佐野淳哉(現チームNIPPO)がイタリアのプロコンチネンタルチーム、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリアと契約した。佐野は2013年、スポンサー変更に伴いヴィーニファンティーニと名前を変える予定のこのチームで走る。

佐野淳哉(チームNIPPO)佐野淳哉(チームNIPPO) (c)Makoto.AYANO10月11日、チームファルネーゼヴィーニ・セッレイタリアは佐野淳哉との契約を伝えた。同チームは蛍光イエローのウェアでおなじみ、イタリアのプロコンチネンタルチームだ。2011年に宮澤崇史(現サクソバンク・ティンコフバンク)が所属したチームでもある。

佐野は9月上旬にチームからのオファーを受けており、このたび契約に至った。チームはスプリンターのためのアシスト役を欲しており、イタリアのレースを走る佐野の走りの力強さに注目したようだ。ルーカ・シント監督は来シーズン前半から佐野をツール・ド・ランカウィ等のレースに投入する考えのようだ。
「佐野は強靭な身体をもっている。彼は北のレースで力となる。国際的なレースで力を試してくれるだろう。アジアのレースでは重要な支援になるだろう」(リリースよりシント監督のコメント)。

現在の所属チームであるチームNIPPOの大門宏監督は地脚のある佐野の走りを高く評価する。

「シント監督からは ”スプリンターのための途中のアシスト役として佐野に関心がある” と言われました。アンドローニ・ジョカトーリのジャンニ・サヴィオGMからも同様の話を受けていましたが、サヴィオ氏の病気による入院もあり話は進展しませんでした。イタリアでもレース全体の流れを左右する力のある走りを見せた佐野の走りは評価されていますね。チームNIPPOとしても、ランプレに移籍する事が決まっているリケーゼに続いて格上のチームから佐野が認められたことは嬉しく思います」(大門監督談)。

現在ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリアとして走るこのチームは、イタリアのワインメーカーであるファルネーゼヴィーニ社が買収する新ブランドの名前を2013年は冠することになりそうだという。「ヴィーニファンティーニbyファルネーゼ」というチーム名が予定されているが、セカンドスポンサーの調整中のため正式なチーム名のアナウンスはもう少し先になりそうだ。

チームは来季に向け、アスタナに移籍するスプリンターのアンドレア・グアルディーニの代わりにオメガファーマ・クイックステップからフランチェスコ・キッキを獲得。カデル・エヴァンスの2011年ツール・ド・フランス総合優勝を支えたマウロ・サンタンブロジオらを獲得するなど、続々と補強を続けている。

佐野は12月にイタリアへ渡り、チームと合流する予定だ。

佐野淳哉のコメント

ルーカ・シント監督率いるファルネーゼヴィーニ・セッレイタリアルーカ・シント監督率いるファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア (c)CorVosツール・ド・北海道の前に話を頂いて、このたび契約を済ませることができました。今年度の後半、ファルネーゼチームとはトロフェオ・マッテオッティやカルナーゴなどの欧州でのレースで一緒に走る機会があり、そこでの自分の走りを見ていただいてのオファーだと伺っています。
ファルネーゼは強いスプリンターのいるチームですので、ゴールスプリントへ向けての牽引のアシスト役としての働きを期待していただいているようです。

ファルネーゼは欧州のレースのなかでもチームワーク良くうまくまとまって走っている印象がありました。エースがいて、それを支えるアシストたちの連携がうまくいっているように感じています。ですので、自分も早くその一員になれること、チームの一員として仕事ができるようになりたいと思います。イタリア、そして本場ヨーロッパで、与えられた仕事を着実にこなす1選手として認められるようになりたいですね。

これまでヨーロッパで走る機会を与えて下さったチームNIPPOと、快く送り出してもらえる大門宏監督に感謝しています。

※本人および大門監督のコメントは電話取材によるもの。


text:Makoto.AYANO