2016/10/19(水) - 09:17
10月2日、愛媛県松野町にて開催された「松野四万十バイクレース(MSBR)」。日本最長距離となるクロスカントリーマラソンレースに挑んだ編集部員たちのレポートをお届けしよう。
鬱蒼と茂る木々の切れ目から覗く空。ふわふわと風に流されていく雲。軽やかに飛び去っていく鳥。林道で横たわりながら、「雲も鳥もパワーウェイトレシオ高そうだな」とぼんやりした思考を巡らす。時折、苦しげな息づかいと共にバイクを押して登ってくるライダー達に空しい声援を送る私、ヤスオカは紛れもなくリタイアしていた。
遡る事2カ月前、「愛媛でヤバいレースが開催される」と盛りあがった編集部。「日本最長のMTBレース」と銘打ち、距離130km、獲得標高3000m、未舗装路率60%というスペックを前に、出る?出ちゃう?なんて軽い気持ちでエントリーしたイソベと私。
タイムマシンがあったら、という問いに対しては、ポケモンGOのリリース前に飛んで任天堂株を買い占める、と答えることにしていた私だが、この瞬間その答えは更新されることになった。「なんとしてもエントリーボタンの押下は止める。」、きっと過去に戻れたならば、二つに割れた彗星から町民を避難させる女子高生なみの必死さでもって、「松野四万十バイクレース」へのエントリーを思いとどまるように説得していただろう。もしくは真面目に練習していた。
そう、それほどまでに厳しいレースだったのだ。
愛媛県の玄関口、松山空港から松山自動車道三間ICを降り、東へと走る。2時間ほど車に揺られれば、愛媛県と高知県の県境である松野町へと到着だ。日本最長のクロスカントリーレースが開催されるというほどなのだから、よほど山深いエリアなのだろうと思っていたが、さにあらず。
もちろん大都会、というわけではないが、中心部であるJR四国予土線の松丸駅周辺は商店街や旅館、飲食店が立ち並び、すぐ近くにもコンビニやスーパーがあるため、補給などの心配もご無用。レトロな雰囲気を残す駅舎は、「森の国ぽっぽ温泉」という温浴施設が2階に併設されるという珍しい作りで、アウトドアアクティビティを目的にした観光客が多いことを窺わせる。
四万十川の支流である広見川を挟んで松丸駅のちょうど対岸に、受付会場となる道の駅虹の森公園はある。メインスポンサーを務めるジャイアントのテントやモバイルパンプトラック等が展開され、道の駅はMTB一色に染まった。
そうそう、道の駅虹の森公園には、「まつのおさかな館」という淡水魚専門の水族館が併設されている。こじんまりとした水族館なのだが展示内容はかなり充実しており、四万十の怪魚と呼ばれるアカメをはじめ、サワガニやうなぎなど広見川に住む様々な生き物たちが集められている。郷土を知るには、地元の味覚を味わう事が近道というけれど、これから走る自然にどんな生き物がいるのかを知るのもまた一興。ちなみに夕飯では天然うなぎを頂いたので、グルメ方面もばっちり抑えていることに。
さて、自身初のクロスカントリーマラソンということで、前日の準備は念入りに。松野四万十バイクレースはチーム戦ということもあり、エマージェンシーに必要な工具類はチームのうち一人が持っていれば大丈夫。ただ、チューブなどは一人ひとりが持っていたほうが良いはずだ。補給食に関しては、ジェル系のものだけでなく、しっかりと噛んで食べられるように羊羹などの固形物も混ぜ、3000kcalほどを用意した。ハイドレーションパックも用意したが、沢水や舗装路で自販機が登場するとのことで、給水は700mlのボトル一本で。しかしこの選択が悲劇を起こすことになろうとは、その時は知る由もなかった……。
翌朝、まだ日も昇らないころにスタート地点となる目黒小学校へと向かう。松野町の中心部から、山道を5kmほど走った高台に用意された会場には、全国から集まった参加者たちが続々とやってくる。日本ではMTBは流行らない、とは誰が言ったか。こんな頭の悪い(褒めています、念のため)イベントにこれだけの人数が集まるのだ、とても信じられたものではない。
さて、前日の内に準備は済ませていたので、基本的にはスタートを待つのみ。ただ、夜明け前で肌寒いため、スポーツアロママッサージブースでアップを受けるのも良いだろう。
小学校の校庭が参加者の車で埋め尽くされたころ、段々と空が白み始めてくる。朝日が顔を覗かせると、青空が広がっていた。なんとか無事に晴れそうだ。日本最長のレース、天候だけは最高のコンディションで走り出せそうだ。脚については、忙しさにかまけてまともに乗れておらず、正直なところ不安しかないが、とりあえずは気持ちよくスタートを切った。
スタートして一つ目の滑床林道の登りで、そんな甘っちょろい希望は木端微塵に打ち砕かれた。初めての本格的なダート林道の上り、30分ほどはそれなりに踏めていたのだが、段々と脚がなくなってくる。そうすると、路面の衝撃がもろに身体へのダメージとなり、腰回りがツラいのだ。オンロードの登りであれば、ダンシングで腰を伸ばすことも出来るが、ガレた林道ではサドルから腰を浮かした途端に後輪がスリップしてしまい、ストレッチすることも叶わない。辛い、辛すぎる。
途中、和太鼓の応援ポイントでいったん休憩。腰と脚をストレッチするが、まだ一つ目のダート、しかもその半分程度である。その後も、同じチームのイソベ、そしてジャイアントストア大阪に勤める湯浅さんに励まされたり、押されたりしながら、どうにかこうにか登っていく。チーム戦でなければ、ここで既に自転車を降りていたかもしれない。なんとか10kmのダート林道を登り切ったら、宇和海が眼前に広がる絶景スポットが登場。ここが第一チェックポイントだ。
チェックポイントを通過する時に、チームメートと離れて一人でいると失格となる。3人チームなら、1人は切り離すことも出来るが、30分のペナルティタイムが科せられるということもあり、出来る限りチームで走る必要があるのだ。2人の助けもあり、なんとか第一チェックポイントは無事に通過。ここでは、表千家流のお抹茶が野点されており、お饅頭と一緒に頂くことができる。ギュッと凝縮されたカテキンとカフェインが、身体を活性化させてくれるのが分かるようだ。
少し元気が復活したところで、一路ダウンヒルへ。ダートの長距離ダウンヒルは初めてだ、と身構えていたがここの下りはオンロードで少し拍子抜けしてしまう。しかし、意外にこの下りが曲者で、何でもないコーナーがスリッピーでタイヤが流れそうになる。はやる気持ちを抑えつつダウンヒルをこなしていたが、後ろでズシャアアァッという音が。振り返れば湯浅さんが落車している。
かなり勢いよく滑っていくのが見えたが、どこかが折れているということもなく、擦過傷のみということで、「大丈夫だよ!」と笑顔を見せる湯浅さんにほっとしつつ再スタートを切る。この先はこれまで以上に慎重に下りながら、第2チェックポイントに到着。
この先はループとなる西谷林道。ピークにあるエイドではシカ肉のソーセージが待っているということで、気合を入れて登っていく。下りで少し脚が回復したのもあり、滑床林道ほどの醜態を見せることなく、なんとか西谷林道の登りをクリア。ご褒美のシカ肉ソーセージは、なんとリッツカールトンで働いていた経験のある役場の職員さんが焼いているとのことで、かなりの絶品。野趣あふれる鹿肉を食べやすくするため、豚の油を少し加えているのが美味しさの秘密なんだとか。
そして、このレース初となるオフロードの下りが現れる。途中、かなりガれている箇所でイソベがパンク。軽いリム打ちだったため、タイヤも無事すぐに復帰し再び下りだす。すると先日の台風で崩落したという現場に到着。迂回するように作られた道を担ぎでクリアする。これぞMTBライド、という感じで楽しい瞬間だ。
西谷林道をクリアすると、再び舗装路の下り区間へ。制限時間に間に合わせるため、ローテーションを回しながら次の玖木林道へと急ぐが、これがかなり体力を消耗することに。しかしここで遅れるわけにはいかないという虚仮の一念でなんとか千切れることなく、玖木林道の入り口へ到着するが、このころにはかなり気温も上昇していた。
玖木林道の入り口に設けられた”リバークロス”は、自転車に乗ったまま川を渡るというアドベンチャーなセクション。完走の目安はここを11時までに通過するとのことで、なんとか30分前に川を渡り切ることに成功。シューズに水が浸入するも、ひんやりと冷たいのが逆に心地いい。出来れば川に浸かっていきたいくらいだけど、先を思って我慢する。
リバークロスを過ぎると、斜度10%を超える激坂が延々と続く区間が現れる。これまでなんとか乗車でクリアしてきたが、ここはついに自転車を降りることに。しかしどうにも身体が重い。バイクを杖のように使いながら、なんとか押し上がっていくが、10歩進むたびに止まりそうになってしまう。
頭がふらふらし、目もチカチカしてくる。振り返ってみれば完全に熱中症なのだが、この時は「皆に追い付かないと……」という一心で何とか登っていく。途中、自転車を持ってもらい、更には手を牽かれて途中の勾配が緩やかなポイントまで連れて行かれる。エリア51で捕まった宇宙人のような状態で、皆の待つ休憩ポイントに辿りついたものの、完全にグロッキーで立っていることも難しいほど。
さすがにこれ以上は危険、ということでリタイアすることに。バックに入れていた補給食とチューブをイソベに渡し、続く60kmに備えてもらう。そして、最後にガーミンを託した。この二人には完走してほしい。出来れば一緒に自分もゴールゲートをくぐりたかったが、それは叶わない。再出発する2人の背中が小さくなっていくのを見送り、その場に崩れ落ちるのだった。
text:Naoki.Yasuoka
鬱蒼と茂る木々の切れ目から覗く空。ふわふわと風に流されていく雲。軽やかに飛び去っていく鳥。林道で横たわりながら、「雲も鳥もパワーウェイトレシオ高そうだな」とぼんやりした思考を巡らす。時折、苦しげな息づかいと共にバイクを押して登ってくるライダー達に空しい声援を送る私、ヤスオカは紛れもなくリタイアしていた。
遡る事2カ月前、「愛媛でヤバいレースが開催される」と盛りあがった編集部。「日本最長のMTBレース」と銘打ち、距離130km、獲得標高3000m、未舗装路率60%というスペックを前に、出る?出ちゃう?なんて軽い気持ちでエントリーしたイソベと私。
タイムマシンがあったら、という問いに対しては、ポケモンGOのリリース前に飛んで任天堂株を買い占める、と答えることにしていた私だが、この瞬間その答えは更新されることになった。「なんとしてもエントリーボタンの押下は止める。」、きっと過去に戻れたならば、二つに割れた彗星から町民を避難させる女子高生なみの必死さでもって、「松野四万十バイクレース」へのエントリーを思いとどまるように説得していただろう。もしくは真面目に練習していた。
そう、それほどまでに厳しいレースだったのだ。
愛媛県の玄関口、松山空港から松山自動車道三間ICを降り、東へと走る。2時間ほど車に揺られれば、愛媛県と高知県の県境である松野町へと到着だ。日本最長のクロスカントリーレースが開催されるというほどなのだから、よほど山深いエリアなのだろうと思っていたが、さにあらず。
もちろん大都会、というわけではないが、中心部であるJR四国予土線の松丸駅周辺は商店街や旅館、飲食店が立ち並び、すぐ近くにもコンビニやスーパーがあるため、補給などの心配もご無用。レトロな雰囲気を残す駅舎は、「森の国ぽっぽ温泉」という温浴施設が2階に併設されるという珍しい作りで、アウトドアアクティビティを目的にした観光客が多いことを窺わせる。
四万十川の支流である広見川を挟んで松丸駅のちょうど対岸に、受付会場となる道の駅虹の森公園はある。メインスポンサーを務めるジャイアントのテントやモバイルパンプトラック等が展開され、道の駅はMTB一色に染まった。
そうそう、道の駅虹の森公園には、「まつのおさかな館」という淡水魚専門の水族館が併設されている。こじんまりとした水族館なのだが展示内容はかなり充実しており、四万十の怪魚と呼ばれるアカメをはじめ、サワガニやうなぎなど広見川に住む様々な生き物たちが集められている。郷土を知るには、地元の味覚を味わう事が近道というけれど、これから走る自然にどんな生き物がいるのかを知るのもまた一興。ちなみに夕飯では天然うなぎを頂いたので、グルメ方面もばっちり抑えていることに。
さて、自身初のクロスカントリーマラソンということで、前日の準備は念入りに。松野四万十バイクレースはチーム戦ということもあり、エマージェンシーに必要な工具類はチームのうち一人が持っていれば大丈夫。ただ、チューブなどは一人ひとりが持っていたほうが良いはずだ。補給食に関しては、ジェル系のものだけでなく、しっかりと噛んで食べられるように羊羹などの固形物も混ぜ、3000kcalほどを用意した。ハイドレーションパックも用意したが、沢水や舗装路で自販機が登場するとのことで、給水は700mlのボトル一本で。しかしこの選択が悲劇を起こすことになろうとは、その時は知る由もなかった……。
翌朝、まだ日も昇らないころにスタート地点となる目黒小学校へと向かう。松野町の中心部から、山道を5kmほど走った高台に用意された会場には、全国から集まった参加者たちが続々とやってくる。日本ではMTBは流行らない、とは誰が言ったか。こんな頭の悪い(褒めています、念のため)イベントにこれだけの人数が集まるのだ、とても信じられたものではない。
さて、前日の内に準備は済ませていたので、基本的にはスタートを待つのみ。ただ、夜明け前で肌寒いため、スポーツアロママッサージブースでアップを受けるのも良いだろう。
小学校の校庭が参加者の車で埋め尽くされたころ、段々と空が白み始めてくる。朝日が顔を覗かせると、青空が広がっていた。なんとか無事に晴れそうだ。日本最長のレース、天候だけは最高のコンディションで走り出せそうだ。脚については、忙しさにかまけてまともに乗れておらず、正直なところ不安しかないが、とりあえずは気持ちよくスタートを切った。
スタートして一つ目の滑床林道の登りで、そんな甘っちょろい希望は木端微塵に打ち砕かれた。初めての本格的なダート林道の上り、30分ほどはそれなりに踏めていたのだが、段々と脚がなくなってくる。そうすると、路面の衝撃がもろに身体へのダメージとなり、腰回りがツラいのだ。オンロードの登りであれば、ダンシングで腰を伸ばすことも出来るが、ガレた林道ではサドルから腰を浮かした途端に後輪がスリップしてしまい、ストレッチすることも叶わない。辛い、辛すぎる。
途中、和太鼓の応援ポイントでいったん休憩。腰と脚をストレッチするが、まだ一つ目のダート、しかもその半分程度である。その後も、同じチームのイソベ、そしてジャイアントストア大阪に勤める湯浅さんに励まされたり、押されたりしながら、どうにかこうにか登っていく。チーム戦でなければ、ここで既に自転車を降りていたかもしれない。なんとか10kmのダート林道を登り切ったら、宇和海が眼前に広がる絶景スポットが登場。ここが第一チェックポイントだ。
チェックポイントを通過する時に、チームメートと離れて一人でいると失格となる。3人チームなら、1人は切り離すことも出来るが、30分のペナルティタイムが科せられるということもあり、出来る限りチームで走る必要があるのだ。2人の助けもあり、なんとか第一チェックポイントは無事に通過。ここでは、表千家流のお抹茶が野点されており、お饅頭と一緒に頂くことができる。ギュッと凝縮されたカテキンとカフェインが、身体を活性化させてくれるのが分かるようだ。
少し元気が復活したところで、一路ダウンヒルへ。ダートの長距離ダウンヒルは初めてだ、と身構えていたがここの下りはオンロードで少し拍子抜けしてしまう。しかし、意外にこの下りが曲者で、何でもないコーナーがスリッピーでタイヤが流れそうになる。はやる気持ちを抑えつつダウンヒルをこなしていたが、後ろでズシャアアァッという音が。振り返れば湯浅さんが落車している。
かなり勢いよく滑っていくのが見えたが、どこかが折れているということもなく、擦過傷のみということで、「大丈夫だよ!」と笑顔を見せる湯浅さんにほっとしつつ再スタートを切る。この先はこれまで以上に慎重に下りながら、第2チェックポイントに到着。
この先はループとなる西谷林道。ピークにあるエイドではシカ肉のソーセージが待っているということで、気合を入れて登っていく。下りで少し脚が回復したのもあり、滑床林道ほどの醜態を見せることなく、なんとか西谷林道の登りをクリア。ご褒美のシカ肉ソーセージは、なんとリッツカールトンで働いていた経験のある役場の職員さんが焼いているとのことで、かなりの絶品。野趣あふれる鹿肉を食べやすくするため、豚の油を少し加えているのが美味しさの秘密なんだとか。
そして、このレース初となるオフロードの下りが現れる。途中、かなりガれている箇所でイソベがパンク。軽いリム打ちだったため、タイヤも無事すぐに復帰し再び下りだす。すると先日の台風で崩落したという現場に到着。迂回するように作られた道を担ぎでクリアする。これぞMTBライド、という感じで楽しい瞬間だ。
西谷林道をクリアすると、再び舗装路の下り区間へ。制限時間に間に合わせるため、ローテーションを回しながら次の玖木林道へと急ぐが、これがかなり体力を消耗することに。しかしここで遅れるわけにはいかないという虚仮の一念でなんとか千切れることなく、玖木林道の入り口へ到着するが、このころにはかなり気温も上昇していた。
玖木林道の入り口に設けられた”リバークロス”は、自転車に乗ったまま川を渡るというアドベンチャーなセクション。完走の目安はここを11時までに通過するとのことで、なんとか30分前に川を渡り切ることに成功。シューズに水が浸入するも、ひんやりと冷たいのが逆に心地いい。出来れば川に浸かっていきたいくらいだけど、先を思って我慢する。
リバークロスを過ぎると、斜度10%を超える激坂が延々と続く区間が現れる。これまでなんとか乗車でクリアしてきたが、ここはついに自転車を降りることに。しかしどうにも身体が重い。バイクを杖のように使いながら、なんとか押し上がっていくが、10歩進むたびに止まりそうになってしまう。
頭がふらふらし、目もチカチカしてくる。振り返ってみれば完全に熱中症なのだが、この時は「皆に追い付かないと……」という一心で何とか登っていく。途中、自転車を持ってもらい、更には手を牽かれて途中の勾配が緩やかなポイントまで連れて行かれる。エリア51で捕まった宇宙人のような状態で、皆の待つ休憩ポイントに辿りついたものの、完全にグロッキーで立っていることも難しいほど。
さすがにこれ以上は危険、ということでリタイアすることに。バックに入れていた補給食とチューブをイソベに渡し、続く60kmに備えてもらう。そして、最後にガーミンを託した。この二人には完走してほしい。出来れば一緒に自分もゴールゲートをくぐりたかったが、それは叶わない。再出発する2人の背中が小さくなっていくのを見送り、その場に崩れ落ちるのだった。
text:Naoki.Yasuoka
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