2012/07/02(月) - 09:38
ラスト4km、中村誠の力強いアタックがチーム4連勝を決めた。1-2-3位独占の宇都宮ブリッツェンは東西ロードを制し個人&チームランキングトップを独走する。
先週の東日本に続いてレーティングの高い西日本ロード。7月1日(日)に広島県中央森林公園の周回コースで行われた。今年で54回目を数える伝統の大会会場は、全日本選手権を数多く開催している名コース。昨年に舗装改修されて路面がズムーズになり、特に雨天時のパンクが激減した。
オリンピック選手の萩原麻由子(サイクルベースあさひレーシング)が優勝
この日は朝から雨。7時33分スタートの女子には、ロンドン・オリンピックロードレースに出場する萩原麻由子(サイクルベースあさひレーシング)が出走。霧が立ち込め時折雨が強く降る中、上り区間を経て崎本智子(JBCF J-FEMININ)と2人に。崎本はトライアスロンで惜しくもオリンピック行きを逃した選手。萩原のアタックに即応できないものの粘りの走りで追いつき、そして先頭を走る。最終周回の上りで萩原がアタック、崎本を離してそのままゴールへ。
レース後、オリンピック選手となった萩原のため実業団がセレモニーを開催し、記念品等を贈呈した。
天候が回復したP1クラス
P1クラスの出走は88名。朝は大粒の雨が降っていたが急速に回復、レースが始まる頃には路面はウェットだが曇りで蒸し暑くなる。
ブリッツェン、マトリックス、キャノンデール、チーム右京はほぼフルメンバー。ブリヂストン・アンカーは井上和郎のみ。そして福島晋一(ボンシャンス飯田JPT)が参戦。レースは12.3kmを12周する147.6km。スタート後からアタックがかかり安定しない。2周目まではマトリックスパワータグの若手、安原大貴と池部壮太が積極的。
大きな動きは3周目に。13人が先行し、さらにそこから狩野智也(チーム右京)が上りでアタック、これに廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)と永良大誠(マトリックスパワータグ)が反応し3人に。さらに猛追した福島が合流、4人の逃げができる。これ以降、この先頭集団とメイン集団との構図はゴールまで続くことに。
メイン集団は沈静化して2分にまで差が広がる。逃げに送り込んでいないキャノンデール・スペースゼロポイント、チームマッサ・アンデックスらクラブチーム、そして井上らが先頭を引くが協調が取りにくい。
6周目には8人の追撃ができるがメイン集団に吸収される。次の大きな動きは7周目、中村誠(宇都宮ブリッツェン)、普久原奨(宇都宮ブリッツェン)、向川尚樹(マトリックスパワータグ)、栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)の4人が追撃グループを作る。
メイン集団内ではリーダージャージの増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、鈴木真理(キャノンデール・スペースゼロポイント)そして井上ら強豪選手が動きを見せるもののマークが厳しく、抜け出すことができない。
9周目に入ってすぐに先頭4人に追走4人が追いつき、先頭グループは8人に。ブリッツェンが3名揃え有利に進める。メイン集団も活性化し差を詰めるものの協調が取れず再び差が開く。
先頭ではラスト2周の上りで狩野がアタック、これに中村と廣瀬が反応し先頭は3人に。そして最終周回の上り、狩野が再びアタックすると中村が反応、狩野をかわして一気に先頭に立ちそのままペースを落とさずゴールを目指す。ホームストレートに単独で現れた中村、自身2年ぶりの優勝をチーム4連勝で飾った。
先手を打った常に磐石の態勢のブリッツェン、リーダーの増田だけでない層の厚さを見せた。そしてこの日、ポイントとなったのは狩野の動きだった。大きな動きの3回ともきっかけは狩野の上り区間でのアタックだ。1週間前の東日本でも好調さを見せた狩野、調子を上向きにして再来週の石川ロードに臨む。
結果
P1クラス 147.6km
1位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)3時間52分32秒
2位 廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)+34秒
3位 普久原奨(宇都宮ブリッツェン)
4位 狩野智也(TeamUKYO)+37秒
5位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)+48秒
6位 福島晋一(ボンシャンス飯田JPT)+2分20秒
7位 安原大貴(マトリックスパワータグ)+2分22秒
8位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+2分23秒
9位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)
10位 永良大誠(マトリックスパワータグ)+2分59秒
Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 安原大貴(マトリックスパワータグ)
女子 36.9km
1位 萩原麻由子(サイクルベースあさひレーシング)1時間03分11秒
2位 崎本智子(JBCF J-FEMININ)+27秒
3位 豊岡英子(パナソニックレディース)+2分59秒
E1クラス 61.5km
1位 山崎航(Team EURASIA)1時間34分58秒
2位 奥村隆平(マルコADONパンターニ)+01秒
3位 今井雄輝(EURO-EORKS Racing)
4位 西脇圭亮(Team Axion-axion2011.com)
5位 雨澤毅明(ブラウ・ブリッツェン)+02秒
6位 矢部周作(クラブシルベスト)
E2クラス 49.2km
1位 濱由嵩(MUUR zero Velofuture)1時間18分39秒
2位 津末浩平(EsperanceStage我逢人)+09秒
3位 古崎潤(チームスクアドラ)+37秒
4位 井戸川真一(VC Fukuoka)
5位 吉岡由行(MAX SPEED97 GOKISO)
6位 杉野和宏(チーム岡山)
E3クラス 36.9km
1位 吉田裕仁(VC Fukuoka)58分16秒
2位 木下雅貴(masahikomifune.com CyclingTeam)
3位 山下裕大(バルバクラブ)
4位 高谷彰吾(FREESPEED)
5位 黒澤虎南(VC Fukuoka)
6位 蓑原大介(VC Fukuoka)
photo&text:高木秀彰
先週の東日本に続いてレーティングの高い西日本ロード。7月1日(日)に広島県中央森林公園の周回コースで行われた。今年で54回目を数える伝統の大会会場は、全日本選手権を数多く開催している名コース。昨年に舗装改修されて路面がズムーズになり、特に雨天時のパンクが激減した。
オリンピック選手の萩原麻由子(サイクルベースあさひレーシング)が優勝
この日は朝から雨。7時33分スタートの女子には、ロンドン・オリンピックロードレースに出場する萩原麻由子(サイクルベースあさひレーシング)が出走。霧が立ち込め時折雨が強く降る中、上り区間を経て崎本智子(JBCF J-FEMININ)と2人に。崎本はトライアスロンで惜しくもオリンピック行きを逃した選手。萩原のアタックに即応できないものの粘りの走りで追いつき、そして先頭を走る。最終周回の上りで萩原がアタック、崎本を離してそのままゴールへ。
レース後、オリンピック選手となった萩原のため実業団がセレモニーを開催し、記念品等を贈呈した。
天候が回復したP1クラス
P1クラスの出走は88名。朝は大粒の雨が降っていたが急速に回復、レースが始まる頃には路面はウェットだが曇りで蒸し暑くなる。
ブリッツェン、マトリックス、キャノンデール、チーム右京はほぼフルメンバー。ブリヂストン・アンカーは井上和郎のみ。そして福島晋一(ボンシャンス飯田JPT)が参戦。レースは12.3kmを12周する147.6km。スタート後からアタックがかかり安定しない。2周目まではマトリックスパワータグの若手、安原大貴と池部壮太が積極的。
大きな動きは3周目に。13人が先行し、さらにそこから狩野智也(チーム右京)が上りでアタック、これに廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)と永良大誠(マトリックスパワータグ)が反応し3人に。さらに猛追した福島が合流、4人の逃げができる。これ以降、この先頭集団とメイン集団との構図はゴールまで続くことに。
メイン集団は沈静化して2分にまで差が広がる。逃げに送り込んでいないキャノンデール・スペースゼロポイント、チームマッサ・アンデックスらクラブチーム、そして井上らが先頭を引くが協調が取りにくい。
6周目には8人の追撃ができるがメイン集団に吸収される。次の大きな動きは7周目、中村誠(宇都宮ブリッツェン)、普久原奨(宇都宮ブリッツェン)、向川尚樹(マトリックスパワータグ)、栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)の4人が追撃グループを作る。
メイン集団内ではリーダージャージの増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、鈴木真理(キャノンデール・スペースゼロポイント)そして井上ら強豪選手が動きを見せるもののマークが厳しく、抜け出すことができない。
9周目に入ってすぐに先頭4人に追走4人が追いつき、先頭グループは8人に。ブリッツェンが3名揃え有利に進める。メイン集団も活性化し差を詰めるものの協調が取れず再び差が開く。
先頭ではラスト2周の上りで狩野がアタック、これに中村と廣瀬が反応し先頭は3人に。そして最終周回の上り、狩野が再びアタックすると中村が反応、狩野をかわして一気に先頭に立ちそのままペースを落とさずゴールを目指す。ホームストレートに単独で現れた中村、自身2年ぶりの優勝をチーム4連勝で飾った。
先手を打った常に磐石の態勢のブリッツェン、リーダーの増田だけでない層の厚さを見せた。そしてこの日、ポイントとなったのは狩野の動きだった。大きな動きの3回ともきっかけは狩野の上り区間でのアタックだ。1週間前の東日本でも好調さを見せた狩野、調子を上向きにして再来週の石川ロードに臨む。
結果
P1クラス 147.6km
1位 中村誠(宇都宮ブリッツェン)3時間52分32秒
2位 廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)+34秒
3位 普久原奨(宇都宮ブリッツェン)
4位 狩野智也(TeamUKYO)+37秒
5位 向川尚樹(マトリックスパワータグ)+48秒
6位 福島晋一(ボンシャンス飯田JPT)+2分20秒
7位 安原大貴(マトリックスパワータグ)+2分22秒
8位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+2分23秒
9位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)
10位 永良大誠(マトリックスパワータグ)+2分59秒
Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 安原大貴(マトリックスパワータグ)
女子 36.9km
1位 萩原麻由子(サイクルベースあさひレーシング)1時間03分11秒
2位 崎本智子(JBCF J-FEMININ)+27秒
3位 豊岡英子(パナソニックレディース)+2分59秒
E1クラス 61.5km
1位 山崎航(Team EURASIA)1時間34分58秒
2位 奥村隆平(マルコADONパンターニ)+01秒
3位 今井雄輝(EURO-EORKS Racing)
4位 西脇圭亮(Team Axion-axion2011.com)
5位 雨澤毅明(ブラウ・ブリッツェン)+02秒
6位 矢部周作(クラブシルベスト)
E2クラス 49.2km
1位 濱由嵩(MUUR zero Velofuture)1時間18分39秒
2位 津末浩平(EsperanceStage我逢人)+09秒
3位 古崎潤(チームスクアドラ)+37秒
4位 井戸川真一(VC Fukuoka)
5位 吉岡由行(MAX SPEED97 GOKISO)
6位 杉野和宏(チーム岡山)
E3クラス 36.9km
1位 吉田裕仁(VC Fukuoka)58分16秒
2位 木下雅貴(masahikomifune.com CyclingTeam)
3位 山下裕大(バルバクラブ)
4位 高谷彰吾(FREESPEED)
5位 黒澤虎南(VC Fukuoka)
6位 蓑原大介(VC Fukuoka)
photo&text:高木秀彰
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