2009/02/05(木) - 09:11
2009年2月4日、ツアー・オブ・カタール第4ステージが開催され、連日のトラブルによってここまで勝機を失っていたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が、持ち前のスプリントで優勝を飾った。昨年のツールでステージ4勝を飾った怪童が、ようやくシーズン1勝目を手にした。
第4ステージは首都ドーハのオールドスークから半島北部マディナ・アルシャマルまでの141kmで行なわれた。
半島を北上するレイアウトで、大雑把に言うならば、北風に背中を押された前日の第3ステージと進行方向は真逆。つまり、この日は強力な向かい風が選手たちを苦しめた。
レース開始後、15km地点で飛び出したのはマイケル・フリードマン(アメリカ、ガーミン)ら8名。しかしこの動きは集団に封じ込められ、37km地点でようやくこの日の逃げが決まった。
吹き付ける向かい風の中、逃げを試みたのはマイケル・バリー(カナダ、チームコロンビア)やマーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)、ダヴィド・デロー(フランス、スキル・シマノ)ら7名。この逃げは最大で5分50秒のリードを稼ぎ出すことに成功した。
メイン集団はゴールデンジャージ擁するクイックステップがコントロールを担い、レース後半にかけてタイム差を詰めていく。コースは113km地点で北東に針路変更、つまり横風区間に突入する。集団では位置取り争いに伴う落車が発生し、これに巻き込まれたパク・ソンベク(韓国、EQA梅丹本舗グラファイトデザイン)が病院に運ばれた。幸い大怪我は免れたが、同チームのエーススプリンターがここでレースを去った。
向かい風の中を81kmに渡って逃げ続けた7名は、ゴール23km手前で吸収。横風区間でペースの上がったメイン集団は再び数個に分裂し、有力スプリンターの中でダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)のみ後方集団に取り残された。
落車の影響でカヴェンディッシュも先頭集団から脱落したが、チームコロンビアの働きによってなんとか戦線に復帰。ラスト3km地点でのフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)のアタックは失敗に終わり、最後は20名ほどの集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。
集団コントロールに力を尽くしたクイックステップは、最終局面でトレインを組むことができず、ボーネンが得意とする「超ハイスピード持続型」のスプリントに持ち込めない。ボーネンが苦戦する中、爆発的な加速を得意とするカヴェンディッシュが先頭でゴールに飛び込んだ。
ここまで集団分裂やパンクによって勝機を失っていたカヴェンディッシュが、ようやく本来のスプリントで勝利をもぎ取った。昨年のツール・ド・フランスでステージ4勝という怒濤の活躍を見せたカヴェンディッシュ。これが今シーズン1勝目だ。
ボーネンは3位に沈んだが、リーダージャージとポイント賞ジャージはキープしている。2位に食い込んだハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)も新人賞ジャージをキープ。この日も先頭集団にメンバー全員を残したサーヴェロ・テストチームは、チーム総合成績でトップを独走中だ。
レースの大半が強い向かい風に見舞われたこの日、平均スピードは34.5km/hまで下がった。
ツアー・オブ・カタール2009第4ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)4h04'55"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)
3位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
5位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ミルラム)
6位 ダニエル・ロイド(イギリス、サーヴェロ)
7位 マルティン・マースカント(オランダ、ガーミン)
8位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)
9位 トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)
10位 ロジャー・ハモンド(イギリス、サーヴェロ)
個人総合成績
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)10h19'07"
2位 ロジャー・ハモンド(イギリス、サーヴェロ)+10"
3位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)+12"
4位 ダニエル・ロイド(イギリス、サーヴェロ)+25"
5位 アンドレアス・クリアー(ドイツ、サーヴェロ)+27"
6位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、サーヴェロ)+28"
7位 アンジェロ・フルラン(イタリア、ランプレ)+1'07"
8位 ガブリエル・ラッシュ(ノルウェー、サーヴェロ)+1'43"
9位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)+2'21"
10位 トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)+2'35"
ポイント賞
トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
新人賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)
チーム総合成績
サーヴェロ・テストチーム
レース公式サイトより。
第4ステージは首都ドーハのオールドスークから半島北部マディナ・アルシャマルまでの141kmで行なわれた。
半島を北上するレイアウトで、大雑把に言うならば、北風に背中を押された前日の第3ステージと進行方向は真逆。つまり、この日は強力な向かい風が選手たちを苦しめた。
レース開始後、15km地点で飛び出したのはマイケル・フリードマン(アメリカ、ガーミン)ら8名。しかしこの動きは集団に封じ込められ、37km地点でようやくこの日の逃げが決まった。
吹き付ける向かい風の中、逃げを試みたのはマイケル・バリー(カナダ、チームコロンビア)やマーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)、ダヴィド・デロー(フランス、スキル・シマノ)ら7名。この逃げは最大で5分50秒のリードを稼ぎ出すことに成功した。
メイン集団はゴールデンジャージ擁するクイックステップがコントロールを担い、レース後半にかけてタイム差を詰めていく。コースは113km地点で北東に針路変更、つまり横風区間に突入する。集団では位置取り争いに伴う落車が発生し、これに巻き込まれたパク・ソンベク(韓国、EQA梅丹本舗グラファイトデザイン)が病院に運ばれた。幸い大怪我は免れたが、同チームのエーススプリンターがここでレースを去った。
向かい風の中を81kmに渡って逃げ続けた7名は、ゴール23km手前で吸収。横風区間でペースの上がったメイン集団は再び数個に分裂し、有力スプリンターの中でダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)のみ後方集団に取り残された。
落車の影響でカヴェンディッシュも先頭集団から脱落したが、チームコロンビアの働きによってなんとか戦線に復帰。ラスト3km地点でのフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ラボバンク)のアタックは失敗に終わり、最後は20名ほどの集団によるスプリント勝負に持ち込まれた。
集団コントロールに力を尽くしたクイックステップは、最終局面でトレインを組むことができず、ボーネンが得意とする「超ハイスピード持続型」のスプリントに持ち込めない。ボーネンが苦戦する中、爆発的な加速を得意とするカヴェンディッシュが先頭でゴールに飛び込んだ。
ここまで集団分裂やパンクによって勝機を失っていたカヴェンディッシュが、ようやく本来のスプリントで勝利をもぎ取った。昨年のツール・ド・フランスでステージ4勝という怒濤の活躍を見せたカヴェンディッシュ。これが今シーズン1勝目だ。
ボーネンは3位に沈んだが、リーダージャージとポイント賞ジャージはキープしている。2位に食い込んだハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)も新人賞ジャージをキープ。この日も先頭集団にメンバー全員を残したサーヴェロ・テストチームは、チーム総合成績でトップを独走中だ。
レースの大半が強い向かい風に見舞われたこの日、平均スピードは34.5km/hまで下がった。
ツアー・オブ・カタール2009第4ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)4h04'55"
2位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)
3位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
4位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
5位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ミルラム)
6位 ダニエル・ロイド(イギリス、サーヴェロ)
7位 マルティン・マースカント(オランダ、ガーミン)
8位 ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)
9位 トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)
10位 ロジャー・ハモンド(イギリス、サーヴェロ)
個人総合成績
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)10h19'07"
2位 ロジャー・ハモンド(イギリス、サーヴェロ)+10"
3位 ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)+12"
4位 ダニエル・ロイド(イギリス、サーヴェロ)+25"
5位 アンドレアス・クリアー(ドイツ、サーヴェロ)+27"
6位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、サーヴェロ)+28"
7位 アンジェロ・フルラン(イタリア、ランプレ)+1'07"
8位 ガブリエル・ラッシュ(ノルウェー、サーヴェロ)+1'43"
9位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)+2'21"
10位 トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)+2'35"
ポイント賞
トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
新人賞
ハインリッヒ・ハウッスラー(ドイツ、サーヴェロ)
チーム総合成績
サーヴェロ・テストチーム
レース公式サイトより。
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