2012/06/05(火) - 10:08
前週のJシリーズ八幡浜でワンツーを決めた山本幸平(スペシャライズドレーシングチーム)と山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)が再び兄弟で最強を示すワンツーフィニッシュ。各クラスとも素晴らしいレースで全日本選手権にふさわしい一日だった。
6月3日に長野県富士見町富士見パノラマリゾートで行われた全日本マウンテンバイク選手権大会XCOは、雨の予報を覆しての晴天での開催となった。全日本は各年代で争いチャンピオンを獲得する大事な試合となる。また今回ユースクラスを新設して、若年層での活躍の場を見せる舞台もあった。
男子シニアエリートはJシリーズXCO#2八幡浜大会に続きフルメンバーの参戦となる。八幡浜では山本幸平・和弘に小野寺健(TEAM SPECIALIZED)と道産子三人での表彰台となり、他選手はそれを踏まえてのレース展開を作るはず。
富士見パノラマのコースは年3回も行われている定番コースだが、下っていた岩場が逆に登りになったりと、レイアウトを変える工夫が施されている。レースは4kmを7周で行われた。
山本幸平の独走と、山本和弘、斉藤亮らの争い
定刻1時40分スタートとなる前に、今回はトップ選手が招集最後にテントブースから花道を通ってスタート最前列に並ぶ演出がなされた。
砂煙が舞うスタート後、駐車場に降りる区間では小野寺と山本幸平が続く。
2周目まではこの二人で先行するものの小野寺は脱落してしまい、3周目は10番手あたりまで下がっていた山本和弘と斉藤亮(MIYATA-MERIDA)のパックでの進行となる。千田尚孝(KHS japan)・平野星矢(ブリヂストン・アンカー)・大江良憲(TEAM轍屋)・門田基志(TEAM GIANT)・松本駿(TREK)と続く。
山本幸平の独走は変わらず、中央ゲレンデの登り区間ではギャラリーに力強い走りを披露して応援を受け、また山本和弘と斉藤のパックも目を離せない争いになった。
トップは山本幸平が譲らず、フィニッシュ前にはコースサイドの観客に手を伸ばしてタッチをしながら、満面の笑みを浮かべてのゴール。MCの5連覇達成に「やっちゃいました!」と声を上げて、カメラマンの前でバイクを片手で持ち上げるパフォーマンスをするほど歓喜に満ちた勝利だった。
後続の二人の争いは最終回の中央ゲレンデの登りで山本和弘のアタックで勝負がついた。ゴール後は再び兄弟で抱き合っての喜び。斉藤も「出し切った!」とチームスタッフに迎えられる。完走は9名で最後はこれまでのレースを湧かしてくれた大江が入った。
山本幸平のコメント
「再び日の丸を背負って走る事ができます。僕自身の目標はワールドカップの表彰台に立ちたいと思っています。本気で日本人でもできるところを見せたいので、がんばります。2016年のリオ五輪に向けて選手一同、企業や家族の皆さんでマウンテンバイクを盛り上げたい気持ちで、日本人全体でできると思っています。日本人の強さを見せましょう」
山本和弘のコメント
「スタートはゆっくり行こうと思って10何位まで落ちたけど自分の力で行ければいいなと思って、4番手まで上がって幸平や健も見えるようになった。2番手になると幸平との差も開かなくなって、一分差で続いてその後ろに斉藤がついてきて、ペーサーされていたから斉藤に前に出てもらって様子を見ながら5周目?7周目と走って、最後のゲレンデ登りで彼がゆっくりになるのは分かったのでアタックして決めました。2位だけど嬉しいですね」
斉藤亮のコメント
「最後は刺されましたけど、自分の力は出し切れたと思います。国内でもやれるんだと見せたいと思います」
女子は片山梨絵の9連覇
八幡浜に引き続き片山梨絵(SPECIALIZED)の独走で9連覇を達成。今後は世界選手権の上位を狙い、アジア選手権では打倒中国を目標に活動して行く。
ジュニアは沢田時の2連覇
八幡浜ではパンクでのホイール交換により降格となった沢田時(ブリヂストン・アンカー)が前田公平(ENDLESS/ProRide)・横山航太(CLUB Grow)を突き放しての2連覇となった。
沢田時のコメント
「ほっとしてます。チャンピオンをとらないと海外でスタート位置に影響してきます。二人も強いので100%の力で勝負しました」
U23は中原義貴(TeamMX/STORCK)の勝利。男子ユースはエキスパートで走る竹内遼(Team GORILLA)と女子は中村千鶴(Team UKYO)の勝利となった。
マスター30は山本朋貴(ストラーダ レーシング)が勝利。40は5位の古谷利行(セタセレクトRR846)となった。
男子シニアエリート
1位 山本幸平(スペシャライズドレーシングチーム)1:41:10.28
2位 山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)+3:36.79
3位 斉藤亮(MIYATA-MERIDA)+3:47.82
4位 千田尚孝(KHS japan)+6:08.63
5位 小野寺健(TEAM SPECIALIZED)+6:39.10
6位 平野星矢(ブリヂストン・アンカー)+8:06.81
7位 松本駿(TREK)+9:41.65
8位 門田基志(TEAM GIANT)+10:32.27
9位 大江良憲(TEAM轍屋)+10:36.91
10位 島田真琴(シマノドリンキング)-1 Lap
女子エリート
1位 片山梨絵(SPECIALIZED)1:27:46.47
2位 中込由香里(team SY-Nak)+9:09.26
3位 田近郁美(GOD HILL)+10:58.27
4位 小林可奈子(MTBクラブ安曇野)+16:51.00
5位 岩出愛未(CLUB SY-Nak名産大)-1 Lap
U23
1位 中原義貴(TeamMX/STORCK)1:23:51.88
2位 松尾純新(国際自然環境アウトドア専門学校)+2:21.20
3位 竹本颯太(TeamBSC)+4:24.85
男子ユース
1位 竹内遼(Team GORILLA)34:03.46
2位 山田将輝(Limited846 )+1:40.25
3位 本田彬(GreenGrips)+2:04.44
女子ユース
1位 中村千鶴(Team UKYO)44:09.21
2位 中島崚歩(club SY-Nak)+7:52.96
マスター
1位 山本朋貴(ストラーダ レーシング)1:08:11.34
2位 坂本昌良(チーム・フォルツァ! )+0:47.84
3位 北島篤志(ckirin.com)+1:05.65
4位 上野 亮愛媛県JPN INFINIT/UENOCY)+1:16.16
5位 古谷利行(セタセレクトRR846)+2:41.67
6位 市川 啓(MSC/Rookies)+ 2:54.99
text&photo:Akihiro.NAKAO
6月3日に長野県富士見町富士見パノラマリゾートで行われた全日本マウンテンバイク選手権大会XCOは、雨の予報を覆しての晴天での開催となった。全日本は各年代で争いチャンピオンを獲得する大事な試合となる。また今回ユースクラスを新設して、若年層での活躍の場を見せる舞台もあった。
男子シニアエリートはJシリーズXCO#2八幡浜大会に続きフルメンバーの参戦となる。八幡浜では山本幸平・和弘に小野寺健(TEAM SPECIALIZED)と道産子三人での表彰台となり、他選手はそれを踏まえてのレース展開を作るはず。
富士見パノラマのコースは年3回も行われている定番コースだが、下っていた岩場が逆に登りになったりと、レイアウトを変える工夫が施されている。レースは4kmを7周で行われた。
山本幸平の独走と、山本和弘、斉藤亮らの争い
定刻1時40分スタートとなる前に、今回はトップ選手が招集最後にテントブースから花道を通ってスタート最前列に並ぶ演出がなされた。
砂煙が舞うスタート後、駐車場に降りる区間では小野寺と山本幸平が続く。
2周目まではこの二人で先行するものの小野寺は脱落してしまい、3周目は10番手あたりまで下がっていた山本和弘と斉藤亮(MIYATA-MERIDA)のパックでの進行となる。千田尚孝(KHS japan)・平野星矢(ブリヂストン・アンカー)・大江良憲(TEAM轍屋)・門田基志(TEAM GIANT)・松本駿(TREK)と続く。
山本幸平の独走は変わらず、中央ゲレンデの登り区間ではギャラリーに力強い走りを披露して応援を受け、また山本和弘と斉藤のパックも目を離せない争いになった。
トップは山本幸平が譲らず、フィニッシュ前にはコースサイドの観客に手を伸ばしてタッチをしながら、満面の笑みを浮かべてのゴール。MCの5連覇達成に「やっちゃいました!」と声を上げて、カメラマンの前でバイクを片手で持ち上げるパフォーマンスをするほど歓喜に満ちた勝利だった。
後続の二人の争いは最終回の中央ゲレンデの登りで山本和弘のアタックで勝負がついた。ゴール後は再び兄弟で抱き合っての喜び。斉藤も「出し切った!」とチームスタッフに迎えられる。完走は9名で最後はこれまでのレースを湧かしてくれた大江が入った。
山本幸平のコメント
「再び日の丸を背負って走る事ができます。僕自身の目標はワールドカップの表彰台に立ちたいと思っています。本気で日本人でもできるところを見せたいので、がんばります。2016年のリオ五輪に向けて選手一同、企業や家族の皆さんでマウンテンバイクを盛り上げたい気持ちで、日本人全体でできると思っています。日本人の強さを見せましょう」
山本和弘のコメント
「スタートはゆっくり行こうと思って10何位まで落ちたけど自分の力で行ければいいなと思って、4番手まで上がって幸平や健も見えるようになった。2番手になると幸平との差も開かなくなって、一分差で続いてその後ろに斉藤がついてきて、ペーサーされていたから斉藤に前に出てもらって様子を見ながら5周目?7周目と走って、最後のゲレンデ登りで彼がゆっくりになるのは分かったのでアタックして決めました。2位だけど嬉しいですね」
斉藤亮のコメント
「最後は刺されましたけど、自分の力は出し切れたと思います。国内でもやれるんだと見せたいと思います」
女子は片山梨絵の9連覇
八幡浜に引き続き片山梨絵(SPECIALIZED)の独走で9連覇を達成。今後は世界選手権の上位を狙い、アジア選手権では打倒中国を目標に活動して行く。
ジュニアは沢田時の2連覇
八幡浜ではパンクでのホイール交換により降格となった沢田時(ブリヂストン・アンカー)が前田公平(ENDLESS/ProRide)・横山航太(CLUB Grow)を突き放しての2連覇となった。
沢田時のコメント
「ほっとしてます。チャンピオンをとらないと海外でスタート位置に影響してきます。二人も強いので100%の力で勝負しました」
U23は中原義貴(TeamMX/STORCK)の勝利。男子ユースはエキスパートで走る竹内遼(Team GORILLA)と女子は中村千鶴(Team UKYO)の勝利となった。
マスター30は山本朋貴(ストラーダ レーシング)が勝利。40は5位の古谷利行(セタセレクトRR846)となった。
男子シニアエリート
1位 山本幸平(スペシャライズドレーシングチーム)1:41:10.28
2位 山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)+3:36.79
3位 斉藤亮(MIYATA-MERIDA)+3:47.82
4位 千田尚孝(KHS japan)+6:08.63
5位 小野寺健(TEAM SPECIALIZED)+6:39.10
6位 平野星矢(ブリヂストン・アンカー)+8:06.81
7位 松本駿(TREK)+9:41.65
8位 門田基志(TEAM GIANT)+10:32.27
9位 大江良憲(TEAM轍屋)+10:36.91
10位 島田真琴(シマノドリンキング)-1 Lap
女子エリート
1位 片山梨絵(SPECIALIZED)1:27:46.47
2位 中込由香里(team SY-Nak)+9:09.26
3位 田近郁美(GOD HILL)+10:58.27
4位 小林可奈子(MTBクラブ安曇野)+16:51.00
5位 岩出愛未(CLUB SY-Nak名産大)-1 Lap
U23
1位 中原義貴(TeamMX/STORCK)1:23:51.88
2位 松尾純新(国際自然環境アウトドア専門学校)+2:21.20
3位 竹本颯太(TeamBSC)+4:24.85
男子ユース
1位 竹内遼(Team GORILLA)34:03.46
2位 山田将輝(Limited846 )+1:40.25
3位 本田彬(GreenGrips)+2:04.44
女子ユース
1位 中村千鶴(Team UKYO)44:09.21
2位 中島崚歩(club SY-Nak)+7:52.96
マスター
1位 山本朋貴(ストラーダ レーシング)1:08:11.34
2位 坂本昌良(チーム・フォルツァ! )+0:47.84
3位 北島篤志(ckirin.com)+1:05.65
4位 上野 亮愛媛県JPN INFINIT/UENOCY)+1:16.16
5位 古谷利行(セタセレクトRR846)+2:41.67
6位 市川 啓(MSC/Rookies)+ 2:54.99
text&photo:Akihiro.NAKAO