2012/06/07(木) - 08:52
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012年大会の中で、唯一スプリンターにチャンスがあると見られた第3ステージ。アルゴス・シマノのエーススプリンターがラスト2kmでの不運なパンクに見舞われる中、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)が圧倒的なスプリントで勝利した。
6月6日、ジヴォールからラ・クライェットまでの167kmで行なわれた第3ステージ。難易度の低いカテゴリー山岳が3つ設定されただけの、今大会唯一と言っていいスプリンター向きのステージだ。
勇んで0km地点で飛び出したのは、ルイスアンヘル・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)とエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)の2人。タイム差は6分まで広がりを見せる。
メイン集団では前日にマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を奪われたジョヴァンニ・ベルノドー(フランス、ユーロップカー)が活発に動き、2つのカテゴリー山岳を3番手通過する。ベルノドーは狙い通りマイヨアポワ奪回に成功した。
メイン集団をコントロールしたのは、マイヨジョーヌ擁するチームスカイではなく、ゴールスプリントに興味を示すチームたち。ジョン・デゲンコルブ(ドイツ)をエースに据えるアルゴス・シマノは、登坂力のある土井雪広とサイモン・ゲスク(ドイツ)の2人を集団牽引に送り込んだ。
FDJ・ビッグマットやランプレ・ISDの選手たちと交代しながら、メイン集団を牽引する全日本チャンピオン土井。緩やかに登りと下りを繰り返すコースで、ジワリジワリと逃げとのタイム差を詰めていく。
確実にスプリント勝負に持ち込むため、メイン集団はラスト15km地点で早くも逃げを吸収する。本格的にスピードが上がり始めると土井の役目は終了。代わって、各チームはスピードのある大柄な選手たちを揃えて集団の前に出る。
ラ・クライェットのゴールに向けて、テクニカルなコーナーを右に左に駆け抜けるプロトン。位置取り合戦が本格化する中、ラスト2kmでアルゴス・シマノのデゲンコルブがパンク。昨年大会でステージ2勝を飾った23歳のスプリンターは、悔しさを爆発させながら集団から遅れていった。
ベルギーチャンピオンジャージを着るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)が鮮烈なスパートを披露するも、オメガファーマ・クイックステップが牽引するメイン集団がこれを封じる。若干登り基調のホームストレートでスプリント対決が始まった。
自分のラインで早めに仕掛けたボアッソンハーゲンに、ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が応戦。伸びやかなスプリントで先行したボアッソンハーゲンが、余裕のガッツポーズでゴールした。
前日の第2ステージで、長時間メイン集団を牽引し、アタックを潰す役目を担ったボアッソンハーゲン。ウィギンズのサポート任務から解かれたこの日、しっかりと自分のチャンスをものにした。
「最後にドーフィネで勝ったのは2年前の2010年。雨が降るアップダウンコースで独走勝利だった。今日はまた全然違う方法で勝った。いつでも勝つのは良いことだ。今日は他のチームがずっと集団をコントロールしていたので、終盤までチームスカイの出番は無かった。安全回避のためにブラドレー(ウィギンズ)を前に連れて行き、自分もそこでポジションを上げた。昨日僕はずっと集団を牽引したので、他のチームはまさか今日僕がスプリントするとは思っていなかったかも知れない」。そう語るボアッソンハーゲンが、今シーズン5勝目をマーク。チームスカイはシーズン26勝目で、早くも昨年のシーズン32勝に届きそうな勢いだ。
連日ステージ上位でゴールしているトニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)がポイント賞トップに。総合成績に変動は無く、ウィギンズはマイヨジョーヌを着て53.5kmの個人タイムトライアルを走る。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012第3ステージ結果
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) 4h22'13"
2位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
5位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、ガーミン・バラクーダ)
6位 トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
7位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・ISD)
8位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
9位 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル)
10位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、チームサクソバンク)
163位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +3'12"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 13h07'55"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +01"
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +02"
4位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +02"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +04"
6位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク) +04"
7位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
8位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン) +06"
9位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +06"
10位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) +07"
144位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +12'35"
ポイント賞
トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
山岳賞
ジョヴァンニ・ベルノドー(フランス、ユーロップカー)
新人賞
トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
6月6日、ジヴォールからラ・クライェットまでの167kmで行なわれた第3ステージ。難易度の低いカテゴリー山岳が3つ設定されただけの、今大会唯一と言っていいスプリンター向きのステージだ。
勇んで0km地点で飛び出したのは、ルイスアンヘル・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)とエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)の2人。タイム差は6分まで広がりを見せる。
メイン集団では前日にマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を奪われたジョヴァンニ・ベルノドー(フランス、ユーロップカー)が活発に動き、2つのカテゴリー山岳を3番手通過する。ベルノドーは狙い通りマイヨアポワ奪回に成功した。
メイン集団をコントロールしたのは、マイヨジョーヌ擁するチームスカイではなく、ゴールスプリントに興味を示すチームたち。ジョン・デゲンコルブ(ドイツ)をエースに据えるアルゴス・シマノは、登坂力のある土井雪広とサイモン・ゲスク(ドイツ)の2人を集団牽引に送り込んだ。
FDJ・ビッグマットやランプレ・ISDの選手たちと交代しながら、メイン集団を牽引する全日本チャンピオン土井。緩やかに登りと下りを繰り返すコースで、ジワリジワリと逃げとのタイム差を詰めていく。
確実にスプリント勝負に持ち込むため、メイン集団はラスト15km地点で早くも逃げを吸収する。本格的にスピードが上がり始めると土井の役目は終了。代わって、各チームはスピードのある大柄な選手たちを揃えて集団の前に出る。
ラ・クライェットのゴールに向けて、テクニカルなコーナーを右に左に駆け抜けるプロトン。位置取り合戦が本格化する中、ラスト2kmでアルゴス・シマノのデゲンコルブがパンク。昨年大会でステージ2勝を飾った23歳のスプリンターは、悔しさを爆発させながら集団から遅れていった。
ベルギーチャンピオンジャージを着るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)が鮮烈なスパートを披露するも、オメガファーマ・クイックステップが牽引するメイン集団がこれを封じる。若干登り基調のホームストレートでスプリント対決が始まった。
自分のラインで早めに仕掛けたボアッソンハーゲンに、ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が応戦。伸びやかなスプリントで先行したボアッソンハーゲンが、余裕のガッツポーズでゴールした。
前日の第2ステージで、長時間メイン集団を牽引し、アタックを潰す役目を担ったボアッソンハーゲン。ウィギンズのサポート任務から解かれたこの日、しっかりと自分のチャンスをものにした。
「最後にドーフィネで勝ったのは2年前の2010年。雨が降るアップダウンコースで独走勝利だった。今日はまた全然違う方法で勝った。いつでも勝つのは良いことだ。今日は他のチームがずっと集団をコントロールしていたので、終盤までチームスカイの出番は無かった。安全回避のためにブラドレー(ウィギンズ)を前に連れて行き、自分もそこでポジションを上げた。昨日僕はずっと集団を牽引したので、他のチームはまさか今日僕がスプリントするとは思っていなかったかも知れない」。そう語るボアッソンハーゲンが、今シーズン5勝目をマーク。チームスカイはシーズン26勝目で、早くも昨年のシーズン32勝に届きそうな勢いだ。
連日ステージ上位でゴールしているトニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)がポイント賞トップに。総合成績に変動は無く、ウィギンズはマイヨジョーヌを着て53.5kmの個人タイムトライアルを走る。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012第3ステージ結果
1位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ) 4h22'13"
2位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
5位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、ガーミン・バラクーダ)
6位 トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
7位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・ISD)
8位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)
9位 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル)
10位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、チームサクソバンク)
163位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +3'12"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 13h07'55"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +01"
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +02"
4位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +02"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +04"
6位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク) +04"
7位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
8位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン) +06"
9位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +06"
10位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) +07"
144位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +12'35"
ポイント賞
トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
山岳賞
ジョヴァンニ・ベルノドー(フランス、ユーロップカー)
新人賞
トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
フォトギャラリー
Amazon.co.jp