2016/01/28(木) - 09:12
日本を代表するフレームビルダーの一つ、「東洋フレーム」が1月16日に東京・渋谷にショールームを開設した。単なる展示場にとどまらず、ビルダーと直接フルオーダーフレームの相談などを行うことできる場としてオープンした東洋フレーム・渋谷ギャラリーの様子をレポートしよう。
大阪府柏原市。大和川の支流、石川沿いで創業した老舗フレームビルダー、「東洋フレーム」。50年を越える歴史を有する工房が、今年の1月16日から、東京・渋谷に新たな拠点を構えることとなった。渋谷駅ハチ公口から北に5分ほど歩いた先、タワーレコード渋谷店の向かい側に東洋フレーム「渋谷ギャラリー」が開設された。
多くの人が行き交う交差点に面したビルの2階に、渋谷ギャラリーはある。街を歩く人々からも良く見えるようにディスプレイされた自転車たちは、多くの視線を集めることに成功している。訪問にあたっては事前の予約が必要であるためふらっと入ることはできないが、自転車好きであれば、是非一度訪れてみたいと思わせてくれる。
東洋フレームは数ある日本のビルダーの中でもひときわユニークな存在であり、スポーツバイクの歴史において非常に重要な役割を果たしてきたメーカーである。中でも、MTB黎明期を支えたリッチーや、世界初の量産MTBであるスペシャライズドのスタンプジャンパーが東洋フレームにて制作されていたということは特に大切なエピソードであろう。
他にも、スティーブン・スピルバーグ監督の名作「E.T」の劇中に登場するクワハラのBMXの製造元であったり、近いところでいえば、スペシャライズドの創業40周年記念バイクを手掛けたりと、東洋フレームが海を越えて活躍するエピソードは非常に多い。それは、創業当時から現在に至るまで東洋フレームの作りだすフレームが高い品質を持っていると世界的に認知されていたということの証明ともいえる。
そんな硬派なフレームビルダーたる東洋フレームと、若者とファッションの街・渋谷を結びつけたのは、アパレルメーカーであるオンワードホールディングスである。「23区」、「自由区」や「五大陸」といった人気ブランドを展開するオンワードホールディングスが2年前に東洋フレームの全株式を取得し、資本関係を構築していたことは、あまり知られていないトピックだろう。
もともと、オンワードグループ内の自転車販売チェーン「SAKULA」のオリジナルブランド「the PARK」を東洋フレームが協力して立ち上げたことが発端となり、今回の渋谷ギャラリーの設立に至ることとなった。しかし、他社の資本が入ったといっても、東洋フレームのものづくりへの姿勢は全くブれていない。むしろ、OEMでの製品提供を少なくし、東洋フレームの持つ技術やフィロソフィーを反映した自社ブランドである「TOYO」そして「thePARK」を中心に展開していくことで、更なる高品質の製品を送り出していくことが期待される。
これまでフルオーダーとハイエンドモデル中心のラインアップだったTOYOは、2016年ではロード/CXともに4種類のグレードを用意している。トップチューブとダウンチューブをGDRのカーボンパイプとした「HYBRID」を頂点に、トップチューブのみカーボンパイプを使用した「T-Carbon」、熱処理クロモリとテーパードヘッドを採用した「S」、エントリーグレードの「2」が用意され、「2」シリーズであれば10万円からとかなり身近な価格設定となっている。
タウンユースをメインとするthePARKでは、子ども用のBMXから、TOYO製フレームにサンスター製の電動アシストユニットを組み合わせたE-BIKEまで幅広いラインアップを展開する。街乗り用の自転車ながら、普段の生活にも上質さを求める人の琴線に触れる造り込みが魅力的なブランドである。特にジャパンシリーズと名付けられたモデルは、フレームからパーツの組みつけに至るまで国内で行われるプレミアムラインとして用意される。
現在、年間で600本ほどのフレームを生産しているという東洋フレームであるが、今回の渋谷ギャラリーの出店および本格的な関東エリアへの進出をきっかけに、更なる規模の拡大を目指していくという。東洋フレームの新たな一歩の足がかりとなる渋谷ギャラリーには、TOYOおよびthePARK、両ブランドの全車種が展示されており、いつでも実際の製品をじっくりと見ることが出来る。
渋谷ギャラリーでは、フレームビルダーと直接オーダーメイドバイクの相談をすることもできる。オーダーにあたって大切な要素となるジオメトリーについても「直接お会いできれば、適切なサイズというのは自然と分かるものなので、オーダーもスムーズに進みますよ。」と石垣さん。完全予約制となっており、時間をかけてしっかりとしたやりとりが出来るので、初めてのフレームオーダーでも安心できるだろう。
ショールームには、石垣代表も月の半分以上は在廊するとのこと。自身でオーダーの相談にも乗ってくれるとのことなので、渋谷ギャラリーでは大阪本社と変わらないサービスが受けられると思って間違い無さそうだ。関東圏在住の人にとっては、憧れの東洋フレームがぐっと身近な存在になったのではないだろうか。
東洋フレーム 渋谷ギャラリー
住所: 東京都渋谷区神南1-11-3 第二大外ビル2F
TEL: 03-3464-8972
メール: info@toyoframe.com
定休日: なし ※事前予約が必要
text&photo:Naoki.YASUOKA
大阪府柏原市。大和川の支流、石川沿いで創業した老舗フレームビルダー、「東洋フレーム」。50年を越える歴史を有する工房が、今年の1月16日から、東京・渋谷に新たな拠点を構えることとなった。渋谷駅ハチ公口から北に5分ほど歩いた先、タワーレコード渋谷店の向かい側に東洋フレーム「渋谷ギャラリー」が開設された。
多くの人が行き交う交差点に面したビルの2階に、渋谷ギャラリーはある。街を歩く人々からも良く見えるようにディスプレイされた自転車たちは、多くの視線を集めることに成功している。訪問にあたっては事前の予約が必要であるためふらっと入ることはできないが、自転車好きであれば、是非一度訪れてみたいと思わせてくれる。
東洋フレームは数ある日本のビルダーの中でもひときわユニークな存在であり、スポーツバイクの歴史において非常に重要な役割を果たしてきたメーカーである。中でも、MTB黎明期を支えたリッチーや、世界初の量産MTBであるスペシャライズドのスタンプジャンパーが東洋フレームにて制作されていたということは特に大切なエピソードであろう。
他にも、スティーブン・スピルバーグ監督の名作「E.T」の劇中に登場するクワハラのBMXの製造元であったり、近いところでいえば、スペシャライズドの創業40周年記念バイクを手掛けたりと、東洋フレームが海を越えて活躍するエピソードは非常に多い。それは、創業当時から現在に至るまで東洋フレームの作りだすフレームが高い品質を持っていると世界的に認知されていたということの証明ともいえる。
そんな硬派なフレームビルダーたる東洋フレームと、若者とファッションの街・渋谷を結びつけたのは、アパレルメーカーであるオンワードホールディングスである。「23区」、「自由区」や「五大陸」といった人気ブランドを展開するオンワードホールディングスが2年前に東洋フレームの全株式を取得し、資本関係を構築していたことは、あまり知られていないトピックだろう。
もともと、オンワードグループ内の自転車販売チェーン「SAKULA」のオリジナルブランド「the PARK」を東洋フレームが協力して立ち上げたことが発端となり、今回の渋谷ギャラリーの設立に至ることとなった。しかし、他社の資本が入ったといっても、東洋フレームのものづくりへの姿勢は全くブれていない。むしろ、OEMでの製品提供を少なくし、東洋フレームの持つ技術やフィロソフィーを反映した自社ブランドである「TOYO」そして「thePARK」を中心に展開していくことで、更なる高品質の製品を送り出していくことが期待される。
これまでフルオーダーとハイエンドモデル中心のラインアップだったTOYOは、2016年ではロード/CXともに4種類のグレードを用意している。トップチューブとダウンチューブをGDRのカーボンパイプとした「HYBRID」を頂点に、トップチューブのみカーボンパイプを使用した「T-Carbon」、熱処理クロモリとテーパードヘッドを採用した「S」、エントリーグレードの「2」が用意され、「2」シリーズであれば10万円からとかなり身近な価格設定となっている。
タウンユースをメインとするthePARKでは、子ども用のBMXから、TOYO製フレームにサンスター製の電動アシストユニットを組み合わせたE-BIKEまで幅広いラインアップを展開する。街乗り用の自転車ながら、普段の生活にも上質さを求める人の琴線に触れる造り込みが魅力的なブランドである。特にジャパンシリーズと名付けられたモデルは、フレームからパーツの組みつけに至るまで国内で行われるプレミアムラインとして用意される。
現在、年間で600本ほどのフレームを生産しているという東洋フレームであるが、今回の渋谷ギャラリーの出店および本格的な関東エリアへの進出をきっかけに、更なる規模の拡大を目指していくという。東洋フレームの新たな一歩の足がかりとなる渋谷ギャラリーには、TOYOおよびthePARK、両ブランドの全車種が展示されており、いつでも実際の製品をじっくりと見ることが出来る。
渋谷ギャラリーでは、フレームビルダーと直接オーダーメイドバイクの相談をすることもできる。オーダーにあたって大切な要素となるジオメトリーについても「直接お会いできれば、適切なサイズというのは自然と分かるものなので、オーダーもスムーズに進みますよ。」と石垣さん。完全予約制となっており、時間をかけてしっかりとしたやりとりが出来るので、初めてのフレームオーダーでも安心できるだろう。
ショールームには、石垣代表も月の半分以上は在廊するとのこと。自身でオーダーの相談にも乗ってくれるとのことなので、渋谷ギャラリーでは大阪本社と変わらないサービスが受けられると思って間違い無さそうだ。関東圏在住の人にとっては、憧れの東洋フレームがぐっと身近な存在になったのではないだろうか。
東洋フレーム 渋谷ギャラリー
住所: 東京都渋谷区神南1-11-3 第二大外ビル2F
TEL: 03-3464-8972
メール: info@toyoframe.com
定休日: なし ※事前予約が必要
text&photo:Naoki.YASUOKA
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