2012/02/11(土) - 22:40
2012年2月10日、ツアー・オブ・カタール(UCI2.HC)第6ステージは、ゴール前でカヴェンディッシュが落車する波乱の展開。アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット)がプロ初勝利を飾るとともに、総合リードを守ったトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が4度目の総合優勝に輝いた。
6日間の日程で開催されたツアー・オブ・カタールを締めくくるのは、カタール半島半部のシーラインビーチリゾートからドーハの海岸通(コルニッシュ)まで北上する120.5km。最後は海岸通を中心とした6kmの周回コースを10周する。
この日は南からの風により、レースは序盤から超ハイスピードな展開を見せる。レース最初の1時間の平均スピードは驚きの55.4km/h。
集団が分裂する中、総合2位タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)が38.5km地点のスプリントポイントを先頭通過し、3秒のボーナスタイムを獲得してボーネンとの総合タイム差を28秒に詰める。
スプリントポイント通過後にマーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)やトニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)ら7名が逃げを決め、最大2分20秒までそのリードを広げる。
しかし海岸通の周回コースに入るとメイン集団のペースアップが始まり、ゴールまで15kmを残して逃げは全て吸収される。一方、前半のハイスピードな展開によってメイン集団から遅れていた清水都貴や西薗良太(ブリヂストンアンカー)は、周回コースに入ることが出来ずに降車を言い渡された。
ガーミン・バラクーダやチームスカイ、オメガファーマ・クイックステップといったスプリンターチームがしのぎを削る集団最前線。90名弱に絞られたメイン集団が海岸通をハイスピードで駆け抜ける。しかし、前日に引き続き、完全に集団を支配するチームがいない混沌とした状態。
スプリント勝負が始まると思われたその刹那、ラスト150mでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)が他選手と接触して落車。この落車によって集団先頭はバラけ、タイミングよく飛び出したデマールが勝利した。
デマールは昨年デンマーク・コペンハーゲンで開催されたロード世界選手権U23ロードレースで優勝。今年スタジエールから昇格し、FDJ・ビッグマットでプロデビューした。前日の第5ステージでも7位に入っており、FDJの新たな戦力として今シーズン活躍が期待される。
ゴールデンジャージのボーネンは15位。2日連続スプリント勝負に絡めなかったが、安定した走りで4度目の総合優勝に輝いた。ボーネンは同時にポイント賞も獲得。来る春のクラシックシーズンに向けて好調ぶりをアピールした。オメガファーマ・クイックステップはチーム総合優勝に輝いている。
この日も集団前方に姿を見せ、カヴェンディッシュの落車を避けて集団スプリントに加わった別府史之は13位。「落車に絡みそうになったけど、ラスト100mのところまでデーヴィスを引っ張り上げた。今日は一日中チームメイトのために集団を引っ張っていたので、スプリントだけに集中出来ればもっと上位を狙えたと思う」。エーススプリンターのアラン・デーヴィス(オーストラリア)は8位でレースを終えている。
「新しいチームで迎えたシーズン初戦。とても良いスタートがきれました。余裕をもって有意義に走れたので楽しめた。コンディションはとても良いので、次のレースからリザルトを狙おうと思います」。6日間の闘いを終え、フミは2012年シーズンに向けて良い感触を掴んだ様子。次戦は2月18日から19日までフランスで開催されるオートヴァー(UCI2.1)。その後シンガポールのクリテリウムレースに出場し、スペインでの合宿を経て3月19日開幕のブエルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)に出場する予定だ。
レース内容はレース公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2012第6ステージ結果
1位 アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット) 2h20'44"
2位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
3位 マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、プロジェクト1t4i)
5位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)
7位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
8位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、グリーンエッジ)
9位 アーロン・ケンプス(オーストラリア、チャンピオンシステム)
10位 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)
13位 別府史之(日本、グリーンエッジ)
28位 吉田隼人(日本、ブリヂストンアンカー)
74位 井上和郎(日本、ブリヂストンアンカー)
DNF 清水都貴(日本、ブリヂストンアンカー)
DNF 西薗良太(日本、ブリヂストンアンカー)
個人総合成績
1位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 15h42'14"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +28"
3位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ) +33"
4位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) +34"
5位 トム・フィーラース(オランダ、プロジェクト1t4i) +1'00"
6位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) +1'05"
7位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +1'06"
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +1'09"
9位 アイディス・クルオピス(リトアニア、グリーンエッジ) +1'10"
10位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム) +1'14"
47位 別府史之(日本、グリーンエッジ) +3'52"
104位 井上和郎(日本、ブリヂストンアンカー) +20'26"
106位 吉田隼人(日本、ブリヂストンアンカー) +22'27"
ポイント賞
トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
新人賞
ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
6日間の日程で開催されたツアー・オブ・カタールを締めくくるのは、カタール半島半部のシーラインビーチリゾートからドーハの海岸通(コルニッシュ)まで北上する120.5km。最後は海岸通を中心とした6kmの周回コースを10周する。
この日は南からの風により、レースは序盤から超ハイスピードな展開を見せる。レース最初の1時間の平均スピードは驚きの55.4km/h。
集団が分裂する中、総合2位タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)が38.5km地点のスプリントポイントを先頭通過し、3秒のボーナスタイムを獲得してボーネンとの総合タイム差を28秒に詰める。
スプリントポイント通過後にマーティン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)やトニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)ら7名が逃げを決め、最大2分20秒までそのリードを広げる。
しかし海岸通の周回コースに入るとメイン集団のペースアップが始まり、ゴールまで15kmを残して逃げは全て吸収される。一方、前半のハイスピードな展開によってメイン集団から遅れていた清水都貴や西薗良太(ブリヂストンアンカー)は、周回コースに入ることが出来ずに降車を言い渡された。
ガーミン・バラクーダやチームスカイ、オメガファーマ・クイックステップといったスプリンターチームがしのぎを削る集団最前線。90名弱に絞られたメイン集団が海岸通をハイスピードで駆け抜ける。しかし、前日に引き続き、完全に集団を支配するチームがいない混沌とした状態。
スプリント勝負が始まると思われたその刹那、ラスト150mでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)が他選手と接触して落車。この落車によって集団先頭はバラけ、タイミングよく飛び出したデマールが勝利した。
デマールは昨年デンマーク・コペンハーゲンで開催されたロード世界選手権U23ロードレースで優勝。今年スタジエールから昇格し、FDJ・ビッグマットでプロデビューした。前日の第5ステージでも7位に入っており、FDJの新たな戦力として今シーズン活躍が期待される。
ゴールデンジャージのボーネンは15位。2日連続スプリント勝負に絡めなかったが、安定した走りで4度目の総合優勝に輝いた。ボーネンは同時にポイント賞も獲得。来る春のクラシックシーズンに向けて好調ぶりをアピールした。オメガファーマ・クイックステップはチーム総合優勝に輝いている。
この日も集団前方に姿を見せ、カヴェンディッシュの落車を避けて集団スプリントに加わった別府史之は13位。「落車に絡みそうになったけど、ラスト100mのところまでデーヴィスを引っ張り上げた。今日は一日中チームメイトのために集団を引っ張っていたので、スプリントだけに集中出来ればもっと上位を狙えたと思う」。エーススプリンターのアラン・デーヴィス(オーストラリア)は8位でレースを終えている。
「新しいチームで迎えたシーズン初戦。とても良いスタートがきれました。余裕をもって有意義に走れたので楽しめた。コンディションはとても良いので、次のレースからリザルトを狙おうと思います」。6日間の闘いを終え、フミは2012年シーズンに向けて良い感触を掴んだ様子。次戦は2月18日から19日までフランスで開催されるオートヴァー(UCI2.1)。その後シンガポールのクリテリウムレースに出場し、スペインでの合宿を経て3月19日開幕のブエルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)に出場する予定だ。
レース内容はレース公式サイトより。
ツアー・オブ・カタール2012第6ステージ結果
1位 アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット) 2h20'44"
2位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
3位 マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)
4位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、プロジェクト1t4i)
5位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
6位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)
7位 ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
8位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、グリーンエッジ)
9位 アーロン・ケンプス(オーストラリア、チャンピオンシステム)
10位 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)
13位 別府史之(日本、グリーンエッジ)
28位 吉田隼人(日本、ブリヂストンアンカー)
74位 井上和郎(日本、ブリヂストンアンカー)
DNF 清水都貴(日本、ブリヂストンアンカー)
DNF 西薗良太(日本、ブリヂストンアンカー)
個人総合成績
1位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 15h42'14"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +28"
3位 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、チームスカイ) +33"
4位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) +34"
5位 トム・フィーラース(オランダ、プロジェクト1t4i) +1'00"
6位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ) +1'05"
7位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +1'06"
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +1'09"
9位 アイディス・クルオピス(リトアニア、グリーンエッジ) +1'10"
10位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム) +1'14"
47位 別府史之(日本、グリーンエッジ) +3'52"
104位 井上和郎(日本、ブリヂストンアンカー) +20'26"
106位 吉田隼人(日本、ブリヂストンアンカー) +22'27"
ポイント賞
トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
新人賞
ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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