2012/03/11(日) - 04:40
2012年3月10日に行われた今大会最長の第4ステージ。最後に控える急坂で抜けだした精鋭グループによるゴール勝負を制したのはペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)だった。総合首位のマシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)は後退し、ステージ5位に入ったクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)がリーダージャージを獲得した。
2012年のティレーノ~アドリアティコはいよいよアドリア海に到達する。今大会最長となる第4ステージはアメリアを出発。小高い丘陵地に設定された2つの山岳ポイントを経由して、最後はキエーティ市内に設定された急坂を駆け上がりゴールを迎える。
なお当初予定されていたランチアーノ峠は降雪の影響によりコースから外されている。キエーティにゴールするステージではミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)が2年連続でステージ優勝を上げており、今ステージ3年連続の勝利を挙げるのかに注目がされた。
アメリアのスタート地点を9時半に出発したのは172名の選手たち。ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)とトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)はスタートしなかった。
8km地点から飛び出したのは、山岳ポイント2位につけるステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)を含む7名。
逃げグループを形成する7名
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
アンジェロ・パガーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
ケビン・フルスマンス(ベルギー、ファルネーゼヴィーニ)
パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)
ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、サクソバンク)
意思の統一された先頭集団は協調して、メイン集団に対して最大10分のリードを経て逃げ続ける。途中のコルノ峠とフォルチェッタ峠に設定された山岳ポイントはいずれもピラッツィが先頭通過し、翌日の山岳賞ジャージ着用を確定させた。
メイン集団はリーダージャージ擁するグリーンエッジが中心となってペースをコントロールし、タイム差を削っていく。135km地点でタイム差は4分18秒。しばらくの間タイム差は4~3分の間を推移した。
終盤に入るとエスケープ集団からはモンドリ、フルスマンス、パガーニが脱落し、メンバーが4人となったところからブラットがアタック。1人抜けだすと、残り20km地点で集団に52秒差をつけて逃げ続けた。追走するメイン集団もペースが上がり、ここでリーダージャージを着るゴスが後退した。
リクイガス・キャノンデールがペースを上げるメイン集団は、残り11.9km地点で1人逃げたブラットを吸収すると、ここからデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、アスタナ)やミケル・ランダ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)がアタックするものの、いずれもメイン集団を振り切るには至らず。
ペースの上がった集団後方では残り7.8km地点で落車が発生し、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)らが巻き込まれたが大事には至らず、すぐに再スタートを切った。
最終盤、急坂が続くキエーティの街中に入ると、有力勢が集団前方へと集結。ここからラスト1kmを前にしてダニーロ・ディルーカ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が飛び出した。
ディルーカにはホーナー、サガン、ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)、ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)が追いつくと、クロイツィゲルがアタック。しかし決定的なリードを奪うことできず、今度はコース幅が狭くなった所でニーバリが抜け出しを図るものの、決まらず。最後はニーバリを交わしたサガンがクロイツィゲルの追い上げを交わし、力強いガッツポーズを繰り出した。
「ニーバリのステージ優勝をサポートするつもりだったけれど、背後からディルーカが追い上げるのが見えたからボクが行った。ニーバリには申し訳なかったけれど、チームとして勝利は重要。明日こそヴィンツェンツォを勝たせるようにベストを尽くすよ。」と語るサガン。長距離ステージに於いて、自身の目標とするミラノ~サンレモに向けての仕上がりの良さを見せた。
リーダージャージはサガンと同タイムの5位でフィニッシュしたホーナーが手に入れた。ホーナーは「ティレーノ~アドリアティコは、今シーズンボクの目標とするレース。ボクと同じくTTを得意とするクロイツィゲルが総合で2位につけているけれど、ベストを尽くせばいい結果が出ると思う。」と語った。
選手コメントはレース公式リリースより。
ティレーノ~アドリアティコ2012第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 7h24'50"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
3位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
4位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
5位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)
6位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +08"
7位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)+10"
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +12”
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
10位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン・カチューシャ)
個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン) 19h01'54"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +07"
3位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ) +13"
4位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +21"
5位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) +22"
6位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +30"
7位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +32"
8位 ヴィンツェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +34"
9位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン・カチューシャ) +35"
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +36"
山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
新人賞
キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)
text:So.Isobe
photo:RCS Sport
2012年のティレーノ~アドリアティコはいよいよアドリア海に到達する。今大会最長となる第4ステージはアメリアを出発。小高い丘陵地に設定された2つの山岳ポイントを経由して、最後はキエーティ市内に設定された急坂を駆け上がりゴールを迎える。
なお当初予定されていたランチアーノ峠は降雪の影響によりコースから外されている。キエーティにゴールするステージではミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)が2年連続でステージ優勝を上げており、今ステージ3年連続の勝利を挙げるのかに注目がされた。
アメリアのスタート地点を9時半に出発したのは172名の選手たち。ミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)とトーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)はスタートしなかった。
8km地点から飛び出したのは、山岳ポイント2位につけるステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)を含む7名。
逃げグループを形成する7名
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
アンジェロ・パガーニ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
ケビン・フルスマンス(ベルギー、ファルネーゼヴィーニ)
パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)
ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、サクソバンク)
意思の統一された先頭集団は協調して、メイン集団に対して最大10分のリードを経て逃げ続ける。途中のコルノ峠とフォルチェッタ峠に設定された山岳ポイントはいずれもピラッツィが先頭通過し、翌日の山岳賞ジャージ着用を確定させた。
メイン集団はリーダージャージ擁するグリーンエッジが中心となってペースをコントロールし、タイム差を削っていく。135km地点でタイム差は4分18秒。しばらくの間タイム差は4~3分の間を推移した。
終盤に入るとエスケープ集団からはモンドリ、フルスマンス、パガーニが脱落し、メンバーが4人となったところからブラットがアタック。1人抜けだすと、残り20km地点で集団に52秒差をつけて逃げ続けた。追走するメイン集団もペースが上がり、ここでリーダージャージを着るゴスが後退した。
リクイガス・キャノンデールがペースを上げるメイン集団は、残り11.9km地点で1人逃げたブラットを吸収すると、ここからデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、アスタナ)やミケル・ランダ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)がアタックするものの、いずれもメイン集団を振り切るには至らず。
ペースの上がった集団後方では残り7.8km地点で落車が発生し、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、チームスカイ)らが巻き込まれたが大事には至らず、すぐに再スタートを切った。
最終盤、急坂が続くキエーティの街中に入ると、有力勢が集団前方へと集結。ここからラスト1kmを前にしてダニーロ・ディルーカ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が飛び出した。
ディルーカにはホーナー、サガン、ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)、ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)が追いつくと、クロイツィゲルがアタック。しかし決定的なリードを奪うことできず、今度はコース幅が狭くなった所でニーバリが抜け出しを図るものの、決まらず。最後はニーバリを交わしたサガンがクロイツィゲルの追い上げを交わし、力強いガッツポーズを繰り出した。
「ニーバリのステージ優勝をサポートするつもりだったけれど、背後からディルーカが追い上げるのが見えたからボクが行った。ニーバリには申し訳なかったけれど、チームとして勝利は重要。明日こそヴィンツェンツォを勝たせるようにベストを尽くすよ。」と語るサガン。長距離ステージに於いて、自身の目標とするミラノ~サンレモに向けての仕上がりの良さを見せた。
リーダージャージはサガンと同タイムの5位でフィニッシュしたホーナーが手に入れた。ホーナーは「ティレーノ~アドリアティコは、今シーズンボクの目標とするレース。ボクと同じくTTを得意とするクロイツィゲルが総合で2位につけているけれど、ベストを尽くせばいい結果が出ると思う。」と語った。
選手コメントはレース公式リリースより。
ティレーノ~アドリアティコ2012第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 7h24'50"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
3位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
4位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
5位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)
6位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +08"
7位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)+10"
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +12”
9位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)
10位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン・カチューシャ)
個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン) 19h01'54"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +07"
3位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ) +13"
4位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +21"
5位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) +22"
6位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +30"
7位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +32"
8位 ヴィンツェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +34"
9位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン・カチューシャ) +35"
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディアール) +36"
山岳賞
ステファノ・ピラッツィ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
新人賞
キャメロン・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)
text:So.Isobe
photo:RCS Sport
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