2009/05/23(土) - 08:14
リード・ディ・カマイオーレ~フィレンツェの176kmで行われたジロ・デ・イタリア第13ステージは、集団スプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が今大会3勝目を上げ、チームコロンビアに6勝目をもたらした。
中盤に2つの峠があるものの、それ以外はほぼ平坦というジロ・デ・イタリア第13ステージ。ラスト1300mはストレートで、迫力ある集団スプリントが展開されると予想された。
この日は12km地点で3名の逃げが決まった。集団から抜け出したのはミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)、レオナルド・スカルセッリ(イタリア、ISD)、ビョルン・シュレーダー(ドイツ、ミルラム)。
3名は78km地点で5分25秒のリードを得たが、ガーミン・スリップストリーム、チームコロンビアがコントロールするメイン集団はここから徐々にタイム差を詰め始める。
マリアローザに身を包んだデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)はこの日、同色のヘルメットを着用。チームはマリアローザに向け準備していたということだろう。
メイン集団先頭に陣取るスプリンターチームの背後にはラボバンクの選手が集結。
個人総合狙いの選手達は翌第14ステージから再び始まる山岳での争いに向け、リカバリーに努めることに終始した。
逃げの3名に含まれるスカルセッリはフィレンツェ出身。123.1km地点のスプリントポイントでは、沿道に詰めかけた観客の声援に片手を上げて応えながら通過した。
その後、同じく地元出身のダリオダヴィデ・チオーニ(イタリア、ISD)、キェール・カールストローム(フィンランド、リクイガス)もまた、集団から抜け出し、観客に挨拶をしながらパレードランを繰り広げている。
しかし、そのような牧歌的な雰囲気も長くは続かず、ラストの集団スプリントに向け、徐々に集団内に緊迫感が漂い始めた。
タイム差が2分を切った頃、残り30kmのアーチ手前で先頭3名からシュレーダーが飛び出した。残り2名はまもなく集団に吸収。
しばらくねばったシュレーダーも、残り6km地点で集団に吸収された。
そして集団ゴールへとなだれ込んだ。
ラスト1300mのストレートへはスプリンターのタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)を擁するガーミン・スリップストリームの選手を先頭に入ってきた。
コロンビアトレインもその背後に控えている。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)の後ろにはアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)がぴったりマーク。
残り500m。
毎回発射台を務めるマーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア)に引かれてカヴェンディッシュが上がる。
このときペタッキは、先行するサクソバンクの選手の間に挟まれて一瞬失速。懸命に追い上げるも、カヴェンディッシュには一歩及ばず。
カヴェンディッシュは冷静にペタッキの様子をうかがい、ペタッキに対して1車身の差をつけてゴールした。
カヴェンディッシュは今大会3勝目。圧巻のスプリント力に加え、チームの、そしてレンショーの完璧なアシストが際立った勝利だった。そしてチームコロンビアは第13ステージにして驚きの6勝目を挙げることとなった。
ペタッキは2位、以下、アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)、ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)という結果に終わった。
カヴェンディッシュはアシストしてくれたチームメイトについて「彼らは僕をベストポジションに導いてくれた。マーク・レンショーは世界最高のリードアウト(牽引)マンだね。いつか彼が自分で勝つべき日が来るよ」と語った。
「ジロを続けるかどうかは今夜考えるよ。僕自身は続けたいけど」と語ったカヴェンディッシュ。しかしその晩、カヴェンディッシュのジロ離脱がチームからメディアに伝えられることとなった。
ジロ・デ・イタリア第14ステージは、カンピ・ビゼンツィオ~ボローニャの172kmで行われる。
2級の山岳ポイント3つ、3級の山岳ポイントを経て、最大勾配16%の激坂を上ってゴールするこのコースについて、マリアローザを守ったデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)は「翌日はディルーカ向きであることは皆が分かっている。ジャージを守りたいなら、ディルーカを逃がさないこと。彼に離されないようにしてみせる。ゴールまで重要なステージはそんなにない。だからマリアローザを守ること、ディルーカのそばにいて彼にタイム差を返されないようにするのが大事だ」とコメントしている。
個人総合順位、タイムに変動はあるのか。まだまだ目が離せないステージが続きそうだ。
ジロ・デ・イタリア2009第13ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア) 3h48'36"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス) +0"
3位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ) +0"
4位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド) +0"
5位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム) +0"
6位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) +0"
7位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ミルラム) +0"
8位 ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ) +0"
9位 ダヴィデ・ヴィガーノ(イタリア、フジ・セルヴェット) +0"
10位 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル) +0"
個人総合成績
1位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) 54h16'01"
2位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) +34"
3位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) +40"
4位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) +2'00"
5位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +2'52"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +2'59"
7位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) +3'00"
8位 ジルベルト・シモーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ) +4'38"
9位 マルツィオ・ブルセギン(イタリア、ランプレ) +5'26"
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア) +5'53"
ポイント賞 マリアチクラミーノ
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)
山岳賞 マリアヴェルデ
ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
新人賞 マリアビアンカ
トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)
チーム総合成績
アスタナ
中盤に2つの峠があるものの、それ以外はほぼ平坦というジロ・デ・イタリア第13ステージ。ラスト1300mはストレートで、迫力ある集団スプリントが展開されると予想された。
この日は12km地点で3名の逃げが決まった。集団から抜け出したのはミハイル・イグナチエフ(ロシア、カチューシャ)、レオナルド・スカルセッリ(イタリア、ISD)、ビョルン・シュレーダー(ドイツ、ミルラム)。
3名は78km地点で5分25秒のリードを得たが、ガーミン・スリップストリーム、チームコロンビアがコントロールするメイン集団はここから徐々にタイム差を詰め始める。
マリアローザに身を包んだデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)はこの日、同色のヘルメットを着用。チームはマリアローザに向け準備していたということだろう。
メイン集団先頭に陣取るスプリンターチームの背後にはラボバンクの選手が集結。
個人総合狙いの選手達は翌第14ステージから再び始まる山岳での争いに向け、リカバリーに努めることに終始した。
逃げの3名に含まれるスカルセッリはフィレンツェ出身。123.1km地点のスプリントポイントでは、沿道に詰めかけた観客の声援に片手を上げて応えながら通過した。
その後、同じく地元出身のダリオダヴィデ・チオーニ(イタリア、ISD)、キェール・カールストローム(フィンランド、リクイガス)もまた、集団から抜け出し、観客に挨拶をしながらパレードランを繰り広げている。
しかし、そのような牧歌的な雰囲気も長くは続かず、ラストの集団スプリントに向け、徐々に集団内に緊迫感が漂い始めた。
タイム差が2分を切った頃、残り30kmのアーチ手前で先頭3名からシュレーダーが飛び出した。残り2名はまもなく集団に吸収。
しばらくねばったシュレーダーも、残り6km地点で集団に吸収された。
そして集団ゴールへとなだれ込んだ。
ラスト1300mのストレートへはスプリンターのタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)を擁するガーミン・スリップストリームの選手を先頭に入ってきた。
コロンビアトレインもその背後に控えている。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)の後ろにはアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)がぴったりマーク。
残り500m。
毎回発射台を務めるマーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア)に引かれてカヴェンディッシュが上がる。
このときペタッキは、先行するサクソバンクの選手の間に挟まれて一瞬失速。懸命に追い上げるも、カヴェンディッシュには一歩及ばず。
カヴェンディッシュは冷静にペタッキの様子をうかがい、ペタッキに対して1車身の差をつけてゴールした。
カヴェンディッシュは今大会3勝目。圧巻のスプリント力に加え、チームの、そしてレンショーの完璧なアシストが際立った勝利だった。そしてチームコロンビアは第13ステージにして驚きの6勝目を挙げることとなった。
ペタッキは2位、以下、アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)、ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム)という結果に終わった。
カヴェンディッシュはアシストしてくれたチームメイトについて「彼らは僕をベストポジションに導いてくれた。マーク・レンショーは世界最高のリードアウト(牽引)マンだね。いつか彼が自分で勝つべき日が来るよ」と語った。
「ジロを続けるかどうかは今夜考えるよ。僕自身は続けたいけど」と語ったカヴェンディッシュ。しかしその晩、カヴェンディッシュのジロ離脱がチームからメディアに伝えられることとなった。
ジロ・デ・イタリア第14ステージは、カンピ・ビゼンツィオ~ボローニャの172kmで行われる。
2級の山岳ポイント3つ、3級の山岳ポイントを経て、最大勾配16%の激坂を上ってゴールするこのコースについて、マリアローザを守ったデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)は「翌日はディルーカ向きであることは皆が分かっている。ジャージを守りたいなら、ディルーカを逃がさないこと。彼に離されないようにしてみせる。ゴールまで重要なステージはそんなにない。だからマリアローザを守ること、ディルーカのそばにいて彼にタイム差を返されないようにするのが大事だ」とコメントしている。
個人総合順位、タイムに変動はあるのか。まだまだ目が離せないステージが続きそうだ。
ジロ・デ・イタリア2009第13ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア) 3h48'36"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス) +0"
3位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ) +0"
4位 ロバート・ハンター(南アフリカ、バルロワールド) +0"
5位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・スリップストリーム) +0"
6位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) +0"
7位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、ミルラム) +0"
8位 ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ) +0"
9位 ダヴィデ・ヴィガーノ(イタリア、フジ・セルヴェット) +0"
10位 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル) +0"
個人総合成績
1位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) 54h16'01"
2位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) +34"
3位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) +40"
4位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) +2'00"
5位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +2'52"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +2'59"
7位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) +3'00"
8位 ジルベルト・シモーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ) +4'38"
9位 マルツィオ・ブルセギン(イタリア、ランプレ) +5'26"
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア) +5'53"
ポイント賞 マリアチクラミーノ
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)
山岳賞 マリアヴェルデ
ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
新人賞 マリアビアンカ
トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)
チーム総合成績
アスタナ
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