オランダのUCIプロコンチネンタルチーム、アルゴス・シマノが、ツール・ド・フランスの出場選手候補を発表。候補に挙げられた14名の中に、全日本チャンピオン土井雪広の名前は無かった。マルセル・キッテル(ドイツ)のスプリント勝利を狙うアルゴス・シマノは、平地に強い大柄な選手を揃えると見られる。

マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ) photo:A.S.O.今回発表されたのは14名の出場選手候補。チームはこの中から最終的に9名の出場選手を選び出す。エースを担うのは昨年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝を飾った24歳のマルセル・キッテル(ドイツ)で、そのスプリントを支えるメンバーを揃える。

同じくスプリンターのジョン・デゲンコルブ(ドイツ)は、ロンドン五輪に集中するためメンバーに入らず。デゲンコルブはブエルタ・ア・エスパーニャと世界選手権に出場予定だ。

アルゴス・シマノ出場選手候補
マルセル・キッテル(ドイツ)
サイモン・ゲスク(ドイツ)
ヨハネス・フレーリンガー(ドイツ)
パトリック・グレッチュ(ドイツ)
トム・フィーラース(オランダ)
クーン・デコルト(オランダ)
アルバート・ティマー(オランダ)
ロイ・カーヴァス(オランダ)
トム・スタムスニデル(オランダ)
アレクサンドル・ジェニエ(フランス)
ヤン・ウゲ(フランス)
ティエリー・ウポン(フランス)
マチュー・スプリック(フランス)
バート・デバッカー(ベルギー)

全日本チャンピオンジャージの土井雪広(アルゴス・シマノ)がメイン集団を牽引全日本チャンピオンジャージの土井雪広(アルゴス・シマノ)がメイン集団を牽引 photo:Cor Vosまた、注目の全日本チャンピオン土井は残念ながらメンバーから外れた。土井はツールの準備レースであるツアー・オブ・カリフォルニアとクリテリウム・ドゥ・ドーフィネを走り、アシストとしての責務をこなしながら両レースで逃げた。しかしメンバー選出には結びつかなかった。土井は自身のブログの中で以下のように綴っている。

「ツール出場にあたって、アルゴス・シマノはスプリンター重視のメンバー構成でいくというのが(不選出の)理由です。僕のような小柄な選手では、あのバンピーなフランスの道を、パワフルに長時間ハイスピードを保ち、スプリンターのためにリードアウトしたり、そういうお仕事は難しいという判断です。それは自分でもすでに納得していた部分です。残念ですが、僕は納得しています。開き直っているわけでもありません。僕の脚質から言って、このチームの戦略でツールは向いていないのは確か。100%納得の結果です」。

土井は休む間もなく6月14日から17日までフランスで開催されるルート・ドゥ・スッド(UCI2.1)に出場予定。その後、ツアー・オブ・ワロニー(UCI2.HC)やブエルタ・ア・ブルゴス(UCI2.HC)が続く。昨年日本人選手として初めて完走したブエルタ・ア・エスパーニャもスケジュールには入っている。

最後に土井は「お願いだからがっかりは無しで!まだ(新城)幸也に出場のチャンスが残っています。皆さんで一緒に全力で応援しましょう!」と綴っている。

text:Kei Tsuji