10月24日にフランス・パリで行なわれたツール・ド・フランス第100回記念大会のコースプレゼンテーション。出席したコンタドールやウィギンズら、有力選手たちのコメントをお伝えします。

アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
「登場する頂上ゴールはどれも有名で、走ったことがある峠ばかり。アクス・トロワ・ドメーヌは過去にアンディ・シュレクと闘った場所であり、よく覚えている。頂上に強い風が吹き付けるモンヴァントゥーでは多くの選手が脱落するだろう。そして、ラルプ・デュエズではタイム差がつくと予想している。とにかく、山岳で大きなリードを奪うためには、圧倒的な支配力が必要だ。1週目で落車して家に帰る選手も出るだろうし、集団分裂でタイムを失うことも考えられる。まだ誰が出場するのか確定していないけど、フルームがライバルになると予想する。今年はチームの戦略として彼は力を出し切っていない。ウィギンズも強敵だけど、タイムトライアルの距離の短さは彼に味方しない。ツールの勝ち方を知っているカデル・エヴァンスや、素晴らしい才能の持ち主であるアンディ・シュレクも挙げられる。完璧にコンディションを合わせることが出来れば、アンディは優勝争いに絡んでくるだろう」

コースプレゼンテーションに出席した選手たちコースプレゼンテーションに出席した選手たち photo:Cor Vosステージでプレゼンテーションを進行するクリスティアン・プリュドム氏ステージでプレゼンテーションを進行するクリスティアン・プリュドム氏 photo:Cor Vos

ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
「コースの映像を見るだけでは図りかねるけど、タフなレースだという印象。イージーなツールなんて有り得ない。いつも選手に対して挑戦的だ。今年は1週目に落車が多発した。その点は来年もきっと同じだろう。集団の前方で走って、トラブルに巻き込まれないことがとても大きな意味を持つ。4日目にチームタイムトライアルがあるけど、距離が短いので、1週目に大きなタイム差はつかないだろう。2つの短いタイムトライアルとラルプ・デュエズ、モンヴァントゥーでレースは決まる。いずれにしても、何週間もバイクに乗っておらず、体重が増えているこの時期にコースを見ると、とても厳しいコースのように感じるよ(笑)」

クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
「思っていたよりもハードじゃない。100回記念大会なので、きっと山岳ステージばかりの厳しいコースを用意するのだと思っていた。もちろんモンヴァントゥーやラルプ・デュエズが登場するし、チャレンジングな山岳ステージがあることに変わりはない。個人的には好きなコース。約30kmの2つの個人タイムトライアルと4つの頂上ゴールで総合成績は決まる。最後の最後まで総合が動くようなエキサイティングなレースになる」

※レキップ紙はウィギンズがジロ・デ・イタリア、フルームがツール・ド・フランスに出場する可能性を示している。

挨拶するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)挨拶するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) photo:Cor Vosアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)にカメラが向くアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)にカメラが向く photo:Cor Vos

アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)
「厳しいコースだということは間違いない。コルシカ島のコースは、クリテリウム・アンテルナシオナルで走ったことがあるからよく知っている。ピレネーの難易度はそこまで高くないけど、ツールでは毎ステージが重要なので気が抜けない。そしてモンヴァントゥーにゴールする242kmのステージが、ツールの優勝者を決める鍵になる。その日は暑さが大きなファクターになるだろう。全体的に見て、僕にとっては文句の無いコースレイアウト。早く2012年シーズンを忘れてしまいたい。まだ怪我は完全に治っていないけど、すっかりバイクに乗れるまで回復した。これからはツールに向けて準備を進めて行く。コンディションを作るために、来シーズンはツール前に多くのレースに出場することになると思う」

カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
「最終週に入っても、誰がパリで勝者に輝くのか分からないだろう。個人タイムトライアルが短くて、ロードステージが長い。2012年大会よりも僕向きだと感じている。初日から最終日まで、バリエーションに富んだバランスの良いコース。最終週はとてもタフだ」

ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
「プレゼンテーションに出席して、改めてツールの巨大さを身に染みている。今こうして課題を渡されたので、これから帰って宿題をして、テストに備えないといけない。一日でラルプ・デュエズを2回登るのは簡単なことじゃない。もう少しタイムトライアルの距離が長ければいいけど、全体的には良いコースだと思う」

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)
「100回記念大会の開催にあたって、主催者は伝統を表現するために全ての要素を詰め込んだ。とても美しいレースになると思う。数々の重要な山岳ステージは、僕や他のスプリンターたちにとって試練の場になる。でも初日と最終日はスプリンター向きのステージ。初日に勝ってマイヨジョーヌを獲得するという経験は今までないので、ぜひチャレンジしたいと思う。最終日のパリは少し周回コースに変更が加えられて、凱旋門を回ることになった。スペクタクルなフィニッシュになると思う。今から楽しみで仕方がない」

コースプレゼンテーションを終えたクリスティアン・プリュドム氏コースプレゼンテーションを終えたクリスティアン・プリュドム氏 photo:Cor Vosステージに上がる有力選手たちステージに上がる有力選手たち photo:Cor Vos

選手コメントは各チーム公式サイトならびにコンタドール個人サイトより。



text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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