2015/03/01(日) - 18:18
2月22日、【遊ぶ冬トレ】『宮澤崇史とサイクリング&分校校庭で懐かし遊び!』が開催された。かつてトッププロチームのサクソ・ティンコフなどに所属し、今季からマルチな活動を始めた宮澤崇史さんをゲストに迎えた少人数限定のプレミアムイベントだ。
サイクリングに昔から親しまれている遊びを交えながら体を鍛えるという、他ではなかなか見ないこのイベントに密着。その様子をお伝えする。
集合場所は埼玉県東松山市にあるシクロパビリオン。エカーズやロード日本代表の監督・浅田顕氏が代表を務める総合サイクリングステーションだ。かつて氏のチームに所属し、ツール・ド・北海道総合2連覇などの栄冠を勝ち取った宮澤さんにとってもゆかりが深い。
この日集まったのは9名ほどの皆さん。雨で地元が予想以上の悪天候となり来られなかった方もいらしたが、東松山の空は今にも雨が降りそうな雲をたたえながらも1日もちこたえた。
道案内役のシクロパビリオン・谷口正洋インストラクターの指導で各自安全点検を終え、目的地の分校へ出発。春は美しい花が咲き乱れるであろう桜並木の脇を過ぎ、嵐山町の鎌形八幡神社で小休止。この地で出生したと言われる木曽義仲ゆかりの神社で記念写真をパチリ。
この日の走行距離は片道15kmほど。しかしここは自転車乗りのためのイベント。アクセントとして登坂区間が用意されていた。皆がやや苦しい表情で登っていく中、宮澤さんと谷口さんが少し離れた最後方から余裕の表情で登っていった。
宮澤さんは「引退してから体重が8kg増えた。忙しくて乗れてないからフォームも崩れちゃった」と語っていたが、やはりポテンシャルは別格だ。ちなみに筆者も本来参加予定だったのだが、情けないことに前日の運動中に僧帽筋を傷めてあえなくDNS。サポートカーに同乗し、取材させていただいた。
そうして激坂を越え分校へ到着。自転車を降り、サイクリングシューズを運動靴へと履き替えて、いよいよ本日のメインイベントへ突入だ。
宮澤さんのリードで準備運動を終え、まずはSケン。エキップアサダのヤマケンこと山崎健一さんがルールを説明してゲームスタート。S字に描かれた陣地内で敵味方に分かれ、相手を全滅させるか宝を奪うかすれば勝ち。陣内から外に追いやられたり、ケンケンの時に倒されたりしたらアウト。S字の陣地の外にいる時はケンケンで移動しないといけないので見た目以上にハードだ。そしていざ始まれば相手は関係ない。敵陣の必死の防御の前に宮澤さんがコロリと転倒するシーンも見られた。
続いての冬トレはドッジボール。体へのダメージを避けるために空気圧を調整されたボールを使い、さらに利き腕とは逆の手でボールを投げるというルールが用いられた。コートの中をゆるーいボールと笑い声が飛び交った。
「さあ次は何しようか!」
と決まったのは缶けり。最初の鬼は宮澤さん。分校とは言え広い校舎の中を、うまく缶との距離を取りながら回り全員ポコペン。山崎さんが次の鬼を務めるも、隙を作ったり、オトリにやられたりして2度缶を蹴られ、がっくり膝をつきギブアップ。2人のキャラの違いが際立ち、面白い立ち回りとなった。
残りの時間は宮澤さんの提案で、スローイン競争とニアピン競争にチャレンジ。スローイン競争は若きチャレンジャーがサドンデスで宮澤さんをわずかに負かして勝利。ニアピン競争は最初に投じた女性の方がターゲットの一番近くにボールをピタリと止めてそのまま制した。「ニアピンはサクソの選手たちともやったんですよ」と宮澤さんが教えてくれた。
寒空の下、笑いと運動で体を温めた後はもちろん食事。お腹を空かせて分校を出発し、着いたのは「あそび」という居酒屋割烹。ここはうどんが名物。自転車スタンドが入口脇に用意され、地元のサイクリストにも馴染みの店だと言う。
宮澤さんをはじめ、多くの人が頼んだ『強烈 大辛肉汁うどん』はその名の通りの辛さで、うっかり普通のつもりで汁をすすると思わず咳き込んでしまうほど。しかし食べ進むと次第にダシの風味がわかってきて、苦しくもヤミツキになりそうな美味しさだった。ストイックなサイクリストの皆さん、ライドの途中の食事にもチャレンジを入れてみてはいかが!?
食事中は参加者たちから宮澤さんへの質問により、選手時代のオフレコな話題で溢れ、盛り上がりを見せた。エキップアサダ時代、イタリアのレース帰りに起きた車の故障で機材運びに苦労した話や、「とある有名選手はシャワーの時間が異様に長い」なんて話も。
シクロパビリオンに帰り着いた後も話は尽きず、宮澤さんはある時はにこやかに、ある時は真剣に応じていた。「イタリア語や英語、フランス語をどうやって覚えていったのか」に答え、「最初笑われるかもしれないけど、いきなりうまくやれないのは当たり前。飛び込んだらやるしかなくなるから、そういう中で自然に覚えていく」と言うセリフに、彼の人生のフィロソフィーを見た気がした。
宮澤崇史さんとともに童心に返り、無邪気に笑い合った1日。参加者も充実した表情でシクロパビリオンを後にしていった。
エカーズが新ジャージ姿を披露 春の欧州遠征へ
この日はエキップアサダの育成チームであるエカーズも欧州遠征前最後のチーム練習を行っていた。冬トレ組の数分前に練習を終えた彼らがシクロパビリオンに到着、選手8名が新ジャージを我々の前に披露してくれた。バイクは昨年から引き続きアンカーのフラッグシップ RIS9を駆る。
今年からエカーズはEQA U23と名称を統一、ジュニア以下の世代とU23世代がともにエカーズとなった。赤と白のジャパンカラーに染まったウエイブワンの鮮やかなジャージは、集団内のどこにいても目立つ存在になるはずだ。ひたすらに結果を求めて走る、彼らの挑戦が今年も始まる。
photo & text: Yuichiro Hosoda
サイクリングに昔から親しまれている遊びを交えながら体を鍛えるという、他ではなかなか見ないこのイベントに密着。その様子をお伝えする。
集合場所は埼玉県東松山市にあるシクロパビリオン。エカーズやロード日本代表の監督・浅田顕氏が代表を務める総合サイクリングステーションだ。かつて氏のチームに所属し、ツール・ド・北海道総合2連覇などの栄冠を勝ち取った宮澤さんにとってもゆかりが深い。
この日集まったのは9名ほどの皆さん。雨で地元が予想以上の悪天候となり来られなかった方もいらしたが、東松山の空は今にも雨が降りそうな雲をたたえながらも1日もちこたえた。
道案内役のシクロパビリオン・谷口正洋インストラクターの指導で各自安全点検を終え、目的地の分校へ出発。春は美しい花が咲き乱れるであろう桜並木の脇を過ぎ、嵐山町の鎌形八幡神社で小休止。この地で出生したと言われる木曽義仲ゆかりの神社で記念写真をパチリ。
この日の走行距離は片道15kmほど。しかしここは自転車乗りのためのイベント。アクセントとして登坂区間が用意されていた。皆がやや苦しい表情で登っていく中、宮澤さんと谷口さんが少し離れた最後方から余裕の表情で登っていった。
宮澤さんは「引退してから体重が8kg増えた。忙しくて乗れてないからフォームも崩れちゃった」と語っていたが、やはりポテンシャルは別格だ。ちなみに筆者も本来参加予定だったのだが、情けないことに前日の運動中に僧帽筋を傷めてあえなくDNS。サポートカーに同乗し、取材させていただいた。
そうして激坂を越え分校へ到着。自転車を降り、サイクリングシューズを運動靴へと履き替えて、いよいよ本日のメインイベントへ突入だ。
宮澤さんのリードで準備運動を終え、まずはSケン。エキップアサダのヤマケンこと山崎健一さんがルールを説明してゲームスタート。S字に描かれた陣地内で敵味方に分かれ、相手を全滅させるか宝を奪うかすれば勝ち。陣内から外に追いやられたり、ケンケンの時に倒されたりしたらアウト。S字の陣地の外にいる時はケンケンで移動しないといけないので見た目以上にハードだ。そしていざ始まれば相手は関係ない。敵陣の必死の防御の前に宮澤さんがコロリと転倒するシーンも見られた。
続いての冬トレはドッジボール。体へのダメージを避けるために空気圧を調整されたボールを使い、さらに利き腕とは逆の手でボールを投げるというルールが用いられた。コートの中をゆるーいボールと笑い声が飛び交った。
「さあ次は何しようか!」
と決まったのは缶けり。最初の鬼は宮澤さん。分校とは言え広い校舎の中を、うまく缶との距離を取りながら回り全員ポコペン。山崎さんが次の鬼を務めるも、隙を作ったり、オトリにやられたりして2度缶を蹴られ、がっくり膝をつきギブアップ。2人のキャラの違いが際立ち、面白い立ち回りとなった。
残りの時間は宮澤さんの提案で、スローイン競争とニアピン競争にチャレンジ。スローイン競争は若きチャレンジャーがサドンデスで宮澤さんをわずかに負かして勝利。ニアピン競争は最初に投じた女性の方がターゲットの一番近くにボールをピタリと止めてそのまま制した。「ニアピンはサクソの選手たちともやったんですよ」と宮澤さんが教えてくれた。
寒空の下、笑いと運動で体を温めた後はもちろん食事。お腹を空かせて分校を出発し、着いたのは「あそび」という居酒屋割烹。ここはうどんが名物。自転車スタンドが入口脇に用意され、地元のサイクリストにも馴染みの店だと言う。
宮澤さんをはじめ、多くの人が頼んだ『強烈 大辛肉汁うどん』はその名の通りの辛さで、うっかり普通のつもりで汁をすすると思わず咳き込んでしまうほど。しかし食べ進むと次第にダシの風味がわかってきて、苦しくもヤミツキになりそうな美味しさだった。ストイックなサイクリストの皆さん、ライドの途中の食事にもチャレンジを入れてみてはいかが!?
食事中は参加者たちから宮澤さんへの質問により、選手時代のオフレコな話題で溢れ、盛り上がりを見せた。エキップアサダ時代、イタリアのレース帰りに起きた車の故障で機材運びに苦労した話や、「とある有名選手はシャワーの時間が異様に長い」なんて話も。
シクロパビリオンに帰り着いた後も話は尽きず、宮澤さんはある時はにこやかに、ある時は真剣に応じていた。「イタリア語や英語、フランス語をどうやって覚えていったのか」に答え、「最初笑われるかもしれないけど、いきなりうまくやれないのは当たり前。飛び込んだらやるしかなくなるから、そういう中で自然に覚えていく」と言うセリフに、彼の人生のフィロソフィーを見た気がした。
宮澤崇史さんとともに童心に返り、無邪気に笑い合った1日。参加者も充実した表情でシクロパビリオンを後にしていった。
エカーズが新ジャージ姿を披露 春の欧州遠征へ
この日はエキップアサダの育成チームであるエカーズも欧州遠征前最後のチーム練習を行っていた。冬トレ組の数分前に練習を終えた彼らがシクロパビリオンに到着、選手8名が新ジャージを我々の前に披露してくれた。バイクは昨年から引き続きアンカーのフラッグシップ RIS9を駆る。
今年からエカーズはEQA U23と名称を統一、ジュニア以下の世代とU23世代がともにエカーズとなった。赤と白のジャパンカラーに染まったウエイブワンの鮮やかなジャージは、集団内のどこにいても目立つ存在になるはずだ。ひたすらに結果を求めて走る、彼らの挑戦が今年も始まる。
photo & text: Yuichiro Hosoda
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