2012/02/14(火) - 12:33
フレームのマテリアルメーカーとして知られるデダチャイ社。パーツブランドのデダエレメンティ。これらを統括する同社が20年以上にわたる経験を生かして作り上げたのがフレームブランドであるデダチャイストラーダである。
DEDACCIAI STRADA SUPER SCURO (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
クロモリバイクが全盛期だった時代から、アルミ、さらにはカーボンへとフレーム素材のトレンドが推移しても、デダチャイはマテリアルのトップブランドとして君臨し続けている。マテリアルを知りつくした同社だけに、フレームとして完成形になった状態に対してもユーザーやジャーナリストの目は厳しい。単なる新興ブランドとして甘めの評価はされず、スタートからハードルが高く据えられていたのは容易に想像できる。
当然のように期待される状況のなかで生まれたデダチャイストラーダは、求められる以上の品質と意外性をもった製品で応えた。フラッグシップモデルとしてラインナップされるテメラリオは、その技術力を象徴するようにマッシブなシルエットに成型され、シートステーにチタン素材を用いるなど、マテリアルブランドとしてのプライドも感じさせるバイクに仕上げられた。
下ワンを1-1/2として剛性を確保したフォークの重量は330gと軽量に収まる
エアロダイナミクスも意識しているフレーム形状
優れたクライミング性能を発揮するためヘッド部は強化される
今回テストライドを行ったスーパースクーロは、ジロ・デ・イタリアでステージ優勝を達成したスクーロRSの遺伝子を受け継ぎ、さらなる進化を遂げて誕生したフルカーボンのピュアレーシングモデルである。ハイモジュラスIM600カーボンを採用したフレームは、プロライダーの強靱な脚力にも耐えうる剛性が与えられた。
カーボン素材のもつ造型の自由度を生かしたシルエットも見逃せない。オールラウンダーでありながらエアロダイナミクスを考慮したフレーム形状は、ポイントごとに求められる剛性など、必要とされる要素をすべて満たしたうえで、デダチャイストラーダとしてのアイデンティティが生きる洗練されたものである。
プロの足にも応える走りの性格を演出するマスターピースとなるヘッドやダウンチューブ、ハンガー付近は、それに相応しいボリュームで成型されており、レーシングモデルとしての強い主張が垣間みえる。
下ワンを1-1/2としたテーパードヘッドを採用
成型技術の高さを感じさせるダウンチューブ
シートチューブを巻き込むようにトップチューブからシートステーへとつながるライン。各チューブの役割を妨げない設計であろう
上下方向へのしなりは確保しながらもパワーを逃がさないチェーンステー
200キロ近いステージが続くレースでの走行を考えれば剛性と同時に重要視されるのが、外的要因によるライダーの疲労を最小限に抑える振動吸収性だ。これに関してもスーパースクーロは、シェイプされたシートステーによって応える。
ライダーの入力をロスなく路面へと伝達し、路面からの衝撃は状況を判断するインフォメーションとなり得るレベルまで抑え込む。これこそが素材は変わってもレースバイクに求められる不変的な要素だ。計算され尽くしたマテリアルの選択や使い方、フレーム形状において2つの要素をスーパースクーロは高次元でバランスさせているのだ。
妥協を許さないレーシングバイクとして、さらにユーザーの所有欲を満足させるために、下ワンを1-1/2"としたテーパードヘッドや、インテグレーテッドシートポストを採用するなど、時代をリードするブランドとしてトレンドも積極的に採り入れている。これらの採用により、ダンシングでの推進力は格段に高まり、安定した乗り心地のための低重心化といった性能を獲得している。
ワイヤーは空気抵抗の低減も意識して内蔵される
ライダーのパワーを逃がさないハンガー部。BBは定番のJIS規格
フレーム重量は990g(Mサイズ)と現代の、特にこのレンジのバイクにおいては標準的ともいえる数値だ。デダチャイ社の技術力をもってすればカタログデータ上のスペックはいくらでも高められたであろう。
標準的な重量で抑えているのは、走りの性能を重視したことにほかならない。数値的な軽さよりも、走りの軽さ、さらには過酷な条件での使用にも対応した耐久性を持つことの証でもある。
マテリアルの供給以外にも、OEMでフレーム生産も行うデダチャイ社。うがった見方をするならば、デダチャイストラーダのバイクは技術力のみを見せつけるコンセプトバイクとして存在する道もあったはずだ。
軽量化と空気抵抗の低減、低重心化に貢献するインテグレーテッドシートポスト
エアロダイナミクスを考慮したシートチューブ形状を採用
横から見るとマッシブなフレームも後部からみると繊細そのもの
しかし、研ぎ澄まされた性能を与えられたバイクを生み出しているのは、同社のクラフトマンシップの誇りにほかならない。レースバイクというセグメントでデダチャイストラーダたるアイデンティティを見せつけるバイク。これこそがスーパースクーロの真の姿だ。
デダチャイ社のプライドとポリシーが込められたSTRADA SUPER SCUROを、テスター両氏はどう評するのだろうか?さっそく、インプレッションをお届けしよう。
―インプレッション
「まさにイタリアンバイク。安定感のあるフィーリングは特筆もの」 鈴木祐一(RiseRide)
「乗ったときのフィールは安定感が特筆もの」 鈴木祐一 まさにイタリアンテイストが詰まったバイク。なにがイタリアンバイクかというと、緊張感の高い状態が続くロードレースのために作られたバイクというイメージを強く感じられた。
いわゆるアップダウンやコーナリングがあり、密集した集団の中で数時間も過ごさないような環境下であっても安心してそこにストレスなく過ごすためのバイクといえるだろう。
ロードレースが盛んな国なのでそこに設計のコンセプトを、というつくり方をするメーカーが多いと思う。そのひとつである安定感というのをデダチャイストラーダのバイクからは強く感じた。ハイスピードで手放しをしてもまったく問題ない優れた直進安静性はロードレースで強い武器となるだろう。
このフレームの外観よりも、ロードレーサーが求めている性能が出ている。そこの上手さというのが、もともと素材メーカーというところが活きており、特長的な形状にしたとしても、素材面でコントロールしてレーシングバイクとしての性能を導き出していると考えられる。
デザイン優先で乗り味が二の次というメーカーも存在しなくはない現在の風潮において、イタリアンブランドとしてのよさがにじみ出るデザインだ。
でもそれだけでなくて、ロードバイクの性能というものを考慮して、しっかりと素材選び出している。またかっこいいバイクに乗りたいというのは誰にでもあるので、その趣味心も満たしてくれる。
乗ったときのフィールは安定感が特筆ものだが、剛性もかなり高く感じられる。走り方の特長としては、大きなトルクで、平坦を大パワーで、グーっとクランクを回す。上りでは、パワーは持続できないので、軽いギアにしてBBの戻りの早さを利用して、ケイデンスを高めて上るという。バイクの良さが活きてくる。そして回転を使って高ケイデンスでリズミカルに上ると心地よく維持できる。ケイデンスは高めのペダリングのほうがバイクのパフォーマンスを発揮しやすかった。横剛性が高いのでBB周りのウィップの戻りが速く反応が鋭いバイクだ。
「ペダリングパワーに対して優れた反応性を示す」 山本健一(ロードバイクジャーナリスト)
マイルドな乗り心地を求めるならこのバイクを選ばないだろう。「かっこいいな」、「走りそうだな」、と思った通りの走りを提供してくれる。まさに平坦を勢いよく走りたい、そんな人には良いバイクだ。フレーム重量1000g前後と十分に軽量なレベルだ。現在においてはこのレベルのバイク性能が非常に安定感があり、このスーパースクーロも例に漏れない。
フレームの剛性感も強力に捻出されており、イタリア屈指のチューブメーカーとしての実力を遺憾なく発揮している。独特のボックス形状のチューブがねじれ剛性に対して効果的な作用を及ぼしているのだろう。チューブ肉厚は非常に薄く、ピンポイントな衝撃には非常にデリケートだろうと想像できるが、構造体としての完成度は高いレベルにある。ペダリングパワーに対して高レベルの反応の良さを示した。ロードバイクに必要不可欠な爽快な加速性能を持っているバイクだ。
「ペダリングパワーに対して優れた反応性を示す」 山本健一
踏み出しの加速感も伸びやかで、パワーロスはほとんど感じられない。不要なねじれを感じず、加速をスポイルする原因があまり見つけられない。まさに見た目通りの豪快なバイクでガンガンとスピードを上げたくなってしまう。もっともそんな具合に踏みすぎてしまうとパワーをすぐに搾り取られてしまう。ある程度抑制を効かせて走ることを心がけないと、脚が売り切れてしまうだろう。
フォーク剛性もフレームに対して適正なレベルを実現している。これもチューブメーカーとしての強みを活かした設計であることが伺える。自社工場によって綿密なテストを繰り返し、最適なフォークをアッセンブルしていく作業が目に浮かぶ。
フレームの高い剛性と頼りがいのあるフォークのおかげで実に軽やかなコーナリング性能をもたらす。タイヤの限界性能を引き出せるフレームとして、クリテリウムなどでも活躍できそうだ。またアンジュレーションを受け止めるようなしなやかさもあり、大口径チューブとカーボンファイバーのコンビネーションによってもたらされていると実感できた。
上りもスムーズだ。フレーム車体の軽さも活かされてまずまずの上り性能を示す。シッティングでトルクをかけてもよく応えるが、高いフレーム剛性を活かすには軽いギアでテンポよく上っていきたい。意外なことにコンフォート性能も十分に確保されおり、あらゆる性能を兼ね備えた優等生タイプのレーシングバイクといえる。
ロードレース全般に適したレーシングバイク。鋭い反応性は国内ロードレースにも向いているだろう。
DEDACCIAI STRADA SUPER SCURO (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
DEDACCIAI STRADA SUPER SCURO
カラー:ブラック、ホワイト×ブルー×レッド、ホワイト
チューブ:IM600HMカーボン
サイズ:XS(488)、S(501)、M(526)、L(556)
重量:990g(フレーム単体)、330g(フォーク単体)
カーボンフォーク:トップ:1-1/8” ボトム:1-1/2"
価格:フレームセット 288,000円(税込み)、610,700円(シマノ・デュラエース完成車)、434,600円(シマノ・アルテグラ完成車)
インプレライダーのプロフィール
鈴木祐一 鈴木 祐一(Rise Ride)
サイクルショップ・ライズライド代表。バイシクルトライアル、シクロクロス、MTB-XCの3つで世界選手権日本代表となった経歴を持つ。元ブリヂストン MTBクロスカントリーチーム選手としても活躍した。2007年春、神奈川県橋本市にショップをオープン。クラブ員ともにバイクライドを楽しみながらショップを経営中。各種レースにも参戦中。セルフディスカバリー王滝100Km覇者。
サイクルショップ・ライズライド
山本健一(バイクジャーナリスト) 山本健一(バイクジャーナリスト)
身長187cm、体重68kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質はどちらかといえばスピードマンタイプで上りは苦手。1000mタイムトライアル1分10秒(10年前のベストタイム)がプチ自慢。インプレッションはじめ製品レビューなどがライフワーク的になっている。インプレ本のバイブル、ロードバイクインプレッション(エイ出版社)の統括エディターもつとめる。
ウェア協力:ビエンメB+(フォーチュン)
text:Kenichi.YAMAMOTO
photo:Makoto AYANO

クロモリバイクが全盛期だった時代から、アルミ、さらにはカーボンへとフレーム素材のトレンドが推移しても、デダチャイはマテリアルのトップブランドとして君臨し続けている。マテリアルを知りつくした同社だけに、フレームとして完成形になった状態に対してもユーザーやジャーナリストの目は厳しい。単なる新興ブランドとして甘めの評価はされず、スタートからハードルが高く据えられていたのは容易に想像できる。
当然のように期待される状況のなかで生まれたデダチャイストラーダは、求められる以上の品質と意外性をもった製品で応えた。フラッグシップモデルとしてラインナップされるテメラリオは、その技術力を象徴するようにマッシブなシルエットに成型され、シートステーにチタン素材を用いるなど、マテリアルブランドとしてのプライドも感じさせるバイクに仕上げられた。



今回テストライドを行ったスーパースクーロは、ジロ・デ・イタリアでステージ優勝を達成したスクーロRSの遺伝子を受け継ぎ、さらなる進化を遂げて誕生したフルカーボンのピュアレーシングモデルである。ハイモジュラスIM600カーボンを採用したフレームは、プロライダーの強靱な脚力にも耐えうる剛性が与えられた。
カーボン素材のもつ造型の自由度を生かしたシルエットも見逃せない。オールラウンダーでありながらエアロダイナミクスを考慮したフレーム形状は、ポイントごとに求められる剛性など、必要とされる要素をすべて満たしたうえで、デダチャイストラーダとしてのアイデンティティが生きる洗練されたものである。
プロの足にも応える走りの性格を演出するマスターピースとなるヘッドやダウンチューブ、ハンガー付近は、それに相応しいボリュームで成型されており、レーシングモデルとしての強い主張が垣間みえる。




200キロ近いステージが続くレースでの走行を考えれば剛性と同時に重要視されるのが、外的要因によるライダーの疲労を最小限に抑える振動吸収性だ。これに関してもスーパースクーロは、シェイプされたシートステーによって応える。
ライダーの入力をロスなく路面へと伝達し、路面からの衝撃は状況を判断するインフォメーションとなり得るレベルまで抑え込む。これこそが素材は変わってもレースバイクに求められる不変的な要素だ。計算され尽くしたマテリアルの選択や使い方、フレーム形状において2つの要素をスーパースクーロは高次元でバランスさせているのだ。
妥協を許さないレーシングバイクとして、さらにユーザーの所有欲を満足させるために、下ワンを1-1/2"としたテーパードヘッドや、インテグレーテッドシートポストを採用するなど、時代をリードするブランドとしてトレンドも積極的に採り入れている。これらの採用により、ダンシングでの推進力は格段に高まり、安定した乗り心地のための低重心化といった性能を獲得している。


フレーム重量は990g(Mサイズ)と現代の、特にこのレンジのバイクにおいては標準的ともいえる数値だ。デダチャイ社の技術力をもってすればカタログデータ上のスペックはいくらでも高められたであろう。
標準的な重量で抑えているのは、走りの性能を重視したことにほかならない。数値的な軽さよりも、走りの軽さ、さらには過酷な条件での使用にも対応した耐久性を持つことの証でもある。
マテリアルの供給以外にも、OEMでフレーム生産も行うデダチャイ社。うがった見方をするならば、デダチャイストラーダのバイクは技術力のみを見せつけるコンセプトバイクとして存在する道もあったはずだ。



しかし、研ぎ澄まされた性能を与えられたバイクを生み出しているのは、同社のクラフトマンシップの誇りにほかならない。レースバイクというセグメントでデダチャイストラーダたるアイデンティティを見せつけるバイク。これこそがスーパースクーロの真の姿だ。
デダチャイ社のプライドとポリシーが込められたSTRADA SUPER SCUROを、テスター両氏はどう評するのだろうか?さっそく、インプレッションをお届けしよう。
―インプレッション
「まさにイタリアンバイク。安定感のあるフィーリングは特筆もの」 鈴木祐一(RiseRide)

いわゆるアップダウンやコーナリングがあり、密集した集団の中で数時間も過ごさないような環境下であっても安心してそこにストレスなく過ごすためのバイクといえるだろう。
ロードレースが盛んな国なのでそこに設計のコンセプトを、というつくり方をするメーカーが多いと思う。そのひとつである安定感というのをデダチャイストラーダのバイクからは強く感じた。ハイスピードで手放しをしてもまったく問題ない優れた直進安静性はロードレースで強い武器となるだろう。
このフレームの外観よりも、ロードレーサーが求めている性能が出ている。そこの上手さというのが、もともと素材メーカーというところが活きており、特長的な形状にしたとしても、素材面でコントロールしてレーシングバイクとしての性能を導き出していると考えられる。
デザイン優先で乗り味が二の次というメーカーも存在しなくはない現在の風潮において、イタリアンブランドとしてのよさがにじみ出るデザインだ。
でもそれだけでなくて、ロードバイクの性能というものを考慮して、しっかりと素材選び出している。またかっこいいバイクに乗りたいというのは誰にでもあるので、その趣味心も満たしてくれる。
乗ったときのフィールは安定感が特筆ものだが、剛性もかなり高く感じられる。走り方の特長としては、大きなトルクで、平坦を大パワーで、グーっとクランクを回す。上りでは、パワーは持続できないので、軽いギアにしてBBの戻りの早さを利用して、ケイデンスを高めて上るという。バイクの良さが活きてくる。そして回転を使って高ケイデンスでリズミカルに上ると心地よく維持できる。ケイデンスは高めのペダリングのほうがバイクのパフォーマンスを発揮しやすかった。横剛性が高いのでBB周りのウィップの戻りが速く反応が鋭いバイクだ。
「ペダリングパワーに対して優れた反応性を示す」 山本健一(ロードバイクジャーナリスト)
マイルドな乗り心地を求めるならこのバイクを選ばないだろう。「かっこいいな」、「走りそうだな」、と思った通りの走りを提供してくれる。まさに平坦を勢いよく走りたい、そんな人には良いバイクだ。フレーム重量1000g前後と十分に軽量なレベルだ。現在においてはこのレベルのバイク性能が非常に安定感があり、このスーパースクーロも例に漏れない。
フレームの剛性感も強力に捻出されており、イタリア屈指のチューブメーカーとしての実力を遺憾なく発揮している。独特のボックス形状のチューブがねじれ剛性に対して効果的な作用を及ぼしているのだろう。チューブ肉厚は非常に薄く、ピンポイントな衝撃には非常にデリケートだろうと想像できるが、構造体としての完成度は高いレベルにある。ペダリングパワーに対して高レベルの反応の良さを示した。ロードバイクに必要不可欠な爽快な加速性能を持っているバイクだ。

踏み出しの加速感も伸びやかで、パワーロスはほとんど感じられない。不要なねじれを感じず、加速をスポイルする原因があまり見つけられない。まさに見た目通りの豪快なバイクでガンガンとスピードを上げたくなってしまう。もっともそんな具合に踏みすぎてしまうとパワーをすぐに搾り取られてしまう。ある程度抑制を効かせて走ることを心がけないと、脚が売り切れてしまうだろう。
フォーク剛性もフレームに対して適正なレベルを実現している。これもチューブメーカーとしての強みを活かした設計であることが伺える。自社工場によって綿密なテストを繰り返し、最適なフォークをアッセンブルしていく作業が目に浮かぶ。
フレームの高い剛性と頼りがいのあるフォークのおかげで実に軽やかなコーナリング性能をもたらす。タイヤの限界性能を引き出せるフレームとして、クリテリウムなどでも活躍できそうだ。またアンジュレーションを受け止めるようなしなやかさもあり、大口径チューブとカーボンファイバーのコンビネーションによってもたらされていると実感できた。
上りもスムーズだ。フレーム車体の軽さも活かされてまずまずの上り性能を示す。シッティングでトルクをかけてもよく応えるが、高いフレーム剛性を活かすには軽いギアでテンポよく上っていきたい。意外なことにコンフォート性能も十分に確保されおり、あらゆる性能を兼ね備えた優等生タイプのレーシングバイクといえる。
ロードレース全般に適したレーシングバイク。鋭い反応性は国内ロードレースにも向いているだろう。

DEDACCIAI STRADA SUPER SCURO
カラー:ブラック、ホワイト×ブルー×レッド、ホワイト
チューブ:IM600HMカーボン
サイズ:XS(488)、S(501)、M(526)、L(556)
重量:990g(フレーム単体)、330g(フォーク単体)
カーボンフォーク:トップ:1-1/8” ボトム:1-1/2"
価格:フレームセット 288,000円(税込み)、610,700円(シマノ・デュラエース完成車)、434,600円(シマノ・アルテグラ完成車)
インプレライダーのプロフィール

サイクルショップ・ライズライド代表。バイシクルトライアル、シクロクロス、MTB-XCの3つで世界選手権日本代表となった経歴を持つ。元ブリヂストン MTBクロスカントリーチーム選手としても活躍した。2007年春、神奈川県橋本市にショップをオープン。クラブ員ともにバイクライドを楽しみながらショップを経営中。各種レースにも参戦中。セルフディスカバリー王滝100Km覇者。
サイクルショップ・ライズライド

身長187cm、体重68kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質はどちらかといえばスピードマンタイプで上りは苦手。1000mタイムトライアル1分10秒(10年前のベストタイム)がプチ自慢。インプレッションはじめ製品レビューなどがライフワーク的になっている。インプレ本のバイブル、ロードバイクインプレッション(エイ出版社)の統括エディターもつとめる。
ウェア協力:ビエンメB+(フォーチュン)
text:Kenichi.YAMAMOTO
photo:Makoto AYANO
フォトギャラリー
Amazon.co.jp