ボルタ・コムニタ・バレンシアナ第2ステージは17kmの個人タイムトライアルで争われたが、主催者は強風のためノーマルバイクでの実施とし、総合タイムに反映されない決定を下した。TT世界王者のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が勝利した。



強風の影響でノーマルバイクでの出走となったボルタ・コムニタ・バレンシアナ第2ステージ photo:CorVos

スペイン東部のバレンシア州を舞台とするボルタ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)は2日目を迎えた。この日は大会唯一の個人タイムトライアル。しかし、フェンスをなぎ倒すほどの強風に見舞われ、選手たちはTTバイクではなく、より風の影響の少ないノーマルバイクでの出走が主催者から伝えられた。あわせて、ステージ優勝は争う一方、タイムは総合成績に加算しない措置が取られた。

17.5kmのコースは概ね平坦路だが、残り8km地点から登坂距離3kmの登りが設定されたレイアウト。思わぬ休息日に近い状況となり、多くの選手がリラックスして走るなか、翌日に2級山岳が控えることもあり、脚に刺激を入れつつステージ優勝を狙う動きもあった。フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツXRG)が20分1秒の好タイムを叩き出し、続いてチームメイトのブランドン・マクナルティ(アメリカ)やフロリアン・フェルミールス(ベルギー)が最速タイムを更新。さらにチェコのTT王者であるマティアス・ヴァチェク(リドル・トレック)が20分28秒でトップに立った。

トップタイムを更新したマティアス・ヴァチェク(リドル・トレック) photo:CorVos

TT世界王者の力を見せつけたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

しかしこの日の勝者に輝いたのは、TT世界選手権で3連覇中のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。コース真ん中に設定された中間計測でヴァチェクのタイムを8秒上回ったエヴェネプールは、最後までペースを落とすことなく20分12秒でフィニッシュ。唯一チームメイトのアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)が8秒差で迫ったものの、最終出走者となった総合首位ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、NSNサイクリングチーム)は流して走り(3分42秒遅れの86位)、エヴェネプールのステージ優勝が決定した。

個人としては、今季3勝目となったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

チャレンジマヨルカでチームTTを含め3戦全勝で今大会に臨んだエヴェネプール。「レース主催者はステージ成績を争う決断を下した。だから自分はその判断をリスペクトし、レースをすることを決めた。僕たちはスポーツマンであるべきで、柔軟に対応するべき。ロードバイクでも早く走れるとわかっているので、(TTバイクと)大差はなかった」と振り返り、「アレクサンドル(ウラソフ)と共に、1位と2位を独占できたのは良い結果」と、今季4勝目を喜んだ。

総合タイムが加算されなかったため、総合首位は前日勝者であるギルマイのまま。翌日は終盤に2級山岳が設定され、直後も登りが登場するため、総合争いが繰り広げられる可能性は高い。
ボルタ・コムニタ・バレンシアナ2026第2ステージ結果
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) 20:12
2位 アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:08
3位 マティアス・ヴァチェク(チェコ、リドル・トレック) +0:16
4位 ベン・ターナー(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) +0:21
5位 フロリアン・フェルミールス(ベルギー、UAEチームエミレーツXRG) +0:30
個人総合成績
1位 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、NSNサイクリングチーム) 3:25:31
2位 アルネ・マーリッツ(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:04
3位 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ) +0:06
4位 マッツ・ヴェンツェル(ルクセンブルク、エキポ・ケルンファルマ)
5位 ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ)
その他の特別賞
ポイント賞 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、NSNサイクリングチーム)
山岳賞 ダニー・ファンデルトゥーク(ポーランド、エウスカルテル・エウスカディ)
ヤングライダー賞 マッツ・ヴェンツェル(ルクセンブルク、エキポ・ケルンファルマ)
チーム総合成績 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos