2018/04/11(水) - 09:01
4月7~8日、千葉県の南房総エリアにてロングライドイベント「グレイトアース千葉南房総ライド」が開催された。年初に運行を開始したJRの特別列車B.B.BASEに乗車し会場となる館山のファミリーオへ。参加者同士が交流を深めた前夜祭の様子とともにレポートします。
いよいよサイクリスト待望の春がやってきた。気持ちよく走ることができるシーズンとなり、今年は何処へ出かけようかななんて考えている時が1番楽しい時間だ。場所によってはまだ寒さが残る場所もあるため、この時期は南方もしくは平野部に足を運びたくなるもの。そんな両方を持ち合わせているのが関東で言えば千葉県の南房総エリアだ。
この季節にベストプレイスでのサイクリングの機会をグレイトアースは「千葉南房総ライド」として設けてくれている。館山を出発し、海岸線を駆け抜け鴨川で折り返してくる約130kmのライドは、越冬とともに鈍った体を起こしてくれること間違いない。そんな期待を抱いたシクロワイアード編集部のフジワラが取材参加することに。
関東近郊のライド取材ならばシクロワイアード号(ハイエース)で移動するケースが多いのだが、今回はバイクを収納した輪行袋を携えて編集部を出発する。今年のグレイトアース千葉南房総ライドは、年始に開業したばかりである自転車専用列車B.B.BASEとコラボレーションし、往復を最新の移動手段を利用できるようになり、そちらを利用することに。
B.B.BASEは輪行袋に収納せずに乗車できることがメリットだが、東京都下にある編集部から出発地であるJR両国駅はいささか遠いため、一般的な輪行を選択した。ライドスタイルのままシームレスに乗車できるという魅力を感じてみたかったが、カメラなども持つ必要があったため、輪行は苦渋の決断だ。次こそは輪行袋無しでB.B.BASEを楽しみたい。
両国駅に到着するとB.B.BASEのブースと国技館が目に飛び込んでくる。両国駅からレンタルサイクルを借りられるようになったお陰で、バイクラックに数多くの自転車がかけられており、ブースの存在感が際立つ。ブース前にはグレイトアースのスタッフさんが出迎えてくれ、そのままホームへ案内される。
自転車で駆けつけ、そのまま電車に乗り込めるなんてまるで自転車天国のようだ。バイクラックは非常に容易な作業で自転車を固定できるので、これまたストレスフリー。グレイトアース本編が始まる前だが、館山までの移動ストレスを少なくしてくれるこのコラボは非常にありがたい。
さあ、定刻となったので出発進行だ!スペシャルラッピングのトレインは注目の的。通り過ぎる駅のホームで電車を待つ人々から寄せられる目線は、自分に向けられているわけではないのだが、恥ずかしさと特別感を味あわせてくれる。新幹線や特急列車に乗っている時のこれから旅に出るという高揚感も押し寄せてくる。
落ち着いたところで車内アナウンスがかかり、B.B.BASEの説明が始まる。ユーモアもある軽妙なトークを繰り広げる声の主は、ゲストライダーの白戸太朗さんと平野由香里さんだ。これから始まる2時間という長い列車旅も楽しくなりそうだ。
ボックスシートが珍しい関東で生まれ育った私は、座席が対面式となっているだけでテンションがあがってしまう。車窓の向こうで流れていく景色を眺めていたらあっという間に1時間が過ぎていたようだ。そして、ちょうど良いタイミングで白戸さんと平野さんによるトークイベントの時間となる。
トークイベントではB.B.BASEのスペシャルムービーを鑑賞しつつ、白戸さんらが今回のグレイトアースで走行する南房総の魅力を教えてくれる。振舞われるグルメも予習できるため、翌日のライドの想像を掻き立てくれ、まだ館山に到着していないのだがソワソワし始めてしまう。到着時間が近づいてしまったため、トーク会はお開きとなり、自席に戻り準備を整えることに。
JR内房線は南下するとともにトンネルを通過する回数が増えてくるため、暗闇から明るい場所に抜ける度に景色が海の街に変化していく様を感じ取れる。大学時代に鈍行で富浦まで足を伸ばしたことがあるのだが、その時の経過時間は延々と思えるほど長く感じたが、今回の特別列車は快適で時間の長さを感じにくいようだ。あっという間に因縁の富浦を通過していた。
と思ったのもつかの間。富浦を過ぎたあたりで、強風の影響で電車が一時停止。房総の風は強いと聞いていたが、車両を揺さぶるほどとは……。翌日のライドは無事に行えるのかという一抹の不安を抱くが、自然相手にはどうにもならないこと。明日は明日の風が吹くことを期待するしかない。
結果、列車は30分ほど遅れて館山駅に到着することとなってしまったが、快適な座席のおかげもあり遅延は苦にならなかった。清々しい気持ちで館山駅へと降り立つ。ここからは自由行動だ。各々のホテルへと自走で向かうことになるのだが、駅で人目を気にしながら自転車を組み立てる必要がないので非常に気持ちが良い。B.B.BASEに乗車した参加者たちが館山駅から出発し、グレイトアースの前日イベント第1幕が降りる。
第2幕はグレイトアースのどの大会でも開催される前夜祭だ。日没を迎えた午後6時過ぎ、千葉南房総ライドのメイン会場でもあるファミリーオ館山に併設されるイタリアンレストランBuono!に前夜祭参加者たちが集合する。
グレイトアースの前夜祭は兎にも角にも素早い乾杯から始まる。誰もが早くビールをグイッとやりたい気持ちを汲み取ってくれるので、参加して気持ちが良いのだ。白戸さんが音頭を取り盃を交わした後は、平野さんとともに軽妙なトークで場を和ませてくれる。
「前夜祭は参加者の皆さんが交流する場」とMCの2人は言う。友人が増えれば自転車ライフを豊かにしてくれるのは間違いない。MCの2人からは、大会本番は強風が予想されるため、ここで知り合いを増やしておけば、向かい風区間で協力しやすくなるとも。確かにそうだ!ソロで走る予定の私も積極的に交流したいという気持ちに。
私を含め消極的な方のためにグレイトアースはユニークなイベントを用意してくれた。まずはグループをランダムに分け、そのグループ内で他者紹介を全員の前で行うというもの。人前に出て自己紹介するのですら難しいものであるが、他者という初めて出会った人のことを紹介するのはハードルが高い。しかし、必要情報を聞き出すためにはコミュニケーションが必須。仲良くなれるチャンスは盛り沢山だ。
前夜祭には年齢、性別、国籍様々な人が集まっており、紹介する人の情報を聞き出すためのトークは白熱。グループトークが盛り上がったおかげもあり、発表では参加者同士の意外な繋がりなどが見つかる場面も。他者紹介で仲を深めたところで、グループ対抗クイズ大会が始まる。
出題された問題は、千葉房総ライドの開催回数や全大会の合計距離などグレイトアースに関するもの。また各チームが本気で勝利を目指しているため、シンキングタイムはチーム内で激論が交わされる。前夜祭はリピーターも多いため、その方がチームを導いてくれると思いきや意外にも混戦に。これも他者紹介で仲良くなれたからこそ、論をぶつけ合うことができたのだろう。勝利したチームにはグレイトアースTシャツがプレゼントされた。
前夜祭の締めは、ファミリーオのペア宿泊券やイエティのダウンジャケットなど豪華景品をかけたジャンケン大会だ。販売価格8万というダウンジャケットのジャンケンでは全員の目がギラギラし始め、少し怖い。勝負が決せず何度かやり直しを経たお陰で、盛り上がりは最高潮に達した。平和的にジャンケンの勝者が決まり、会はお開きに。
B.B.BASEと前夜祭で充実の土曜日を過ごし既に満足感は高い。しかし、グレイトアースの本番は翌日。ワクワクはまだ続くのである。ライドの様子はVol.2以降で!お楽しみに!
text&photo:Gakuto Fujiwara
いよいよサイクリスト待望の春がやってきた。気持ちよく走ることができるシーズンとなり、今年は何処へ出かけようかななんて考えている時が1番楽しい時間だ。場所によってはまだ寒さが残る場所もあるため、この時期は南方もしくは平野部に足を運びたくなるもの。そんな両方を持ち合わせているのが関東で言えば千葉県の南房総エリアだ。
この季節にベストプレイスでのサイクリングの機会をグレイトアースは「千葉南房総ライド」として設けてくれている。館山を出発し、海岸線を駆け抜け鴨川で折り返してくる約130kmのライドは、越冬とともに鈍った体を起こしてくれること間違いない。そんな期待を抱いたシクロワイアード編集部のフジワラが取材参加することに。
関東近郊のライド取材ならばシクロワイアード号(ハイエース)で移動するケースが多いのだが、今回はバイクを収納した輪行袋を携えて編集部を出発する。今年のグレイトアース千葉南房総ライドは、年始に開業したばかりである自転車専用列車B.B.BASEとコラボレーションし、往復を最新の移動手段を利用できるようになり、そちらを利用することに。
B.B.BASEは輪行袋に収納せずに乗車できることがメリットだが、東京都下にある編集部から出発地であるJR両国駅はいささか遠いため、一般的な輪行を選択した。ライドスタイルのままシームレスに乗車できるという魅力を感じてみたかったが、カメラなども持つ必要があったため、輪行は苦渋の決断だ。次こそは輪行袋無しでB.B.BASEを楽しみたい。
両国駅に到着するとB.B.BASEのブースと国技館が目に飛び込んでくる。両国駅からレンタルサイクルを借りられるようになったお陰で、バイクラックに数多くの自転車がかけられており、ブースの存在感が際立つ。ブース前にはグレイトアースのスタッフさんが出迎えてくれ、そのままホームへ案内される。
自転車で駆けつけ、そのまま電車に乗り込めるなんてまるで自転車天国のようだ。バイクラックは非常に容易な作業で自転車を固定できるので、これまたストレスフリー。グレイトアース本編が始まる前だが、館山までの移動ストレスを少なくしてくれるこのコラボは非常にありがたい。
さあ、定刻となったので出発進行だ!スペシャルラッピングのトレインは注目の的。通り過ぎる駅のホームで電車を待つ人々から寄せられる目線は、自分に向けられているわけではないのだが、恥ずかしさと特別感を味あわせてくれる。新幹線や特急列車に乗っている時のこれから旅に出るという高揚感も押し寄せてくる。
落ち着いたところで車内アナウンスがかかり、B.B.BASEの説明が始まる。ユーモアもある軽妙なトークを繰り広げる声の主は、ゲストライダーの白戸太朗さんと平野由香里さんだ。これから始まる2時間という長い列車旅も楽しくなりそうだ。
ボックスシートが珍しい関東で生まれ育った私は、座席が対面式となっているだけでテンションがあがってしまう。車窓の向こうで流れていく景色を眺めていたらあっという間に1時間が過ぎていたようだ。そして、ちょうど良いタイミングで白戸さんと平野さんによるトークイベントの時間となる。
トークイベントではB.B.BASEのスペシャルムービーを鑑賞しつつ、白戸さんらが今回のグレイトアースで走行する南房総の魅力を教えてくれる。振舞われるグルメも予習できるため、翌日のライドの想像を掻き立てくれ、まだ館山に到着していないのだがソワソワし始めてしまう。到着時間が近づいてしまったため、トーク会はお開きとなり、自席に戻り準備を整えることに。
JR内房線は南下するとともにトンネルを通過する回数が増えてくるため、暗闇から明るい場所に抜ける度に景色が海の街に変化していく様を感じ取れる。大学時代に鈍行で富浦まで足を伸ばしたことがあるのだが、その時の経過時間は延々と思えるほど長く感じたが、今回の特別列車は快適で時間の長さを感じにくいようだ。あっという間に因縁の富浦を通過していた。
と思ったのもつかの間。富浦を過ぎたあたりで、強風の影響で電車が一時停止。房総の風は強いと聞いていたが、車両を揺さぶるほどとは……。翌日のライドは無事に行えるのかという一抹の不安を抱くが、自然相手にはどうにもならないこと。明日は明日の風が吹くことを期待するしかない。
結果、列車は30分ほど遅れて館山駅に到着することとなってしまったが、快適な座席のおかげもあり遅延は苦にならなかった。清々しい気持ちで館山駅へと降り立つ。ここからは自由行動だ。各々のホテルへと自走で向かうことになるのだが、駅で人目を気にしながら自転車を組み立てる必要がないので非常に気持ちが良い。B.B.BASEに乗車した参加者たちが館山駅から出発し、グレイトアースの前日イベント第1幕が降りる。
第2幕はグレイトアースのどの大会でも開催される前夜祭だ。日没を迎えた午後6時過ぎ、千葉南房総ライドのメイン会場でもあるファミリーオ館山に併設されるイタリアンレストランBuono!に前夜祭参加者たちが集合する。
グレイトアースの前夜祭は兎にも角にも素早い乾杯から始まる。誰もが早くビールをグイッとやりたい気持ちを汲み取ってくれるので、参加して気持ちが良いのだ。白戸さんが音頭を取り盃を交わした後は、平野さんとともに軽妙なトークで場を和ませてくれる。
「前夜祭は参加者の皆さんが交流する場」とMCの2人は言う。友人が増えれば自転車ライフを豊かにしてくれるのは間違いない。MCの2人からは、大会本番は強風が予想されるため、ここで知り合いを増やしておけば、向かい風区間で協力しやすくなるとも。確かにそうだ!ソロで走る予定の私も積極的に交流したいという気持ちに。
私を含め消極的な方のためにグレイトアースはユニークなイベントを用意してくれた。まずはグループをランダムに分け、そのグループ内で他者紹介を全員の前で行うというもの。人前に出て自己紹介するのですら難しいものであるが、他者という初めて出会った人のことを紹介するのはハードルが高い。しかし、必要情報を聞き出すためにはコミュニケーションが必須。仲良くなれるチャンスは盛り沢山だ。
前夜祭には年齢、性別、国籍様々な人が集まっており、紹介する人の情報を聞き出すためのトークは白熱。グループトークが盛り上がったおかげもあり、発表では参加者同士の意外な繋がりなどが見つかる場面も。他者紹介で仲を深めたところで、グループ対抗クイズ大会が始まる。
出題された問題は、千葉房総ライドの開催回数や全大会の合計距離などグレイトアースに関するもの。また各チームが本気で勝利を目指しているため、シンキングタイムはチーム内で激論が交わされる。前夜祭はリピーターも多いため、その方がチームを導いてくれると思いきや意外にも混戦に。これも他者紹介で仲良くなれたからこそ、論をぶつけ合うことができたのだろう。勝利したチームにはグレイトアースTシャツがプレゼントされた。
前夜祭の締めは、ファミリーオのペア宿泊券やイエティのダウンジャケットなど豪華景品をかけたジャンケン大会だ。販売価格8万というダウンジャケットのジャンケンでは全員の目がギラギラし始め、少し怖い。勝負が決せず何度かやり直しを経たお陰で、盛り上がりは最高潮に達した。平和的にジャンケンの勝者が決まり、会はお開きに。
B.B.BASEと前夜祭で充実の土曜日を過ごし既に満足感は高い。しかし、グレイトアースの本番は翌日。ワクワクはまだ続くのである。ライドの様子はVol.2以降で!お楽しみに!
text&photo:Gakuto Fujiwara
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