読者レポーターの「こなき部長」です! 9月22日。秋の5連休のなかびに開催となった今年の出雲路センチュリーライド2009。私は今回で3回目の参加だが、昨年までとは違う。昨年までは単身エントリーだったが、今年はクラブのメンバー6名と共にエントリーしました。そんな私の体験レポートをどうぞ。

自転車部のみんな自転車部のみんな
いちおう「部長」なんて肩書きもらってるし過去経験もあるので、今回はメンバーのサポート役に徹する立場でのエントリーとなった。

< 出発! >

5時起床、すぐにホテルの窓から外を見る。前夜降っていた雨は止み、今のところはどんよりとした曇り空で路面はかすかにウェット。気温20℃窓を開けても肌寒くは無い。よしゃ、今日はイケるかも♪

参加者であふれ返る参加者であふれ返る フルジップの半袖ジャージに、ショートビブ。レインウェアは荷物になるので持って行きたくないな、アームウォーマは要るかな・・・などと考えつつ、6時からの朝食をそそくさと食べ、6時半にチェックアウト。

スタート地点である松江イングリッシュガーデンにクルマで向かう。会場までは松江市街地から10分ほどで到着するが、駐車場所を定めるのにてこずってしまい、ここで時間を浪費してしまった。と、同時に雨がポツリ降り始める。

部員各自クルマからバイクを降ろし、組み立ててエア注入し、携行する品を詰め・・・焦る。主催者からは「そろそろブリーフィング始めますので、スタート地点に集まってください」と言われるものの、こっちはまだ準備が整っていない。

周囲にも多くの参加者があたふたしている。時間的に焦ったのもあり、レインウェアもアームウォーマも今回は持って行くまい。さ、急ぎましょう。

- 7:26
ようやくスタート地点に到着、既に多くの参加者で溢れかえっている。「回を追う毎に参加者が増えてきているな」。今回は500名ほどのエントリーがあるらしく、自転車ブームを再実感する。レインウェアを着込む人、半袖で我慢する人、小雨の中で微妙な判断をそれぞれに下しているのが良く分かる。

さぁ、スタート!!さぁ、スタート!! 準備に手間取ってしまったので、ブリーフィング(スタート前の簡単な説明会)は既に終わっていた。あちゃ~・・前日にエントリー受付を済ませておいて良かった。

でも、唯一忘れてはならないのが「出走チェック表に自筆サイン」すること。ちゃんと出走したことの証明だもんね。このときに、腕に自分のゼッケン番号を書いておくとことを絶対にオススメします。

各CP(チェックポイント)では、自分のゼッケン番号の枠内に署名するのですが、自分のゼッケン番号を覚えてなくて、背中のゼッケンを近くの人に読んでもらう・・・なーんてことを去年までやってましたから。

気分的にも、トライアスリートみたいでちょっとカッコイイのもあるし・・・ね。部員皆さんも自筆サインして準備完了。


< スタート~中の島ぶらりAS >

- 7:36
いよいよスタートです。スタート開始時刻は7:30なので、6分遅れてのスタートとなった訳ですが、私らの後方にもまだまだ沢山の参加者が列を成して待ってます。スタート順はいつも通りに「任意」。早く行きたい人が列の前の方に並んでます。私らは出遅れたので中盤ちょと後ろからのスタート。

松江イングリッシュガーデンを出発直後は田んぼの真ん中を抜ける道で、そこを過ぎるとゆるやかな登りと下りが18回ほど繰り返される、通称のこぎり峠がある。ここの峠、標高にすると50mほどなんだが、登っては下り、登っては下りを果てしなく繰り返す感じがあり、参加者を心理的に疲れさせる。一昨年はこの部分がコースの終盤にセッティングされており、のこぎり峠には泣かされたが昨年からは序盤なので幾分かは気が楽になった。

- 7:52
のこぎり峠を団子状態で登る参加者の皆さん。ゼッケン503は女性のようです。今回は女性参加者が多いと感じました。回を重ねる度に、少しずつではありますが女性が増えてきていますね。とっても良いことだと思いませんか?

登っては下り、登っては下りを何度も繰り返しつつ、終盤のほうが段々と勾配がキツくなると言う、ここの坂独特の真綿で首を絞められるような見事な攻撃です。のこぎり峠での鍛錬を終えると、コース立哨の方が左折指示を出しています。
やっと平野部に出ました。まーっすぐな道を抜けて行き・・・。

やっと平野部に出たやっと平野部に出た のこぎり峠を進む素敵なお姉さまのこぎり峠を進む素敵なお姉さま


- 8:40
最初のAS(エイドステーション)、中ノ島ぶらりに到着。既に多くの参加者が到着しており、チェック用紙へのスタンプを貰うために列を成して待っていますし、早い人は既に出発しつつあります。最初のCP(チェックポイント)なので、スタンプ受けに殺到してしまうのはどうしても仕方ないか。かなーり長い列にいら立つ方も居られましたが、まぁそんなに焦んなくてもいいじゃないですか。タイムレースじゃないんだし。

っと、ココで面白い方を発見!!ヘルメットの上にアンパンマン乗っけてます。コレはオモロイなぁ~、この大会は愉しんでナンボやと思うので、こんなオチャラケもアリでしょう。いいなぁ~、オイシィなぁ~私もスタンプ貰って出発です。随分待ったような気がしたけれど、ココの所要時間16分なので全く焦る必要ないね。

チェック待ちの行列チェック待ちの行列 アンパンマンのお兄さんもチェック表に記名アンパンマンのお兄さんもチェック表に記名



< CP1 中の島ぶらりAS ~ CP2 加茂ラメール >

- 8:56

中の島ぶらりASを出発して斐伊川に掛かる橋を渡り、土手を下って行く。向かう先は日本海ではなく、宍道湖である。この辺りは広い水田地帯。クルマも無く走りやすい川土手道を飛ばしていきます。土手を離れ、水田に囲まれた道に差し掛かるとこの辺りから、路肩でパンク修理している方々を頻繁に見かけるようになる。

と言うか、見渡すまっすぐな道の路肩にずらっと並んだパンクしてしまった人たち。何じゃこりゃ。って思っていると・・・部員からもパンク者が出た。修理終えて再スタート。手馴れたモンで10分も掛かりません。宍道湖を離れ、CP2の加茂ラメールへと向かう道はゆるやかに登ったり下ったり。

気持ちの良い道が暫く続くと・・・別の部員がパンクである。寄ってたかってパンク治してると、バイクサポートの人が声を掛けてくれる。「パンクですよねぇ~。それ以外のトラブルだったら言って下さいよぉ~。」有り難いねぇ~。パンクなら自分らでどうにでもなります。でも途中、女性一人でパンク対処してる人とか見かけたので、私も「大丈夫ですかぁ~」って声掛けたりしましたよ(下心なしでね)。そして・・・

パンク者、続出パンク者、続出 部員初のパンク部員初のパンク


- 10:24
第2CP、加茂ラメールAS到着。昨日も見たけれど、やっぱり不思議な形の建物やね。チェック用紙にスタンプ貰い記名サインすると、小学生の女の子が声を掛けてくれている。その子たちはボランティアだと思うけれど、団子汁を渡してくれた。

「だご汁」って言うらしいが気温が低い今日のような日には有り難いねぇ~。女の子はだご汁、男の子は紙コップでドリンクを渡す係をやってくれてましたね。ありがとー。雨ん中を自転車乗ってるおじさん達をどー思う?って聞いてみたかった。そして、ココで見かけたサポートのバイクがカッコエェ。

なんちゃってMAVICバイクです!!バイクスタンドをインシュロックで荷台に固定してるだけなんだが、とっても上手く作っている。コレでバイクのボディが黄色やったら、ホンマにMAVICバイクやわ。さ、小学生さんたちの可愛い声援に送られて、10:41にラメール発です。

加茂ラメールAS加茂ラメールAS 子どもたちの暖かい声援がいいよね子どもたちの暖かい声援がいいよね



< CP2 加茂ラメール ~ CP3 熊野大社 >

- 11:13

ラメールから次の熊野大社ASまでは昨日のうちに下見してたので、コースを見誤る恐れは無いが、この区間は今回の大会で最もキモとなる部分。他の区間は直線が多いが、山あいを縫って走る起伏が比較的に厳しい部分である。雨もユルくではあるが、降り続いている。採石場の脇を抜けるところもあります。

稲刈りが終わったばかりの水田では、稲のはぜ掛けやってました。稲のはぜ掛け、懐かしいねぇ~。ワシらの地方ではほとんど見かけなくなったよ。ここまで登ってきた7%勾配の峠に差し掛かる。もう随分と「信号機」と「自動車」に会ってない。田舎やねぇ~。ここで雲南市に別れ、松江市に入る境い目の峠を上りきる。画像では分からないけれど、峠のてっぺん、右側の道路脇にお地蔵さんが立っていた。歴史ある道なんでしょうね。

私製MAVICバイク私製MAVICバイク 採石場 来た採石場 来た


稲のはぜ掛け、懐かしい稲のはぜ掛け、懐かしい 松江市に入る峠松江市に入る峠


- 12:30
松江との境の峠を過ぎると、道幅が狭くて勾配の急な下り道がしばらく続く。途中、路肩が崩れている箇所もあったりするし、ブラインドコーナーの連続で、危険度けっこう高め。その坂道を下りきり、平野部を走ると・・・第3CP、熊野大社ASに到着。ここでの補給食はおにぎりとバナナ1個ずつ。コレで十分やし。


< CP3 熊野大社 ~ CP4 八束江島 >

- 12:53

大会の半ばである熊野大社を出発。?ここまでの所要時間5時間17分。今日は10時間30分の走行時間が与えられているから、時間枠一杯一杯使っての走行やね。この時点で雨は小休止。このままま持ち堪えてくれることを祈りつつ、後半戦に突入しましょう。島根は、ズバーンと抜ける道が多くて気持ちいい!路面も乾いてきつつあります。いい感じやね。

交差点で信号待ちの様子です。コース指示は直進が出てんのが見えますね。もうこの辺りまで来ると、前後して走ってる参加者は顔なじみ、いや、顔は見てないから背中なじみとでも言うか、おんなじ人と抜きつ抜かれつを繰り返しながら走る。とは言え、別に競っている訳じゃない。

またまたズバーンとまたまたズバーンと 信号ではキチンと止まります信号ではキチンと止まります


- 13:32
緩やかなアップダウンが続く山間部走行を終え平野部に出て国道9号線の歩道を行きます。コース設計上、どうしてもこのようになってしまう部分なのでしょう。国道区間は短い。極力、交通量の少ない道を選択してのコース設計。冬は風が強く寒い地域なんでしょうね。防風林が右側にあり、その脇をまっすぐに抜けていく。

この時点では路面は完璧に乾いてますね。しかし…本土から島根半島へと渡る中海大橋を過ぎる頃、半島側の山々は怪しい雲が掛かってきつつありました。あぁ、雨が迫っているな・・・程なく遂に降ってきました。そして、中海の真ん中を大根島へと渡る一直線な道を走る頃には、雨足も強くなり渡った大根島はどしゃ降りに。

もうこの時間にここら辺りを走っている参加者の姿も少ない上に、雨に打たれて気分は沈む。私はここのコースに間違いがない確信があるので不安は無いが、初めての人はこの辺りはコースアウトの不安あったかも。熊野大社ASから次の八束江島ASまでの区間距離は約36.5kmと、今回のコース上で最も長い。「まだ着かないのか、まだか…」との気分になったのは、私も一緒である。

- 14:24
そして、ようやく第4のチェックポイント、八束江島ASに到着。ココはファミリーマート松江江島大橋店の駐車場である。


< CP4 八束江島 ~ CP5 マリンゲートしまね >

ここでファミマのおむすび、バナナ、カロリーメイトを補給するが...寒い。雨足は強く、参加者を徐々に冷やしていく。用を足しにファミマ店内に入り、トイレ待ちの列に居ると、冷房が痛いほどに冷やしてくれる。店内フロアを水浸しにしちゃってゴメンナサイ、店員さん。

八束江島AS八束江島AS ぅわぁ~、私の番じゃ!!ぅわぁ~、私の番じゃ!!


2008の石見グランフォンドのあの寒さ(山頂気温=4℃)には程遠いが、やっぱり雨に打たれると言うのは、心理的にダメージを与えるんでしょう。主催者側からも「ここでリタイアする人は申し出てください」とアナウンスがある。数名のリタイアがあったようだが、私らは部員の絆もあって続行決意。20分ほどココに居たか。すっかり冷えたカラダで再スタートすると、なお更に寒い寒い!

- 14:59
八束江島ASを出て10分ほど。中海から日本海へと抜ける峠に差し掛かろうとしたその時、後輪にぐにゃりとした違和感を感じる。こんなところまで来てリアタイヤ、パンクです。この時、部員の最後尾を走っていたので、アシスト無しでのパンク修理。雨は降ってるし気分は沈む。あ~ぁ・・・

仕方ないがやるしかない。雨に打たれながらのパンク修理は初めてかも。今回は部員のことも考え、3本も持ってきたスペアチューブ。その1本と交換や。手馴れてるので不安は無いけれど、ちと寂しい。その時、mixiつながりの方が声を掛けてくれ、エア注入を助けてくれた。ありがと。撤収やりますんでお先に行っちゃって下さい。再スタートをきる。

が、誰も居なくなってしまいました。ひょっとして最後尾?日本海に面するこの辺りも、アップダウンが続く道。遠くに見える登り坂は、「あぁ、あそこを登らんといけんのよね..」って思わせる。

あそこ登らなきゃならんのよねあそこ登らなきゃならんのよね マリンゲートしまねASマリンゲートしまねAS


- 16:10
最後のチェックポイント、マリンゲートしまねASに到着。レンズが曇ってきてしまいましたので、モヤ掛かった画像でスミマセン。ここに来て、まだ多くの参加者さんが居られるのを見てほっと安心。でもCP表見ると[/]欄が多い。リタイアかしら。ここで頂いたのが「カジメ汁」。トロッとした食感がカラダを暖めてくれる。ここでも20分弱居たか。ラスト行きましょうかね。


< CP5 マリンゲートしまね ~ ゴール >

- 16:33

高台から見下ろす鬼の洗濯岩。いつ見ても山陰らしい景色やね。冬にはさぞ荒れることでしょう。佐陀川には大きなヨットハーバー(鹿島マリーナ)がある。河口まで下って橋を渡り、反対側の川沿いを上流に向けて走る。ヨットハーバーを周回する感じ。佐陀川は宍道湖の水を日本海に排水するために作られた人造の川らしいので、この川沿いに走ると一直線に宍道湖まで行ける訳だ。そして、そこがゴールの松江イングリッシュガーデン。

鬼の洗濯板??鬼の洗濯板?? ヨットハーバーですねヨットハーバーですね


- 17:36
佐陀川からちょっと離れ、まっすぐな田んぼ道を行く。そして、いよいよ・・・ゴールアーチをくぐる。もう時刻的にも大会終盤なので人影も少なく、夕暮れも迫りつつある中でのひっそりとしたゴール。タイムリミットまであと30分という、ギリギリでのゴールインとなった。ひと休みしてから、お立ち台での記念撮影。そして最後に部員全員での記念撮影する頃には夕闇に。


自転車部メンバー、全員無事にゴールしました自転車部メンバー、全員無事にゴールしました
では、本日の記録:
走行時間=7時間32分04秒
総時間=10時間00分
距離=161.99km
平均速度=21.5km/h
最高速度=60.2km

会場を後にし松江市内のホテルで温泉に入り、メシ食って帰路に着く。激しい睡魔と戦いながら帰宅したのは午前1時を過ぎていた。長い長い1日が終わりました。7人が雨の日に走れば、誰か1人はスリップなどがあるのではないかと危惧してましたがそれもなく、無事に全員が帰宅できて本当に良かったです。

パンクが多かったのは仕方ないですね。メンバーの中だけでも計5回。他の参加者の方々もいたるところでパンク修理している姿を目撃しましたので、勝手な想像ですが、当日の累計パンク数は100回を軽く越えているのではないかと思います。

筆者筆者 完走した皆さま、非常にお疲れさまでした。雨だったけれど、雨なりに愉しめましたし、終わってしまえば良い思い出になります。残念ながら完走できなかった皆さん、来年はきっといい天気になりますよ、また頑張りましょう!!

主催のサイクリストビューさん、いつもお世話になります。今年も無事終わりましたね。ありがとうございました。そして皆さまお疲れサマでした。また来年もこの場所で共に良い経験を愉しみましょう。



text&photo:こなき部長

最新ニュース(全ジャンル)