2013/02/24(日) - 20:25
天候に恵まれたお陰で大盛況のうちに幕を下ろした”美ら島オキナワセンチュリーラン”。参加者の皆さんや大会関係者の溢れる笑顔に、安堵感を覚えながらホテルに戻る私たちにとっても大満足な大会だったことは言うまでも無い。
ホテルに戻りシャワーで汗を流した後、各々が撮影した写真の整理に取り組んでいると、プルプルと部屋の内線が鳴り始めた。時計の針は20:40を指す。これは腹ペコオヤジからのお誘いに違いないと聞き耳を立てていると、
「俺はこれから琉球文化の見聞を深めに行くけど、君たちも一緒に来るかい?」 案の定、受話器からはメタボ会長の声がこぼれてくる。早い話が晩御飯のお誘いである。このお誘いこそが即ち、今宵の宴が無料飲み放題、食べ放題祭りに決まった事を告げている。いつもながらこの時だけは会長が頼もしい存在に感じる。
ひと仕切り写真データの整理が落ち着いた所で、メタボ会長と合流して食事に出掛けた私たちが向かった先は、琉球ダイニング・富着58番地。彼がなぜこの居酒屋を選んだのかは判らないが、いつものように私たちは黙って付いていくだけだある。
「取り敢えず、オリオンビール。それと沖縄ならではのオススメ料理を適当に持ってきてくれるかな?オジサンたちに好き嫌いは無いからお姉さんにお任せで!」笑顔で案内してくれた店員さんにメタボ会長が馴れ馴れしく難題を押し付ける。彼のお決まりのオーダー方法はいつもこの”お任せスタイル”だ。
何度も同席している私たちはすっかり慣れたこの”お任せスタイル”だが、相手に失礼にはならないのだろうか?少なくとも私の知る限りではメタボ会長以外にこの手法を使う人はいない。こんな疑問をそっとぶつけてみる。
「会長、初めてのお店なのにお任せしちゃって失礼にならないものなんですか?」
「全然失礼にならないと思うよ。大手チェーン店なんかだと嫌がられるけど、この店のようにこだわりを感じさせる造りのお店なら、お任せの方が厨房も頑張れちゃうんだよな。自信のある料理しか出せないし、普通にオーダー受けた時よりも作り甲斐があるらしいよ。仕事柄、この手の素敵なお店のオーナーと接する機会が多い俺が言うんだから大丈夫だよ!そもそも、初めて来たお店なんだから、何も知らない俺たちが選ぶより、お店の人に選んでもらった方が結果はイイに決まってんじゃんか!」
得意げな顔で講釈をたれるメタボ会長のもとへ、笑顔のお姉さんがビールと共に海ぶどうと島ラッキョを運んできてくれる。その後ろには店長さんらしき人物の影が見える。”これはいよいよ怒られるか?”と身構える私だったが、
「ご来店ありがとうございます。ご期待に添えるよう私たちの自信のお料理を出させて頂きますので少々お待ち下さい。」わざわざ店長さんが爽やかな笑顔でご挨拶に来てくれた。
そんな丁寧な対応に、満面の笑みを浮かべながら男のオリオンビールを流しこむメタボ会長。ガソリンの入ったオヤジの饒舌は止まらない。
「なっ!大丈夫っぽいだろ?よっぽど商売道徳を心得ないオーナーのお店でもない限り、お任せされちゃうと料理の質と値段のバランスが一番イイ所を一生懸命考えてくれるから、結果、外れになる可能性は極めて低いんだよ。実はロングライドイベントも似た部分があるんだよな。最初の頃は自分で好きにルートを決めて自由に走り回った方が気楽で楽しいのでは?って思ってたけど、地元を知り尽くした実行委員会の皆さんが思慮を積み上げ、地元の魅力を詰め込んで決められたルートに、その土地を知らない俺たちが勝手に決めるルートが敵う訳がない。だからロングライドイベントって楽しいんだ!って俺も最近になって気付いたんだよ。」
う~ん!確かに一理ある意見に聞こえる。メタボ会長がその場凌ぎの言葉の魔術師である事を差し引いても、理にかなった思考である。少しばかりの関心を覚える私をよそに、当のオヤジは次々と運ばれる郷土料理に片っ端から箸を伸ばしている。
「ほらぁ~!やっぱり抜群に美味しい料理ばかりだろ?ただし、全てのお店や全てのイベントがこの理論に当てはまる訳ではないから、ある程度の直観による取捨選択も重要にはなってくるな! まぁ、ただ単に利潤追求だけを目的としているお店やイベントはいずれ淘汰されるのが世の常だから、神経質になる必要もないけどな。ガハハ」
今日のメタボ会長はガソリン満タン、エンジン全開だ。そんなオヤジの繰り出す箸に、私たちも負けじと料理に手を伸ばす。実際、目前の料理はどれもお世辞抜きに美味しいものばかりだ。これだけの料理が出てくると私たち庶民は急に値段が心配になってくるというものだ。このお任せスタイルは豊富な財力を誇るメタボ会長だからできる荒技では?こんな疑問にもご機嫌のオヤジが真面目に答えてくれる。
「そこも実は大丈夫なんだよ。お店側はある程度の客単価を設定してる筈だからね。例えばこのお店の内装から察すると、料理だけなら一人当たり2千円前後だと思うよ。あとはどれだけ飲むかだから、料金が心配ならビールの量で調整だよ。おそらく、今日の帰りに俺が支払う勘定は4人分で1万2千円くらいじゃないかな?」そんな持論を展開しながら2杯目のオリオンビールを腹に流し込んでいるメタボ会長。やはり今日のオヤジは妙に頼もしい。
「ところで?君たちの明日の予定ってどんな感じなんだい?」小腹も落ち着いた様子のメタボ会長からの突然の問いかけに、「明日はチーム撮影の依頼が1件入っていますので、私たちは10時に現地集合です。13時過ぎには終了するかと思われますが・・。」質問の意図を掴みかねている様子の編集長が緊張の面持ちで答える。
「実はツール・ド・おきなわ市民50kmレースにちょっぴり興味があるんだよね。」ポツリと呟くオヤジの言葉に私たちの緊張が解ける。
「そうなんですか? 会長の脚質なら案外面白い挑戦になると思いますよ。基本的には平坦基調で、勝負所は1ヶ所しかありませんからね。明日の撮影が終わればフリーですから、50kmのコースを下見がてら走ってみられますか?」編集長が優しく問いかける。
この言葉に磯部も続く。「僕も会長なら行けると思います!会長の爆発的な加速力は群を抜いてますから、ラスト200mまで集団に付けられれば本当に優勝まであると思います!」編集部一番の健脚を誇る磯部の言葉を真に受けたオヤジの表情は緩みっぱなしだ。
調子に乗った磯部が言葉を続ける。「50kmコースはキツイ登坂がないので、会長の新兵器イエロードマーネが強力な武器になりますしね!是非チャレンジしましょう!ところで、あのドマーネも消防さんの予算で買っちゃったんですか?」これが彼の悪い癖である。本人にその意識はないのだろうが、この若者はいつも紙一重の綱渡りに挑む。同席している私たちには冷や汗ものの失言だ。一気に張り詰めた空気をオヤジの言葉が切り裂く。
「まさか!さすがに俺のオモチャまでは社内の稟議が通らんだろ!力技でそんな無茶を通したら、次の役員会で解任動議を出されちゃうよ!俺もそこまで馬鹿じゃないし、今のポジションが妙に居心地いいからな!」
若者の無礼に笑顔でオヤジが応える。この表情から察すると磯部の綱渡りが会長のご機嫌を損ねるには至らなかった様子だ。
実際の所、恵まれたウエイトと太腿廻り61cmを誇る豊富な筋肉から繰り出されるメタボ会長の瞬発力は上級者にも匹敵する勢いなのは確かだ。
ド平坦の100mに限定すれば、健脚の磯部ですら追走できないほどの破壊力を持っている。ただし、その全力疾走は最長で7秒間しか持たない。それにも増して彼の登坂能力が恐ろしく低いレベルにある事も確かな事実だ。
無事に綱渡りを終えたお調子者の磯部がさらに炊き付ける。「会長が出られるのであれば僕も一緒にエントリーして前を牽き続けますよ! 僕が責任を持って会長をゴール前200mまでお届けします!」
もう無茶苦茶な話に膨れ上がっている。そもそも会長と磯部の年齢を考えれば同じクラスにエントリーできない事くらい判りそうなものなのだが、当のオヤジはすっかり気持ち良くなってしまった様子である。
「おぉ~!そうかぁ~!君たち何でも好きなもの注文しちゃってイイぞ!」
全く判りやすい性格である。もっとも、その言葉を聞くまでも無く勝手に好きなものを好きなだけ注文しちゃってますけどね。どうやらメタボ会長という男は、煽てられれば真っ先に木に登るタイプに間違いない。私たちは会長と対峙する際の強力なアイテムを手に入れたのかもしれない。
沖縄ならではの食を楽しみ、長閑な空気を味わえるのも大きな魅力であり、この魅力を読者の皆さんにお届けすることも私たち編集部の大切な使命と言えるはずだ。つまり、この食事に要した2時間を残業として出勤日報に記載しても、勤務査定で認められる可能性は案外ゼロではないかも・・・。
こんな大胆な妄想と共に、業務に名を借りた沖縄の楽しい夜が深けて行くのであった。
次回は、ツール・ド・おきなわ市民50kmコースの攻略法をお届けします。
唐突ですが「あなたの自転車見せて下さい。番外編」です。
メタボ会長さん(アテックスホールディングス所属、東京都) トレック・DOMANE6
サンデーライダーのメタボ会長さんが”乗り心地最優先”で選んだ愛車がトレック・DOMANE6。1月20日の美ら島おきなわセンチュリーランで初お披露目となったイエロードマーネだが、奇しくも前日の1月19日にランス・アームストロング氏自身による”ドーピング告白”が全世界に発信されるというスキャンダルが捲き起こった。このタイミングでTREKのイエローバイクを誇らしげに掲げる姿に、メタボ会長さんの生き様を感じる。自身の体力不足は全て機材でカバーするという強い信念の下に作られた車体には、数々の不思議な工夫が施される。
まず目に付くのがロードバイクには似合わないインラインブレーキ。アルテグラDi2のサテライトスイッチと共に、集団内を休憩モードで走る際には欠かせないアイテムだそうだ。大嫌いな登坂には最軽34-28Tのギア比で対抗する。自転車暦3年で落車経験はなし。年間3000km程を走破する。
シートはフィジークのアリアンテVersusをチョイス。ハンドルとステムはアルミ製のデダに換装される。カーボンステムだと”スプリントごっこ”の時にクランプ部が壊れちゃうそうだ。財力にモノを言わせたこの車体だが、余裕のある大人のライダーには案外参考になるかもしれない。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
ホテルに戻りシャワーで汗を流した後、各々が撮影した写真の整理に取り組んでいると、プルプルと部屋の内線が鳴り始めた。時計の針は20:40を指す。これは腹ペコオヤジからのお誘いに違いないと聞き耳を立てていると、
「俺はこれから琉球文化の見聞を深めに行くけど、君たちも一緒に来るかい?」 案の定、受話器からはメタボ会長の声がこぼれてくる。早い話が晩御飯のお誘いである。このお誘いこそが即ち、今宵の宴が無料飲み放題、食べ放題祭りに決まった事を告げている。いつもながらこの時だけは会長が頼もしい存在に感じる。
ひと仕切り写真データの整理が落ち着いた所で、メタボ会長と合流して食事に出掛けた私たちが向かった先は、琉球ダイニング・富着58番地。彼がなぜこの居酒屋を選んだのかは判らないが、いつものように私たちは黙って付いていくだけだある。
「取り敢えず、オリオンビール。それと沖縄ならではのオススメ料理を適当に持ってきてくれるかな?オジサンたちに好き嫌いは無いからお姉さんにお任せで!」笑顔で案内してくれた店員さんにメタボ会長が馴れ馴れしく難題を押し付ける。彼のお決まりのオーダー方法はいつもこの”お任せスタイル”だ。
何度も同席している私たちはすっかり慣れたこの”お任せスタイル”だが、相手に失礼にはならないのだろうか?少なくとも私の知る限りではメタボ会長以外にこの手法を使う人はいない。こんな疑問をそっとぶつけてみる。
「会長、初めてのお店なのにお任せしちゃって失礼にならないものなんですか?」
「全然失礼にならないと思うよ。大手チェーン店なんかだと嫌がられるけど、この店のようにこだわりを感じさせる造りのお店なら、お任せの方が厨房も頑張れちゃうんだよな。自信のある料理しか出せないし、普通にオーダー受けた時よりも作り甲斐があるらしいよ。仕事柄、この手の素敵なお店のオーナーと接する機会が多い俺が言うんだから大丈夫だよ!そもそも、初めて来たお店なんだから、何も知らない俺たちが選ぶより、お店の人に選んでもらった方が結果はイイに決まってんじゃんか!」
得意げな顔で講釈をたれるメタボ会長のもとへ、笑顔のお姉さんがビールと共に海ぶどうと島ラッキョを運んできてくれる。その後ろには店長さんらしき人物の影が見える。”これはいよいよ怒られるか?”と身構える私だったが、
「ご来店ありがとうございます。ご期待に添えるよう私たちの自信のお料理を出させて頂きますので少々お待ち下さい。」わざわざ店長さんが爽やかな笑顔でご挨拶に来てくれた。
そんな丁寧な対応に、満面の笑みを浮かべながら男のオリオンビールを流しこむメタボ会長。ガソリンの入ったオヤジの饒舌は止まらない。
「なっ!大丈夫っぽいだろ?よっぽど商売道徳を心得ないオーナーのお店でもない限り、お任せされちゃうと料理の質と値段のバランスが一番イイ所を一生懸命考えてくれるから、結果、外れになる可能性は極めて低いんだよ。実はロングライドイベントも似た部分があるんだよな。最初の頃は自分で好きにルートを決めて自由に走り回った方が気楽で楽しいのでは?って思ってたけど、地元を知り尽くした実行委員会の皆さんが思慮を積み上げ、地元の魅力を詰め込んで決められたルートに、その土地を知らない俺たちが勝手に決めるルートが敵う訳がない。だからロングライドイベントって楽しいんだ!って俺も最近になって気付いたんだよ。」
う~ん!確かに一理ある意見に聞こえる。メタボ会長がその場凌ぎの言葉の魔術師である事を差し引いても、理にかなった思考である。少しばかりの関心を覚える私をよそに、当のオヤジは次々と運ばれる郷土料理に片っ端から箸を伸ばしている。
「ほらぁ~!やっぱり抜群に美味しい料理ばかりだろ?ただし、全てのお店や全てのイベントがこの理論に当てはまる訳ではないから、ある程度の直観による取捨選択も重要にはなってくるな! まぁ、ただ単に利潤追求だけを目的としているお店やイベントはいずれ淘汰されるのが世の常だから、神経質になる必要もないけどな。ガハハ」
今日のメタボ会長はガソリン満タン、エンジン全開だ。そんなオヤジの繰り出す箸に、私たちも負けじと料理に手を伸ばす。実際、目前の料理はどれもお世辞抜きに美味しいものばかりだ。これだけの料理が出てくると私たち庶民は急に値段が心配になってくるというものだ。このお任せスタイルは豊富な財力を誇るメタボ会長だからできる荒技では?こんな疑問にもご機嫌のオヤジが真面目に答えてくれる。
「そこも実は大丈夫なんだよ。お店側はある程度の客単価を設定してる筈だからね。例えばこのお店の内装から察すると、料理だけなら一人当たり2千円前後だと思うよ。あとはどれだけ飲むかだから、料金が心配ならビールの量で調整だよ。おそらく、今日の帰りに俺が支払う勘定は4人分で1万2千円くらいじゃないかな?」そんな持論を展開しながら2杯目のオリオンビールを腹に流し込んでいるメタボ会長。やはり今日のオヤジは妙に頼もしい。
「ところで?君たちの明日の予定ってどんな感じなんだい?」小腹も落ち着いた様子のメタボ会長からの突然の問いかけに、「明日はチーム撮影の依頼が1件入っていますので、私たちは10時に現地集合です。13時過ぎには終了するかと思われますが・・。」質問の意図を掴みかねている様子の編集長が緊張の面持ちで答える。
「実はツール・ド・おきなわ市民50kmレースにちょっぴり興味があるんだよね。」ポツリと呟くオヤジの言葉に私たちの緊張が解ける。
「そうなんですか? 会長の脚質なら案外面白い挑戦になると思いますよ。基本的には平坦基調で、勝負所は1ヶ所しかありませんからね。明日の撮影が終わればフリーですから、50kmのコースを下見がてら走ってみられますか?」編集長が優しく問いかける。
この言葉に磯部も続く。「僕も会長なら行けると思います!会長の爆発的な加速力は群を抜いてますから、ラスト200mまで集団に付けられれば本当に優勝まであると思います!」編集部一番の健脚を誇る磯部の言葉を真に受けたオヤジの表情は緩みっぱなしだ。
調子に乗った磯部が言葉を続ける。「50kmコースはキツイ登坂がないので、会長の新兵器イエロードマーネが強力な武器になりますしね!是非チャレンジしましょう!ところで、あのドマーネも消防さんの予算で買っちゃったんですか?」これが彼の悪い癖である。本人にその意識はないのだろうが、この若者はいつも紙一重の綱渡りに挑む。同席している私たちには冷や汗ものの失言だ。一気に張り詰めた空気をオヤジの言葉が切り裂く。
「まさか!さすがに俺のオモチャまでは社内の稟議が通らんだろ!力技でそんな無茶を通したら、次の役員会で解任動議を出されちゃうよ!俺もそこまで馬鹿じゃないし、今のポジションが妙に居心地いいからな!」
若者の無礼に笑顔でオヤジが応える。この表情から察すると磯部の綱渡りが会長のご機嫌を損ねるには至らなかった様子だ。
実際の所、恵まれたウエイトと太腿廻り61cmを誇る豊富な筋肉から繰り出されるメタボ会長の瞬発力は上級者にも匹敵する勢いなのは確かだ。
ド平坦の100mに限定すれば、健脚の磯部ですら追走できないほどの破壊力を持っている。ただし、その全力疾走は最長で7秒間しか持たない。それにも増して彼の登坂能力が恐ろしく低いレベルにある事も確かな事実だ。
無事に綱渡りを終えたお調子者の磯部がさらに炊き付ける。「会長が出られるのであれば僕も一緒にエントリーして前を牽き続けますよ! 僕が責任を持って会長をゴール前200mまでお届けします!」
もう無茶苦茶な話に膨れ上がっている。そもそも会長と磯部の年齢を考えれば同じクラスにエントリーできない事くらい判りそうなものなのだが、当のオヤジはすっかり気持ち良くなってしまった様子である。
「おぉ~!そうかぁ~!君たち何でも好きなもの注文しちゃってイイぞ!」
全く判りやすい性格である。もっとも、その言葉を聞くまでも無く勝手に好きなものを好きなだけ注文しちゃってますけどね。どうやらメタボ会長という男は、煽てられれば真っ先に木に登るタイプに間違いない。私たちは会長と対峙する際の強力なアイテムを手に入れたのかもしれない。
沖縄ならではの食を楽しみ、長閑な空気を味わえるのも大きな魅力であり、この魅力を読者の皆さんにお届けすることも私たち編集部の大切な使命と言えるはずだ。つまり、この食事に要した2時間を残業として出勤日報に記載しても、勤務査定で認められる可能性は案外ゼロではないかも・・・。
こんな大胆な妄想と共に、業務に名を借りた沖縄の楽しい夜が深けて行くのであった。
次回は、ツール・ド・おきなわ市民50kmコースの攻略法をお届けします。
唐突ですが「あなたの自転車見せて下さい。番外編」です。
メタボ会長さん(アテックスホールディングス所属、東京都) トレック・DOMANE6
サンデーライダーのメタボ会長さんが”乗り心地最優先”で選んだ愛車がトレック・DOMANE6。1月20日の美ら島おきなわセンチュリーランで初お披露目となったイエロードマーネだが、奇しくも前日の1月19日にランス・アームストロング氏自身による”ドーピング告白”が全世界に発信されるというスキャンダルが捲き起こった。このタイミングでTREKのイエローバイクを誇らしげに掲げる姿に、メタボ会長さんの生き様を感じる。自身の体力不足は全て機材でカバーするという強い信念の下に作られた車体には、数々の不思議な工夫が施される。
まず目に付くのがロードバイクには似合わないインラインブレーキ。アルテグラDi2のサテライトスイッチと共に、集団内を休憩モードで走る際には欠かせないアイテムだそうだ。大嫌いな登坂には最軽34-28Tのギア比で対抗する。自転車暦3年で落車経験はなし。年間3000km程を走破する。
シートはフィジークのアリアンテVersusをチョイス。ハンドルとステムはアルミ製のデダに換装される。カーボンステムだと”スプリントごっこ”の時にクランプ部が壊れちゃうそうだ。財力にモノを言わせたこの車体だが、余裕のある大人のライダーには案外参考になるかもしれない。
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メタボ会長
身長 : 172cm 体重 : 82kg 自転車歴 : 3年
当サイト運営法人の代表取締役。平成元年に現法人を設立し平成17年に社長を引退。平成20年よりメディア事業部にて当サイトの運営責任者兼務となったことをキッカケに自転車に乗り始める。ゴルフと暴飲暴食をこよなく愛し、タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。
身長 : 172cm 体重 : 82kg 自転車歴 : 3年
当サイト運営法人の代表取締役。平成元年に現法人を設立し平成17年に社長を引退。平成20年よりメディア事業部にて当サイトの運営責任者兼務となったことをキッカケに自転車に乗り始める。ゴルフと暴飲暴食をこよなく愛し、タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。
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