2012/06/17(日) - 23:14
2012年の全日本選手権個人タイムトライアルは、男子エリートは西薗良太(ブリヂストンアンカー)が初優勝、女子エリートは萩原麻由子(サイクルベースあさひ)が5連覇を飾った。
雨が降りしきる悪天候下での全日本選手権
秋田県男鹿半島の付け根に位置する大潟村、八郎潟の干拓地を横切るソーラー・スポーツラインが今年も全日本選手権個人タイムトライアルの会場となった。高低差のほとんどない平地となっており、1本道をUターンするコース設定で、女子は1周の21km、男子エリートは2周する42kmで競われた。
朝から秋田県の上空には暗い雲がかかり、ときおり強い雨が吹きつけて、風も強い。「何もしないでも汗ばむほどだった」という去年とは対称的な悪天候下でのレースとなったが、朝9時から、U17、ジュニア、女子エリート、男子U23と次々とスタートが切られた。
U23 ヨーロッパで活動する椿大志が初優勝
強豪大学生選手がひしめく男子U23を制したのは、椿大志(ブリヂストンアンカーU23)。昨年は4位だったが、今年は2位に1分以上差をつける圧勝だった。
椿大志のコメント
「チームの他のメンバーはツール・ド・シンカラに出場しましたが、自分はこのタイトルを狙っていたので、日本に残りトレーニングに専念しました。今日はすごくいいコンディションとは言えず、スピードも伸ばしきれなかった。帰りは向かい風も強かったので、アベレージを落とさないように意識して走りました。勝てて良かったです。
来週、東日本ロードレースを走り、またフランスに戻ります。今年中にフランスのエリートナショナルカテゴリーのレース(アマチュアの最高峰)で勝ちたいと思っています」
女子エリート 萩原が貫禄の5連覇達成
最終走者のディフェンディングチャンピオン、萩原麻由子(サイクルベースあさひ)がトップタイムを叩き、2008年からの連勝記録を伸ばした。2位には與那嶺恵理(チームフォルツァ!)、3位には上野みなみ(鹿屋体育大学)という21歳のフレッシュな2選手が続いた。
萩原麻由子のコメント
「もっと力強く走りたかった。帰りにペースが落ちてしまったので。しかし今の力を知る良い機会になったと思う。ロンドン五輪に向けて、このままだと厳しいので、駆け出すスピードやトップスピード、持続力などをすべての力を強化したい。落ちてしまったコンディションは順調に上がってきている実感はあるので、このままトレーニングを重ねていきたい」
男子エリート 西薗初優勝、昨年3位からの躍進
昨年のチャンピオン、別府史之(オリカ・グリーンエッジ)不在の男子エリートカテゴリー。昨年2位の佐野淳哉(チームNIPPO)や3位の西薗良太(ブリヂストンアンカー)、優勝経験者である福島晋一(2010年/トレンガヌ)、盛一大(2009年/愛三工業レーシング)らに注目が集まった。
また今年からレース距離が30kmから42kmに延長され、コースを2周回することについて、福島は「カーブが増えて、少しだけテクニカルになったけど、基本的には変わらない。速い選手と遅い選手の差が広がるくらいでは?」と話す。雨が小康状態となったなかで、36名の選手が二部に分かれてスタートした。
プロ選手が振り分けられた二部で、次々と最速タイムが塗り替えられる。西谷泰治(愛三工業レーシング)、西薗良太、最終走者の佐野淳哉の3選手が1周回目の折り返しで好タイムをマークし2周回目に入った。そして2周回目でタイムを伸ばしたのは西薗良太だった。2位の佐野淳哉に19秒ほど差をつけて、嬉しい全日本チャンピオンの座に輝いた。
優勝バイクはフルカーボン製、アンカー・オリジナルTTバイク(非売品)。ポジションはサドル位置とステムを調整することで西薗自身が出したと言う。
西薗良太のコメント
「この大潟村のコースはかなり特殊なコースなので対策が練りやすいこと、また自分の身体的にもタイムトライアルは合っているので、全日本選手権に狙いを定めて準備をしてきました。具体的には空力を測定できる機器とパワーメーターを使って、空気抵抗が少なく、パワーを出せるポジションを徹底的に研究しました。こういう分析は得意なので、独自に進めました。
まずは結果が出たことにホッとしています。このあとまたヨーロッパに戻って転戦しますが、今季の目標はヨーロッパツアーで勝って、次のステップに進むきっかけにしたいと思います」
第16回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース結果
男子エリート 42km
1位 西薗良太(ブリヂストンアンカー)53'17"227
2位 佐野淳哉(チームNIPPO)+19"11
3位 西谷泰治(愛三工業レーシング)+22"14
4位 盛一大(愛三工業レーシング)+1'19"65
5位 窪木一茂(和歌山県教育委員会)+2'46"71
6位 嶌田義明(チームUKYO)+3'04"91
7位 鈴木謙(シマノレーシング)+3'07"60
8位 奈良基(プジョーサイクルスニッポン)+3'10"85
9位 阿部嵩之(シマノレーシング)+3'34"02
10位 福島晋一(トレンガヌ)+3'40"99
女子エリート 21km
1位 萩原麻由子(サイクルベースあさひ)30'05"800
2位 與那嶺恵理(チームフォルツァ!)+53"18
3位 上野みなみ(鹿屋体育大学)+1'19"39
4位 豊岡英子(パナソニックレディース)+2'14"60
5位 米田和美(レディゴージャパン)+2'33"48
6位 智野真央(東京都)+3'01"62
男子U23 30km
1位 椿大志(ブリヂストンアンカーU23)38'46"396
2位 郡司昌紀(中央大学)+1'05"98
3位 長瀬幸治(鹿屋体育大学)+1'09"34
4位 佐々木龍(早稲田大学)+1'14"39
5位 高宮正嗣(鹿屋体育大学)+1'22"47
6位 山本元喜(鹿屋体育大学)+1'32"33
男子ジュニア 21km
1位 西村大輝(昭和第一学園)28'44"039
2位 内野直也(湘南ベルマーレ)+00'46"64
3位 伊藤舜紀(ボンシャンス飯田)+00'49"94
男子U17
1位 橋詰丈(昭和第一学園)
女子ジュニア
1位 伊藤杏菜(レディゴージャパン)
女子U17
1位 中村千鶴(チームUKYO)
photo & text : Sonoko. Tanaka
雨が降りしきる悪天候下での全日本選手権
秋田県男鹿半島の付け根に位置する大潟村、八郎潟の干拓地を横切るソーラー・スポーツラインが今年も全日本選手権個人タイムトライアルの会場となった。高低差のほとんどない平地となっており、1本道をUターンするコース設定で、女子は1周の21km、男子エリートは2周する42kmで競われた。
朝から秋田県の上空には暗い雲がかかり、ときおり強い雨が吹きつけて、風も強い。「何もしないでも汗ばむほどだった」という去年とは対称的な悪天候下でのレースとなったが、朝9時から、U17、ジュニア、女子エリート、男子U23と次々とスタートが切られた。
U23 ヨーロッパで活動する椿大志が初優勝
強豪大学生選手がひしめく男子U23を制したのは、椿大志(ブリヂストンアンカーU23)。昨年は4位だったが、今年は2位に1分以上差をつける圧勝だった。
椿大志のコメント
「チームの他のメンバーはツール・ド・シンカラに出場しましたが、自分はこのタイトルを狙っていたので、日本に残りトレーニングに専念しました。今日はすごくいいコンディションとは言えず、スピードも伸ばしきれなかった。帰りは向かい風も強かったので、アベレージを落とさないように意識して走りました。勝てて良かったです。
来週、東日本ロードレースを走り、またフランスに戻ります。今年中にフランスのエリートナショナルカテゴリーのレース(アマチュアの最高峰)で勝ちたいと思っています」
女子エリート 萩原が貫禄の5連覇達成
最終走者のディフェンディングチャンピオン、萩原麻由子(サイクルベースあさひ)がトップタイムを叩き、2008年からの連勝記録を伸ばした。2位には與那嶺恵理(チームフォルツァ!)、3位には上野みなみ(鹿屋体育大学)という21歳のフレッシュな2選手が続いた。
萩原麻由子のコメント
「もっと力強く走りたかった。帰りにペースが落ちてしまったので。しかし今の力を知る良い機会になったと思う。ロンドン五輪に向けて、このままだと厳しいので、駆け出すスピードやトップスピード、持続力などをすべての力を強化したい。落ちてしまったコンディションは順調に上がってきている実感はあるので、このままトレーニングを重ねていきたい」
男子エリート 西薗初優勝、昨年3位からの躍進
昨年のチャンピオン、別府史之(オリカ・グリーンエッジ)不在の男子エリートカテゴリー。昨年2位の佐野淳哉(チームNIPPO)や3位の西薗良太(ブリヂストンアンカー)、優勝経験者である福島晋一(2010年/トレンガヌ)、盛一大(2009年/愛三工業レーシング)らに注目が集まった。
また今年からレース距離が30kmから42kmに延長され、コースを2周回することについて、福島は「カーブが増えて、少しだけテクニカルになったけど、基本的には変わらない。速い選手と遅い選手の差が広がるくらいでは?」と話す。雨が小康状態となったなかで、36名の選手が二部に分かれてスタートした。
プロ選手が振り分けられた二部で、次々と最速タイムが塗り替えられる。西谷泰治(愛三工業レーシング)、西薗良太、最終走者の佐野淳哉の3選手が1周回目の折り返しで好タイムをマークし2周回目に入った。そして2周回目でタイムを伸ばしたのは西薗良太だった。2位の佐野淳哉に19秒ほど差をつけて、嬉しい全日本チャンピオンの座に輝いた。
優勝バイクはフルカーボン製、アンカー・オリジナルTTバイク(非売品)。ポジションはサドル位置とステムを調整することで西薗自身が出したと言う。
西薗良太のコメント
「この大潟村のコースはかなり特殊なコースなので対策が練りやすいこと、また自分の身体的にもタイムトライアルは合っているので、全日本選手権に狙いを定めて準備をしてきました。具体的には空力を測定できる機器とパワーメーターを使って、空気抵抗が少なく、パワーを出せるポジションを徹底的に研究しました。こういう分析は得意なので、独自に進めました。
まずは結果が出たことにホッとしています。このあとまたヨーロッパに戻って転戦しますが、今季の目標はヨーロッパツアーで勝って、次のステップに進むきっかけにしたいと思います」
第16回全日本選手権個人タイムトライアル・ロードレース結果
男子エリート 42km
1位 西薗良太(ブリヂストンアンカー)53'17"227
2位 佐野淳哉(チームNIPPO)+19"11
3位 西谷泰治(愛三工業レーシング)+22"14
4位 盛一大(愛三工業レーシング)+1'19"65
5位 窪木一茂(和歌山県教育委員会)+2'46"71
6位 嶌田義明(チームUKYO)+3'04"91
7位 鈴木謙(シマノレーシング)+3'07"60
8位 奈良基(プジョーサイクルスニッポン)+3'10"85
9位 阿部嵩之(シマノレーシング)+3'34"02
10位 福島晋一(トレンガヌ)+3'40"99
女子エリート 21km
1位 萩原麻由子(サイクルベースあさひ)30'05"800
2位 與那嶺恵理(チームフォルツァ!)+53"18
3位 上野みなみ(鹿屋体育大学)+1'19"39
4位 豊岡英子(パナソニックレディース)+2'14"60
5位 米田和美(レディゴージャパン)+2'33"48
6位 智野真央(東京都)+3'01"62
男子U23 30km
1位 椿大志(ブリヂストンアンカーU23)38'46"396
2位 郡司昌紀(中央大学)+1'05"98
3位 長瀬幸治(鹿屋体育大学)+1'09"34
4位 佐々木龍(早稲田大学)+1'14"39
5位 高宮正嗣(鹿屋体育大学)+1'22"47
6位 山本元喜(鹿屋体育大学)+1'32"33
男子ジュニア 21km
1位 西村大輝(昭和第一学園)28'44"039
2位 内野直也(湘南ベルマーレ)+00'46"64
3位 伊藤舜紀(ボンシャンス飯田)+00'49"94
男子U17
1位 橋詰丈(昭和第一学園)
女子ジュニア
1位 伊藤杏菜(レディゴージャパン)
女子U17
1位 中村千鶴(チームUKYO)
photo & text : Sonoko. Tanaka
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