2016/04/11(月) - 09:11
UCIワールドツアーの開幕戦「ツアー・ダウンアンダー」開催地として知られるアデレードは、自転車を「観る」のはもちろん、「乗る」のにも最高な場所。世界中のサイクリストから愛され、地元の人々も自転車を楽しんでいる街の様子を目黒誠子さんのレポートで紹介します。
前回は「観る」ことに焦点を当てましたが今度は「乗る」側の視点でその秘密を探ってみたいと思います。アデレードのバイクショップは? 現地でサイクリングを楽しむには? アデレードが行政として取り組んでいることは? 日本にとってお手本とできるところはあるのでしょうか?それではアデレードでのサイクリングライフを紹介していきましょう!
滞在中の心強い味方となったジャイアントストア・アドレード
「アデレードは自転車を観るのも乗るのも最高な街」。ならば自転車を持っていかないわけにはいきません。今回のオーストラリア滞在に一緒にお供してもらったのはこちら、「Liv ENVIE」。
ジャイアントのレディスブランドである「Liv」は、フレームはもちろん、ヘルメット、キャップ、ウエア、シューズ、サングラス、手袋、それに細かなパーツまで揃える総合バイクブランドでもあります。頭のてっぺんから足の爪先までトータルコーディネートでき、その洗練されたデザインが気分を高めてくれます。スタイリッシュで女性のおしゃれ心をくすぐってくれる自転車なんです。
結果、オーストラリアでもたくさんの人に声をかけられ褒められたこの自転車。おしゃれなだけではなく、何か「深み」のようなものがあるからかもしれません。Livブランド創設者で、ジャイアントグループ副社長のボニー・ツー氏のLivにかける意気込みからも、その深さが感じられます。
「もっとスポーツバイクを女性の身近に」というLivのポリシーと、「洗練・美しさ・希望・楽しさ」、「サイクリングで得られる五感をたのしむ」と言ったボニー氏の語るフィロソフィーにとても共感を覚えました。もちろん、ロードバイクとしての性能も高く、乗り心地も抜群です。
愛着がある分、海外に持っていくのにはたくさんの不安がありました。パッキングはどうしたらよいか、安全に運べるのか、荷物を預けるのは大丈夫か、現地に届いてから組み立ては大丈夫かなどなど。こんなふうに不安ばかりでしたが、その不安を取り除いてくれたのが、「ジャイアントストア・アドレード」のショップでした。
アデレードのシティの中心部、緑に囲まれたハインドマーシュスクエアの一角に構えるジャイアントストア・アドレードは、約100スクエア平方メートルの広々とした店内に、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、子供用自転車など、豊富な種類がならんでいます。特にロードバイクは30台、Livの自転車もなんと同じく30台もあるんです。ロードもマウンテンも人気が高いので、試乗用のバイクも、パフォーマンスモデルのものを常に取り揃えているとのこと。
「バイクスパ」として、クリーニングや日々のメンテナンス、サービスも充実しているのも大切なポイント。アデレード到着後、さっそくボックスに入ったままの自転車を持ち込んでみたところ、バラバラに分解されて箱の中に入っていた自転車が、プロの手によりあっという間に組み立てられていきました。
3ヶ月間の滞在中、ちょっとした空気入れから日々のメンテナンス、日本へ帰国前のパッキング等、すべてお任せすることになりましたが、いつもパーフェクトな対応でした!スタッフのみなさんとてもやさしく、一流のサービスのもと、愛車を丁寧に扱ってくれました。もちろんジャイアント以外の自転車でも取り扱いをしてくれますが、部品の交換等、なにかあった時にはジャイアントストアがあると思うとより安心です。(※ショップでのサポートは有料となります)
モーニングライドに参加
ジャイアントストア・アドレードが毎週木曜日に開催しているモーニングライドに参加しました。女性向けの「Livガールズライド」も行われていますが、スケジュールの都合により断念。男性のライドに付いて行ける自信はもちろんありませんでしたが、せっかくなので、参加することに。
集合時間は朝6時半。日の出まではまだ時間があるため、真っ暗の中出発となりました。平日の木曜日ということもあり、ライド後に仕事に行く人のために、ショップは開店前にもかかわらず荷物を預かってくれます。これは助かりますね。
目的地は週により異なりますがこの日目指したのは「ノートンサミット」。アデレードの中心部であるシティから12kmほどのところにあるノートンサミットは、高度500メートルちょっとなので、「山」というよりは「丘」。そう、ツアー・ダウンアンダーでも何度も登場している場所。アデレードのサイクリストには殿堂入りとなっているスポットなのです。しかし、「ヒルクライム初心者でも気軽に行けるよ」とは言うものの、ダウンヒルは好きだけれど登り坂は苦手な私が、果たしてノートンサミットを制覇できるのでしょうか……。ドキドキの出発です!
ツアー・ダウンアンダーでもたびたび舞台となるノートンサミット
登りきれるのか不安だったノートンサミットですが、意外と簡単に登りきることができました!アデレードの大パノラマを拝みながらのダウンヒルを経て、爽やかな朝の光を受けつつショップに戻ったのは約2時間後。預けていた荷物を受け取り、学校へ。とっても気持ちのよいライドのおかげで勉強もはかどりました。
シティから少し走っただけでこのように「丘」がある環境はほんとうに恵まれています。でも、環境は違うと言え、日本も豊かな自然がたくさんある国。東京などの大都市でさえも、荒川や多摩川など走れるところはたくさんある。気持ちさえ変えれば、このような爽やかなモーニングライドも日本で大いに可能だな、と感じました。
ジャイアントストア・アドレードとモーニングライドの様子はいかがでしたでしょうか?次回はもう一つのバイクショップとビギナーライドをお届けします。
プロフィール
目黒誠子(めぐろせいこ)
ツアー・オブ・ジャパンでは海外チームの招待・連絡を担当。2006年ジャパンカップサイクルロードレースに業務で携わってからロードレースの世界に魅了される。ロードバイクでのサイクリングを楽しむ。趣味はバラ栽培と鑑賞。航空会社の広報系の仕事にも携わり、折り紙飛行機の指導員という変わりダネ資格を持つ。今年3月までオーストラリアで語学留学をしながら現地の自転車事情を取材。各プロチームとの親交を深めるべく活動している。
text&photo:Seiko Meguro
前回は「観る」ことに焦点を当てましたが今度は「乗る」側の視点でその秘密を探ってみたいと思います。アデレードのバイクショップは? 現地でサイクリングを楽しむには? アデレードが行政として取り組んでいることは? 日本にとってお手本とできるところはあるのでしょうか?それではアデレードでのサイクリングライフを紹介していきましょう!
滞在中の心強い味方となったジャイアントストア・アドレード
「アデレードは自転車を観るのも乗るのも最高な街」。ならば自転車を持っていかないわけにはいきません。今回のオーストラリア滞在に一緒にお供してもらったのはこちら、「Liv ENVIE」。
ジャイアントのレディスブランドである「Liv」は、フレームはもちろん、ヘルメット、キャップ、ウエア、シューズ、サングラス、手袋、それに細かなパーツまで揃える総合バイクブランドでもあります。頭のてっぺんから足の爪先までトータルコーディネートでき、その洗練されたデザインが気分を高めてくれます。スタイリッシュで女性のおしゃれ心をくすぐってくれる自転車なんです。
結果、オーストラリアでもたくさんの人に声をかけられ褒められたこの自転車。おしゃれなだけではなく、何か「深み」のようなものがあるからかもしれません。Livブランド創設者で、ジャイアントグループ副社長のボニー・ツー氏のLivにかける意気込みからも、その深さが感じられます。
「もっとスポーツバイクを女性の身近に」というLivのポリシーと、「洗練・美しさ・希望・楽しさ」、「サイクリングで得られる五感をたのしむ」と言ったボニー氏の語るフィロソフィーにとても共感を覚えました。もちろん、ロードバイクとしての性能も高く、乗り心地も抜群です。
愛着がある分、海外に持っていくのにはたくさんの不安がありました。パッキングはどうしたらよいか、安全に運べるのか、荷物を預けるのは大丈夫か、現地に届いてから組み立ては大丈夫かなどなど。こんなふうに不安ばかりでしたが、その不安を取り除いてくれたのが、「ジャイアントストア・アドレード」のショップでした。
アデレードのシティの中心部、緑に囲まれたハインドマーシュスクエアの一角に構えるジャイアントストア・アドレードは、約100スクエア平方メートルの広々とした店内に、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイク、子供用自転車など、豊富な種類がならんでいます。特にロードバイクは30台、Livの自転車もなんと同じく30台もあるんです。ロードもマウンテンも人気が高いので、試乗用のバイクも、パフォーマンスモデルのものを常に取り揃えているとのこと。
「バイクスパ」として、クリーニングや日々のメンテナンス、サービスも充実しているのも大切なポイント。アデレード到着後、さっそくボックスに入ったままの自転車を持ち込んでみたところ、バラバラに分解されて箱の中に入っていた自転車が、プロの手によりあっという間に組み立てられていきました。
3ヶ月間の滞在中、ちょっとした空気入れから日々のメンテナンス、日本へ帰国前のパッキング等、すべてお任せすることになりましたが、いつもパーフェクトな対応でした!スタッフのみなさんとてもやさしく、一流のサービスのもと、愛車を丁寧に扱ってくれました。もちろんジャイアント以外の自転車でも取り扱いをしてくれますが、部品の交換等、なにかあった時にはジャイアントストアがあると思うとより安心です。(※ショップでのサポートは有料となります)
モーニングライドに参加
ジャイアントストア・アドレードが毎週木曜日に開催しているモーニングライドに参加しました。女性向けの「Livガールズライド」も行われていますが、スケジュールの都合により断念。男性のライドに付いて行ける自信はもちろんありませんでしたが、せっかくなので、参加することに。
集合時間は朝6時半。日の出まではまだ時間があるため、真っ暗の中出発となりました。平日の木曜日ということもあり、ライド後に仕事に行く人のために、ショップは開店前にもかかわらず荷物を預かってくれます。これは助かりますね。
目的地は週により異なりますがこの日目指したのは「ノートンサミット」。アデレードの中心部であるシティから12kmほどのところにあるノートンサミットは、高度500メートルちょっとなので、「山」というよりは「丘」。そう、ツアー・ダウンアンダーでも何度も登場している場所。アデレードのサイクリストには殿堂入りとなっているスポットなのです。しかし、「ヒルクライム初心者でも気軽に行けるよ」とは言うものの、ダウンヒルは好きだけれど登り坂は苦手な私が、果たしてノートンサミットを制覇できるのでしょうか……。ドキドキの出発です!
ツアー・ダウンアンダーでもたびたび舞台となるノートンサミット
登りきれるのか不安だったノートンサミットですが、意外と簡単に登りきることができました!アデレードの大パノラマを拝みながらのダウンヒルを経て、爽やかな朝の光を受けつつショップに戻ったのは約2時間後。預けていた荷物を受け取り、学校へ。とっても気持ちのよいライドのおかげで勉強もはかどりました。
シティから少し走っただけでこのように「丘」がある環境はほんとうに恵まれています。でも、環境は違うと言え、日本も豊かな自然がたくさんある国。東京などの大都市でさえも、荒川や多摩川など走れるところはたくさんある。気持ちさえ変えれば、このような爽やかなモーニングライドも日本で大いに可能だな、と感じました。
ジャイアントストア・アドレードとモーニングライドの様子はいかがでしたでしょうか?次回はもう一つのバイクショップとビギナーライドをお届けします。
プロフィール
目黒誠子(めぐろせいこ)
ツアー・オブ・ジャパンでは海外チームの招待・連絡を担当。2006年ジャパンカップサイクルロードレースに業務で携わってからロードレースの世界に魅了される。ロードバイクでのサイクリングを楽しむ。趣味はバラ栽培と鑑賞。航空会社の広報系の仕事にも携わり、折り紙飛行機の指導員という変わりダネ資格を持つ。今年3月までオーストラリアで語学留学をしながら現地の自転車事情を取材。各プロチームとの親交を深めるべく活動している。
text&photo:Seiko Meguro
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