2012/03/07(水) - 08:51
2012年3月6日、パリ〜ニース(UCIワールドツアー)第3ステージ、頂上ゴールで再びサイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が激突。僅差の闘いをバルベルデが制した。新城幸也(ユーロップカー)は26位に入り、調子の良さを見せている。
パリ〜ニースは引き続き南下を続ける。第3ステージはヴィエルゾンからル・ラック・ド・ヴァシビエールまでの194km。
ステージ後半は起伏に富んだ山岳地帯で、ゴール27km手前で3級山岳ボルガヌフ峠をクリア。スプリントポイントを経て、平均勾配3.9%・登坂距離5.2kmの3級山岳ル・ラック・ド・ヴァシビエールに挑む。難易度が低いとは言え、今大会最初の頂上ゴールだ。
ここまでのステージで精彩を欠いていたアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)は胃腸炎によりスタートせず。
気温5度に満たない寒空の下、ミカエル・モルコフ(デンマーク、チームサクソバンク)、ジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)、ロイ・カーヴァス(オランダ、プロジェクト1t4i)の3名がスタート直後にアタックを決める。
先頭3名のリードは46km地点で4分50秒をマーク。マイヨジョーヌのブラドレー・ウィギンズ(イギリス)擁するチームスカイは、落ち着いて集団をコントロール。ゴールに向けてタイム差を詰めて行く。
ゴールまで14kmを残し、タイム差が30秒を割り込むと、先頭からアングルヴァンが飛び出して独走。しかしチームスカイに代わってオメガファーマ・クイックステップが牽引するメイン集団が、最後の3級山岳ル・ラック・ド・ヴァシビエールを前に逃げを全て飲み込む。
ゴールに至る登りが始まると、総合2位のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)擁するオメガファーマ・クイックステップがペースアップ。前日の第2ステージで落車に見舞われたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)は力無く遅れて行く。
ラスト4kmに差し掛かるとセルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)が勢いのあるアタックを決めたが、ラスト1kmアーチを前に、モビスターが率いる集団に吸収される。
決定的なアタックが生まれないまま、60名ほどに絞られた集団がゴールへ。好位置からタイミングよく飛び出したバルベルデが先頭に立ち、その後ろからジェランスが勢いよく追い上げる。バルベルデとジェランスは、いずれも勝利を確信することなく、ハンドルを投げ込んでゴール。写真判定の結果、先頭を守りきったバルベルデが勝利した。
バルベルデとジェランスの対決は、1月のツアー・ダウンアンダー第5ステージ・ウィランガヒル頂上ゴールの再現。当時はジェランスが先に仕掛け、追い上げたバルベルデが僅差で勝利している。
ドーピング疑惑による出場停止から古巣モビスターで復帰したバルベルデは、これがシーズン4勝目。2月のブエルタ・ア・アンダルシアでは頂上ゴールを制し、総合優勝に輝いた。
「レース序盤から終盤までずっと抜群の仕事をしてくれたチームメイトにまず感謝の言葉を述べたい。熱いバトルに競り勝ったことを嬉しく思う。昨日も先頭集団に残ることができ、そして今日もスタートから調子の良さを感じていたんだ」と、バルベルデ。ボーナスタイムにより総合6位にジャンプアップし、ウィギンズを20秒差で追うバルベルデは「(総合争いについて)これから様子を見ていきたい」と語っている。
敗れたジェランスは「ゴールに向けて激しい位置取り争いが繰り広げられ、かなり後ろからスプリントを開始した。調子はかなり良いので、位置取りの失敗でチャンスを失った。今日よりも厳しいコースが設定された明日も勝負に絡みたい」と悔しさを滲ませる。
ハイスピードな頂上ゴールで最後まで集団に残ったユキヤは26位でゴール。ユーロップカーの中ではトマ・ヴォクレール(フランス)に次ぐ成績で、総合では38位までジャンプアップ。調子の良さを感じさせる走りを見せた。
マイヨジョーヌを守ったウィギンズは「今日も気温が低くて、苦しんでいる選手も多かった。リーヴァイ(ライプハイマー)らを視界に捉えながら、安全を優先して走った。これからも最善を尽くしてこのジャージをキープしたいが、ステージ優勝したアレハンドロ(バルベルデ)は総合タイム差を詰めた。総合リードは6秒しかなく、いつボーナスタイムでジャージを失ってもおかしくない状態だ」と冷静なコメントを残している。
選手コメントはレース公式リリースならびにグリーンエッジ公式サイトより。
パリ〜ニース2012第3ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 4h36'19"
2位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)
3位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル)
4位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
5位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、カチューシャ)
6位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
7位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
8位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)
9位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
10位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
26位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 9h09'51"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +06"
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +11"
4位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +14"
5位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・ニッサン) +18"
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +20"
7位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +22"
8位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター) +29"
9位 サイモン・スピラック(スロベニア、アスタナ) +33"
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ) +36"
38位 新城幸也(日本、ユーロップカー) +3'20"
ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
山岳賞
トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
新人賞
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
パリ〜ニースは引き続き南下を続ける。第3ステージはヴィエルゾンからル・ラック・ド・ヴァシビエールまでの194km。
ステージ後半は起伏に富んだ山岳地帯で、ゴール27km手前で3級山岳ボルガヌフ峠をクリア。スプリントポイントを経て、平均勾配3.9%・登坂距離5.2kmの3級山岳ル・ラック・ド・ヴァシビエールに挑む。難易度が低いとは言え、今大会最初の頂上ゴールだ。
ここまでのステージで精彩を欠いていたアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)は胃腸炎によりスタートせず。
気温5度に満たない寒空の下、ミカエル・モルコフ(デンマーク、チームサクソバンク)、ジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)、ロイ・カーヴァス(オランダ、プロジェクト1t4i)の3名がスタート直後にアタックを決める。
先頭3名のリードは46km地点で4分50秒をマーク。マイヨジョーヌのブラドレー・ウィギンズ(イギリス)擁するチームスカイは、落ち着いて集団をコントロール。ゴールに向けてタイム差を詰めて行く。
ゴールまで14kmを残し、タイム差が30秒を割り込むと、先頭からアングルヴァンが飛び出して独走。しかしチームスカイに代わってオメガファーマ・クイックステップが牽引するメイン集団が、最後の3級山岳ル・ラック・ド・ヴァシビエールを前に逃げを全て飲み込む。
ゴールに至る登りが始まると、総合2位のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)擁するオメガファーマ・クイックステップがペースアップ。前日の第2ステージで落車に見舞われたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)は力無く遅れて行く。
ラスト4kmに差し掛かるとセルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)が勢いのあるアタックを決めたが、ラスト1kmアーチを前に、モビスターが率いる集団に吸収される。
決定的なアタックが生まれないまま、60名ほどに絞られた集団がゴールへ。好位置からタイミングよく飛び出したバルベルデが先頭に立ち、その後ろからジェランスが勢いよく追い上げる。バルベルデとジェランスは、いずれも勝利を確信することなく、ハンドルを投げ込んでゴール。写真判定の結果、先頭を守りきったバルベルデが勝利した。
バルベルデとジェランスの対決は、1月のツアー・ダウンアンダー第5ステージ・ウィランガヒル頂上ゴールの再現。当時はジェランスが先に仕掛け、追い上げたバルベルデが僅差で勝利している。
ドーピング疑惑による出場停止から古巣モビスターで復帰したバルベルデは、これがシーズン4勝目。2月のブエルタ・ア・アンダルシアでは頂上ゴールを制し、総合優勝に輝いた。
「レース序盤から終盤までずっと抜群の仕事をしてくれたチームメイトにまず感謝の言葉を述べたい。熱いバトルに競り勝ったことを嬉しく思う。昨日も先頭集団に残ることができ、そして今日もスタートから調子の良さを感じていたんだ」と、バルベルデ。ボーナスタイムにより総合6位にジャンプアップし、ウィギンズを20秒差で追うバルベルデは「(総合争いについて)これから様子を見ていきたい」と語っている。
敗れたジェランスは「ゴールに向けて激しい位置取り争いが繰り広げられ、かなり後ろからスプリントを開始した。調子はかなり良いので、位置取りの失敗でチャンスを失った。今日よりも厳しいコースが設定された明日も勝負に絡みたい」と悔しさを滲ませる。
ハイスピードな頂上ゴールで最後まで集団に残ったユキヤは26位でゴール。ユーロップカーの中ではトマ・ヴォクレール(フランス)に次ぐ成績で、総合では38位までジャンプアップ。調子の良さを感じさせる走りを見せた。
マイヨジョーヌを守ったウィギンズは「今日も気温が低くて、苦しんでいる選手も多かった。リーヴァイ(ライプハイマー)らを視界に捉えながら、安全を優先して走った。これからも最善を尽くしてこのジャージをキープしたいが、ステージ優勝したアレハンドロ(バルベルデ)は総合タイム差を詰めた。総合リードは6秒しかなく、いつボーナスタイムでジャージを失ってもおかしくない状態だ」と冷静なコメントを残している。
選手コメントはレース公式リリースならびにグリーンエッジ公式サイトより。
パリ〜ニース2012第3ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 4h36'19"
2位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)
3位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル)
4位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
5位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、カチューシャ)
6位 エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
7位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)
8位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)
9位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
10位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)
26位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
個人総合成績
1位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) 9h09'51"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +06"
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +11"
4位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +14"
5位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・ニッサン) +18"
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +20"
7位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +22"
8位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター) +29"
9位 サイモン・スピラック(スロベニア、アスタナ) +33"
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ) +36"
38位 新城幸也(日本、ユーロップカー) +3'20"
ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
山岳賞
トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
新人賞
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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