、同じ事を言っている自称晴れ女晴れ男が会場にはたくさんいたんでしょうね(笑)
ゼッケンにはトレードマークの“めりなす”を書き込み、完走を誓う。 今回参加するのは今治市糸山公園から向島運動公園までを走る「くるしま90コース(約90km)」。
参加受付を済ませゼッケンをもらう。
その後、お誘い頂いた尾道サイクリング協会さんの前夜祭に参加。
前夜祭と言いつつ、本題は伴走スタッフ打合せと頑張ろう会。スタッフの皆さんがこんなにも準備をしてイベントを支えてくれてるんだと知って感動した。
さらに「私たちが必ず完走させますよ!」と、おっしゃっていただいて私も気合が入る。
迷惑かけないように最後まで走りきります!!
■今治市糸山公園に90km参加者約350人が集合
くるしま90コースには11名の小学生参加者がいた 明朝9時に糸山公園に集合。
私が参加する「くるしま90コース」には、11名の小学生を含む約350人が参加!
きっと今の私は小学生より遅いだろうな…と、心の中ではとても不安だった。
9時半から健脚順に40人くらいの小集団でスタート。
私は迷惑をかけないように最後の方のグループに参加していざ出発!
まずは6つの島のうち1つ目の大島に渡る「来島海峡大橋」へ続く坂を上っていく。
すると素晴らしい景色が目に入った。
綺麗な景色で楽しい気持ちになって不思議なくらい自然に足が回る。
「空を飛んでるみたいや!」
海上50mほどの橋へと続く道は、走りやすい自転車道が設けられている。
大島に続くらせん状の下りも緩やかなカーブになっていて気持ち良い。
一番長い来島海峡大橋は走行中に空を飛んでいるような感覚になる
緩やかな大島に続くらせん状の下り
■早々にやってきた激坂関門!
大島の海岸沿いを走る参加者と伴走スタッフ 大島では走りやすい町中をスイスイ。
参加者の皆さんと会話しながら軽快に進んでいく。
「私、意外と元気やん!楽勝かも〜。」と、かなり調子に乗っている?…って、まだ10kmくらいしか走ってないやんっ。
調子に乗ってから数分後。「ここから峠ですよ〜」と、スタッフさんが教えてくれた。
ん?!峠ですと?!!!
それまで平地でクルクルと回っていた足が、突然、オモリを背負わされたかのようにスローになる。
う〜ん…確かにかなりのオモリ(脂肪)を背負ってる。
大島の田浦峠(平均斜度9%)は最初の関門! 自転車から降りて押している人もいっぱいいる。
私も次のカーブまでしか漕げない…そう思った時、スタッフさんが横に来てくれて「あと2回カーブを曲がったら頂上ですよ!がんばって!」と声をかけてくれた。
う〜〜これは意地でも頑張らなくては。鬼の形相で上る。たぶん、この顔は誰にも見せられない(笑)
なんとか自力で登頂し、「てっぺん!」と、叫んでゴール。
もう足はフラフラで息もゼィゼィ。コケそうになりながら自転車から降りてボトルの水を一気に飲んだ。
でも今回のコースで一番きつい坂は、この田浦峠とだと聞いてちょっと安心した。
■食べ物に釣られるとなぜか高速に?!
大島から2つ目の伯方島へ渡る伯方・大島大橋で、朝6時30分に向島運動公園を出発した「水軍200コース(約200km)」とすれ違う。
「めっちゃ、はやっ!」どんなペースで走ってるんやろ?!きっと私の倍のスピードは出てるな。
伯方・大島大橋で早くも水軍200コース参加者とすれ違う
大三島橋を渡れば最初のエンドステーション多々羅しまなみ公園のある大三島
エイドステーションでは鯛めしとタコ飯のお弁当が用意されていた 伯方島を一周して大三島橋を渡れば、ようやく最初のエンドステーションだ!
そこで昼食にもありつける。それを考えると今まで以上のスピードが出せた。
まさに色気より食い気や(笑)
どこにこんな元気があるのかと思うくらいあっという間に多々羅しまなみ公園に到着!
エイドスタッフさんが女神様に見えました。
「鯛めしとタコ飯のどちらにしますか?」と聞かれ、「両方!」と答えたいのを我慢して、タコ飯をいただいた。
ここから見る多々羅大橋の景色は「これぞ、しまなみ海道!」って感じです。
さっそくその景色をおかずにタコ飯を貪り食う(笑)。幸せ〜♪
多々羅エンドステーションは全てのグループの補給所。
別グループで走っていた仲間も偶然合流できた。
すでに私の3倍以上の距離を走ってきた「水軍200コース」メンバーはさすがにちょっとしんどそうだったな。
多々羅大橋の景色をおかずに昼食。こりゃ旨いはずだ!
■目指せ!次のエンドステーション!!
遅れをとらないように、みんなより先に多々羅しまなみ公園を出発。
多々羅大橋を渡り4つ目の生口島に上陸!
この島は海岸沿いの長い平地区間。平地LOVE(笑)
ずっと伴走してくれてるスタッフさんが走りやすいペースで引いてくれる。
すると、いつの間にか私の後ろにトレインが出来ていてビックリ!
みんな同じくらい疲れているのかな。
ちょっとカッコつけて、手信号を出してみたりするが、フラついてしまった(汗)
「お前にはまだ早い」と天の声が聞こえた気がした。大人しく前に着くことだけ考えて走ろう。
生口橋を渡ると次のエイドステーションのある因島に上陸
生口橋の上りに差し掛かる頃には、相当長いトレインになっていた。
しかし、平地番長な私。上りでこのペースは…無理っす(涙)
「ちょっとこの辺で写真でも撮ろうかなぁ〜」と大きな声で告げ、トレインから離脱して写真を撮るフリ。
トレインが過ぎ去ったのを見計らってマイペースで再出発。ホッ。
そんな小技を使いつつ、因島に上陸。
あと島二つ。がんばろー。
海を眺めつつマイペースで走っていると間もなく万田発酵エイドステーションに到着!
とても印象的な手作りの木製自転車スタンドがお出迎えしてくれた。
運が良いことに、ちょうど麺入りスープが出来上がったところ♪
さっき食べたばかりなのに、ちゃっかり列に並ぶ私。やはり色気より食い気か。
万田発酵エイドステーションで手作りの木製自転車スタンドがお出迎え
万田発酵エイドステーションでは温かい汁物が振舞われた
■伴走スタッフのトレインに乗車
万田発酵エイドステーションには尾道サイクリング協会の伴走スタッフの皆さんもたくさん集結。
ここまで無事に来れたのでだいぶリラックスした感じだ。
でも、私はこの時そろそろ体力が限界に来つつあるのを感じていた。
最後まで頑張れるよう長めに休憩していたので、もうみんな出発しただろうな〜と思うと、なんとたくさんの方が待ってくれていた!!
そこから、多勢のスタッフの皆さんに守られてのトレイン走行。まるで特別天然記念物の運搬のようだ(笑)
残り15km。しんどかったけど、なんとか完走させてくれようとするスタッフさんの気持ちが伝わってきたので頑張る。
途中、休憩を兼ねて走路沿いの公園に連れて行ってくれた。
因島の大浜海水浴場の砂浜の景色で癒される
この時期、しまなみ海道の各島では秋祭りが行われていた
きれいな景色に癒され残り9kmというところまでやってきた。
しかし!ここからの記憶があまり無いっ!走りながら「眠い、、、眠い」とし切りに言ってたみたい。
とにかく足だけは止めないようにと頑張っていたようだ。
■ゴールまでの道のりは根性試し!
私、最後尾なのかな。
ここでも黄色いベストを着たスタッフの方が数人付き添ってくれていた。
最後の因島大橋を渡ったことはなんとなく覚えていて、橋からの下り道がやけに視野が狭くて怖かった。
きっと1人では越えられなかったんだろうな。。。
最後の向島に入ってから長い。本当は短い距離なんだろうけど、とても長く感じた。
ぎゅっと歯をかみ締めながら漕ぎ続けていると、残り1kmの看板が見えた。
やった!もうすぐゴールだ!!少しだけテンションが上がる…が、目の前に上り坂が見えてきた。
今の私にはもうみんなと一緒に坂を上る力は残っていなかった。
「みんな、ありがとう。先に行って出迎えて。絶対にゴールするから…。」
一緒に走ってくれていたスタッフの方々にそう言った。
「ごめんね。先に行くよ。ゴールで待ってるから!」
そして、次々と坂を上って行った。
約1kmの上りのあとは感動のゴール!
無情にも坂はどんどん急になっていく。おそらくケイデンスは30を切っていたと思う。
するといつのまにかスタッフの1人が私の横にいた。
ゴールで待っててなかなか来ない私を心配して、戻ってきてくれたようだ。
それを見て、今まで我慢していた涙がこみ上げてきた。
「めりぃさん、ダメだよ。そんなスピードじゃ止まっちゃうよ!」
「うん。でも、鼻から汗が出てくるの。なんでかな。」
自分でも何を言ってるのか分からない。
「あと200メートルだから、絶対に足ついたらダメ!!」
「うん。わかった。」
あと5メートルというところで、もう足をついてしまうくらいの速度になる。
その時、ふっと軽くなった。背中を押してくれている手の感覚が!
その一瞬で持ち直して、ようやくゴール手前の平地までやってきた。
「めりぃさん、自分の力でゴールして!」
「はい!」
私は最後の力を振り絞ってゴールのアーチをくぐった。
たくさんの仲間に迎えられ涙涙涙。。。
みんなの拍手、そして仲間が私の周りに集まってくれた。
「おめでとう!よくがんばったね!!」
感極まって、公衆の面前で号泣してしまった。
「私、完走できたんだ!」
正直、完走できるか不安だった。途中も何度も諦めかけた。
でも、私はたくさんの自転車仲間の励ましでここまで来れた。
私の復帰ライドは無事に成功した。
■しまなみ海道に密着した3日間
今回のしまなみ海道の挑戦はライド以外でも自転車仲間にお世話になった。
伯方島に住んでいる自転車仲間のご好意で、イベント前日から宿泊させていただきました。
この自転車仲間はLEGON自転車紳士録で知り合った阿部哲也さん一家。
生まれも育ちも伯方島で2階建てのログハウスに家族4人でお住まいなのだが、なんとこのご自宅を自ら3年かけて建てたそうだ。
阿部哲也さんのご自慢の家族と自宅
阿部家のログハウスは全てご主人の手作り
自転車乗りもドラムで脚力と腕力の強化可能かも?! 映画に出てくるようなステキなログハウスで、ご家族みんなが温かい。
しまなみの海と島々の景色にログハウス…都会じゃ出ないアルファー波に満たされている。
至れり尽くせりで、90kmのサイクリングも万全の体調で望むことができた。
完走した夜は哲也さん(プロのドラマー)によるドラム教室まで開催していただき大満足♪
ちょっと足攣りそうだったけど(笑)
こうして、多くの仲間に支えられたしまなみ海道3日間。
現実に戻るのがイヤになるほど充実した日々でした。
手術後、今一歩踏み出せなかった自転車に乗るきっかけになりました。
これからは生まれ変わった気持ちで頑張るぞ!!
お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。
走行距離:86km
走行時間:4時間46分
平均速度:18km/h
今回、ご招待いただいた尾道サイクリング協会の皆さん、お世話になりました
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■手術後初のサイクリングイベントに勇気を出して参加!
今年の春に開腹手術をしてから約半年。
まずは体力回復!ということでモリモリと食べ続けた結果、立派に成長してしまいました(汗)
ドクターストップも解けて、そろそろ自転車も乗らなきゃ…でもなかなかあと一歩が踏み出せない。
あれだけよく乗っていた自転車なのに。
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確かに多くの仲間と出会え、初心者でも楽しめる「しまなみアイランドライド」は復帰ライドに最適だ。
「こんなチャンスを逃したらあかん!このままだとメタボ街道まっしぐらや!」と決心し、1年ぶりとなる「しまなみ海道」のサイクリングイベントに参加!
果たして久しぶりのロングライドを完走することができるのか?!
NASU FAN CLUB のめりぃことウエツキチエコが体験した感動の「しまなみアイランドライド」をレポートします!
■縁の下の力持ち!イベントを支える伴走スタッフの皆さん
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でも自称晴れ女「尾道に到着したら雨は止むよ!」と気にせず向かうとメイン会場の尾道市役所に到着するころにはピッタリと止んだ!!
ほ〜ら、雨に勝ったでしょ?
…と、同じ事を言っている自称晴れ女晴れ男が会場にはたくさんいたんでしょうね(笑)
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参加受付を済ませゼッケンをもらう。
その後、お誘い頂いた尾道サイクリング協会さんの前夜祭に参加。
前夜祭と言いつつ、本題は伴走スタッフ打合せと頑張ろう会。スタッフの皆さんがこんなにも準備をしてイベントを支えてくれてるんだと知って感動した。
さらに「私たちが必ず完走させますよ!」と、おっしゃっていただいて私も気合が入る。
迷惑かけないように最後まで走りきります!!
■今治市糸山公園に90km参加者約350人が集合
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私が参加する「くるしま90コース」には、11名の小学生を含む約350人が参加!
きっと今の私は小学生より遅いだろうな…と、心の中ではとても不安だった。
9時半から健脚順に40人くらいの小集団でスタート。
私は迷惑をかけないように最後の方のグループに参加していざ出発!
まずは6つの島のうち1つ目の大島に渡る「来島海峡大橋」へ続く坂を上っていく。
すると素晴らしい景色が目に入った。
綺麗な景色で楽しい気持ちになって不思議なくらい自然に足が回る。
「空を飛んでるみたいや!」
海上50mほどの橋へと続く道は、走りやすい自転車道が設けられている。
大島に続くらせん状の下りも緩やかなカーブになっていて気持ち良い。
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■早々にやってきた激坂関門!
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参加者の皆さんと会話しながら軽快に進んでいく。
「私、意外と元気やん!楽勝かも〜。」と、かなり調子に乗っている?…って、まだ10kmくらいしか走ってないやんっ。
調子に乗ってから数分後。「ここから峠ですよ〜」と、スタッフさんが教えてくれた。
ん?!峠ですと?!!!
それまで平地でクルクルと回っていた足が、突然、オモリを背負わされたかのようにスローになる。
う〜ん…確かにかなりのオモリ(脂肪)を背負ってる。
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私も次のカーブまでしか漕げない…そう思った時、スタッフさんが横に来てくれて「あと2回カーブを曲がったら頂上ですよ!がんばって!」と声をかけてくれた。
う〜〜これは意地でも頑張らなくては。鬼の形相で上る。たぶん、この顔は誰にも見せられない(笑)
なんとか自力で登頂し、「てっぺん!」と、叫んでゴール。
もう足はフラフラで息もゼィゼィ。コケそうになりながら自転車から降りてボトルの水を一気に飲んだ。
でも今回のコースで一番きつい坂は、この田浦峠とだと聞いてちょっと安心した。
■食べ物に釣られるとなぜか高速に?!
大島から2つ目の伯方島へ渡る伯方・大島大橋で、朝6時30分に向島運動公園を出発した「水軍200コース(約200km)」とすれ違う。
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そこで昼食にもありつける。それを考えると今まで以上のスピードが出せた。
まさに色気より食い気や(笑)
どこにこんな元気があるのかと思うくらいあっという間に多々羅しまなみ公園に到着!
エイドスタッフさんが女神様に見えました。
「鯛めしとタコ飯のどちらにしますか?」と聞かれ、「両方!」と答えたいのを我慢して、タコ飯をいただいた。
ここから見る多々羅大橋の景色は「これぞ、しまなみ海道!」って感じです。
さっそくその景色をおかずにタコ飯を貪り食う(笑)。幸せ〜♪
多々羅エンドステーションは全てのグループの補給所。
別グループで走っていた仲間も偶然合流できた。
すでに私の3倍以上の距離を走ってきた「水軍200コース」メンバーはさすがにちょっとしんどそうだったな。
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■目指せ!次のエンドステーション!!
遅れをとらないように、みんなより先に多々羅しまなみ公園を出発。
多々羅大橋を渡り4つ目の生口島に上陸!
この島は海岸沿いの長い平地区間。平地LOVE(笑)
ずっと伴走してくれてるスタッフさんが走りやすいペースで引いてくれる。
すると、いつの間にか私の後ろにトレインが出来ていてビックリ!
みんな同じくらい疲れているのかな。
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「ちょっとこの辺で写真でも撮ろうかなぁ〜」と大きな声で告げ、トレインから離脱して写真を撮るフリ。
トレインが過ぎ去ったのを見計らってマイペースで再出発。ホッ。
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あと島二つ。がんばろー。
海を眺めつつマイペースで走っていると間もなく万田発酵エイドステーションに到着!
とても印象的な手作りの木製自転車スタンドがお出迎えしてくれた。
運が良いことに、ちょうど麺入りスープが出来上がったところ♪
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■伴走スタッフのトレインに乗車
万田発酵エイドステーションには尾道サイクリング協会の伴走スタッフの皆さんもたくさん集結。
ここまで無事に来れたのでだいぶリラックスした感じだ。
でも、私はこの時そろそろ体力が限界に来つつあるのを感じていた。
最後まで頑張れるよう長めに休憩していたので、もうみんな出発しただろうな〜と思うと、なんとたくさんの方が待ってくれていた!!
そこから、多勢のスタッフの皆さんに守られてのトレイン走行。まるで特別天然記念物の運搬のようだ(笑)
残り15km。しんどかったけど、なんとか完走させてくれようとするスタッフさんの気持ちが伝わってきたので頑張る。
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しかし!ここからの記憶があまり無いっ!走りながら「眠い、、、眠い」とし切りに言ってたみたい。
とにかく足だけは止めないようにと頑張っていたようだ。
■ゴールまでの道のりは根性試し!
私、最後尾なのかな。
ここでも黄色いベストを着たスタッフの方が数人付き添ってくれていた。
最後の因島大橋を渡ったことはなんとなく覚えていて、橋からの下り道がやけに視野が狭くて怖かった。
きっと1人では越えられなかったんだろうな。。。
最後の向島に入ってから長い。本当は短い距離なんだろうけど、とても長く感じた。
ぎゅっと歯をかみ締めながら漕ぎ続けていると、残り1kmの看板が見えた。
やった!もうすぐゴールだ!!少しだけテンションが上がる…が、目の前に上り坂が見えてきた。
今の私にはもうみんなと一緒に坂を上る力は残っていなかった。
「みんな、ありがとう。先に行って出迎えて。絶対にゴールするから…。」
一緒に走ってくれていたスタッフの方々にそう言った。
「ごめんね。先に行くよ。ゴールで待ってるから!」
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無情にも坂はどんどん急になっていく。おそらくケイデンスは30を切っていたと思う。
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それを見て、今まで我慢していた涙がこみ上げてきた。
「めりぃさん、ダメだよ。そんなスピードじゃ止まっちゃうよ!」
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自分でも何を言ってるのか分からない。
「あと200メートルだから、絶対に足ついたらダメ!!」
「うん。わかった。」
あと5メートルというところで、もう足をついてしまうくらいの速度になる。
その時、ふっと軽くなった。背中を押してくれている手の感覚が!
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でも、私はたくさんの自転車仲間の励ましでここまで来れた。
私の復帰ライドは無事に成功した。
■しまなみ海道に密着した3日間
今回のしまなみ海道の挑戦はライド以外でも自転車仲間にお世話になった。
伯方島に住んでいる自転車仲間のご好意で、イベント前日から宿泊させていただきました。
この自転車仲間はLEGON自転車紳士録で知り合った阿部哲也さん一家。
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しまなみの海と島々の景色にログハウス…都会じゃ出ないアルファー波に満たされている。
至れり尽くせりで、90kmのサイクリングも万全の体調で望むことができた。
完走した夜は哲也さん(プロのドラマー)によるドラム教室まで開催していただき大満足♪
ちょっと足攣りそうだったけど(笑)
こうして、多くの仲間に支えられたしまなみ海道3日間。
現実に戻るのがイヤになるほど充実した日々でした。
手術後、今一歩踏み出せなかった自転車に乗るきっかけになりました。
これからは生まれ変わった気持ちで頑張るぞ!!
お世話になった皆さん、本当にありがとうございました。
走行距離:86km
走行時間:4時間46分
平均速度:18km/h

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