2012/06/06(水) - 10:39
今年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネは、スプリンター向きのステージが実に少ない。第2ステージは4級山岳の頂上ゴール。ジロ・デ・イタリアで“プリート”の好アシストを務めたダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)が、抜群のスプリントで「キャリア最高の勝利」を手にした。
牧歌的な風景の中を行く photo:A.S.O.フランス南部のラマストルからサン・フェリシアンまでの160kmで行なわれたドーフィネ第2ステージ。3つの2級山岳を含む中級山岳コースで、4時間にわたって常にアップダウンを繰り返す印象。登坂距離2.5km・平均勾配4.4%の4級山岳の頂上がゴールだ。
レース序盤、マイヨジョーヌを着るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)やヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)がメイン集団から抜け出すという刺激的な幕開けを迎える。当然この動きは大集団に引き戻される。
逃げるダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)ら4名 photo:A.S.O.この日1つ目の2級山岳モンティヴェルヌで、ダヴィ・モンクティエ(フランス、コフィディス)が飛び出したのを切っ掛けに、4名の逃げが形成される。
しかし総合で僅か11秒遅れのビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)が逃げに入ったため、このカルテットのリードは上限3分45秒に抑え込まれた。
チームメイトに守られて走るマイヨジョーヌのブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:A.S.O.逃げグループの中では山岳賞争いが勃発。チームメイトのマイヨアポワ(山岳賞ジャージ)を守りたいクリストフ・ケルヌ(フランス、ユーロップカー)が積極的に山岳ポイントを潰す。しかし、ユーロップカー勢は、この日だけで36ポイントを稼ぎ出したカドリに山岳賞の座を奪われる結果に。
チームスカイの徹底的な集団コントロールによって逃げのリードは縮小の一途をたどり、単発的なカウンターアタックもことごとく封じ込められる。
登りスプリントを制したダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) photo:Cor Vosアントニー・ルー(フランス、FDJ・ビッグマット)やミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼル)の独走もラスト3kmまでに全て吸収。メイン集団はBMCレーシングチームに率いられる形で最後の4級山岳に突入した。
ハイテンポを刻む集団から、ラスト1kmを切ってトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)がアタック。この動きに反応したモレーノがそのまま踏んで行く。後方から勢い良くジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)が迫ったものの、モレーノのリードは揺るがず。モレーノが後方を確認しながらゴールラインを切った。
1分47秒遅れでゴールするアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)や土井雪広(アルゴス・シマノ) photo:Cor Vos今年のジロ・デ・イタリアで、“プリート”ことホアキン・ロドリゲス(スペイン)の山岳アシストを勤め上げ、自身も総合20位に入ったモレーノ。「昨年のブエルタ・ア・エスパーニャのステージ優勝とジロ・デル・ピエモンテと並んで、これがキャリア最高の勝利だ」と喜ぶ。
2009年ジャパンカップ2位の31歳は「ゴール前のレイアウト的に、今日は僕のステージだった。誰も僕を優勝候補に挙げていなかったかも知れないけど、自分では勝てると思っていたし、勝ちたかった」と話す。モレーノはこれが今シーズン3勝目。
マイヨジョーヌを守ったブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:A.S.O.マイヨジョーヌを着るウィギンズや、総合2位カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)は集団内でゴール。総合順位に変動は見られなかった。
アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)は最後の登りで集団から脱落し、1分47秒遅れでひっそりとゴールしている。レディオシャック・ニッサンの朗報は、トニー・ギャロパン(フランス)がマイヨブラン(新人賞ジャージ)を獲得したこと。
前日に逃げた土井雪広(アルゴス・シマノ)は、アンディと同タイムでゴール。「今日は終始集団中盤で展開し、ジョン(デゲンコルブ)のサポートにまわったけど、最後は彼から今日はスプリントできないと告げられ、体のことを考えて僕も追い込まず。ラストの登りはゆっくり上った」と話している。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012第2ステージ結果
1位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) 4h02'38"
2位 ジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)
3位 トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
4位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
8位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ)
9位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
10位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
98位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +1'47"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 8h45'42"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +01"
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +02"
4位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +02"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +04"
6位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク) +04"
7位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
8位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン) +06"
9位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +06"
10位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) +07"
140位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +9'23"
ポイント賞
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
山岳賞
ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)
新人賞
トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
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レース序盤、マイヨジョーヌを着るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)やヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)がメイン集団から抜け出すという刺激的な幕開けを迎える。当然この動きは大集団に引き戻される。
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しかし総合で僅か11秒遅れのビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)が逃げに入ったため、このカルテットのリードは上限3分45秒に抑え込まれた。
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チームスカイの徹底的な集団コントロールによって逃げのリードは縮小の一途をたどり、単発的なカウンターアタックもことごとく封じ込められる。
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ハイテンポを刻む集団から、ラスト1kmを切ってトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)がアタック。この動きに反応したモレーノがそのまま踏んで行く。後方から勢い良くジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)が迫ったものの、モレーノのリードは揺るがず。モレーノが後方を確認しながらゴールラインを切った。
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2009年ジャパンカップ2位の31歳は「ゴール前のレイアウト的に、今日は僕のステージだった。誰も僕を優勝候補に挙げていなかったかも知れないけど、自分では勝てると思っていたし、勝ちたかった」と話す。モレーノはこれが今シーズン3勝目。
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アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)は最後の登りで集団から脱落し、1分47秒遅れでひっそりとゴールしている。レディオシャック・ニッサンの朗報は、トニー・ギャロパン(フランス)がマイヨブラン(新人賞ジャージ)を獲得したこと。
前日に逃げた土井雪広(アルゴス・シマノ)は、アンディと同タイムでゴール。「今日は終始集団中盤で展開し、ジョン(デゲンコルブ)のサポートにまわったけど、最後は彼から今日はスプリントできないと告げられ、体のことを考えて僕も追い込まず。ラストの登りはゆっくり上った」と話している。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012第2ステージ結果
1位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) 4h02'38"
2位 ジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)
3位 トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
4位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
8位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ)
9位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
10位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)
98位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +1'47"
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 8h45'42"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +01"
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +02"
4位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +02"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +04"
6位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク) +04"
7位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
8位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン) +06"
9位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +06"
10位 リッチー・ポルト(オーストラリア、チームスカイ) +07"
140位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +9'23"
ポイント賞
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
山岳賞
ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)
新人賞
トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, A.S.O.
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