2012/02/21(火) - 20:46
1946年に創業し、今年で創業66年目となるフランスの老舗総合自転車メーカー「ラピエール」。長い歴史の中で常に先進的なバイクを生産し続け、本国フランスやヨーロッパでは非常に定評のあるブランドである。近年では自国プロチームのFDJ(エフデジュ)チームに機材供給を行い、そのフィードバックを活かした製品造りを行っている。
今回インプレッションを行うのは「ゼリウス400 FDJ CP」。ラピエールが放つロードモデルのトップレンジ「ゼリウス」シリーズの、完成車として最高峰に位置づけられるモデルである。
実際にゼリウスはエフデジュチームに長年供給され、そのフィードバックから常にその時代に合わせた進化を遂げてきた。チームは今シーズンからFDJ・ビッグマットに名称を変更したが、バイクはラピエールを継続する。機材の変更が頻繁に発生している昨今において、これはチームがゼリウスの性能を認めているからであろう。ゼリウスはまさに実戦の舞台ありきで進化を遂げてきた、ピュアレーシングマシンなのである。
ゼリウスフレームは適所に高強度HMカーボンとVHMカーボンを配置した、フルカーボンモノコック構造で制作される。ユニークなのがその製造方法で、フレーム内部を形成するためにシリコンの心棒を用いる点だ。
これは加熱と鋳型の段階でフレーム全体に内外から均一に圧力をかけることを目的とし、その結果より強くカーボン素材を結合でき、最小限の素材量で強靭な構造体を制作できるという。すなわち、ヘッドチューブやボトムブラケットのような、より剛性が求められる繊細な部分をより強固で軽量なものとすることができるのだ。
また、その工法はフレーム内部が滑らかに仕上がる特長があるため軽量化にも繋がり、55cmサイズのフレームでわずか860gという軽量性を誇る。またドロップアウト、ケーブルストッパー、ヘッドセットキャップにいたるまで100%カーボン製となっているのも、ラピエールの持つ高い技術力の証明と言えるだろう。
ヘッド部分は上下異形のテーパードヘッドチューブを採用し、剛性の向上に貢献している。フロントフォークはゼリウスのために供給される、フルカーボン製イーストン EC90 テーパードフォークを使用する。ケーブル類は全てフレーム内に内蔵処理が施されており、すっきりとした見た目の美しさと、空力性能の向上が図られている。Di2にも完全対応し、コンポーネントの性能を最大限引き出すことのできるケーブルルーティング機構を採用しているという。
フレーム形状は、トップチューブがスローピングしながらも、緩やかに曲線を描く流麗なスタイルを持つ。ダウンチューブもわずかにアールを持ち、垂直方向の柔軟性と乗り心地の向上を狙っている。チェーンステーには横剛性の向上を実現するためつぶし加工が入っている。
カラーリングは供給するFDJ・ビッグマットチームのレプリカカラー。ブラックを基調にフレンチトリコロールがデザインされるエスプリの効いたデザインだ。コンポーネントはシマノ・アルテグラ(機械式)が中心にアッセンブルされ、マヴィック・キシリウムエキップがセットされる。ハンドル、ステム、シートピラーはリッチー製で統一され、441,000円 (税込)のプライスとなっている。
また、フォークやパーツのグレードを押さえつつ、アルテグラを搭載したお手頃モデルのゼリウス200(税込367,500円)もラインナップされる。今回のゼリウス400と共通のフレームが使用されているので、パーツを徐々にアップグレードしていけば永く楽しんでいけるだろう。
さて、トップチームも使用するこのフレンチマシンを、テスター両氏はどう評するのだろうか?早速、インプレッションをお届けしよう。
―インプレッション
「安定感と踏みの軽さをミックスした、走りやすいバイク」吉田秀夫(盆栽自転車店)
まずテストをしてみて、このバイクはビギナーからコアユーザーまで、誰に対しても安心して乗ってもらえるような安定感があるバイクだと感じました。フラフラすことが無くダウンヒルにおいてもハンドリングがしっかりと安定しており、まっすぐ進むことにストレスを感じることがありませんでした。
手放し運転も簡単に可能とさせてしまうほどで、ここまでの安定性は、他社ブランドのバイクと比べた際にも際立っていると言えるでしょう。ハンドリングに関しては過敏なクイックさは無いので、そういったハンドリングを求めるライダーには少し重たく感じるかもしれません。
しかしペダリングした時の軽やかさ、特に上り坂でダンシングをした際にはしっかりと軽快なフィーリングを伝えてくれます。ただ単純に何かの性能が際立っているようなバイクとは違ってどんな場面でも応用の利く、味わい深いフレームだと感じました。
漕いだ時のフレームの硬さと乗り心地の良さという、相反する2つの要素がうまくバランシングされていると感じます。このゼリウスは、カタログ上ではプロチームも使用するハイエンドモデルという位置づけとなっているものの、ピュアレーシングマシンにようなガチガチの硬さは設定されていないので、ビギナーでもストレス無く乗りこなせてしまうバイクだと思いますね。
フォークには、ゼリウスのために設計を変更したイーストンのEC90SLが採用されていますが、このフォークが結構ビシッとしていますね。個人的にはイーストンのフォークは柔らかめの印象でしたが、このフォークは剛性が高く下りのコーナーやブレーキングの際にもたわまず、安定感をライダーに供与してくれているのでしょう。
最近のハイエンドモデルとしては珍しくノーマル規格のBBを採用していますが、大出力で重いギアを踏んでみても、ロスになるようなたわみは感じ取れませんでした。かえって乗り心地の良さや乗りやすさに繋がっているので、良い選択だと思います。一般ユーザーにはパーツ選択の面での汎用性の高さが味方になるはずです。
ワイヤー類は泥つきや汚れ防止、エアロ効果の面から内蔵加工となっていますが、ワイヤー出し入れ口の取り付け位置など、取り回しの許容範囲が少しシビアに感じます。電動コンポーネントで組めば全く問題になりませんが、ケーブルルーティングでショップやメカニックのセンスが問われる点が出てくると思います。
一見して、チェーンステーの多方向への複雑なつぶし加工など、シンプルながら走りの理想を追求したフォルムに見えます。デザインの趣向はひとそれぞれなので一概に語れませんが、ダウンチューブの造詣も個人的思考にはマッチしていて好感が持てました。ラピエールがサポートするFDJチームは、このフレームにデュラエース・Di2を合わせてレースを走っていますので、確実にDi2との相性が良いフレームと言えます。ですのでなおさら機械式だけではなく、電動コンポーネントの完成車パッケージの発売も期待したいところですね。
完成車はシマノ・アルテグラ6700がアッセンブルされています。コンポーネントに不満はありませんが、徐々にパーツをグレードアップさせていけば、ずっと永く楽しむことのできる、懐の深いバイクと言えるでしょう。
「ビギナーにも対応する、安定感のある軽やかさが魅力のバイク」諏訪孝浩(BIKESHOP SNEL)
平地の巡航や、上りで様々なシチュエーションを試してみましたが、その中でもダンシングの軽さが一番強く印象に残りました。このフレーム自体が硬すぎない味付けになっているので、リズムに乗って坂を上っていくことができるような、カタログの数値では表せない軽さがこのバイクには秘められていると感じました。
ヒルクライムと言っても重いギアを回したり、シッティングで踏み続けていったりと、そのの上り方は人それぞれでしょう。私はどちらかと言うと、ダンシングを多用してヒルクライムをすることが多いのですが、このバイクはダンシングの際の振りが軽く、私のように上り坂でダンシングを多用するような方には向いていると思います。ライダーを気持ちよく、軽やかにヒルクライムをさせてくれるバイクと言えるでしょう。
ガツッと高い出力で踏んだ時の掛かりが良く、剛性と柔軟性のバランスがとられているので、そのまま踏み続けて行ってもタレにくいと云う印象を受けます。直進安定性はかなり強めの作りと感じます。FDJ・ビッグマットが今シーズンインテグラルシートポスト仕様の同じバイクを使用するとのことですが、そういう所にプロ仕様の味付けを見いだせます。
プロが使うような他ブランドのハイスペックモデルと比較した際にも、強めに直進性が設定されていると感じました。例えばゆっくりとサイクリングロードを流すようなシーンにしても安定感があり、まだロードバイクのハンドリング慣れていないビギナーにとっても良い選択だと思います。
アッセンブルされるタイヤはユッチンソン・フュージョン2がチョイスされていることも注目したいですね。比較的柔らかめのタイヤなので、バイク全体として見た時に振動吸収性と直進安定性に貢献していると思います。
下りにおいては、そのしっかりとした直進安定性が安心感につながっていると思います。ヒラヒラとコーナーを抜けていくタイプのバイクではありませんが、かなりレベルの高いライダーで、しかもコーナリングに重きを置いて、クイックなハンドリングを求めるようなレーサーには少しもっさりとした印象を与えてしまうかもしれません。
しかし市民レースを対象とする、サイクリングスポーツを楽しむ大多数のライダーに対しては、ほとんどと言って良いほど問題にならない範疇で収まっています。ラピエールはフランス国内での認知度や流通している量は相当なものと聞きます。フランスを代表する赤、白、青のフレンチトリコロールに精悍な印象を与えるブラックが配され、ハイセンスなルックスだと思います。
今回インプレッションを行った車両は、完成車としてシマノ・アルテグラがアッセンブルされています。ハンドルやステム、ホイールなどその他のパーツも含めて全くパッケージングに不満は無いといっていいでしょう。むしろプロユースのフレームであるし、デュラエースに換装したとしても、コンポーネントにフレームが負けることは無いと思いました。
ラピエール XELIUS FDJ CP(完成車)
フレーム:HMカーボンモノコック
フォーク:イーストン EC90 テーパードフォーク
ヘッドセット:上下異形テーパードヘッド
コンポーネント:シマノ・アルテグラ6700
ホイール:マヴィック・キシリウムエキップ
サイズ:46、49、52、55(cm)
重量:7.4kg
価格:\441,000(税込)
インプレライダーのプロフィール
吉田秀夫(盆栽自転車店)
東京・千駄ヶ谷にある「自転車屋カフェ盆栽自転車店」のプレジデント。かつては実業団トップカテゴリーを走り、ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野など国際レースも多数出場。2011年の独立開業後に自身のクラブも立ち上げてロードレースからシクロクロスまで鋭意参戦中。ファッションサイクリストをレペゼン。自転車における速さだけではない分野においても同時に深く追求し続けている。
盆栽自転車店
諏訪 孝浩(BIKESHOP SNEL)
バイクショップスネル代表。自転車歴26年、過去にオランダのアマチュアチームに3シーズン在籍しクリテリウムに多数参戦。オランダクラブ内クリテリウム選手権3位など。
2008年3月に東京都大田区にショップをオープン。オランダで色々なショップを見てきた経験を元に、独自のセンスでショップを経営中。主にシクロクロスをメインに参戦し、クラブ員の約半数がシクロクロスに出場している。
BIKESHOP SNEL
ウェア協力:スゴイ(SUGOi)
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
edit:Kenji.Degawa
今回インプレッションを行うのは「ゼリウス400 FDJ CP」。ラピエールが放つロードモデルのトップレンジ「ゼリウス」シリーズの、完成車として最高峰に位置づけられるモデルである。
実際にゼリウスはエフデジュチームに長年供給され、そのフィードバックから常にその時代に合わせた進化を遂げてきた。チームは今シーズンからFDJ・ビッグマットに名称を変更したが、バイクはラピエールを継続する。機材の変更が頻繁に発生している昨今において、これはチームがゼリウスの性能を認めているからであろう。ゼリウスはまさに実戦の舞台ありきで進化を遂げてきた、ピュアレーシングマシンなのである。
ゼリウスフレームは適所に高強度HMカーボンとVHMカーボンを配置した、フルカーボンモノコック構造で制作される。ユニークなのがその製造方法で、フレーム内部を形成するためにシリコンの心棒を用いる点だ。
これは加熱と鋳型の段階でフレーム全体に内外から均一に圧力をかけることを目的とし、その結果より強くカーボン素材を結合でき、最小限の素材量で強靭な構造体を制作できるという。すなわち、ヘッドチューブやボトムブラケットのような、より剛性が求められる繊細な部分をより強固で軽量なものとすることができるのだ。
また、その工法はフレーム内部が滑らかに仕上がる特長があるため軽量化にも繋がり、55cmサイズのフレームでわずか860gという軽量性を誇る。またドロップアウト、ケーブルストッパー、ヘッドセットキャップにいたるまで100%カーボン製となっているのも、ラピエールの持つ高い技術力の証明と言えるだろう。
ヘッド部分は上下異形のテーパードヘッドチューブを採用し、剛性の向上に貢献している。フロントフォークはゼリウスのために供給される、フルカーボン製イーストン EC90 テーパードフォークを使用する。ケーブル類は全てフレーム内に内蔵処理が施されており、すっきりとした見た目の美しさと、空力性能の向上が図られている。Di2にも完全対応し、コンポーネントの性能を最大限引き出すことのできるケーブルルーティング機構を採用しているという。
フレーム形状は、トップチューブがスローピングしながらも、緩やかに曲線を描く流麗なスタイルを持つ。ダウンチューブもわずかにアールを持ち、垂直方向の柔軟性と乗り心地の向上を狙っている。チェーンステーには横剛性の向上を実現するためつぶし加工が入っている。
カラーリングは供給するFDJ・ビッグマットチームのレプリカカラー。ブラックを基調にフレンチトリコロールがデザインされるエスプリの効いたデザインだ。コンポーネントはシマノ・アルテグラ(機械式)が中心にアッセンブルされ、マヴィック・キシリウムエキップがセットされる。ハンドル、ステム、シートピラーはリッチー製で統一され、441,000円 (税込)のプライスとなっている。
また、フォークやパーツのグレードを押さえつつ、アルテグラを搭載したお手頃モデルのゼリウス200(税込367,500円)もラインナップされる。今回のゼリウス400と共通のフレームが使用されているので、パーツを徐々にアップグレードしていけば永く楽しんでいけるだろう。
さて、トップチームも使用するこのフレンチマシンを、テスター両氏はどう評するのだろうか?早速、インプレッションをお届けしよう。
―インプレッション
「安定感と踏みの軽さをミックスした、走りやすいバイク」吉田秀夫(盆栽自転車店)
まずテストをしてみて、このバイクはビギナーからコアユーザーまで、誰に対しても安心して乗ってもらえるような安定感があるバイクだと感じました。フラフラすことが無くダウンヒルにおいてもハンドリングがしっかりと安定しており、まっすぐ進むことにストレスを感じることがありませんでした。
手放し運転も簡単に可能とさせてしまうほどで、ここまでの安定性は、他社ブランドのバイクと比べた際にも際立っていると言えるでしょう。ハンドリングに関しては過敏なクイックさは無いので、そういったハンドリングを求めるライダーには少し重たく感じるかもしれません。
しかしペダリングした時の軽やかさ、特に上り坂でダンシングをした際にはしっかりと軽快なフィーリングを伝えてくれます。ただ単純に何かの性能が際立っているようなバイクとは違ってどんな場面でも応用の利く、味わい深いフレームだと感じました。
漕いだ時のフレームの硬さと乗り心地の良さという、相反する2つの要素がうまくバランシングされていると感じます。このゼリウスは、カタログ上ではプロチームも使用するハイエンドモデルという位置づけとなっているものの、ピュアレーシングマシンにようなガチガチの硬さは設定されていないので、ビギナーでもストレス無く乗りこなせてしまうバイクだと思いますね。
フォークには、ゼリウスのために設計を変更したイーストンのEC90SLが採用されていますが、このフォークが結構ビシッとしていますね。個人的にはイーストンのフォークは柔らかめの印象でしたが、このフォークは剛性が高く下りのコーナーやブレーキングの際にもたわまず、安定感をライダーに供与してくれているのでしょう。
最近のハイエンドモデルとしては珍しくノーマル規格のBBを採用していますが、大出力で重いギアを踏んでみても、ロスになるようなたわみは感じ取れませんでした。かえって乗り心地の良さや乗りやすさに繋がっているので、良い選択だと思います。一般ユーザーにはパーツ選択の面での汎用性の高さが味方になるはずです。
ワイヤー類は泥つきや汚れ防止、エアロ効果の面から内蔵加工となっていますが、ワイヤー出し入れ口の取り付け位置など、取り回しの許容範囲が少しシビアに感じます。電動コンポーネントで組めば全く問題になりませんが、ケーブルルーティングでショップやメカニックのセンスが問われる点が出てくると思います。
一見して、チェーンステーの多方向への複雑なつぶし加工など、シンプルながら走りの理想を追求したフォルムに見えます。デザインの趣向はひとそれぞれなので一概に語れませんが、ダウンチューブの造詣も個人的思考にはマッチしていて好感が持てました。ラピエールがサポートするFDJチームは、このフレームにデュラエース・Di2を合わせてレースを走っていますので、確実にDi2との相性が良いフレームと言えます。ですのでなおさら機械式だけではなく、電動コンポーネントの完成車パッケージの発売も期待したいところですね。
完成車はシマノ・アルテグラ6700がアッセンブルされています。コンポーネントに不満はありませんが、徐々にパーツをグレードアップさせていけば、ずっと永く楽しむことのできる、懐の深いバイクと言えるでしょう。
「ビギナーにも対応する、安定感のある軽やかさが魅力のバイク」諏訪孝浩(BIKESHOP SNEL)
平地の巡航や、上りで様々なシチュエーションを試してみましたが、その中でもダンシングの軽さが一番強く印象に残りました。このフレーム自体が硬すぎない味付けになっているので、リズムに乗って坂を上っていくことができるような、カタログの数値では表せない軽さがこのバイクには秘められていると感じました。
ヒルクライムと言っても重いギアを回したり、シッティングで踏み続けていったりと、そのの上り方は人それぞれでしょう。私はどちらかと言うと、ダンシングを多用してヒルクライムをすることが多いのですが、このバイクはダンシングの際の振りが軽く、私のように上り坂でダンシングを多用するような方には向いていると思います。ライダーを気持ちよく、軽やかにヒルクライムをさせてくれるバイクと言えるでしょう。
ガツッと高い出力で踏んだ時の掛かりが良く、剛性と柔軟性のバランスがとられているので、そのまま踏み続けて行ってもタレにくいと云う印象を受けます。直進安定性はかなり強めの作りと感じます。FDJ・ビッグマットが今シーズンインテグラルシートポスト仕様の同じバイクを使用するとのことですが、そういう所にプロ仕様の味付けを見いだせます。
プロが使うような他ブランドのハイスペックモデルと比較した際にも、強めに直進性が設定されていると感じました。例えばゆっくりとサイクリングロードを流すようなシーンにしても安定感があり、まだロードバイクのハンドリング慣れていないビギナーにとっても良い選択だと思います。
アッセンブルされるタイヤはユッチンソン・フュージョン2がチョイスされていることも注目したいですね。比較的柔らかめのタイヤなので、バイク全体として見た時に振動吸収性と直進安定性に貢献していると思います。
下りにおいては、そのしっかりとした直進安定性が安心感につながっていると思います。ヒラヒラとコーナーを抜けていくタイプのバイクではありませんが、かなりレベルの高いライダーで、しかもコーナリングに重きを置いて、クイックなハンドリングを求めるようなレーサーには少しもっさりとした印象を与えてしまうかもしれません。
しかし市民レースを対象とする、サイクリングスポーツを楽しむ大多数のライダーに対しては、ほとんどと言って良いほど問題にならない範疇で収まっています。ラピエールはフランス国内での認知度や流通している量は相当なものと聞きます。フランスを代表する赤、白、青のフレンチトリコロールに精悍な印象を与えるブラックが配され、ハイセンスなルックスだと思います。
今回インプレッションを行った車両は、完成車としてシマノ・アルテグラがアッセンブルされています。ハンドルやステム、ホイールなどその他のパーツも含めて全くパッケージングに不満は無いといっていいでしょう。むしろプロユースのフレームであるし、デュラエースに換装したとしても、コンポーネントにフレームが負けることは無いと思いました。
ラピエール XELIUS FDJ CP(完成車)
フレーム:HMカーボンモノコック
フォーク:イーストン EC90 テーパードフォーク
ヘッドセット:上下異形テーパードヘッド
コンポーネント:シマノ・アルテグラ6700
ホイール:マヴィック・キシリウムエキップ
サイズ:46、49、52、55(cm)
重量:7.4kg
価格:\441,000(税込)
インプレライダーのプロフィール
吉田秀夫(盆栽自転車店)
東京・千駄ヶ谷にある「自転車屋カフェ盆栽自転車店」のプレジデント。かつては実業団トップカテゴリーを走り、ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野など国際レースも多数出場。2011年の独立開業後に自身のクラブも立ち上げてロードレースからシクロクロスまで鋭意参戦中。ファッションサイクリストをレペゼン。自転車における速さだけではない分野においても同時に深く追求し続けている。
盆栽自転車店
諏訪 孝浩(BIKESHOP SNEL)
バイクショップスネル代表。自転車歴26年、過去にオランダのアマチュアチームに3シーズン在籍しクリテリウムに多数参戦。オランダクラブ内クリテリウム選手権3位など。
2008年3月に東京都大田区にショップをオープン。オランダで色々なショップを見てきた経験を元に、独自のセンスでショップを経営中。主にシクロクロスをメインに参戦し、クラブ員の約半数がシクロクロスに出場している。
BIKESHOP SNEL
ウェア協力:スゴイ(SUGOi)
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
edit:Kenji.Degawa
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