2016/03/19(土) - 09:31
3月18日、滋賀県守山市のホテル「ラフォーレ琵琶湖」内にオープンしたジャイアントストアびわ湖守山。行政、企業、地域と連携し「すぐにでもビワイチを走りたくなる」店舗の様子をレポート。守山市長の談話とあわせ紹介しよう。
ショーウィンドウから琵琶湖を眺められるワンフロア約75坪の店内はひろびろとした解放感を感じる。ラフォーレ琵琶湖は近辺でもっとも格式のある総合リゾートホテルで、その離れ棟の地上階に店舗は入っているのだ。リゾートホテルならではのいい雰囲気があり、Livの女性を歓迎するカラーも兼ね備えているため、女性客もほっとできるだろう。
もちろん自転車も、ロードバイク、クロスバイク、小軽車、子供用ロードバイクと種類豊富。ウェアや小物類も充実している。特筆はレンタサイクルも同様に充実していることだ。カーボン製のロードバイク、ベストセラーのクロスバイク「エスケープ」、キッズ用バイク、女性用Livのバイクなど、種類豊富に26台が用意されているのが魅力だ。旅行で訪れた、スポーツバイクに初めて乗りたいという宿泊客から中・上級サイクリストまであらゆる客層のニーズに対応できる。
立地も魅力的だ。直ぐにビワイチを走れるだけでなく、琵琶湖大橋を渡り、大津から峠を越えれば京都に行ける。そのため、店先の大きなびわ湖サイクリングマップにはジャイアントストア京都柴明通も表記されている。
このマップは、サイクリングで訪れた人がマグネットで写真を貼ったりして、どこで、何があったか、景色、思い出、美味しいグルメと何でも情報共有することができる。ジャイアントストア特有のもっとサイクリングが好きになる仕掛けだ。もちろん店舗には周辺やビワイチサイクリングに役立つパンフレット類が取り揃えられていた。
また、琵琶湖周辺は邪馬台国、中山道、安土城や長浜市の羽柴秀吉ゆかりの地、長浜城の城下町であったりと、古代から近代までいろいろな歴史的見どころがあるのが大きな魅力。史跡散策ライドなど、ジャイアントストアを拠点にいろいろなサイクリングルートが設定できる。湖岸を走るだけでなく、自転車を載せられる「漁船タクシー」を使ったクルーズライドなども新企画として登場している。対岸に渡る、湖上の風景を楽しむ、あるいは対岸からショートカットして戻るなど、アレンジは自在だ。
関空からのアクセスも良く、京都にも近いということが分かれば、全国、世界からの観光客に、京都旅行に訪れた期間中に1日身体を動かすための琵琶湖サイクリングをツアーに組み入れることなども提案できるだろう。
サイクリストおもてなしの取り組みを地域の人へ積極的に提案
全国21店舗、関西に6店舗目となるこの店舗。ジャイアント・ジャパンの中村晃代表取締役は「一人でも多くの人にスポーツサイクルの魅力を知ってもらい、身近に感じ、サイクリングの素晴らしさを体験してもらいたい」というのがストアに込めた願いだと言う。
今や自転車先進国となった台湾での実例や、しまなみ海道での展開などから得たジャイアントのノウハウをもとに、ビワイチだけでなく、周辺地域の店舗や観光施設などに「サイクリスト歓迎ムード」を作り上げる提案を行っていきたいと話す。
「店先にサイクルスタンドを設置したり、ポンプや工具、水が補給できることを歓迎することなどをサインで表示したり、ちょっとしたサイクルステーションとしての機能を持たせたりと、じつは簡単なことなんです。しかし、そのちょっとしたことでサイクリストからは”自転車に理解のある場所・街”として認識してくれ、それが口コミやSNSで話題になって相乗効果を生み出してくれる」。
小さなアドバイスだけれど、自転車で地域振興を狙いたい地域関係者にとっては大きなヒントだ。
「サイクリストウェルカムな雰囲気をジャイアントから発信したい。目指すはしまなみ海道のような、行政、観光を含めてサイクリストを呼び込み、経済効果を発揮する取り組みで、琵琶湖をサイクルパラダイスにすること。1年後には大きく変化を遂げたい」と目標を語ってくれた。
自転車に愛情と情熱をかける宮本市長
「サイクルパラダイスの伝道師に」
ジャイアントストアとともにビワイチを積極的に盛り上げ、取り組むのが守山市長の宮本和宏氏だ。東京大学の自転車部旅行班出身で、学生時代はランドナーでの自転車旅行に明け暮れていたという。
サイドバッグに鍋やテントを積んで走り、野宿しながら旅した。そして今ふたたびバイクライドの魅力にはまり、趣味のサイクリングを楽しんでいる大の自転車好き。自転車に乗ることでダイエットにも成功。「自転車に乗ることは、良いことしか生まない!」と楽しげに話す。サイクリスト目線の市長として行政にかかわっているため自転車環境の向上への理解は深く、中村社長からも「この人なら自転車の伝道師になれる!」と太鼓判を押されている。
中村社長は宮本市長のことをこう紹介してくれた。「自身が熱心なサイクリストであるから、自転車道の整備や環境向上など、地域で何をすべきかが判っている方です。サイクルツーリズム振興には、本質を理解した、自転車に情熱をもった人が必要なんです。自転車ブームですからビジネスオファーは私の元にたくさん来ますが、私は一緒にペダルをこいで共に走れる方でないと協業しない。それは台湾本社の劉会長もそうだからです。宮本氏にはそれがある」。
就任以来、積極的に自転車文化のすそ野を広げていく取り組みをしている宮本市長。2年前、守山市民を対象に自転車購入の上限2万円の補助制度を行い、好評を得た。ママチャリでなく、お年寄り向けの3輪自転車や子育て向けの子ども乗せ電動アシスト、そしてスポーツタイプの自転車の購入が補助対象になるというもの。一気に自転車人口が増え、サイクリストも多くなった。周辺地域の、平坦で自転車で移動しやすいという特性にもマッチした施策だった。
安全に自転車で走れる環境作りにも積極的だ。しまなみ海道や台湾など自転車に理解のある地域を自らペダルを漕いで走った。そこで得たノウハウで、守山市でも自転車の案内表示や、遊歩道上に進行方向を示すサインを設置するなど、積極的に取り組んでいる。
そのため、まだ環境が十分整っているとはいえないサイクリングロードの課題も明確だ。現在、多くのサイクリストたちが走るには狭い。路幅を広げ、歩行者と自転車のレーンを分けたり、初級者と上級者のすみ分けをはっきりさせたり、車やオートバイの進入を防ぐアーチを、風景を楽しみながら走るサイクリストにとって安全な形状に変えたりと、すぐにでも変化させたいところがたくさんあると宮本市長は言う。
そして現在不十分だというサイクリングマップの充実も視野に入れている。周辺サイクリングの体験取材に出ようとする私たち記者に対して、「ここのまんじゅう屋は美味しいよ」などとマップに書き込んでオススメしてくれた。
「観光PRはもちろん、市民の方が自転車に乗ることで生活スタイルを変化させて欲しいんです。健康にも環境にも良い自転車を日常生活で活用し、ビワイチでサイクリングして友人を増やしたり、人同士の交流もしてほしい。私自身もジャイアントが本拠地となる台湾を走り、現地の人とたくさん友人になれた。本当に自転車は世界を越えて交流できる。自転車街づくり協議会も発足させ、各機関と連携して自転車文化のすそ野を広げていきたい」とその熱い思いを語った。
ストアが入居するリゾートホテル「ラフォーレ琵琶湖」は、2017年に海外の大手ホテルチェーン「マリオット」ブランドのホテルとしてリニューアルされる予定だ。サイクリストや海外観光客向けの施設やサービス向上、ジャイアントストアと連携したサイクリングの情報発信にも力が入ることになる。
この日、新たなスタートを切ったジャイアントストアびわ湖守山店と守山市。今後の発展に大いに期待したい。
ジャイアントストアびわ湖守山店
住所: 〒524-0101 滋賀県守山市今浜町十軒家2876 ラフォーレ琵琶湖1F
電話番号:077-584-2033
レンタサイクル料金:クロスバイク5時間3000円、ロードバイク5時間3500円〜(ヘルメットつき)
日帰り、1泊2日など車種と時間により料金が違う。週末は混むことが予想されるため電話予約が望ましい。
アクセス:
(車の場合)
東京・名古屋方面より
名神高速・栗東ICより国道8号「辻」交差点左折、琵琶湖大橋取付道路経由約15km(約30分)
京都方面より
京都東ICより西大津バイパス・湖西道路経由約18km(約30分)
(電車の場合)
JR湖西線・堅田駅下車、路線バスで約15分
営業時間:9:00~19:00
定休日:火曜日
店舗面積:約75坪
駐車場:ラフォーレ琵琶湖の屋外駐車場をご利用ください。
ホームページURL: http://giant-store.jp/moriyama/
ストア周辺のサイクリング事情は後日レポートします。お楽しみに。
text:Yukako.OKADA
photo:Makoto.AYANO
ショーウィンドウから琵琶湖を眺められるワンフロア約75坪の店内はひろびろとした解放感を感じる。ラフォーレ琵琶湖は近辺でもっとも格式のある総合リゾートホテルで、その離れ棟の地上階に店舗は入っているのだ。リゾートホテルならではのいい雰囲気があり、Livの女性を歓迎するカラーも兼ね備えているため、女性客もほっとできるだろう。
もちろん自転車も、ロードバイク、クロスバイク、小軽車、子供用ロードバイクと種類豊富。ウェアや小物類も充実している。特筆はレンタサイクルも同様に充実していることだ。カーボン製のロードバイク、ベストセラーのクロスバイク「エスケープ」、キッズ用バイク、女性用Livのバイクなど、種類豊富に26台が用意されているのが魅力だ。旅行で訪れた、スポーツバイクに初めて乗りたいという宿泊客から中・上級サイクリストまであらゆる客層のニーズに対応できる。
立地も魅力的だ。直ぐにビワイチを走れるだけでなく、琵琶湖大橋を渡り、大津から峠を越えれば京都に行ける。そのため、店先の大きなびわ湖サイクリングマップにはジャイアントストア京都柴明通も表記されている。
このマップは、サイクリングで訪れた人がマグネットで写真を貼ったりして、どこで、何があったか、景色、思い出、美味しいグルメと何でも情報共有することができる。ジャイアントストア特有のもっとサイクリングが好きになる仕掛けだ。もちろん店舗には周辺やビワイチサイクリングに役立つパンフレット類が取り揃えられていた。
また、琵琶湖周辺は邪馬台国、中山道、安土城や長浜市の羽柴秀吉ゆかりの地、長浜城の城下町であったりと、古代から近代までいろいろな歴史的見どころがあるのが大きな魅力。史跡散策ライドなど、ジャイアントストアを拠点にいろいろなサイクリングルートが設定できる。湖岸を走るだけでなく、自転車を載せられる「漁船タクシー」を使ったクルーズライドなども新企画として登場している。対岸に渡る、湖上の風景を楽しむ、あるいは対岸からショートカットして戻るなど、アレンジは自在だ。
関空からのアクセスも良く、京都にも近いということが分かれば、全国、世界からの観光客に、京都旅行に訪れた期間中に1日身体を動かすための琵琶湖サイクリングをツアーに組み入れることなども提案できるだろう。
サイクリストおもてなしの取り組みを地域の人へ積極的に提案
全国21店舗、関西に6店舗目となるこの店舗。ジャイアント・ジャパンの中村晃代表取締役は「一人でも多くの人にスポーツサイクルの魅力を知ってもらい、身近に感じ、サイクリングの素晴らしさを体験してもらいたい」というのがストアに込めた願いだと言う。
今や自転車先進国となった台湾での実例や、しまなみ海道での展開などから得たジャイアントのノウハウをもとに、ビワイチだけでなく、周辺地域の店舗や観光施設などに「サイクリスト歓迎ムード」を作り上げる提案を行っていきたいと話す。
「店先にサイクルスタンドを設置したり、ポンプや工具、水が補給できることを歓迎することなどをサインで表示したり、ちょっとしたサイクルステーションとしての機能を持たせたりと、じつは簡単なことなんです。しかし、そのちょっとしたことでサイクリストからは”自転車に理解のある場所・街”として認識してくれ、それが口コミやSNSで話題になって相乗効果を生み出してくれる」。
小さなアドバイスだけれど、自転車で地域振興を狙いたい地域関係者にとっては大きなヒントだ。
「サイクリストウェルカムな雰囲気をジャイアントから発信したい。目指すはしまなみ海道のような、行政、観光を含めてサイクリストを呼び込み、経済効果を発揮する取り組みで、琵琶湖をサイクルパラダイスにすること。1年後には大きく変化を遂げたい」と目標を語ってくれた。
自転車に愛情と情熱をかける宮本市長
「サイクルパラダイスの伝道師に」
ジャイアントストアとともにビワイチを積極的に盛り上げ、取り組むのが守山市長の宮本和宏氏だ。東京大学の自転車部旅行班出身で、学生時代はランドナーでの自転車旅行に明け暮れていたという。
サイドバッグに鍋やテントを積んで走り、野宿しながら旅した。そして今ふたたびバイクライドの魅力にはまり、趣味のサイクリングを楽しんでいる大の自転車好き。自転車に乗ることでダイエットにも成功。「自転車に乗ることは、良いことしか生まない!」と楽しげに話す。サイクリスト目線の市長として行政にかかわっているため自転車環境の向上への理解は深く、中村社長からも「この人なら自転車の伝道師になれる!」と太鼓判を押されている。
中村社長は宮本市長のことをこう紹介してくれた。「自身が熱心なサイクリストであるから、自転車道の整備や環境向上など、地域で何をすべきかが判っている方です。サイクルツーリズム振興には、本質を理解した、自転車に情熱をもった人が必要なんです。自転車ブームですからビジネスオファーは私の元にたくさん来ますが、私は一緒にペダルをこいで共に走れる方でないと協業しない。それは台湾本社の劉会長もそうだからです。宮本氏にはそれがある」。
就任以来、積極的に自転車文化のすそ野を広げていく取り組みをしている宮本市長。2年前、守山市民を対象に自転車購入の上限2万円の補助制度を行い、好評を得た。ママチャリでなく、お年寄り向けの3輪自転車や子育て向けの子ども乗せ電動アシスト、そしてスポーツタイプの自転車の購入が補助対象になるというもの。一気に自転車人口が増え、サイクリストも多くなった。周辺地域の、平坦で自転車で移動しやすいという特性にもマッチした施策だった。
安全に自転車で走れる環境作りにも積極的だ。しまなみ海道や台湾など自転車に理解のある地域を自らペダルを漕いで走った。そこで得たノウハウで、守山市でも自転車の案内表示や、遊歩道上に進行方向を示すサインを設置するなど、積極的に取り組んでいる。
そのため、まだ環境が十分整っているとはいえないサイクリングロードの課題も明確だ。現在、多くのサイクリストたちが走るには狭い。路幅を広げ、歩行者と自転車のレーンを分けたり、初級者と上級者のすみ分けをはっきりさせたり、車やオートバイの進入を防ぐアーチを、風景を楽しみながら走るサイクリストにとって安全な形状に変えたりと、すぐにでも変化させたいところがたくさんあると宮本市長は言う。
そして現在不十分だというサイクリングマップの充実も視野に入れている。周辺サイクリングの体験取材に出ようとする私たち記者に対して、「ここのまんじゅう屋は美味しいよ」などとマップに書き込んでオススメしてくれた。
「観光PRはもちろん、市民の方が自転車に乗ることで生活スタイルを変化させて欲しいんです。健康にも環境にも良い自転車を日常生活で活用し、ビワイチでサイクリングして友人を増やしたり、人同士の交流もしてほしい。私自身もジャイアントが本拠地となる台湾を走り、現地の人とたくさん友人になれた。本当に自転車は世界を越えて交流できる。自転車街づくり協議会も発足させ、各機関と連携して自転車文化のすそ野を広げていきたい」とその熱い思いを語った。
ストアが入居するリゾートホテル「ラフォーレ琵琶湖」は、2017年に海外の大手ホテルチェーン「マリオット」ブランドのホテルとしてリニューアルされる予定だ。サイクリストや海外観光客向けの施設やサービス向上、ジャイアントストアと連携したサイクリングの情報発信にも力が入ることになる。
この日、新たなスタートを切ったジャイアントストアびわ湖守山店と守山市。今後の発展に大いに期待したい。
ジャイアントストアびわ湖守山店
住所: 〒524-0101 滋賀県守山市今浜町十軒家2876 ラフォーレ琵琶湖1F
電話番号:077-584-2033
レンタサイクル料金:クロスバイク5時間3000円、ロードバイク5時間3500円〜(ヘルメットつき)
日帰り、1泊2日など車種と時間により料金が違う。週末は混むことが予想されるため電話予約が望ましい。
アクセス:
(車の場合)
東京・名古屋方面より
名神高速・栗東ICより国道8号「辻」交差点左折、琵琶湖大橋取付道路経由約15km(約30分)
京都方面より
京都東ICより西大津バイパス・湖西道路経由約18km(約30分)
(電車の場合)
JR湖西線・堅田駅下車、路線バスで約15分
営業時間:9:00~19:00
定休日:火曜日
店舗面積:約75坪
駐車場:ラフォーレ琵琶湖の屋外駐車場をご利用ください。
ホームページURL: http://giant-store.jp/moriyama/
ストア周辺のサイクリング事情は後日レポートします。お楽しみに。
text:Yukako.OKADA
photo:Makoto.AYANO
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