2015/01/18(日) - 08:55
ホノルルセンチュリーライドへと、トップツアーのゲストライダーとして参加した絹代さん。前編に引き続き、大会当日から翌日のアフターライドにかけての様子を直筆レポートにてお届けします。
シェイブアイスを食べ終えて、第2エイドを出発しようとしたら今中さんのバイクがパンクしていて、一同先に行くことに。今中さんは速いから大丈夫!ペースを落とすこともなく、そのままずんずん先へ。(今中さんへの信頼の証です!)
今中さんは期待通りさらりと合流し、第3エイドへ到着してみると、あと3分でここを出発しないと、100マイルの完走はできないというアナウンスが。げげっ。焦る参加者たち。そんなに時間が迫ってるの? 今年はせっかくフリフリチキンのバンが停まっている広場がエイドなのに、チキンを食べる余裕なんてない! じりじり焼かれているおいしそうなチキンたちと切なくバイバイして、先へ。
雨が降ったり止んだり。そんなことはおかまいなしに、ともかく、急げや急げ。前を走るひとにぴったりつけて道を急ぐ。脚力がないので、仕方ない。
センチュリーライドで最も美しい区間であるビーチ沿いの道に差しかかる。黒々としてた空も、なんだか少し明るくなってくれて、この絶景を楽しむことができた! いったん停まって写真を撮ろうとしたら、 みんなが私を見て大笑い。顔に泥はねしすぎです! 熊五郎みたいになってたらしい(汗)。大慌てで泥を拭い、なにごともなかったように記念撮影。すぐそばまで打ち寄せる波が、水色の水面が、何度来ても美しく、泥はねの凹みも吹き飛ばしてくれた。地元の方が楽しむバーベキューの香りが漂ってきた。私たちもエイドで食事をしなければ。
折り返しのエイドに着くと、完走のためには十分時間が残っていた。第3エイドの締め切り時間がちょっと早すぎただけらしい。お向かいのセブンイレブンでスパムにぎりと、ハーゲンダッツを購入し腹ごしらえ。物価の高いハワイだけど、ハーゲンダッツは日本の感覚より安いんだ♪
完走は大丈夫そうだが、16時ゴールが厳しい状況になっていた。脚に余裕がなく、ペースを上げられないので、先にスタートさせてもらうことにした。天気も怪しい雰囲気。またいつ雨が来てもおかしくない。
エイドには立ち寄りながら、できる限り時間を使わないよう、自分の中の速めペースでバイクを走らせる。楽しむと言うより、気分は”走れメロス”だ。娘よ、待ってろよ! 母は必ず迎えに行くからね。
かなり距離を進んでから今中さんと合流。不思議なことに、私の脚がどんどん快調になってきて、ペースが上がって来た。後ろに付かせてもらい、かなりいいペースでゴールを目指す。16時ゴールに希望が見えてきたころ、突然のスコール! あっという間に豪雨になってしまい、カメラを持つ綾野さんが退避する場所も見つからず、さらに編集部の安岡さんがパンク! なんとかわいそうに…と思いながらも、母には時間がない。
数分待ったが、これ以上はきびしい。いや、冷静に判断すると、すでに絶望的だ。だが、間に合う可能性にかけ、先に行くという非情な決断をさせていただいた。これまで付かせてもらっていたくせに、雨の中対応してる皆さんを置いていくフトドキものでごめんなさい! (でも、いても私は役に立たないし・笑)
ここからは母は、娘を受け取るためだけにバイクを走らせる。数年ぶりにつけたスピードメーターと残り時間で計算をしながら、ひたすらペダルを踏み込む。帰路の最大難関の上りも順当にクリアし、最後は完全な一人旅に。濡れた路面の下りなんて、いつもはへっぴり腰の鈍速で下るのに、見たことないようなスピードで下り、平坦エリアは常に時速30kmをゆうに超えるペース。前半はあんなにきびしかったのに、なぜ今になってスピードが上がったんだろう?
奇跡が起きた。ハイウェイを降り、見慣れた町並みに入り、残り時間5分。もしかして?? 最後の下りを下って、カピオラニ公園が見えて来た!残り1分半。間に合う!!喜びが沸いてくる。公園に入ると、スタッフのみなさんが拍手で迎えてくれる。16時15秒、ゴール! やった!! 「おつかれさま!」あたたかい声が聞こえてきて、ふと見ると、参加者のゴールを向かえるためにゴール脇に立っていた鶴見辰吾さんが笑顔で声をかけてくれていた。目頭が熱くなる。あなたは本当に神だ!
お礼を言って一目散にTOPツアーのテントへ。バギーとベビーシッターさんが立っているのが見えた。我が娘との感動の対面。ママは帰ってきたよ! ..と思ったらぐうぐう寝てるんですけど。シッターさんいわく「朝起きて、ごはん食べて寝て…お昼寝して、ほとんど寝たままなんです」母、脱力。まぁ、泣いたりしていなかった方がありがたいよね。
笑ってはっちゃけた後夜祭を終え、一日が終了。明日はノースショアだ!
娘の負担軽減のため、いつも参加していたモーニングライドへの参加は見送り、ノースショアライドから参加することになった。平坦で美しい海岸線を見ながら走るオアフ島で最高のコースとも言えるライドに、胸は高鳴る。ここを自転車で走るのは初めてだ。前日の悪天候がうそのような快晴で、気温も真夏レベルにまで上昇。気持ちいい汗がかけるかな。
どうしたって起きてくれない娘に無理矢理支度をして、集合場所へ。好天に皆の表情も明るい。車に乗り込み、いざ、スワンジービーチパークへ! センチュリーライドの折り返し地点が今日のスタートなのだ。ペースの速い人たちからスタートをし、私は後ろのゆっくり組でスタート。
平坦で風向きもよく、先頭はかなり快適なペースで走っているようだ。青い風、青い海。ワイキキと違って観光客があまりいないので、美しい自然の景観をそのまま楽しむことができる。木々の合間から見える海の美しいこと、美しいこと! 時おり木々が途切れ視界いっぱいに広がる海に、ついつい歓声を上げる。
気持ちいいなぁ〜。前日までにたまった脚の疲労もあり、路面のガタガタから響く振動が気になることもあり、スピードをあげられず、私は終始マイペース。
ふと気がつくと、気温は37℃に! こりゃ暑いはずだ。娘がゆだってしまう! 大慌てで休憩地点に着くと、先に着いていた皆さんは思い思いに美しいビーチを楽しんでいた。最高の眺めだ。時間がないながらも、私もシューズを脱ぎ、娘を抱いて、ビーチへ突撃! 波が足を冷やしてくれる。五感で楽しめるとはまさにこのことだ。娘をサポートカーのエアコンで復活させてもらい、後半戦に出発!
初めて訪れるハレイワの街。古き時代を彷彿とさせる看板が見えてきた。私の知るハワイとはまったく違う匂いに興味がそそられる。どんな街なんだろう? シェイブアイスが見えて来た。グルメも魅力的な街らしい。いったん解散し、めいめいが気になるものにアタックすることになった。
残念なことに有名なパンケーキを出す店はクローズしている時間のようだ。多くの参加者はガーリックシュリンプに行ったようだが、1歳児にはきびしいので、オーガニックの店などを見て回ることにした。街にはそれほど観光客も多くなく、とてもよい雰囲気。
ぶらぶらと街を探索し、自由時間を過ごす。娘もアメリカのベビー用のゼリーにトライしたりして、1歳児なりにハレイワを楽しんだ。名残惜しくも車に乗り込み、ツアーのライドはすべて終了。今年は距離も走ったし、感動したし、感謝もしたし、濃厚で、とても思い出深いツアーだった。
気がつけば、スタッフの皆さんや、参加者の皆さんまで(!)、娘の面倒を見てくれていて、皆さんにすごくお世話になってしまった。ツアーの空気が、なんだか家族みたいにあたたかくって、ついつい甘えてしまったけど、娘も連れて行かれて、本当によかったと思う。
これからこんな風に家族で参加してくれるひとが増えたらいいな。連れ合いがいる分、思い出も深くなる。
来年も母娘で参加するぞ! もっと走れるかっこいいママを目指そう!
text:絹代
シェイブアイスを食べ終えて、第2エイドを出発しようとしたら今中さんのバイクがパンクしていて、一同先に行くことに。今中さんは速いから大丈夫!ペースを落とすこともなく、そのままずんずん先へ。(今中さんへの信頼の証です!)
今中さんは期待通りさらりと合流し、第3エイドへ到着してみると、あと3分でここを出発しないと、100マイルの完走はできないというアナウンスが。げげっ。焦る参加者たち。そんなに時間が迫ってるの? 今年はせっかくフリフリチキンのバンが停まっている広場がエイドなのに、チキンを食べる余裕なんてない! じりじり焼かれているおいしそうなチキンたちと切なくバイバイして、先へ。
雨が降ったり止んだり。そんなことはおかまいなしに、ともかく、急げや急げ。前を走るひとにぴったりつけて道を急ぐ。脚力がないので、仕方ない。
センチュリーライドで最も美しい区間であるビーチ沿いの道に差しかかる。黒々としてた空も、なんだか少し明るくなってくれて、この絶景を楽しむことができた! いったん停まって写真を撮ろうとしたら、 みんなが私を見て大笑い。顔に泥はねしすぎです! 熊五郎みたいになってたらしい(汗)。大慌てで泥を拭い、なにごともなかったように記念撮影。すぐそばまで打ち寄せる波が、水色の水面が、何度来ても美しく、泥はねの凹みも吹き飛ばしてくれた。地元の方が楽しむバーベキューの香りが漂ってきた。私たちもエイドで食事をしなければ。
折り返しのエイドに着くと、完走のためには十分時間が残っていた。第3エイドの締め切り時間がちょっと早すぎただけらしい。お向かいのセブンイレブンでスパムにぎりと、ハーゲンダッツを購入し腹ごしらえ。物価の高いハワイだけど、ハーゲンダッツは日本の感覚より安いんだ♪
完走は大丈夫そうだが、16時ゴールが厳しい状況になっていた。脚に余裕がなく、ペースを上げられないので、先にスタートさせてもらうことにした。天気も怪しい雰囲気。またいつ雨が来てもおかしくない。
エイドには立ち寄りながら、できる限り時間を使わないよう、自分の中の速めペースでバイクを走らせる。楽しむと言うより、気分は”走れメロス”だ。娘よ、待ってろよ! 母は必ず迎えに行くからね。
かなり距離を進んでから今中さんと合流。不思議なことに、私の脚がどんどん快調になってきて、ペースが上がって来た。後ろに付かせてもらい、かなりいいペースでゴールを目指す。16時ゴールに希望が見えてきたころ、突然のスコール! あっという間に豪雨になってしまい、カメラを持つ綾野さんが退避する場所も見つからず、さらに編集部の安岡さんがパンク! なんとかわいそうに…と思いながらも、母には時間がない。
数分待ったが、これ以上はきびしい。いや、冷静に判断すると、すでに絶望的だ。だが、間に合う可能性にかけ、先に行くという非情な決断をさせていただいた。これまで付かせてもらっていたくせに、雨の中対応してる皆さんを置いていくフトドキものでごめんなさい! (でも、いても私は役に立たないし・笑)
ここからは母は、娘を受け取るためだけにバイクを走らせる。数年ぶりにつけたスピードメーターと残り時間で計算をしながら、ひたすらペダルを踏み込む。帰路の最大難関の上りも順当にクリアし、最後は完全な一人旅に。濡れた路面の下りなんて、いつもはへっぴり腰の鈍速で下るのに、見たことないようなスピードで下り、平坦エリアは常に時速30kmをゆうに超えるペース。前半はあんなにきびしかったのに、なぜ今になってスピードが上がったんだろう?
奇跡が起きた。ハイウェイを降り、見慣れた町並みに入り、残り時間5分。もしかして?? 最後の下りを下って、カピオラニ公園が見えて来た!残り1分半。間に合う!!喜びが沸いてくる。公園に入ると、スタッフのみなさんが拍手で迎えてくれる。16時15秒、ゴール! やった!! 「おつかれさま!」あたたかい声が聞こえてきて、ふと見ると、参加者のゴールを向かえるためにゴール脇に立っていた鶴見辰吾さんが笑顔で声をかけてくれていた。目頭が熱くなる。あなたは本当に神だ!
お礼を言って一目散にTOPツアーのテントへ。バギーとベビーシッターさんが立っているのが見えた。我が娘との感動の対面。ママは帰ってきたよ! ..と思ったらぐうぐう寝てるんですけど。シッターさんいわく「朝起きて、ごはん食べて寝て…お昼寝して、ほとんど寝たままなんです」母、脱力。まぁ、泣いたりしていなかった方がありがたいよね。
笑ってはっちゃけた後夜祭を終え、一日が終了。明日はノースショアだ!
娘の負担軽減のため、いつも参加していたモーニングライドへの参加は見送り、ノースショアライドから参加することになった。平坦で美しい海岸線を見ながら走るオアフ島で最高のコースとも言えるライドに、胸は高鳴る。ここを自転車で走るのは初めてだ。前日の悪天候がうそのような快晴で、気温も真夏レベルにまで上昇。気持ちいい汗がかけるかな。
どうしたって起きてくれない娘に無理矢理支度をして、集合場所へ。好天に皆の表情も明るい。車に乗り込み、いざ、スワンジービーチパークへ! センチュリーライドの折り返し地点が今日のスタートなのだ。ペースの速い人たちからスタートをし、私は後ろのゆっくり組でスタート。
平坦で風向きもよく、先頭はかなり快適なペースで走っているようだ。青い風、青い海。ワイキキと違って観光客があまりいないので、美しい自然の景観をそのまま楽しむことができる。木々の合間から見える海の美しいこと、美しいこと! 時おり木々が途切れ視界いっぱいに広がる海に、ついつい歓声を上げる。
気持ちいいなぁ〜。前日までにたまった脚の疲労もあり、路面のガタガタから響く振動が気になることもあり、スピードをあげられず、私は終始マイペース。
ふと気がつくと、気温は37℃に! こりゃ暑いはずだ。娘がゆだってしまう! 大慌てで休憩地点に着くと、先に着いていた皆さんは思い思いに美しいビーチを楽しんでいた。最高の眺めだ。時間がないながらも、私もシューズを脱ぎ、娘を抱いて、ビーチへ突撃! 波が足を冷やしてくれる。五感で楽しめるとはまさにこのことだ。娘をサポートカーのエアコンで復活させてもらい、後半戦に出発!
初めて訪れるハレイワの街。古き時代を彷彿とさせる看板が見えてきた。私の知るハワイとはまったく違う匂いに興味がそそられる。どんな街なんだろう? シェイブアイスが見えて来た。グルメも魅力的な街らしい。いったん解散し、めいめいが気になるものにアタックすることになった。
残念なことに有名なパンケーキを出す店はクローズしている時間のようだ。多くの参加者はガーリックシュリンプに行ったようだが、1歳児にはきびしいので、オーガニックの店などを見て回ることにした。街にはそれほど観光客も多くなく、とてもよい雰囲気。
ぶらぶらと街を探索し、自由時間を過ごす。娘もアメリカのベビー用のゼリーにトライしたりして、1歳児なりにハレイワを楽しんだ。名残惜しくも車に乗り込み、ツアーのライドはすべて終了。今年は距離も走ったし、感動したし、感謝もしたし、濃厚で、とても思い出深いツアーだった。
気がつけば、スタッフの皆さんや、参加者の皆さんまで(!)、娘の面倒を見てくれていて、皆さんにすごくお世話になってしまった。ツアーの空気が、なんだか家族みたいにあたたかくって、ついつい甘えてしまったけど、娘も連れて行かれて、本当によかったと思う。
これからこんな風に家族で参加してくれるひとが増えたらいいな。連れ合いがいる分、思い出も深くなる。
来年も母娘で参加するぞ! もっと走れるかっこいいママを目指そう!
text:絹代
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