アルベルト・コンタドール(スペイン)の離脱により、68%ものUCIポイントを失い、UCIワールドツアーライセンス失効の危機にあったチームサクソバンクに朗報が入ってきた。4月2日、UCIのライセンス委員会は、UCIの要請を退け、チームサクソバンクのライセンス保持を承認した。

報道陣に囲まれるアルベルト・コンタドール(スペイン)報道陣に囲まれるアルベルト・コンタドール(スペイン) photo:Cor Vos2012年2月6日、CAS(スポーツ仲裁裁判所)の裁定によってコンタドールの2年間の出場停止が決定し、2011年1月25日以降にコンタドールが獲得したUCIポイントは全て剥奪。翌日、チームサクソバンクはコンタドールとの契約解除を発表した。

チームの68%を占めていたコンタドールのポイントが無くなることで、必然的にチームのスポーティングバリュー(競技の成績)は大きく低下する。UCIはライセンス委員会に対し、同チームのUCIワールドツアーライセンスの再審査を要請した。

審査を行なっていたUCIライセンス委員会が出した答えは、2011年11月18日に承認されたチームサクソバンクのライセンスを、引き続き認めるというもの。同チームのレベルがUCIワールドツアーレベルに達していないことを確認した上で、スター選手の離脱がスポーティングバリューの低下に繋がったという特殊な状況が、ライセンス剥奪を正当化する理由にはならないと判断した。

いずれにしても、チームサクソバンクのライセンスは2012年12月31日で失効する。8月5日に処分を終えるコンタドールが同チームに再合流する可能性は高いが、コンタドールはUCIポイントを持ち合わせていない。同チームは2013年に向けてUCIポイントの獲得、そして戦力の補強が急務となる。4月1日付けのUCIワールドツアーランキングによると、チームサクソバンクは18チーム中最下位(18位)。

ビャルヌ・リース監督はプレスリリースの中で「ライセンス委員会の判断を尊重するとともに、嬉しくホッとした気分だ。全ての状況を考慮した上で、この判断が正しいものであると感じている。これからはチームの運営とレースでの結果に、全てのエネルギーと努力、集中力をつぎ込んで行く」とコメントしている。

text:Kei Tsuji
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