2009/05/23(土) - 01:51
またもビーチリゾートをスタートしたジロ・デ・イタリア。花の街フィレンツェでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が再びスプリント勝利を挙げた。勢いに乗るカヴェンディッシュを力勝負でねじ伏せるスプリンターは、現在、いない。
出走サインはビーチに突き出た桟橋の上
ジロ第13ステージは再びビーチリゾートをスタートした。
リード・ディ・カマイオーレはリグーリア海のビーチリゾートで、海岸に沿ってブティックやリストランテが立ち並び、真っすぐな海岸通りを挟んでホテルが軒を連ねる。まだ海水浴シーズン入り前なのでホテル探しは簡単と思いきや、「本格的に海水浴客が来る6月まで休業している」という安宿も多くて苦労した。
出走サインが行なわれたのはビーチから突き出した桟橋の上!「どうだ、斬新だろう」とスタッフは語ってくれたが、正直言って桟橋の強度が観客の重さに耐えられるかが心配で仕方がなかった。
連日レース中継する国営放送のRAIのスタッフは今日も数えきれないほどいる。仲のいいジェノヴァ出身のチッコ(あまり働いているのを見たことが無い)に聞くと、スタート地点とゴール地点、レース中盤のスタッフを合わせると、150人以上がジロに帯同しているという!
ツール・ド・フランスより規模が小さいとはいえ、選手、チームスタッフ、レーススタッフ、メディア、キャラバンを含めると、ジロとともに移動している人数は1000を超える。
休息日レポートで紹介したウンベルト・パオーリさんの「昔のジロはイタリア各地を巡る冒険のようなものだった。コース上の街は熱心に選手たちを迎えた。今は商業的になってしまって・・・」という言葉が頭から離れない。ジロの国際化&ツール化は、商業的な成功の影でイタリアらしさを失っているとの声も聞く。
イタリアはディルーカに願いを託す
前日の個人タイムトライアルでロシア人メンショフに移ったマリアローザだが、イタリア国内ではダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)を総合優勝候補に推す声が強い。ガゼッタ紙がネット上で行なっている(チンクエテッレ個人TTの結果を考慮しての)優勝者予想アンケートではディルーカが45%でトップだ。
2位は25%で現マリアローザ着用者のメンショフ。開幕前にマリアローザ最有力候補に挙げられていたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)が12%の3位、リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)が11%で4位に続く。ロシアで同じアンケートを取れば90%がメンショフと答えそうだが・・・。
リクイガスのエース体制に疑問を投げかける論調もある。チーム関係者に聞くと、今後もバッソとペッリツォッティのダブルエースに変わりないという。昨年総合4位のペッリツォッティは今年こそ表彰台を狙いところだろう。しかし優勝者予想アンケートでペッリツォッティに投票した人は僅かに3%だ。
止められない止まらないカヴェンディッシュ
横目に広がるビーチで泳ぎたい衝動を抑えながらスタート前に出発。前日の現地レポートの繰り返しになるが、この日も晴天だ。
ゴール地点は花の街フィレンツェ。イタリア観光旅行には欠かせない街であり、観光ポイントが徒歩圏内にまとまっているため個人的にもお勧めしたい街だ。街の中央に佇むドゥオーモは壮観で、中心部から20分ほど歩いた高台のミケランジェロ広場から見るレンガ色の街は何時間でも見ていれる。
これまで数十回に渡ってジロを招き入れており、前回は2005年の個人TTのゴール地点として登場。当時はデーヴィット・ザブリスキー(アメリカ)が最速タイムを叩き出し、ディルーカが数秒差でマリアローザを辛うじて守った(最終的にサヴォルデッリが総合優勝)。
そのフィレンツェ出身のレオナルド・スカルセッリ(イタリア、ISD)がレース序盤から飛び出した! 10km地点、熱せられた長い直線路でカメラを構えると、“逃げ水現象”の中をスカルセッリ3人が登場。メイン集団は完全にペースを落としていたが、次に45km地点で見たときにはガーミンがペースを上げていた。
平坦ステージではアメリカの2チームが元気だ。ガーミンとチームコロンビアが束になって集団のスピードを上げると、逃げていた3名の冒険は敢え無くエンディングを迎えた。
ゴール地点はフィレンツェ西部の競馬場とアルノ川に挟まれた直線路。先導車や警察バイクが巻き上げた砂埃に包まれ、遠くからスプリンターが慌ただしく動いているのが見える。砂埃の中から、大柄なアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)と低姿勢のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が先頭で現れた。この両者は遠目にも判別が容易だ。
カヴェンディッシュはラスト30mでチラッと視線を振ってペタッキの位置をチェック。先頭を譲らないカヴが、ペタッキとの一騎打ちを制した。気づけばカヴは今大会3勝目。チームコロンビアは13ステージ中なんと6勝目!
トスカーナ州での平坦ステージを終え、翌日ジロは山岳地帯を抜けてエミリア・ロマーニャ州に入る。州都ボローニャ南部に位置する長さ2100m、最大勾配16%の急坂を駆け上がってサンルーカにゴールする。
具体的な名前を挙げるならば、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)のような上りスプリント力のある選手に有利なコースレイアウト。もちろんワンディクラシックで好成績を残すダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)も優勝候補の一角だ。
出走サインはビーチに突き出た桟橋の上
ジロ第13ステージは再びビーチリゾートをスタートした。
リード・ディ・カマイオーレはリグーリア海のビーチリゾートで、海岸に沿ってブティックやリストランテが立ち並び、真っすぐな海岸通りを挟んでホテルが軒を連ねる。まだ海水浴シーズン入り前なのでホテル探しは簡単と思いきや、「本格的に海水浴客が来る6月まで休業している」という安宿も多くて苦労した。
出走サインが行なわれたのはビーチから突き出した桟橋の上!「どうだ、斬新だろう」とスタッフは語ってくれたが、正直言って桟橋の強度が観客の重さに耐えられるかが心配で仕方がなかった。
連日レース中継する国営放送のRAIのスタッフは今日も数えきれないほどいる。仲のいいジェノヴァ出身のチッコ(あまり働いているのを見たことが無い)に聞くと、スタート地点とゴール地点、レース中盤のスタッフを合わせると、150人以上がジロに帯同しているという!
ツール・ド・フランスより規模が小さいとはいえ、選手、チームスタッフ、レーススタッフ、メディア、キャラバンを含めると、ジロとともに移動している人数は1000を超える。
休息日レポートで紹介したウンベルト・パオーリさんの「昔のジロはイタリア各地を巡る冒険のようなものだった。コース上の街は熱心に選手たちを迎えた。今は商業的になってしまって・・・」という言葉が頭から離れない。ジロの国際化&ツール化は、商業的な成功の影でイタリアらしさを失っているとの声も聞く。
イタリアはディルーカに願いを託す
前日の個人タイムトライアルでロシア人メンショフに移ったマリアローザだが、イタリア国内ではダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)を総合優勝候補に推す声が強い。ガゼッタ紙がネット上で行なっている(チンクエテッレ個人TTの結果を考慮しての)優勝者予想アンケートではディルーカが45%でトップだ。
2位は25%で現マリアローザ着用者のメンショフ。開幕前にマリアローザ最有力候補に挙げられていたイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)が12%の3位、リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)が11%で4位に続く。ロシアで同じアンケートを取れば90%がメンショフと答えそうだが・・・。
リクイガスのエース体制に疑問を投げかける論調もある。チーム関係者に聞くと、今後もバッソとペッリツォッティのダブルエースに変わりないという。昨年総合4位のペッリツォッティは今年こそ表彰台を狙いところだろう。しかし優勝者予想アンケートでペッリツォッティに投票した人は僅かに3%だ。
止められない止まらないカヴェンディッシュ
横目に広がるビーチで泳ぎたい衝動を抑えながらスタート前に出発。前日の現地レポートの繰り返しになるが、この日も晴天だ。
ゴール地点は花の街フィレンツェ。イタリア観光旅行には欠かせない街であり、観光ポイントが徒歩圏内にまとまっているため個人的にもお勧めしたい街だ。街の中央に佇むドゥオーモは壮観で、中心部から20分ほど歩いた高台のミケランジェロ広場から見るレンガ色の街は何時間でも見ていれる。
これまで数十回に渡ってジロを招き入れており、前回は2005年の個人TTのゴール地点として登場。当時はデーヴィット・ザブリスキー(アメリカ)が最速タイムを叩き出し、ディルーカが数秒差でマリアローザを辛うじて守った(最終的にサヴォルデッリが総合優勝)。
そのフィレンツェ出身のレオナルド・スカルセッリ(イタリア、ISD)がレース序盤から飛び出した! 10km地点、熱せられた長い直線路でカメラを構えると、“逃げ水現象”の中をスカルセッリ3人が登場。メイン集団は完全にペースを落としていたが、次に45km地点で見たときにはガーミンがペースを上げていた。
平坦ステージではアメリカの2チームが元気だ。ガーミンとチームコロンビアが束になって集団のスピードを上げると、逃げていた3名の冒険は敢え無くエンディングを迎えた。
ゴール地点はフィレンツェ西部の競馬場とアルノ川に挟まれた直線路。先導車や警察バイクが巻き上げた砂埃に包まれ、遠くからスプリンターが慌ただしく動いているのが見える。砂埃の中から、大柄なアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)と低姿勢のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)が先頭で現れた。この両者は遠目にも判別が容易だ。
カヴェンディッシュはラスト30mでチラッと視線を振ってペタッキの位置をチェック。先頭を譲らないカヴが、ペタッキとの一騎打ちを制した。気づけばカヴは今大会3勝目。チームコロンビアは13ステージ中なんと6勝目!
トスカーナ州での平坦ステージを終え、翌日ジロは山岳地帯を抜けてエミリア・ロマーニャ州に入る。州都ボローニャ南部に位置する長さ2100m、最大勾配16%の急坂を駆け上がってサンルーカにゴールする。
具体的な名前を挙げるならば、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)のような上りスプリント力のある選手に有利なコースレイアウト。もちろんワンディクラシックで好成績を残すダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)も優勝候補の一角だ。
フォトギャラリー