2012/06/03(日) - 00:46
最難関山岳コースは昨年同ステージそして今年のTOJ南信州の再現だった。NIPPOの2人が山岳で抜け出して70kmを逃げ切った。総合はフォルッナート・バリアーニに。日本人選手では増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が個人総合4位に浮上。
ツール・ド・熊野3日目第2ステージが6月2日(土)、三重県熊野市周辺で行われた。コースは厳しい山岳の119.2km。上りが4箇所あるが、特に下りの難易度が高い。道が狭くワインディングで先が見えない。交通量が少なく雨がちなため路面状態も良くない。
リゾート施設の熊野倶楽部をスタートした選手たちは、交通安全のたすきをかけて熊野市内をパレード走行。地元の理解と協力があってこその大会だ。
正式スタートが切られると同時にアタックの応酬に。およそ15分間、時速55キロ前後で進む集団からようやく西薗良太(ブリヂストン・アンカー)が単独抜け出し、集団はこれを容認し逃げが決まる。メイン集団はチームNIPPOがコントロールする。
単独の西薗は快調にペースを刻み、1回目の千枚田を上る。西薗は登坂力に加え、11年全日本個人TTで3位の独走力も持つ。そして45kmを過ぎて次の山岳、札立峠の上りへ突入する。ここを内間康平(チームNIPPO)がペースを上げてNIPPO勢を優位に進める。
バリアーニとアレドンドのNIPPO2人が、10%以上ある序盤の厳しい区間をアウターでアタックしていく。これを「時速30kmで」増田らが追うが届かず、NIPPO2名の逃げができる。
NIPPOの2人は、逃げていた西薗をパスして下りへ入る。いっぽうで西薗は増田や清水都貴、トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)、佐野淳哉(チームNIPPO)らの追走集団に入る。
その後は清水、ルバ、西薗、増田の4人が追走集団に。コースは3つ目の山岳、小森峠へ差し掛かる。先頭のNIPPO2人は差を1分から2分へとさらに広げる。
追走は西薗が後退して3人に。そして最後の山岳、2回目の千枚田へ。ここでもNIPPOの2人はアタックするかのようなスピードで駆け上がり、差を拡げる。追走3人のうち、ルバが下からしかけて単独3番手に。
NIPPOの2人、ルバ、そして増田・清水、さらに後続は1分ほどの差で鈴木真理(キャノンデール・スペースゼロポイント)、西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)、鈴木譲(シマノレーシング)、福島晋一(トレンガヌ・サイクリングチーム)、佐野ら各チームのエース格を含む18人が続く。この中では西谷そして鈴木真理らが先頭を多く引く。
ゴールに現れたNIPPOの2人はバリアーニを先にゴール。そして3位争いは増田が制しUCIポイントを獲得。さらに後続の18人は20秒ほどにまで差を詰めてゴール。
平地でリケーゼ兄弟、そして山岳と総合ではバリアーニとアレドンド。TOJでの強さと闘い方そのままに圧勝。完全に1ランク以上違う走りを見せつけた。
昨年同様の展開で2位になった当時NIPPOのルビアーノ・チャベスは今年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝している。NIPPOの外国人選手たちはジロで十分に戦えるレベルと言っていいだろう。増田が「ジロで走るレベルのバリアーニやアレドンドに札立峠で付いて行こうとしたができなかった」と語ったが、少なくともその背中は見えたはず。手の届かない位置ではないだろう。
ブリヂストン勢は序盤から西薗が逃げ、その後は追走集団4人に3人を送り込み、結果としてルバが個人総合3位に浮上。この日、NIPPOに攻撃を仕掛けたチームとして、記憶に残る走りをした。
結果
第2ステージ 119.2km
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)3時間03分32秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)
3位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+3分02秒
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+3分52秒
5位 清水都貴(ブリヂストン・アンカー)
6位 ショー・パトリック(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)+4分09秒
7位 佐野淳哉(チームNIPPO)+4分10秒
8位 鈴木真理(キャノンデール・スペースゼロポイント)+4分16秒
9位 ブレイズ・ソネリー(ブリヂストン・アンカー)
10位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)
個人総合 第2ステージ終了時点
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)5時間41分58秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)+02秒
3位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+3分08秒
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+4分00秒
5位 ショー・パトリック(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)+4分12秒
6位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)
7位 佐野淳哉(チームNIPPO)+4分18秒
8位 清水都貴(ブリヂストン・アンカー)+4分20秒
9位 初山翔(宇都宮ブリッツェン)+4分22秒
10位 鈴木譲(シマノレーシング)+4分23秒
個人総合ポイント賞 第2ステージ終了時点
1位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)32点
2位 ショー・パトリック(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)30点
3位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)25点
個人総合山岳賞 第2ステージ終了時点
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)30点
2位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)19点
3位 西薗良太(ブリヂストン・アンカー)12点
団体総合 第2ステージ終了時点
1位 チームNIPPO 17時間10分25秒
2位 ブリヂストン・アンカー +7分04秒
3位 宇都宮ブリッツェン +8分16秒
photo&text:Hideaki.TAKAGI
ツール・ド・熊野3日目第2ステージが6月2日(土)、三重県熊野市周辺で行われた。コースは厳しい山岳の119.2km。上りが4箇所あるが、特に下りの難易度が高い。道が狭くワインディングで先が見えない。交通量が少なく雨がちなため路面状態も良くない。
リゾート施設の熊野倶楽部をスタートした選手たちは、交通安全のたすきをかけて熊野市内をパレード走行。地元の理解と協力があってこその大会だ。
正式スタートが切られると同時にアタックの応酬に。およそ15分間、時速55キロ前後で進む集団からようやく西薗良太(ブリヂストン・アンカー)が単独抜け出し、集団はこれを容認し逃げが決まる。メイン集団はチームNIPPOがコントロールする。
単独の西薗は快調にペースを刻み、1回目の千枚田を上る。西薗は登坂力に加え、11年全日本個人TTで3位の独走力も持つ。そして45kmを過ぎて次の山岳、札立峠の上りへ突入する。ここを内間康平(チームNIPPO)がペースを上げてNIPPO勢を優位に進める。
バリアーニとアレドンドのNIPPO2人が、10%以上ある序盤の厳しい区間をアウターでアタックしていく。これを「時速30kmで」増田らが追うが届かず、NIPPO2名の逃げができる。
NIPPOの2人は、逃げていた西薗をパスして下りへ入る。いっぽうで西薗は増田や清水都貴、トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)、佐野淳哉(チームNIPPO)らの追走集団に入る。
その後は清水、ルバ、西薗、増田の4人が追走集団に。コースは3つ目の山岳、小森峠へ差し掛かる。先頭のNIPPO2人は差を1分から2分へとさらに広げる。
追走は西薗が後退して3人に。そして最後の山岳、2回目の千枚田へ。ここでもNIPPOの2人はアタックするかのようなスピードで駆け上がり、差を拡げる。追走3人のうち、ルバが下からしかけて単独3番手に。
NIPPOの2人、ルバ、そして増田・清水、さらに後続は1分ほどの差で鈴木真理(キャノンデール・スペースゼロポイント)、西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)、鈴木譲(シマノレーシング)、福島晋一(トレンガヌ・サイクリングチーム)、佐野ら各チームのエース格を含む18人が続く。この中では西谷そして鈴木真理らが先頭を多く引く。
ゴールに現れたNIPPOの2人はバリアーニを先にゴール。そして3位争いは増田が制しUCIポイントを獲得。さらに後続の18人は20秒ほどにまで差を詰めてゴール。
平地でリケーゼ兄弟、そして山岳と総合ではバリアーニとアレドンド。TOJでの強さと闘い方そのままに圧勝。完全に1ランク以上違う走りを見せつけた。
昨年同様の展開で2位になった当時NIPPOのルビアーノ・チャベスは今年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝している。NIPPOの外国人選手たちはジロで十分に戦えるレベルと言っていいだろう。増田が「ジロで走るレベルのバリアーニやアレドンドに札立峠で付いて行こうとしたができなかった」と語ったが、少なくともその背中は見えたはず。手の届かない位置ではないだろう。
ブリヂストン勢は序盤から西薗が逃げ、その後は追走集団4人に3人を送り込み、結果としてルバが個人総合3位に浮上。この日、NIPPOに攻撃を仕掛けたチームとして、記憶に残る走りをした。
結果
第2ステージ 119.2km
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)3時間03分32秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)
3位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+3分02秒
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+3分52秒
5位 清水都貴(ブリヂストン・アンカー)
6位 ショー・パトリック(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)+4分09秒
7位 佐野淳哉(チームNIPPO)+4分10秒
8位 鈴木真理(キャノンデール・スペースゼロポイント)+4分16秒
9位 ブレイズ・ソネリー(ブリヂストン・アンカー)
10位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)
個人総合 第2ステージ終了時点
1位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)5時間41分58秒
2位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)+02秒
3位 トマ・ルバ(ブリヂストン・アンカー)+3分08秒
4位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+4分00秒
5位 ショー・パトリック(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)+4分12秒
6位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)
7位 佐野淳哉(チームNIPPO)+4分18秒
8位 清水都貴(ブリヂストン・アンカー)+4分20秒
9位 初山翔(宇都宮ブリッツェン)+4分22秒
10位 鈴木譲(シマノレーシング)+4分23秒
個人総合ポイント賞 第2ステージ終了時点
1位 マキシミリアーノ・リケーゼ(チームNIPPO)32点
2位 ショー・パトリック(ジェネシス・ウェルス・アドバイザーズ)30点
3位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)25点
個人総合山岳賞 第2ステージ終了時点
1位 ジュリアン・アレドンド(チームNIPPO)30点
2位 フォルッナート・バリアーニ(チームNIPPO)19点
3位 西薗良太(ブリヂストン・アンカー)12点
団体総合 第2ステージ終了時点
1位 チームNIPPO 17時間10分25秒
2位 ブリヂストン・アンカー +7分04秒
3位 宇都宮ブリッツェン +8分16秒
photo&text:Hideaki.TAKAGI
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