2018/02/03(土) - 09:09
年明けの忙しなさも一段落ついた1月下旬、東京・浅草にてサイクルパーツ合同展示会が開催された。普段は完成車の陰に隠れがちな”パーツ”に焦点を当て、メーカーや代理店、販売店から大きな支持を受け、3年目を迎えた展示会の様子をレポートしよう。
4年ぶりの大雪に見舞われた東京。その混乱も少し落ち着いてきた1月24~25日に、東京・浅草の産業貿易センターにてサイクルパーツ合同展示会が開催された。3年前に始まったこの展示会は、サイクルモードなどに代表されるようなコンシューマー向けの展示会ではなく、販売店を対象とした展示会だ。
産業貿易センターの5階から7階までのフロアを貸切って開催された中には、100を超える出展ブランドが軒を連ね、多くのショップ関係者が来場したという。なんと初日の来場者は1,800名を数える大盛況ぶりだったようで、来年は更に規模を拡大していく予定とも。
「これまで、各社がバラバラに展示会を行ってきたという状況をどうにかしたかったんです。展示会が開催されるのは東京、大阪、良くて名古屋ぐらい。その近辺のショップであればまだしも、遠方のショップにとっては、何度も足を運ぶ必要があるのは厳しいですよね。だから、できれば一度で済むような機会があればショップさんが助かるのではないだろうか、という思いで企画を始めたんです」と、この展示会の旗振り役を務める野口商会の野口社長は語る。
「おかげさまで好評をいただいており、年々規模は大きくなっています。搬出入などの面でも改善を行い、出展者の皆さんからの要望にもお応えしていきたい。既に来年の実施も決定しており、出展したいというブランドさんも増えてまいりましたので、フロアを一つ増やす予定です。この展示会でショップの方が新しいブランドを発見できれば、エンドユーザーの方にとっても大きなメリットとなるはず。自転車界が発展していくための助けになることが出来れば本望です」と、この展示会にかける想いを語っていただいた。
さて、そんなサイクルパーツ合同展示会だが、全国からユニークなプロダクトを扱う出展社が多数集まった。このイベントに限っては、完成車およびフレームの展示はご法度。あくまでパーツがメインの展示会のため、パーツを装着した状態をイメージさせるためにバイクを展示することはあっても、自転車自体に値札が貼られることはない。
普段の展示会であれば、やっぱりバイクに目が行きがちで、見逃されがちなパーツブランドが主役を担っているため、小規模ブランドの勢いを感じる。特に目立つのは一つの分野のパーツに注力する専業ブランドの多さだろう。
例えば、スポークの星、ペダルの三ヶ島、フェンダーの本所やメンテナンス用品のミノウラやホーザンといった老舗どころはもちろんのこと、グローブのイントロやブラケットフードのシェイクス、ハンドルバーマウントのレックマウントやケミカルブランドのナスカルブなど比較的新しいブランドも数多く出展。それぞれ、こだわりのプロダクトの魅力を伝える展示に力を注いでおり、来場者もその思いを受け取っていたようだ。
もちろん、海外系のインポートブランドでも、普段あまり見かけないようなパーツブランドが盛りだくさん。輸入代理店の規模の大小に関わらず、注目を集められるか否かは商品自体の魅力や展示の魅せ方次第とあり、どのブースも力を入れている様子が窺えた。
中でも筆者の目を引いたのが、GROWER'S CUPというブランド。一言で説明すると、気軽に持ち出せるドリップコーヒーパックなのだ。キャンプツーリングなどで、コーヒーを淹れてほっと一息、というシーンに憧れる人は多いだろう。もちろん実践している方も。
こだわる方はミルやドリッパーまで持っていく人もいるだろうし、荷物を少なくしたいという人は粉末のインスタントコーヒーで済ますという選択肢もある。味にこだわるか、利便性にこだわるか、それは人それぞれなのだけれども、このブランドはそのどちらも高いレベルで実現するプロダクトとなっている。
この製品のコアとなるのは、耐熱性のビニル素材でできた外袋の中に、ドリップ用の内袋がつながった2重構造のパック。その中にこだわりの豆、もしくは茶葉が入れられており、お湯を注ぐだけで上質なコーヒー/紅茶が楽しめる。
お茶を注いだ時も、十分な大きさの内袋は茶葉がしっかりとジャンピングさせることができ、ティーバッグのような手軽さとポットで入れた美味しさを両立しているのだという。ちなみにパックは再利用でき、自分の好みの豆や茶葉をセットすることもできるのだとか。これを使ってみたいというだけで、旅に出かけたくなるような一品だった。
これはもちろん一例で、他にも様々な魅力的なプロダクトが会場には盛りだくさん。この記事を読まれている貴方、週末はぜひ行きつけのプロショップで「サイクルパーツ展示会で面白いものありました?」なんて、店長に聞いてみては?きっと店長の目利きが光る一品を紹介してくれるはず。代理店、ショップ、そして直接訪れることはないけれど、エンドユーザーたるサイクリスト。それぞれにとって大きな価値があるこの展示会は、スポーツバイクシーンを盛り上げてくれる大切な存在となっていた。
text&photo:Naoki.YASUOKA
4年ぶりの大雪に見舞われた東京。その混乱も少し落ち着いてきた1月24~25日に、東京・浅草の産業貿易センターにてサイクルパーツ合同展示会が開催された。3年前に始まったこの展示会は、サイクルモードなどに代表されるようなコンシューマー向けの展示会ではなく、販売店を対象とした展示会だ。
産業貿易センターの5階から7階までのフロアを貸切って開催された中には、100を超える出展ブランドが軒を連ね、多くのショップ関係者が来場したという。なんと初日の来場者は1,800名を数える大盛況ぶりだったようで、来年は更に規模を拡大していく予定とも。
「これまで、各社がバラバラに展示会を行ってきたという状況をどうにかしたかったんです。展示会が開催されるのは東京、大阪、良くて名古屋ぐらい。その近辺のショップであればまだしも、遠方のショップにとっては、何度も足を運ぶ必要があるのは厳しいですよね。だから、できれば一度で済むような機会があればショップさんが助かるのではないだろうか、という思いで企画を始めたんです」と、この展示会の旗振り役を務める野口商会の野口社長は語る。
「おかげさまで好評をいただいており、年々規模は大きくなっています。搬出入などの面でも改善を行い、出展者の皆さんからの要望にもお応えしていきたい。既に来年の実施も決定しており、出展したいというブランドさんも増えてまいりましたので、フロアを一つ増やす予定です。この展示会でショップの方が新しいブランドを発見できれば、エンドユーザーの方にとっても大きなメリットとなるはず。自転車界が発展していくための助けになることが出来れば本望です」と、この展示会にかける想いを語っていただいた。
さて、そんなサイクルパーツ合同展示会だが、全国からユニークなプロダクトを扱う出展社が多数集まった。このイベントに限っては、完成車およびフレームの展示はご法度。あくまでパーツがメインの展示会のため、パーツを装着した状態をイメージさせるためにバイクを展示することはあっても、自転車自体に値札が貼られることはない。
普段の展示会であれば、やっぱりバイクに目が行きがちで、見逃されがちなパーツブランドが主役を担っているため、小規模ブランドの勢いを感じる。特に目立つのは一つの分野のパーツに注力する専業ブランドの多さだろう。
例えば、スポークの星、ペダルの三ヶ島、フェンダーの本所やメンテナンス用品のミノウラやホーザンといった老舗どころはもちろんのこと、グローブのイントロやブラケットフードのシェイクス、ハンドルバーマウントのレックマウントやケミカルブランドのナスカルブなど比較的新しいブランドも数多く出展。それぞれ、こだわりのプロダクトの魅力を伝える展示に力を注いでおり、来場者もその思いを受け取っていたようだ。
もちろん、海外系のインポートブランドでも、普段あまり見かけないようなパーツブランドが盛りだくさん。輸入代理店の規模の大小に関わらず、注目を集められるか否かは商品自体の魅力や展示の魅せ方次第とあり、どのブースも力を入れている様子が窺えた。
中でも筆者の目を引いたのが、GROWER'S CUPというブランド。一言で説明すると、気軽に持ち出せるドリップコーヒーパックなのだ。キャンプツーリングなどで、コーヒーを淹れてほっと一息、というシーンに憧れる人は多いだろう。もちろん実践している方も。
こだわる方はミルやドリッパーまで持っていく人もいるだろうし、荷物を少なくしたいという人は粉末のインスタントコーヒーで済ますという選択肢もある。味にこだわるか、利便性にこだわるか、それは人それぞれなのだけれども、このブランドはそのどちらも高いレベルで実現するプロダクトとなっている。
この製品のコアとなるのは、耐熱性のビニル素材でできた外袋の中に、ドリップ用の内袋がつながった2重構造のパック。その中にこだわりの豆、もしくは茶葉が入れられており、お湯を注ぐだけで上質なコーヒー/紅茶が楽しめる。
お茶を注いだ時も、十分な大きさの内袋は茶葉がしっかりとジャンピングさせることができ、ティーバッグのような手軽さとポットで入れた美味しさを両立しているのだという。ちなみにパックは再利用でき、自分の好みの豆や茶葉をセットすることもできるのだとか。これを使ってみたいというだけで、旅に出かけたくなるような一品だった。
これはもちろん一例で、他にも様々な魅力的なプロダクトが会場には盛りだくさん。この記事を読まれている貴方、週末はぜひ行きつけのプロショップで「サイクルパーツ展示会で面白いものありました?」なんて、店長に聞いてみては?きっと店長の目利きが光る一品を紹介してくれるはず。代理店、ショップ、そして直接訪れることはないけれど、エンドユーザーたるサイクリスト。それぞれにとって大きな価値があるこの展示会は、スポーツバイクシーンを盛り上げてくれる大切な存在となっていた。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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