2019/08/02(金) - 12:44
キャノンデールのアルミグラベルロード「TOPSTONE」を駆りアメリカ横断を成し遂げた田渕君幸さんが、CROSS COFFEEにて報告会を兼ねたトークライブを開催した。85日間、走行距離7500kmにも及んだ壮大な旅の様子を振り返りました。
「何か新しいことに挑戦したい」そう思って日々を過ごしている人は少なくないはず。今回の主役、タブチンこと田渕君幸さんもその一人だった。世の中にはもっともっと楽しいことが散らばっているはず…ふとした気持ちの変化がキッカケとなり、それまで勤めていた会社を辞めアメリカ横断の旅を決意したのだという。そんな田渕さんが旅の報告会として、東京都稲城市にあるCROSS COFFEEにてトークライブを開催。30名を超える参加者が集まった。
田渕さんは某自転車メーカーの営業として働きながら、国内Jプロツアーにも参戦していた経歴を持つ社会人ライダー。学生時代に弱虫ペダルの影響で自転車を始め、クロモリのランドナーにサイドバッグを付け、国内を自転車旅行で走り回っていたのが自身のルーツなんだとか。そんな経験もあり今回の挑戦も原点回帰の自転車旅に決め、「せっかくやるなら大きいことを」という気概でアメリカを舞台に選んだ。
新たな活動の発信とともに、自転車の楽しさをもっと多くの人に広げたい、そういう想いからTwitterやInstagram、さらにはタブチンの名前でYouTubeチャンネルも開設し、SNSでのコンテンツ発信も始めた田渕さん。”Just do it”の精神で意欲的に動き回り、サポート企業を集めて旅の準備を進めていったという。
アメリカ横断にはアメリカンバイクで臨みたい、その熱い気持ちを企画書に込めキャノンデール・ジャパンに持ち込んだのがバイクサポートの始まり。田渕さんの活動を応援したいという会社の意向もあり、長距離ツーリングに最適なアルミフレームのグラベルロード「TOPSTONE」のサポートが決まった。さらに、国内でも数少ないアンバサダーのみに支給される、特別デザインのファブリックサドルも渡された。
その他30社以上に企画書を送ったと言い、バイクパッキング用のアピデュラのバッグをオルタナティブ バイシクルズから、スマホやカメラの充電用にはAnkerのバッテリー、ケミカル系をEXLUB、ライトはGaciron、などなど活動に賛同した多くの企業からサポートを受けることができたという。
そんなこんなで準備を整え、アメリカ横断の旅は4月からスタート。7月に帰国するまで約3ヶ月、85日間ものスケジュールでサンフランシスコからボストンまでを移動した。自転車での走行距離は7500km、それに加えバスやヒッチハイクでの移動も含めると総移動距離は8700kmにも及んだ。旅をしながら現地での観光や人々との出会いを楽しみ、同時に自分の今後を見つめ直す機会にもなったという。
ロサンゼルスやヒューストン、シカゴ、ニューヨークなど主要都市を繋ぎ、グランドキャニオンやナイアガラの滝などの観光地も巡るコースでアメリカを西から東へ横断しつつ、旅の途中で予定を変更し南から北までの縦断も実現。基本はテント泊の野宿で、砂漠に近い環境で容赦なく照りつける太陽、次の街まで150kmと果てしない道のり、風呂は3日に1回など過酷な日々を過ごした。
パンクは多いときで1日8回という日も。都度パッチ修理で直していったが、最終的にパッチが切れてしまいビニールテープで補修したときもあったという。またハイウェイの脇道は舗装されておらず、砂地の道を延々と歩いて進んだことも。野宿2日目には早くも飲み水を切らしてしまい、通りすがりの青年に助けを求めたりもした。
そんな中、拙い英語を駆使しながらも現地の人々と積極的にコミュニケーションを取り、旅の中でたくさんの出会いを広げていったことを強調した。ヒッチハイクで仲良くなったミュージシャンのライブ手伝いをしたり、ホームレスとともに一夜を過ごしたり、タトゥーまみれの強面のお兄さんがお菓子をくれたり、その他泊まる場所を探して現地の人に声をかけそのまま宿泊させてもらうこともしばしばあった。アメリカで仲良くなった人々の数は200人以上にもなるという。
また、シカゴでは今回シューズサポートを受けたLAKE(レイク)のオフィスに挨拶をしに行き、その流れでスラムの本社やコルナゴのオフィスも見学できたのだとか。コネチカットではキャノンデール本社に訪問し、なんと社員全員でお出迎えしてくれたという。ブランド名の由来ともなった「キャノンデール駅」にも行きバイクとともに記念撮影も。
そして最終目的地であるボストンにゴールした時は、「言葉にできないほどの感情に包まれた」と感慨深そうに振り返った。見知らぬ土地で一人何ヶ月も過ごす中で、不安や焦りなど気分が落ち込む瞬間もあったと言うが、そういった辛い苦しいと合わせて楽しい嬉しいなど、あらゆる感情を味わうことができたことは大きな財産だと満足そうに語った。アメリカ横断旅の様子は田渕さんのSNSで遡って確認することができるので、気になった人はぜひ見てみてほしい。
また、今回の相棒であったキャノンデールのTOPSTONEについては、「本当にタフなフレームで、これだけの長距離を走っても問題は一切ありませんでした。ダンボールに詰めての輸送でも安心感のある頑丈さはアルミフレームならでは。ホイールベースが長めなので直進安定性も高く、これだけ荷物を積んでもふらふらせず走ることができました。グラベルロードではありますが、旅などのツーリング用途にも不満なく使える1台です」とコメント。田渕さんの旅を成功に導いた影の立役者としてすっかりお気に入りの様子だ。
着替えは2着しかもたないなど荷物を最小限に留め、バイクパッキングを含めたバイクの総重量は22kgほどで、数ヶ月の自転車旅行をする装備としてはかなり軽量に収まったという。TOPSTONEはカーボンフォークのためダボ穴がなく、バンドタイプのクランプでラックを増設していた。フロントバッグにシュラフ、フォークサイドにテントや着替え、フレームバッグにテントのポール、サドルバッグにクッカーなどを収納。パソコンやカメラ、貴重品などはリュックに入れ肌身離さず持ち歩いたそうだ。
田渕さんは今後仲間とともに「One-up cerezo racing」というチームを立ち上げ、自分の強みを活かして自転車業界に新しい風を起こしたいと意気込む。今回トークライブに参加した人に向けては、「僕の経験を伝えることで何か新しい挑戦をするキッカケになってほしい。小さなことでもいい、失敗を恐れずに挑戦して欲しい」と締めくくった。田渕さんは引き続き自身の活動をSNSで日々発信中。今後の活動にもぜひ注目していきたい。
text&photo:Yuto.Murata
「何か新しいことに挑戦したい」そう思って日々を過ごしている人は少なくないはず。今回の主役、タブチンこと田渕君幸さんもその一人だった。世の中にはもっともっと楽しいことが散らばっているはず…ふとした気持ちの変化がキッカケとなり、それまで勤めていた会社を辞めアメリカ横断の旅を決意したのだという。そんな田渕さんが旅の報告会として、東京都稲城市にあるCROSS COFFEEにてトークライブを開催。30名を超える参加者が集まった。
田渕さんは某自転車メーカーの営業として働きながら、国内Jプロツアーにも参戦していた経歴を持つ社会人ライダー。学生時代に弱虫ペダルの影響で自転車を始め、クロモリのランドナーにサイドバッグを付け、国内を自転車旅行で走り回っていたのが自身のルーツなんだとか。そんな経験もあり今回の挑戦も原点回帰の自転車旅に決め、「せっかくやるなら大きいことを」という気概でアメリカを舞台に選んだ。
新たな活動の発信とともに、自転車の楽しさをもっと多くの人に広げたい、そういう想いからTwitterやInstagram、さらにはタブチンの名前でYouTubeチャンネルも開設し、SNSでのコンテンツ発信も始めた田渕さん。”Just do it”の精神で意欲的に動き回り、サポート企業を集めて旅の準備を進めていったという。
アメリカ横断にはアメリカンバイクで臨みたい、その熱い気持ちを企画書に込めキャノンデール・ジャパンに持ち込んだのがバイクサポートの始まり。田渕さんの活動を応援したいという会社の意向もあり、長距離ツーリングに最適なアルミフレームのグラベルロード「TOPSTONE」のサポートが決まった。さらに、国内でも数少ないアンバサダーのみに支給される、特別デザインのファブリックサドルも渡された。
その他30社以上に企画書を送ったと言い、バイクパッキング用のアピデュラのバッグをオルタナティブ バイシクルズから、スマホやカメラの充電用にはAnkerのバッテリー、ケミカル系をEXLUB、ライトはGaciron、などなど活動に賛同した多くの企業からサポートを受けることができたという。
そんなこんなで準備を整え、アメリカ横断の旅は4月からスタート。7月に帰国するまで約3ヶ月、85日間ものスケジュールでサンフランシスコからボストンまでを移動した。自転車での走行距離は7500km、それに加えバスやヒッチハイクでの移動も含めると総移動距離は8700kmにも及んだ。旅をしながら現地での観光や人々との出会いを楽しみ、同時に自分の今後を見つめ直す機会にもなったという。
ロサンゼルスやヒューストン、シカゴ、ニューヨークなど主要都市を繋ぎ、グランドキャニオンやナイアガラの滝などの観光地も巡るコースでアメリカを西から東へ横断しつつ、旅の途中で予定を変更し南から北までの縦断も実現。基本はテント泊の野宿で、砂漠に近い環境で容赦なく照りつける太陽、次の街まで150kmと果てしない道のり、風呂は3日に1回など過酷な日々を過ごした。
パンクは多いときで1日8回という日も。都度パッチ修理で直していったが、最終的にパッチが切れてしまいビニールテープで補修したときもあったという。またハイウェイの脇道は舗装されておらず、砂地の道を延々と歩いて進んだことも。野宿2日目には早くも飲み水を切らしてしまい、通りすがりの青年に助けを求めたりもした。
そんな中、拙い英語を駆使しながらも現地の人々と積極的にコミュニケーションを取り、旅の中でたくさんの出会いを広げていったことを強調した。ヒッチハイクで仲良くなったミュージシャンのライブ手伝いをしたり、ホームレスとともに一夜を過ごしたり、タトゥーまみれの強面のお兄さんがお菓子をくれたり、その他泊まる場所を探して現地の人に声をかけそのまま宿泊させてもらうこともしばしばあった。アメリカで仲良くなった人々の数は200人以上にもなるという。
また、シカゴでは今回シューズサポートを受けたLAKE(レイク)のオフィスに挨拶をしに行き、その流れでスラムの本社やコルナゴのオフィスも見学できたのだとか。コネチカットではキャノンデール本社に訪問し、なんと社員全員でお出迎えしてくれたという。ブランド名の由来ともなった「キャノンデール駅」にも行きバイクとともに記念撮影も。
そして最終目的地であるボストンにゴールした時は、「言葉にできないほどの感情に包まれた」と感慨深そうに振り返った。見知らぬ土地で一人何ヶ月も過ごす中で、不安や焦りなど気分が落ち込む瞬間もあったと言うが、そういった辛い苦しいと合わせて楽しい嬉しいなど、あらゆる感情を味わうことができたことは大きな財産だと満足そうに語った。アメリカ横断旅の様子は田渕さんのSNSで遡って確認することができるので、気になった人はぜひ見てみてほしい。
また、今回の相棒であったキャノンデールのTOPSTONEについては、「本当にタフなフレームで、これだけの長距離を走っても問題は一切ありませんでした。ダンボールに詰めての輸送でも安心感のある頑丈さはアルミフレームならでは。ホイールベースが長めなので直進安定性も高く、これだけ荷物を積んでもふらふらせず走ることができました。グラベルロードではありますが、旅などのツーリング用途にも不満なく使える1台です」とコメント。田渕さんの旅を成功に導いた影の立役者としてすっかりお気に入りの様子だ。
着替えは2着しかもたないなど荷物を最小限に留め、バイクパッキングを含めたバイクの総重量は22kgほどで、数ヶ月の自転車旅行をする装備としてはかなり軽量に収まったという。TOPSTONEはカーボンフォークのためダボ穴がなく、バンドタイプのクランプでラックを増設していた。フロントバッグにシュラフ、フォークサイドにテントや着替え、フレームバッグにテントのポール、サドルバッグにクッカーなどを収納。パソコンやカメラ、貴重品などはリュックに入れ肌身離さず持ち歩いたそうだ。
田渕さんは今後仲間とともに「One-up cerezo racing」というチームを立ち上げ、自分の強みを活かして自転車業界に新しい風を起こしたいと意気込む。今回トークライブに参加した人に向けては、「僕の経験を伝えることで何か新しい挑戦をするキッカケになってほしい。小さなことでもいい、失敗を恐れずに挑戦して欲しい」と締めくくった。田渕さんは引き続き自身の活動をSNSで日々発信中。今後の活動にもぜひ注目していきたい。
text&photo:Yuto.Murata
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