2009/06/19(金) - 11:25
ツール・ド・スイス(UCIプロツアー)第6ステージは再びチームコロンビアの力が際立った。並みいるスプリンターたちを抑え、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が弾丸スプリントで勝利。チームコロンビアは6ステージ中4勝。カヴェンディッシュはシーズン15勝目を手にした。
第6ステージは終盤に3級山岳を含む周回コースが登場するが、全体的に見れば平坦。スプリンターたちにとってはスイスで勝利を狙う最後のチャンスだ。
スタート直後から始まる2級山岳ではアタックが繰り返されたが決まらず、50km地点でレト・ホレンシュタイン(スイス、フォアアールベルク・コラテック)が飛び出すとようやく集団は沈静化。2日連続フォアアールベルク・コラテックの選手の単独逃げが決まった。
最大8分までリードを広げたホレンシュタインを、スプリンターチームが追い上げる典型的なスプリントステージの展開。メイン集団はサーヴェロやラボバンク、チームコロンビアが牽引し、ラスト15kmで先頭ホレンシュタインを捉えた。
カウンターアタックで飛び出す選手はおらず、周回コースに設定された3級山岳でも誰も動かない。唯一集団内で動きを見せたのはサクソバンクで、総合3位につけるファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)が集団から飛び出し、2つのスプリントポイントで合計5秒のボーナスタイムを獲得した。
これによりカンチェラーラは総合首位タディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)との総合タイム差を14秒から9秒まで縮めて総合2位に浮上。前日にアンディ・シュレク(ルクセンブルク)が脱落したサクソバンクは、最終個人タイムトライアルで逆転の可能性を秘めたカンチェラーラでの総合狙いに戦略を切り替えた。
ラスト10kmを切ってからはスプリンターチームのアシストたちによる肉弾戦。集団先頭にチームが入り乱れる激しいポジション争いの末に、チームコロンビアが主導権を握り、最終発射台のジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)が先頭で最終ストレートに姿を現した。
ヒンカピーの付き位置を確保したトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)がラスト150mで仕掛けたが、その後ろからカヴェンディッシュが勢い良く追い上げた。失速するフースホフトを悠々と追い抜いたカヴェンディッシュは、後続のオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)らに隙を与えずにゴール。2勝目を示すVサインを突き出してのゴールだった。
ステージ2勝目を飾るとともにポイント賞トップに立ったカヴは語る。「まだステージ優勝していないチームが多いから、徐々にスプリントの難易度が上がっている。でもチームコロンビアは今日も最強のスプリンターチームだった」。チームコロンビアはこのツール・ド・スイスで6戦4勝。今シーズン通算40勝目だ。
「レース序盤の2級山岳と、一日中吹き続けた向かい風の影響でタフな一日だった。でもそんな労力もこの勝利で打ち消しだ。ツール・ド・フランスの準備戦として最適だと思ったから、このツール・ド・スイスに出場している。上りでのトレーニングを積みたかったんだ。ここまではバッチリ」。そう語るカヴは今シーズンすでに15勝目。
まだ確定していないツールのメンバーについては「現在チームにはツールを走れる選手が15名ほどいる。僕のスプリント勝負のために尽くしてくれる選手と、総合狙いのキム・キルシェンをアシストする選手の二手に分かれる。そのバランスが重要だと思う」と語っている。間違いなくツールでもスプリントの主役になる。昨年のステージ4勝を超える活躍も期待できそうだ。
選手コメントは各チームウェブサイトより。
ツール・ド・スイス2009第6ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)4h18'26"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
3位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)
4位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)
6位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)
7位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
8位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、ミルラム)
9位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
10位 ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)
個人総合成績
1位 タディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)23h10'27"
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)+9"
3位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)+14"
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+42"
5位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+45"
6位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)+54"
7位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)+55"
8位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)+56"
9位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)+1'01"
10位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)+1'02"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)
山岳賞
トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)
中間スプリント賞
エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ランプレ)
チーム総合成績
サクソバンク
第6ステージは終盤に3級山岳を含む周回コースが登場するが、全体的に見れば平坦。スプリンターたちにとってはスイスで勝利を狙う最後のチャンスだ。
スタート直後から始まる2級山岳ではアタックが繰り返されたが決まらず、50km地点でレト・ホレンシュタイン(スイス、フォアアールベルク・コラテック)が飛び出すとようやく集団は沈静化。2日連続フォアアールベルク・コラテックの選手の単独逃げが決まった。
最大8分までリードを広げたホレンシュタインを、スプリンターチームが追い上げる典型的なスプリントステージの展開。メイン集団はサーヴェロやラボバンク、チームコロンビアが牽引し、ラスト15kmで先頭ホレンシュタインを捉えた。
カウンターアタックで飛び出す選手はおらず、周回コースに設定された3級山岳でも誰も動かない。唯一集団内で動きを見せたのはサクソバンクで、総合3位につけるファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)が集団から飛び出し、2つのスプリントポイントで合計5秒のボーナスタイムを獲得した。
これによりカンチェラーラは総合首位タディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)との総合タイム差を14秒から9秒まで縮めて総合2位に浮上。前日にアンディ・シュレク(ルクセンブルク)が脱落したサクソバンクは、最終個人タイムトライアルで逆転の可能性を秘めたカンチェラーラでの総合狙いに戦略を切り替えた。
ラスト10kmを切ってからはスプリンターチームのアシストたちによる肉弾戦。集団先頭にチームが入り乱れる激しいポジション争いの末に、チームコロンビアが主導権を握り、最終発射台のジョージ・ヒンカピー(アメリカ、チームコロンビア)が先頭で最終ストレートに姿を現した。
ヒンカピーの付き位置を確保したトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)がラスト150mで仕掛けたが、その後ろからカヴェンディッシュが勢い良く追い上げた。失速するフースホフトを悠々と追い抜いたカヴェンディッシュは、後続のオスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)らに隙を与えずにゴール。2勝目を示すVサインを突き出してのゴールだった。
ステージ2勝目を飾るとともにポイント賞トップに立ったカヴは語る。「まだステージ優勝していないチームが多いから、徐々にスプリントの難易度が上がっている。でもチームコロンビアは今日も最強のスプリンターチームだった」。チームコロンビアはこのツール・ド・スイスで6戦4勝。今シーズン通算40勝目だ。
「レース序盤の2級山岳と、一日中吹き続けた向かい風の影響でタフな一日だった。でもそんな労力もこの勝利で打ち消しだ。ツール・ド・フランスの準備戦として最適だと思ったから、このツール・ド・スイスに出場している。上りでのトレーニングを積みたかったんだ。ここまではバッチリ」。そう語るカヴは今シーズンすでに15勝目。
まだ確定していないツールのメンバーについては「現在チームにはツールを走れる選手が15名ほどいる。僕のスプリント勝負のために尽くしてくれる選手と、総合狙いのキム・キルシェンをアシストする選手の二手に分かれる。そのバランスが重要だと思う」と語っている。間違いなくツールでもスプリントの主役になる。昨年のステージ4勝を超える活躍も期待できそうだ。
選手コメントは各チームウェブサイトより。
ツール・ド・スイス2009第6ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)4h18'26"
2位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
3位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)
4位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)
5位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)
6位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソバンク)
7位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
8位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、ミルラム)
9位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
10位 ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)
個人総合成績
1位 タディ・ヴァリャベッチ(スロベニア、アージェードゥーゼル)23h10'27"
2位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)+9"
3位 オリバー・ザウグ(スイス、リクイガス)+14"
4位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+42"
5位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)+45"
6位 トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)+54"
7位 マキシム・モンフォール(ベルギー、チームコロンビア)+55"
8位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、サクソバンク)+56"
9位 ウラディミール・カルペツ(ロシア、カチューシャ)+1'01"
10位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)+1'02"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)
山岳賞
トニ・マルティン(ドイツ、チームコロンビア)
中間スプリント賞
エンリーコ・ガスパロット(イタリア、ランプレ)
チーム総合成績
サクソバンク
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