2017/02/01(水) - 09:05
1月15日に行われた美ら島オキナワセンチュリーランより、160kmの美ら島センチュリーコースを実走取材した新入編集部員ムラタによる、初の沖縄ライド体験に感動いっぱいの体験レポートをお届けします。
1月から南国らしい風景を満喫できる美ら島センチュリーラン
イベント前日の1月14日、本州では各地で雪が降ろうかという中、最高気温20℃に迫る暖かい気候に胸膨らませながら沖縄へ飛んだ我々編集部の3人。一昨年のヘタレフジワラ先輩と同じく、この時のためにシクロワイアード読者ならご存知メタボ会長の輪行袋を借りて、自分の自転車を梱包。初めての飛行機輪行は大いに不安があったものの、以外なほどにすんなり済んでしまい拍子抜け。これなら日本中、いや世界中へ自転車とともに旅行ができるではないか、飛行機輪行って最高だ。
那覇空港のギャラリーコーナーでは「おきなわサイクリスト写真展」なるものが開かれており、沖縄県内の自転車チームの紹介や、それらの人が撮ったサイクリストと沖縄の美しい風景が一体となった写真が数多く展示されていた。個人的なことを書かせていただくと、私・ムラタは沖縄を訪れるのは人生初。青々と輝く海に目を奪われ、明日はこの風景を自分が堪能できると思うと心躍らずにはいられなかった。
初の飛行機輪行も難なくクリア!
那覇空港にて開かれていた「おきなわサイクリスト写真展」
古民家をそのまま利用した沖縄そばのお店「す~まぬめぇ」でソーキそばを堪能する編集部一行
ちょうどお昼過ぎに空港へ到着した我々は、昼食をとるべく編集長オススメの沖縄そばのお店「す~まぬめぇ」へ。民家そのままのお店は雰囲気がよく非常にリラックスできる。初めて食べる沖縄そばはラーメンのようなうどんのような面白い食べ物で、薬味によもぎを入れるというのも驚きだ。沖縄の炊き込みご飯「じゅーしぃ」もいただき、お腹はいっぱい、仕事のやる気もマックス。その勢いのままイベント会場へ。まだまだ慣れない仕事道具であるカメラを首からぶら下げ、シャッターを切りまくるのであった。
会場では前日受付が行われるとともに、各種協賛メーカーのブースが立ち並び賑わいを見せていた。参加者のバイクメンテナンスサービスも行われ、明日に向けて万全の準備をするべく多くの人が列を作り、各々自慢のバイクを最高の状態に。ただイベントに参加する以上、出発前には各人が自分のバイクを今一度隅々までチェックして欲しい。それによりトラブルも大幅に減ることだろう。かく言う私も、ホテルに戻り輪行袋からバイクを取り出すとチェーンがあらぬ方向に捻れているではないか。手を真っ黒にしながら知恵の輪を解くように格闘したのであった。次からはもっと丁寧に梱包しよっと。
大会記念ジャージも販売された
会場にはレンタサイクルも大量に用意
香港からの皆さんもてるてる坊主で晴れを祈願
また、受付の手前には毎年恒例となっている晴れを祈念するてるてる坊主の作成ブースも。風に揺れるてるてる坊主の効果なのか、予報では曇りであった沖縄の天気もこの時は青空を覗かせ、当日の好天を予感させてくれたのであった。まあ、晴れ男の私がいるのだから問題はないだろう。
まだ薄暗い内からの美ら島センチュリーコース、スタート!
美ら島センチュリーランは距離別に3コースが用意される。(編集部内で一番走れると調子に乗る)私ムラタは最も長い160kmを走る「美ら島センチュリーコース」を編集長とともに取材。だが集合が朝早く、寒い。じっとしてられず、スタート写真は編集長に任せ、早々に自転車にまたがる。まだ夜が明け切らず薄暗い朝の7時、ライトを点灯させながら参加者の皆さんとともに走り出した。
沖縄と言えどまだ1月、気温的にはウェアは各種ウォーマー類とウインドブレーカーは必須といったところだ。スタートが朝早く肌寒いが、昼頃には気温が上がることを考えると脱ぎ着しやすい装備での参加がオススメだろう。だが、やはり沖縄。飛行機で2時間半もかけて南に来ただけはあって、関東で考えるなら10、11月ほどの秋頃の格好で1日中問題なく走ることができた。この時期に指切りグローブで寒くないのだから驚きだ。
160kmコースは朝早い集合にも関わらずやる気満々の皆さん
個性的な文言が目につく、うちなぁライダーの皆さん
序盤は朝焼けを望みながら走る
コースは沖縄本島を恩納村スタートで時計回りに進む。北は今帰仁村から南はうるま市まで、街中と峠越え以外は常に左手に海を眺めることができるレイアウトだ。走り出してすぐは薄暗いのでよくわからないが、日が上がるとともに隣に広がる海の美しさが徐々に分かるようになってくる。道端にきれいに並んだヤシの木とともに、もうそこは南国の風景そのもので、関東に住んでいる私からすると海外旅行にでも来た気分である。
始めの20kmは名護市まで平坦基調の道が続く。信号も少なく流れるように進むため、気持ちよくペダルも回る。当日は若干風が強かったが、グループで固まって走る参加者の皆さんは、前の人を上手く風よけに使うことでスムーズに進めていた。自分はと言うと、写真を取りながら一人で突き進むため意外と脚を消耗する。160kmもあるのだから、各々無理のないペーシングで進むのが良いだろう。
すぐ左手には青々とした海が広がる
天気にも恵まれ青空が広がる
かりんとう饅頭とえびすまんじゅうが振る舞われる
走り出してから1時間ほどで第1エイドの名護市民会館へ。朝早く出発したせいか、みんなお腹が空いているのだろう。エイドにはたちまち行列が並び、目の前にあるサーターアンダギーも順番待ち。名護市の和洋菓子店「お菓子のエビス」よりかりんとう饅頭とえびすまんじゅうも大量に用意され、甘いもので口の中は幸せな気分に。
ちなみに美ら島センチュリーコースは恩納村、名護市、今帰仁村、宜野座村、金武町、うるま市、嘉手納町の7つの市町村に配置されたエイドを回るコースが組まれている。スタート・ゴールである恩納村を除き6つの各市町村章シールを各エイドにて受け取り、ゼッケンに貼付け集めていくという訳だ。まずはこの第1エイド、名護市を皮切りにシール集めの旅は始まる。
一足早い桜の開花が見られる
編集長の真似をして同じ地点からカメラを構えてみるムラタ
イベントスポンサーであるANAのメンバーも参加
絶景のワルミ大橋にてパシャリ、奥に見えるのは古宇利大橋
ここからはしばし海からは離れ、街中を抜けコース中最大の峠(と言っても標高は130mほど)へ差し掛かる。だが、まだまだコースは序盤。登り区間に入ってもカメラを向けるとポーズを取ってくれるほど、みな軽快にペダルを回す元気な姿が印象的であった。登りの途中では日本一早い桜の開花が見られたが、参加者の皆さんは気づけただろうか。桜以外にも道中花を咲かせる植物は多く、本州との気候の差を感じられるところでもあった。
峠を越えれば遠くには海が。登りで遅れた人も下りで追いつき、再び大きなグループで進んでいく。多少のアップダウンをこなしつつも、海が近づいてくると何故かウキウキした気分で自然とスピードも上がっていく。私が海無し県出身だからなのだろうか。程なくして、このコースに設定された三大美橋の1つである「ワルミ大橋」に到着。国内で5番目に長いアーチ橋だそうだ。橋から下を覗き込めば、マリンブルーに輝く海が広がり、皆が足を止め記念撮影を行っていた。
両サイドに海を湛え古宇利島へ続く古宇利大橋の絶景
食べても食べても追加されるサーターアンダギー
古宇利島ふれあい広場ではバナナをパクリ
さらに2kmほど走れば三大美橋の2つ目、古宇利島へ繋がる「古宇利大橋」が見えてきた。奥に見える島へ続く一直線の道は思わず「おおー」と声をこぼさずにはいられない、そんな風景が広がる。橋の上からは両サイドに海を望む、先に進むのが惜しいくらいの絶景である。少し強めの横風を受けながらも橋を渡りきったところにある、古宇利島ふれあい広場で休憩だ。
第2エイドでは今帰仁村章のシールをゲット。バナナ、サーターアンダギー、ちんすこうとなんとも沖縄らしい補給もいただけた。橋の絶景に見とれて時間を潰しすぎた人もいただろう。私も先を急ぐとしよう。
見渡す限りの海に感動できる古宇利大橋
前半のハイライトをお届けしたところで前編は終わり。ここからは160kmコースでしか走れない、本島の東側へ向かうこととなる。後半もどんな美しい風景が待っているのだろう。乞うご期待。
text&photo:Yuto.MURATA
photo:Makoto.AYANO
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イベント前日の1月14日、本州では各地で雪が降ろうかという中、最高気温20℃に迫る暖かい気候に胸膨らませながら沖縄へ飛んだ我々編集部の3人。一昨年のヘタレフジワラ先輩と同じく、この時のためにシクロワイアード読者ならご存知メタボ会長の輪行袋を借りて、自分の自転車を梱包。初めての飛行機輪行は大いに不安があったものの、以外なほどにすんなり済んでしまい拍子抜け。これなら日本中、いや世界中へ自転車とともに旅行ができるではないか、飛行機輪行って最高だ。
那覇空港のギャラリーコーナーでは「おきなわサイクリスト写真展」なるものが開かれており、沖縄県内の自転車チームの紹介や、それらの人が撮ったサイクリストと沖縄の美しい風景が一体となった写真が数多く展示されていた。個人的なことを書かせていただくと、私・ムラタは沖縄を訪れるのは人生初。青々と輝く海に目を奪われ、明日はこの風景を自分が堪能できると思うと心躍らずにはいられなかった。
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ちょうどお昼過ぎに空港へ到着した我々は、昼食をとるべく編集長オススメの沖縄そばのお店「す~まぬめぇ」へ。民家そのままのお店は雰囲気がよく非常にリラックスできる。初めて食べる沖縄そばはラーメンのようなうどんのような面白い食べ物で、薬味によもぎを入れるというのも驚きだ。沖縄の炊き込みご飯「じゅーしぃ」もいただき、お腹はいっぱい、仕事のやる気もマックス。その勢いのままイベント会場へ。まだまだ慣れない仕事道具であるカメラを首からぶら下げ、シャッターを切りまくるのであった。
会場では前日受付が行われるとともに、各種協賛メーカーのブースが立ち並び賑わいを見せていた。参加者のバイクメンテナンスサービスも行われ、明日に向けて万全の準備をするべく多くの人が列を作り、各々自慢のバイクを最高の状態に。ただイベントに参加する以上、出発前には各人が自分のバイクを今一度隅々までチェックして欲しい。それによりトラブルも大幅に減ることだろう。かく言う私も、ホテルに戻り輪行袋からバイクを取り出すとチェーンがあらぬ方向に捻れているではないか。手を真っ黒にしながら知恵の輪を解くように格闘したのであった。次からはもっと丁寧に梱包しよっと。
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美ら島センチュリーランは距離別に3コースが用意される。(編集部内で一番走れると調子に乗る)私ムラタは最も長い160kmを走る「美ら島センチュリーコース」を編集長とともに取材。だが集合が朝早く、寒い。じっとしてられず、スタート写真は編集長に任せ、早々に自転車にまたがる。まだ夜が明け切らず薄暗い朝の7時、ライトを点灯させながら参加者の皆さんとともに走り出した。
沖縄と言えどまだ1月、気温的にはウェアは各種ウォーマー類とウインドブレーカーは必須といったところだ。スタートが朝早く肌寒いが、昼頃には気温が上がることを考えると脱ぎ着しやすい装備での参加がオススメだろう。だが、やはり沖縄。飛行機で2時間半もかけて南に来ただけはあって、関東で考えるなら10、11月ほどの秋頃の格好で1日中問題なく走ることができた。この時期に指切りグローブで寒くないのだから驚きだ。
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始めの20kmは名護市まで平坦基調の道が続く。信号も少なく流れるように進むため、気持ちよくペダルも回る。当日は若干風が強かったが、グループで固まって走る参加者の皆さんは、前の人を上手く風よけに使うことでスムーズに進めていた。自分はと言うと、写真を取りながら一人で突き進むため意外と脚を消耗する。160kmもあるのだから、各々無理のないペーシングで進むのが良いだろう。
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ちなみに美ら島センチュリーコースは恩納村、名護市、今帰仁村、宜野座村、金武町、うるま市、嘉手納町の7つの市町村に配置されたエイドを回るコースが組まれている。スタート・ゴールである恩納村を除き6つの各市町村章シールを各エイドにて受け取り、ゼッケンに貼付け集めていくという訳だ。まずはこの第1エイド、名護市を皮切りにシール集めの旅は始まる。
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ここからはしばし海からは離れ、街中を抜けコース中最大の峠(と言っても標高は130mほど)へ差し掛かる。だが、まだまだコースは序盤。登り区間に入ってもカメラを向けるとポーズを取ってくれるほど、みな軽快にペダルを回す元気な姿が印象的であった。登りの途中では日本一早い桜の開花が見られたが、参加者の皆さんは気づけただろうか。桜以外にも道中花を咲かせる植物は多く、本州との気候の差を感じられるところでもあった。
峠を越えれば遠くには海が。登りで遅れた人も下りで追いつき、再び大きなグループで進んでいく。多少のアップダウンをこなしつつも、海が近づいてくると何故かウキウキした気分で自然とスピードも上がっていく。私が海無し県出身だからなのだろうか。程なくして、このコースに設定された三大美橋の1つである「ワルミ大橋」に到着。国内で5番目に長いアーチ橋だそうだ。橋から下を覗き込めば、マリンブルーに輝く海が広がり、皆が足を止め記念撮影を行っていた。
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第2エイドでは今帰仁村章のシールをゲット。バナナ、サーターアンダギー、ちんすこうとなんとも沖縄らしい補給もいただけた。橋の絶景に見とれて時間を潰しすぎた人もいただろう。私も先を急ぐとしよう。
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text&photo:Yuto.MURATA
photo:Makoto.AYANO
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