2012/06/11(月) - 10:38
第2ステージ4級山岳頂上ゴールに続く、第7ステージ3級山岳頂上ゴール制覇。熾烈な登りスプリントをダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)が力で制した。最後まで屈強なアシスト陣に支えられたブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)は余裕のガッツポーズで大会連覇を達成した。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの最終第7ステージは距離124.5km。この大会最短ステージには5つのカテゴリー山岳が詰め込まれ、最後にはカテゴリー3級の頂上ゴールが待っている。
ゴール22km手前で1級山岳コルビエを越えて山岳地帯に入り、ダラダラとした登りを経て山間の街シャテルにゴール。スイス国境にほど近い、平均勾配8.7%の3級山岳頂上で1週間の闘いが完結する。
無数のアタックと吸収が繰り返された末に、逃げを形成したのは8名の選手たち。ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、レディオシャック・ニッサン)やシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)らがステージ優勝目がけて逃げた。
しかし、逃げグループに総合15位・4分39秒差のジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)が入っていたため、メイン集団は必要以上のタイム差を与えない。レース序盤からチームスカイやBMCレーシングチームが徹底的に集団コントロールを行なった。
1級山岳コルビエで、逃げグループはピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)、リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、コッペルの3人に。
追うメイン集団からはサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)らが遅れていく。土井雪広(アルゴス・シマノ)もここでメイン集団から脱落した。
ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が得意のダウンヒルで飛び出す場面も見られたが、結局はメイン集団に引き戻される。カウンターアタックで飛び出したアレクサンドル・ジェニエ(フランス、アルゴス・シマノ)が単独で逃げグループに追いつくも、ゴールまで2kmを残して逃げは全て捉えられた。
BMCレーシングチームやカチューシャの集団牽引の前にアタッカーは沈黙し、35名ほどに人数を減らしたメイン集団が最後の3級山岳シャテルへ。コンスタントに10%ほどの勾配が続くこの短い登りで激しいポジション争いが繰り広げられ、ゴールまで100mを切ってからスプリントがスタートする。
第3ステージで優勝しているエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)は登りで集団に食らいついたが、勝負どころで一歩踏み込めず。ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)とのスペイン人対決を制したモレーノが片手を突き上げた。
カテゴリー4級の頂上ゴールが設定された第2ステージで勝利したモレーノが、登りスプリントで再び勝利。ジロ・デ・イタリア出場後の疲れを感じさせない走りで、デニス・メンショフ(ロシア)らの献身的な仕事ぶりに結果で応えた。
「プリート(ホアキン・ロドリゲス)がいない時は、僕が彼の代わりとなってステージ優勝を狙える。ドーフィネ最終日なので疲れを感じていたけど、チームメイトのおかげで最後まで力を残すことができた」。モレーノは昨年同様ジロとブエルタに出場予定。TTの距離が長いツールはパスする。
モレーノのゴールから10秒遅れて、すでに勝利を確信してペースを弱めたウィギンズがゴール。この日もチームスカイは最後までボアッソンハーゲン、ポルト、ロジャース、フルームをウィギンズの護衛として残した。
ウィギンズは「チームスカイは毎日レースの最前線で闘い、総合1位、総合2位、総合4位、そしてチーム総合優勝を果たした。これは大きな勝利だ」とコメントする。
ライバルたちと比べて、コンディションのピークが早過ぎると危惧する声も囁かれる中、ウィギンズは「ツールに向けた準備は今のところファンタスティック。これからは人ごみを避けて身体を休めたい」と話す。
「自分がツールの総合有力候補の一人だと感じているが、有力候補の筆頭ではない。みんなツールについてばかり語りたがるけど、パリ〜ニースとドーフィネで総合優勝することはスペシャル。ツールで何が起きても、自分は充分に満足している」。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012第7ステージ結果
1位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) 2h59'37"
2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
6位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
7位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)
10位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームスカイ) +07"
116位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +10'34"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 26h40'46"
2位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームスカイ) +1'17"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1'26"
4位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +1'45"
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +2'12"
6位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター) +2'58"
7位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ) +3'07"
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ラボバンク) +3'26"
9位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) +3'34"
10位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック・ニッサン) +3'50"
134位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +1h02'45"
ポイント賞
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
山岳賞
ホセ・サルミエント(コロンビア、リクイガス・キャノンデール)
新人賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ラボバンク)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの最終第7ステージは距離124.5km。この大会最短ステージには5つのカテゴリー山岳が詰め込まれ、最後にはカテゴリー3級の頂上ゴールが待っている。
ゴール22km手前で1級山岳コルビエを越えて山岳地帯に入り、ダラダラとした登りを経て山間の街シャテルにゴール。スイス国境にほど近い、平均勾配8.7%の3級山岳頂上で1週間の闘いが完結する。
無数のアタックと吸収が繰り返された末に、逃げを形成したのは8名の選手たち。ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、レディオシャック・ニッサン)やシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)らがステージ優勝目がけて逃げた。
しかし、逃げグループに総合15位・4分39秒差のジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)が入っていたため、メイン集団は必要以上のタイム差を与えない。レース序盤からチームスカイやBMCレーシングチームが徹底的に集団コントロールを行なった。
1級山岳コルビエで、逃げグループはピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)、リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、コッペルの3人に。
追うメイン集団からはサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)らが遅れていく。土井雪広(アルゴス・シマノ)もここでメイン集団から脱落した。
ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が得意のダウンヒルで飛び出す場面も見られたが、結局はメイン集団に引き戻される。カウンターアタックで飛び出したアレクサンドル・ジェニエ(フランス、アルゴス・シマノ)が単独で逃げグループに追いつくも、ゴールまで2kmを残して逃げは全て捉えられた。
BMCレーシングチームやカチューシャの集団牽引の前にアタッカーは沈黙し、35名ほどに人数を減らしたメイン集団が最後の3級山岳シャテルへ。コンスタントに10%ほどの勾配が続くこの短い登りで激しいポジション争いが繰り広げられ、ゴールまで100mを切ってからスプリントがスタートする。
第3ステージで優勝しているエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)は登りで集団に食らいついたが、勝負どころで一歩踏み込めず。ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)とのスペイン人対決を制したモレーノが片手を突き上げた。
カテゴリー4級の頂上ゴールが設定された第2ステージで勝利したモレーノが、登りスプリントで再び勝利。ジロ・デ・イタリア出場後の疲れを感じさせない走りで、デニス・メンショフ(ロシア)らの献身的な仕事ぶりに結果で応えた。
「プリート(ホアキン・ロドリゲス)がいない時は、僕が彼の代わりとなってステージ優勝を狙える。ドーフィネ最終日なので疲れを感じていたけど、チームメイトのおかげで最後まで力を残すことができた」。モレーノは昨年同様ジロとブエルタに出場予定。TTの距離が長いツールはパスする。
モレーノのゴールから10秒遅れて、すでに勝利を確信してペースを弱めたウィギンズがゴール。この日もチームスカイは最後までボアッソンハーゲン、ポルト、ロジャース、フルームをウィギンズの護衛として残した。
ウィギンズは「チームスカイは毎日レースの最前線で闘い、総合1位、総合2位、総合4位、そしてチーム総合優勝を果たした。これは大きな勝利だ」とコメントする。
ライバルたちと比べて、コンディションのピークが早過ぎると危惧する声も囁かれる中、ウィギンズは「ツールに向けた準備は今のところファンタスティック。これからは人ごみを避けて身体を休めたい」と話す。
「自分がツールの総合有力候補の一人だと感じているが、有力候補の筆頭ではない。みんなツールについてばかり語りたがるけど、パリ〜ニースとドーフィネで総合優勝することはスペシャル。ツールで何が起きても、自分は充分に満足している」。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012第7ステージ結果
1位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) 2h59'37"
2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)
5位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
6位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
7位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ)
10位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームスカイ) +07"
116位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +10'34"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 26h40'46"
2位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームスカイ) +1'17"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1'26"
4位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) +1'45"
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) +2'12"
6位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター) +2'58"
7位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ) +3'07"
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ラボバンク) +3'26"
9位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) +3'34"
10位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック・ニッサン) +3'50"
134位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +1h02'45"
ポイント賞
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
山岳賞
ホセ・サルミエント(コロンビア、リクイガス・キャノンデール)
新人賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ラボバンク)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
フォトギャラリー
Amazon.co.jp
クラシック電動氷かき器 DCS-1251
ドウシシャ(DOSHISHA)
【Amazon.co.jp限定】 ZEPEAL サーキュレーター ホワイト DKS-20W
ゼピール(Zepeal)